パーティーの間じゅう、私はずっと心の中で怒りを抑え続けていた。
早く終わって、早く帰りたい。
――そう思っていたのに、終了間際、イーサンの母に声をかけられた。
「シンシア、今日来てくれて本当に嬉しかったわ。ずっと会いたかったのよ」
彼女は終始にこやかで、私の手をしっかりと握ったまま話し続けた。
その間、シルヴィアは黙ったまま立ち尽くしていた。
さっき、彼女がイーサンの母に挨拶をしたときは、冷たい反応だったのに。
今、私は手を取られて、笑顔で迎えられている。
シルヴィアの表情が強張っているのが、横目に見えて分かった。
けれど、イーサンの母はそんな彼女の様子など一切気にせず、私の手をイーサンの手に重ねてきた。
「大学に入ったら、あなたたちはもっと近い存在になるのよ。イーサン、男の子なんだから、ちゃんとシンシアのこと守ってあげなさい。もう、彼女を泣かせるようなことしちゃだめよ」
するとイーサンは、その手をすっと振り払って、低く鼻で笑った。
「もう俺の助けなんて必要ないよ。連絡先だって、いまだにブロック解除してくれないし」
その声には、ほんの少し拗ねたような響きが混じっていた。
その空気を裂くように、シルヴィアが口を開いた。
「叔母さん。私もロサンゼルスの大学に出願してるのです。だからイーサンとはお互いに支え合えると思って。
それに、シンシアはマサチューセッツ工科大学でしょ?場所もかなり離れてるし、普段会うことなんてないと思います」
淡々と、でもしっかりと――
爆弾のような言葉を落とした。
その瞬間、イーサンの表情が一変した。
「……マサチューセッツ工科大学、だって?」
彼の視線が私に突き刺さる。
まるで問い詰めるように、理由を求めるように。
そして隣では、彼の母も目を見開いていた。
「シンシア、それ本当なの?大学、変えたの?」
私は小さくため息をついた――もう、これ以上は隠し通せない。
周囲の視線が突き刺さる中、うなずいてから、はっきりと口を開いた。
「はい、叔母さん。私、マサチューセッツ工科大学の方が合っていると思ったんです。それで志望校を変えました。ちゃんとお伝えできてなくて、ごめんなさい」
イーサンの顔から、あっという間に血の気が引いた。
「は?お前、