Mag-log in主人公の瑞紀は、仕事でヤケになっていたある日、バーでで出会った男性と一夜を共にする。 もう二度と会うことはないと思っていた矢先、しかしその男性が瑞紀の前に再び現れたのだった。 なんとその男性は、瑞紀が働く会社の課長としてやってきたのだった。 瑞紀は課長から密かなアプローチにどぎまぎしながらも、秘密の恋にのめり込むようにようになり……。 お互い両思いな二人なのに、関係はセフレのまま進展せず。そこに課長の元妻である静香がそこに入り込み、ふたりの仲を引き裂こうと策略しはじめる。 そんな二人の恋は前途多難なのか……? 課長と部下である二人の秘密の恋の行方はどうなるのか? 瑞紀が最後に選択する答えは……?
view more「えっ!課長、結婚するんですか!?」「はい。 実はみんなに内緒で親密に交際を続けていたのですが、この度結婚することになりました。 皆さん、急な話で驚かせてすみません」 課長がそう話すと、みんなが「おめでとうございます、課長!」とか「おめでとう!佐倉さん!幸せになってね!」と拍手してくれた。「ありがとうございます。 報告は以上です。お時間を取らせてしまい申し訳ありません。……聞いてくださり、ありがとうございました」「あ、ありがとうございました!」 か、課長……本当に言っちゃった。結婚すること、本当に言っちゃった。「結婚おめでとうございます、先輩」「ありがとう、英二」 みんなにこんなに祝ってもらえるなんて、本当に私は幸せだな。「末永く幸せになってくださいね、先輩」「うん、ありがとう英二」 末永く、幸せにか……。そうだよね、末永く幸せにならなきゃね。* * * それから一年後ーーー。「恭平さん、どうですか?」「似合うよ。とてもキレイだ」「ありがとうございます。……恭平さんも、とても似合ってます」「そうか?」「はい。とてもカッコイイです」 今日はとうとう待ちに待った私たちの結婚式だ。 嬉しい気持ちの反面、やっぱり少し不安もあるけど。 でもついに私たちは今日、本当に"夫婦"になるんだよね。「じゃあ行こうか。そろそろ式が始まる」「はい」 鏡に映る自分を見てると、なんだか別人みたい。ウェディングドレスを着ている自分が、まだ信じられない。 でも私の昔からの夢がついに叶う時が来た。 小さい頃から夢見てた、好きな人と結婚という夢が。 そしてウェディングドレスを着るという夢が、それをついに叶えられる日が来た。「……ねえ、お父さん」 お父さんの隣に立って静かに口を開いた。「なんだ?」「今日は来てくれてありがとう」 私の言葉に、お父さんは「なんだ。いきなり?」と私を見る。「私ね、今すごく幸せなのよ」「……そうか。幸せか」「うん、世界一で一番幸せ」 お父さんと話をするのは、多分お父さんの誕生日以来だと思う。 お父さんは昔からあんまり話をする方ではなくて、割と無口な方だった。 お父さんとお母さんが離婚してからは時々、メールや電話で連絡を取ってはいたけど。 お父さんずっと、影では私の心配をしてくれていたみたいだった
するとーーー。「か、課長! おはようございます!」 私より三十分くらい遅れて会社にやってきた課長は、なんだかすっきりした表情をしているようにも見える。「おはようございます。……佐倉さん、ちょっといいですか?」 出勤して早々、課長に呼び出された。「え? あ、はい」 え、なんだろう……?「課長、どうしたんですか? 何かありましたか?」 課長は私に「瑞紀、今から常務のとこに行くぞ」と言い出した。「え? 常務のところへ……ですか?」「ほら、俺たちはもう結婚するだろ? 常務には報告しないとダメだと思ってな」「あ、はい。……確かにそうですね」 私たち、本当に結婚するんだよね……。なんだかまだ実感が沸かないな……。「どうした?」「いえ。……ただ、まだちょっと実感沸かないなって思って」「まあ、そうだよな。 でもそのうち実感も沸いてくるだろう」 課長に言われて、私は「はい」と返事をした。 だって昨日、私は課長にプロポーズされたから。一番幸せなのではないと思っている。「よし、じゃあ行くぞ」「……はい」 緊張するけど、挨拶……しないとだもんね。「瑞紀、心の準備はいいか?」 