柾朗の母は震える手でスマホのアルバムを開き、あの数枚のウェディング写真を探した。
幸い、写真はまだあった!
震える手で写真を柾朗に差し出した。「柾朗、見て、杏惟よ、杏惟は......」
柾朗の元々虚ろだった眼差しは、ウェディングドレスを着て幸せそうに笑っている写真の中の杏惟を見た時、ついに反応を示した。
彼はスマホを奪い取り、まるで一筋の希望を掴んだかのようだった。
「杏惟......僕の杏惟......」彼は写真を見つめ、涙が無言で流れ落ちた。
彼は嬉しくて、部屋から駆け出し、写真を持って写真館を見つけ、杏惟の写真を等身大のパネルにした。
がらんとした新居で、柾朗は等身大のパネルをリビングの中央にそっと置いた。
同時に、ホテルの宴会場では、杏惟が真っ白なウェディングドレスを纏い、華やかで美しく、清隆と結婚式を挙げていた。
清隆は優しく彼女の手を取り、指輪を嵌めた。二人は健やかなるときも、病めるときも、富めるときも、貧しいときも、喜びのときも、悲しみのときも、死が二人を分かつまで愛し、慈しみ、貞節を守ると誓った。
壇の下では、招待客の祝福の声が次々と上がった。
ちょうどその時、柾朗の母がふらつきながら乱入してきた。彼女は「ドサッ」と杏惟の前に跪き、声涙倶下だった。
「杏惟、お願い、柾朗に会いに行ってあげて!彼......彼はおかしくなっちゃったの!」
清隆は微かに眉をひそめ、杏惟を見て、優しく言った。「杏惟......」
杏惟は跪いている柾朗の母を平静な眼差しで見つめ、口調は淡々としていた。「彼はもう私と何の関係もありません。今日結婚式です。彼が本当に狂ったとしても、それは自業自得です」
柾朗の母はまだ何か言おうとしたが、杏惟はもう相手にせず、振り返って清隆の腕に腕を絡ませ、結婚式の舞台の中央へ向かった。彼女は地面に倒れたまま、絶望的に泣き叫んでいた。
一方、柾朗はがらんとした新居に立ち、あの等身大のウェディング写真パネルをぼんやりと見つめ、以前彼が杏惟のために用意した様々なウェディングドレスを写真の杏惟に着せていた。
「杏惟、この星空ドレスが一番君の雰囲気に似合うよ......このシャンパン色の、君が着たらきっとお姫様みたいだ......」
彼は毎日写真に向かって馬鹿みたいに笑い、話しかけ、一日三食も二人分用意し、一つは自分に、