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Home / 恋愛 / あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。 / chapter31

chapter31

Author: 水沼早紀
2025-06-26 08:11:40

✱ ✱ ✱

「お疲れ様でした。お先に失礼します」

 今日一日の仕事を終えた私は、帰る準備をした。

「……ふう」

 今日は、なんだか疲れた。 仕事が大変だったっていうのもあるけど、一番は藤堂さんのことを考えてしまっていたから。

 藤堂さんは、私に想いの丈をぶつけてきた。 だから私も、想いの丈を自分なりにぶつけた。

 藤堂さんはとても冷たい目で私を見ていたけど、私は課長が好きだから。だから自分なりに気持ちを伝えたつもりだ。

 私課長を好きな気持ちは誰にも負けないし、誰よりも課長のことを理解しているつもりだ。

 だからこそ、課長を藤堂さんには取られたくないって思った。

「……はぁ、帰ろうっと」

 私は複雑な気持ちを抱えながら家に帰った。

「ただいま」

 誰もいないリビングには、静けさだけが残る。

「疲れた……」

 そのままベッドに直行した私は、疲れていたせいか、いつの間にか眠りに落ちていた。

 その日私は、夢を見た。 その夢の内容は、課長と私が結婚していて、かわいい子供もいて、その子供と三人で仲良く暮らしてる夢だった。

 その夢の中にいる私はとても幸せそうで、課長も幸せそうだった。

 みんな幸せそうに笑っていて、本当に幸せな家庭なんだって思った。

 そんな夢を見ていたからか、いつか課長とこんな幸せな家庭を築けていければいいな……なんて思っていた。

「……んん……?」

 何時間寝ていたかなんて、全く分からない。 ただ覚えているのは、キッチンからいいニオイがしてきたことだけだ。

「……んっ」

 ふと目を覚まして時計を見ると、時計の針は八時過ぎを示していた。

「八時……か」

 ……ん? 八時……?

 えっ……! やばっ!完全に遅刻だ!

 急いでベッドから飛び起きて、リビングに向かうと、そこにはーーー。

「えっ……?」

 えーっ!? な、なんで……!?

「な、なななっ……」

 ど、どうして……?!

「おはよう、瑞紀。起きたか?」

 朝からニコッと爽やかな笑みを浮かべる、目の前の男性は、課長だった。

「え?……な、なんで?」

 なんで課長がここにいるの!? えっ、ちょっと待って! 一体、何がどうなってんの!?

 確かに目の前にいるのは課長で、しかも呑気にコーヒーなんて飲んでいるし。

「まあまあ、座ってコーヒーでも飲もう、瑞紀」

「はい……じゃなくて! なんで
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