課長にそう言われて「は、はい」と返事をした。 課長がドアをノックすると、「はい。誰かな?」とドアの向こうから声がした。「斎藤です」「ああ、君か。入りなさい」「失礼します」 私は課長と一緒に常務のいる部屋の中へと入った。 常務のいる部屋に入る度に思い出す。アメリカに旅立つ前のあの時のことを。 やっぱりいつ入っても、ここは緊張する。「今日はどうしたんだい? 佐倉くんと一緒だなんて珍しいじゃないか。なにかあったのかな?」 常務がそう言いながら、私たちの方に振り向く。「はい。……実は常務に一つ報告したいことがあり、ここに来ました」「報告……というと?」 常務は私たちを見つめている。「はい。 実はこの度、佐倉さんと結婚することになりました」「ほう!そうかい。 それはめでたい!おめでとう斎藤くん、佐倉くん!」「ありがとうございます」「あ、ありがとうございます」 課長は常務に嬉しそうな微笑みを浮かべている。「まさか、君たちが結婚することになるとは……これは驚いたな」 常務のその言葉に、課長は「すみません。隠すつもりはなかったんですが」と話してい
「俺と結婚しよう、瑞紀」 その言葉は、私がもしかしたらずっと聞きたかった言葉なのかもしれない。 心のどこかで、きっと期待していた言葉に違いなかった。「結婚……? 私と?」「ああ。瑞紀がアメリカに行った日からずっと考えていたんだ。……瑞紀が帰ってきたら、プロポーズしようって」 その言葉を聞いて、思わず泣きそうになった。「……本当、ですか?」「ああ。もう瑞紀が俺から離れていくのは、イヤなんだ。……もう俺のそばから離したくない。ずっと、瑞紀のそばにいたいんだ」 本当に……? まだ信じられないーーー。「っ……ありがとう、恭平さん。 私ももう、恭平さんのそばから離れたくないです……」 そんなの決まってる。今更離れられる訳がない。「じゃあ俺と、結婚してくれるか?」「……はい。よろしくお願いします」 こんなに嬉しいプロポーズはない。 まさかここでプロポーズされるなんて思ってなかったから、ビックリしている。「ありがとう、瑞紀。……愛している」 課長に力強くギュッと抱き締められる。「……はい。私も世界で一番、愛してます」 私は課長にプロポーズにされたことが嬉しくて、ずっと涙が止まらなかった。 * * * 「おはよう、瑞紀」「あ、おはよう沙織」 翌日出勤した私に、沙織は「どうしたのよ?やけにご機嫌ね。 なんかいいことでもあったの?」と嬉しそうに聞いてくる「まあ……そんなとこかな」だって昨日、私は課長にプロポーズされたから。一番幸せなのではないと思っている。「……なるほど、そういうことね」「え? なに?」「アンタ、もしかして課長となにか進展した?」 そう言われて思わず「えっ!なんでわかったの?」と沙織を見てしまう。 「やっぱりね。アンタの顔見れば、幸せなのがわかるわよ」「ええ? 私ってそんなにわかりやすいかな?」 と沙織に言うと、沙織は「アンタはわかりやすいわよ。アンタの考えてることなんて、透け透けよ。レースの下着みたいにね」とニヤニヤと微笑む。「れ、レースの下着って……エロい例えやめてよ」「あら、アンタの心はレースの下着でしょ?」 れ、レースの下着って……どこがっ!?「そうなの?」「そうよ。アンタの心はレースの下着よ」 初めて言われたよ、レースの下着なんて。 どういう例え? 「で、どんないいこ
「なんだ。本当は最初からそのつもりだったんじゃないのか?」 課長にまるで見透かしていたかのようにそう言われて、「えっ……あ、それは!」としどろもどろになってしまった。 そんな私を見て課長は「やっぱりな」と口にした。「な、なんでわかっちゃうんですか……?」 私って、そんなにわかりやすいかな……?「前に言っただろ。瑞紀のことならなんでもわかるって」「えっ……あっ」 は、恥ずかしい……! 穴があったら入りたい!「じゃあ瑞紀のお望みど通り、今から俺が瑞紀のこと、たくさん可愛がってやるか」 課長は怪しくニヤリと微笑んでいる。「……は、はい」 そして課長は家に着くなり、すぐに私を寝室のベッドの上に押し倒した。「……んっ」 私はすぐに課長の甘いキスに溺れていく。 