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Home / 恋愛 / あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。 / chapter28

chapter28

Author: 水沼早紀
2025-06-24 09:34:09

 でも沙織にそんなことを言われてから、条件だけじゃいい恋愛はできないということを知った。

 だからもうそんな理想は捨てて、今は本当に私を愛してくれる人と幸せになりたいと思う。

 でも今はその条件なんて気にしてないし、課長とだけ幸せになれればそれでいい。 課長のことが、好きで好きでたまらないから。

「……私ね、課長のこと、本当に好きなんだ」

 沙織は私を優しい目で見ている。

「課長も好きだって言ってくれて本当に嬉しくて。……だから私、ずっと課長のそばにいたいの」

「……ん、頑張りな」

 沙織は私の肩に手を置くと、小さくそう呟いた。

「うん……ありがとう、沙織」

「またいつでも、話聞くからね」

 沙織に話したら、なんとなく気分がスッキリした気がした。

「……アンタ、成長したね」

 ふとそう呟いた沙織に、私は「え……?」と沙織を見た。

「今のアンタ、すごくキラキラしてるもん。……昔のアンタとは、大違いね」

「……そう思う?」

「思うよ。 昔のアンタは、イイ男の条件にばっかりこだわってたから、彼氏が出来てもあまりいい恋愛が出来なかったじゃん?……でもね、今のアンタは違うって分かるよ」

 沙織がそう言ってくれたことが嬉しくて、なんか元気が湧いてきた。

「今のアンタは、課長のことを本当に一途に想ってるし、真っ直ぐに課長とぶつかろうとしてる。……それってさ、アンタが成長したってことでしょ?」

「成長……」

「今のアンタはすごく生き生きしてるし、輝いてる。 だから課長と幸せになりなさい」

 沙織は私の手を握ると、「私にとっての幸せは、アンタがとにかく幸せになること。 確かに自分の幸せも大事だけど、アンタの幸せのが大事だから」と言ってくれる。

「ありがとう、沙織。 私、幸せになりたい。……ううん、絶対幸せになるから」

「うん、頑張って」

 沙織の優しさはどこか温かくて、でも優しさに包まれてる。 そんな友達を持った私って、きっと幸せなのだと思う。持つべきものは、友だ。

「今日色々とありがとう、沙織。……沙織にはいつも、助けてもらってばかりだね」

「なに言ってんの。アンタの幸せが一番だって言ったでしょ」

「うん……ありがとう」

「じゃあ、私こっちだから」

「うん。じゃあね」

 私は沙織に手を振ると、そのまま家に帰った。

* * *

 ん……? あれ?家の前に、誰かいる……?
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