-104 神の目的-
王女のペプリは2人に迫られ怖気づいてしまっていたが、正直に自らの腹痛の理由を話そうとしていた。震えながらも重い口を開く。
ペプリ「2人共何か勘違いしてない?吐き気なんてしてないし相手って何?それと今一番食べたいのは大好きなカレー!!」
一柱の神と称される古龍は開いた口が閉まらなくなっている、その隣でアーク・ビショップが冷静に尋ねた。
メイス「では王女様、腹痛はどこから来ているのです?」
クォーツ「メイスさん・・・、多分俺ですわ。急いで来たんだけど間に合わなかったみたいです。」
ゆっくりと挙手するクォーツ、どうやら今回の訪問に大きく関係しているらしい。
クォーツ「ペプリ・・・、今朝何食べたんだ?」
ペプリ「クォーツ姉ちゃんが送ってくれた生牡蠣だけど。」
古龍は頭を抱えた。
クォーツ「やっぱりか・・・、悪かった。生食用と間違えて加熱用の物を送っちゃったんだわ。それに当たっちゃったみたいだね、本当にごめんなさい。メイスさん、回復魔法(ヒーリング)をお願い出来ますか?」
メイス「勿論です、すぐしますね。」
メイスはペプリのお腹に手を当て魔力を込め始めた、痛みが引いて来たらしくゆっくりと落ち着いた様子で深呼吸をしている。
クォーツ「本当にごめんなさい、カキフライにして俺が食べようとした方だったんだ。何かお詫びをさせてくれや。」
どうやら神は謝罪の為に来たようでお詫びとして何か自分に出来ることは無いかと尋ねると王女は空を飛んでみたいと答えた、幼少の頃からずっと王宮に籠りきりなので「自由」というものを改めて感じてみたいのだという。
クォーツ「そんな事なら俺の背中に乗ると良い、飽きる位まで飛んでやるよ。」
ペプリ「えっ・・・、本当に良いの?」
メイス「王女様、いけません。一柱の神に乗るなど罰が当たります!!」
クォーツが原因は自分にあるのだからと必死になってメイスを宥めようとしている、その様子を見てペプリはクスクスと笑っていた。
そんなペプリを横目にクォーツは古龍の姿に変化し、自らの背中に招待した。
クォーツ「罰が当たる訳が無い、俺の方に非があるんだし了承しているんだから。さぁ、おいで。」
王女がキラキラと目を輝かせ招待されるがままに古龍の背中に乗ると、古龍は大きく翼を広げ空へと上昇していった。
メイス「あらあら。まぁ、いいか。光さん、すみ