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Home / 恋愛 / あの夜を捧げて笑われたけど、私はMITに合格した / 第7話

第7話

Author: スカーレット・フレイム
パーティーの間じゅう、私はずっと心の中で怒りを抑え続けていた。

早く終わって、早く帰りたい。

――そう思っていたのに、終了間際、イーサンの母に声をかけられた。

「シンシア、今日来てくれて本当に嬉しかったわ。ずっと会いたかったのよ」

彼女は終始にこやかで、私の手をしっかりと握ったまま話し続けた。

その間、シルヴィアは黙ったまま立ち尽くしていた。

さっき、彼女がイーサンの母に挨拶をしたときは、冷たい反応だったのに。

今、私は手を取られて、笑顔で迎えられている。

シルヴィアの表情が強張っているのが、横目に見えて分かった。

けれど、イーサンの母はそんな彼女の様子など一切気にせず、私の手をイーサンの手に重ねてきた。

「大学に入ったら、あなたたちはもっと近い存在になるのよ。イーサン、男の子なんだから、ちゃんとシンシアのこと守ってあげなさい。もう、彼女を泣かせるようなことしちゃだめよ」

するとイーサンは、その手をすっと振り払って、低く鼻で笑った。

「もう俺の助けなんて必要ないよ。連絡先だって、いまだにブロック解除してくれないし」

その声には、ほんの少し拗ねたような響きが混じっていた。

その空気を裂くように、シルヴィアが口を開いた。

「叔母さん。私もロサンゼルスの大学に出願してるのです。だからイーサンとはお互いに支え合えると思って。

それに、シンシアはマサチューセッツ工科大学でしょ?場所もかなり離れてるし、普段会うことなんてないと思います」

淡々と、でもしっかりと――

爆弾のような言葉を落とした。

その瞬間、イーサンの表情が一変した。

「……マサチューセッツ工科大学、だって?」

彼の視線が私に突き刺さる。

まるで問い詰めるように、理由を求めるように。

そして隣では、彼の母も目を見開いていた。

「シンシア、それ本当なの?大学、変えたの?」

私は小さくため息をついた――もう、これ以上は隠し通せない。

周囲の視線が突き刺さる中、うなずいてから、はっきりと口を開いた。

「はい、叔母さん。私、マサチューセッツ工科大学の方が合っていると思ったんです。それで志望校を変えました。ちゃんとお伝えできてなくて、ごめんなさい」

イーサンの顔から、あっという間に血の気が引いた。

「は?お前、
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