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Home / 恋愛 / たとえ、この恋が罪だとしても / 6・スタジオで

6・スタジオで

Author: 泉南佳那
2025-06-25 09:04:23

この人、どうしてこんなに人を和ませる顔をするんだろう。

旧知の友だちに見せるような笑顔。

わたしたち、まだたった2回しか会ったことがないのに。

奥にもう一つの部屋につながる扉があった。

わたしはまずその部屋に入るように促された。

「でも、来てくれるってわかってたよ。なんでだろう? わかんないけど、きみが来ないはずないって思ってたよ」

「……こんな高価なもの預けられたら、来ない訳にいかないじゃないですか」

彼はいたずらが成功した子供のように、目を輝かせた。

「じゃあ狙いは当たったんだ。なんとしてももう一度会いたかったんだ、きみに」

まるで愛の告白のような言葉を口にしながらじっと見つめてくる。

わたしは思わず視線を外して下を向いた。

赤く上気してくる顔を隠したかった。

「でも、あの、わたしモデルなんて無理です。だいたい写真撮られるの苦手で、いっつも変な顔になっちゃうし……」

何が何でも断ろうと必死だった。

でも目の前の人は余裕の表情で見つめてくる。

わたしが断ることなんて、最初からお見通しって顔で。

「とにかくさあ、せっかく来てくれたんだし、一度だけ撮ってみようよ。自分で言うのもなんだけど、結構レアな機会だよ。無料(ただ)でプロに写真撮ってもらうのは」

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