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Home / 恋愛 / あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。 / chapter27

chapter27

Author: 水沼早紀
2025-06-23 09:10:06

 私が藤堂さんにそう告げると、藤堂さんは私を睨みつけ、「いい加減にしてくれる?……いい?恭平さんとは別れてもらうから」と顔を近付けられる。

「イヤです。私は絶対に別れませんから。……失礼します」

 私は藤堂さんにそう告げると、カバンを手にお店から出た。

 課長に早く会いたい。課長に触れてほしい。 抱きしめてほしい。

「敵う訳、ないじゃん……」

 あんな人がいたら、私は到底敵わない。あの人の方が、強いと感じた。

 そう思った時だったーーー。

「あら、瑞紀?」

「……沙織?」

 沙織が私の前に歩いてきた。

「どうしたのこんなところで。 なんかあったの?」

「っ、沙織……」

 私は沙織に抱き着いた。

「瑞紀、どうしたの。大丈夫?」

「私……。私ね……」

 上手く言葉が出ない私に、沙織は優しく「大丈夫よ。話なら私が聞いてあげるから。 だからゆっくりでいいから、話してみなさい」と言ってくれる。

「……私は、どうしたらいい?」

「え……?」

「私、幸せになっちゃいけないの?」

 私が沙織にそう言うと、沙織は「なに言ってんのよ。幸せになっちゃイケない訳がないでしょ? なんなら、人間は幸せになるべき権利を持ってるんだから、幸せになるべきなのよ」と言ってくれる。

「……いいんだ。幸せになっても」

「当たり前でしょ。この世の中に幸せになっちゃイケない人なんて、いないのよ」

「っ……ありがとう」

 そうだよね。私、幸せになってもいいんだよね?

 私が幸せになっちゃイケないなんて、そんなこと誰が決めたの?

 私は、課長と幸せになりたい。私は課長のそばにいたい。 課長を誰よりも愛してるのは、私だなんだから。

「ね、沙織?」

「ん?」

「私が今から話すこと、真剣に聞いてほしいんだ。……歩きながらでも、いいかな」

「うん」

 私は歩きながら、ゆっくりと口を開いた。

「……驚かないで、聞いてほしいんだけどさ」

「なによ。急に改まっちゃって」

「実は私ね……課長のことが好きなの」

 私がそう告げると、沙織は何も言わずに黙っていた。

「この前沙織に話した、身体の関係がある人って……実は課長のことなの」

 私がそう話しても、沙織はずっと口を閉ざしたまま私の話を聞いてくれている。

「課長も私のことを好きでいてくれてるの」

 なんか、この後の言葉を言うのがとても怖い。でも、沙織には言わなきゃって
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