唇を重ねながら、私の着ていたシャツのボタンを器用に外していく課長のその手が少し強引だった。「待って課長……まだシャワー、浴びてないですよ……?」 そう言って課長の手を掴んだのに、課長は「シャワーなんか浴びなくても、瑞紀は充分キレイだから」と言ってシャツのボタンを全部外した。「で、でも……」「俺は今すぐにでも、瑞紀が欲しい。 我慢出来ない」 私の耳元でそう囁いた課長には当然勝てるはずもなくて、そのままどんどん課長の甘美な身体に流されていってしまう。 付けていたピンクのレースのブラジャーのホックを素早く外され、ベッドの下に投げ捨てられた。 私の上半身に身に着けていたものは無くなったせいか、恥ずかしさがこみ上げてきてしまう。 課長の上半身も露になっていて、さらに緊張とドキドキが増して行く。 課長とは何度もこうして身体を重ね合っているというのに、未だにこの恥ずかしさは拭いきれない。 どうしたらいいのだろうか。「瑞紀……キレイだ」「恭平さん……っ、んっ」 課長は私の首筋に吸い付くようにキスをした。「きょっ……へいさんっ」 課長に触れられた部分全てが熱を持って、次第に熱くなっていく。 課長に触れられる度、自分がおかしくなりそうなくらい恥ずかしさで埋め尽くされていく。「瑞紀……愛してる」 そして私はまた課長との甘いキスに溺れる。「私も……愛してます……っ」 課長のことをこんなにも愛している。 もう課長と以外、恋なんて出来ない。「瑞紀……」
「そうだね。小さい時はみんなカワイイからね」「アンタにもそんな時代があったのよね」 沙織がそんなことを言うから、「なっ、失礼じゃない!私にだってカワイイ、子ども時代あったんだから!」と思わず言ってしまった。「そりゃ、失礼しました」「もう。……ねえ、沙織?聞いてもいいい?」「今度はなによ」「沙織はさ、結婚して良かったと思う?」 沙織に聞いてみたいな、結婚して変わったこととか。「なに、いきなり?」「うん。沙織はさ、なんか結婚して何か変わったのかなって思って」 そう聞いてみたけど、沙織は「そうねえ。家族になったっていう実感はあるけど……根本的には、あんまり大きく変わってはないか
「頑張ってくださいね、先輩。 これからも俺の指導、よろしくお願いしますね」 と英二に言われたので「……アンタの指導はもうこりごりなんだけど」と冗談混じりで言ったのに、「これならもよろしくお願いしますね、先輩?」と英二に笑顔を向けられる。 なんだろう。久しぶりの再会で嬉しいはずなのに、なんだか複雑な気分だ。 感動の再会かと思いきや、なぜか話がここに持っていかれるとは……。 でもみんなとまた仕事が出来るのだと思うと、すごく嬉しい。 みんないつもと変わらぬ態度で接してくれたから、また楽しく仕事ができそうだな。 私、またここで頑張ろう。課長とも会えたし、寂しさをこれで埋められる。 英二
課長とこうして過ごせる日が、とんでもなく幸せに感じるのはきっと、課長のことが愛おしいからだ。 課長の隣にいるだけで安心するのは、きっと課長の温もりが心地良いからだ。「先輩、どうぞ」 飲み物を買いに出た英二は、私の分の飲み物も買って来てくれたみたいで、手渡してくれた。「え?いいの? ありがとう」 英二からカフェオレを受け取ると、英二は「いや、それがなぜかブラックを買ったら、カフェオレが出て来たんですよ。不思議ですよね?」と私に問いかけてきた。「なに、そういうこと? まあ、確かに私も一回だけあったけどね」「なんでですかね? 参っちゃいますよね」「そういう時もあるってことね」
「一応、考えてたつもりだったんだけど、まだまだだったな」「自分のこと考えてるなら、もう少し自分のことで手一杯になるでしょ? 人のことを心配する余裕なんてないのよ?」「そ、それは……」 確かにそれは、沙織の言う通りだ。 私は沙織のことを考えすぎている気がする。「ねえ瑞紀、お願いだからちゃんと自分のこと考えてちょうだい。私の心配なんてしなくていいから。……それに私はもう大丈夫だから」「……沙織」「私はアンタにたくさん助けられた。 だから私はアンタがすごく大事なのよ。すごく大切なの。だから、瑞紀にも幸せになってほしい」 沙織がそう言ってくれたおかげで、私も自分の幸せをもっと考えなけれ