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Home / 青春 / (改訂版)夜勤族の妄想物語 / 3. 「異世界ほのぼの日記」87

3. 「異世界ほのぼの日記」87

Author: 佐行 院
2025-03-25 13:30:40

-87 宴は続き-

 ネスタと結愛による黒毛和牛の解体は続いた、2人も調子が出て来たのかありとあらゆる部位がお目見えしていく。

結愛「先程の肩ロースに続きましてリブロースのお出ましですよ、美味しく食べて下さいね。」

 結愛が出てきたばかりのリブロースを受け取ったヤンチが目にも止まらぬ早業で焼き肉用のお肉に仕上げる。

ヤンチ「実は今日の為に家で育てた果実を使ったタレを持参して来ました、タレ漬け焼肉にしますので板長お願いします。」

 御厨板長はヤンチに今日は仕事を忘れさせる様に伝えるべくあるルールを作っていた。

御厨「ヤンチ・・・、今日の俺達は休みだ。という事は分かってるよな?」

ヤンチ「わ、分かったよ親父。」

 ヤンチは御厨の事を仕事の時以外は昔の様に『親父』と呼んでいた。両親の顔を知らない孤独なウェアタイガーだったヤンチは、美味い食事を与えた御厨を本物の父親の様に慕い、自分も美味い料理を作りたいと御厨の下で言葉と料理を勉強し続けている。今となっては立派な板前、いや花板と言っても過言ではない位の実力を持っているが決して驕らず一途に料理を探求し続けていた。

 そのヤンチが自ら持参したタレで肉に味付けをする、それには師匠であり育ての父の御厨も興味津々だ。

御厨「ヤンチ・・・、俺も食って良いか?」

ヤンチ「良いけど・・・、不安だな。」

御厨「自分の料理に自信を持て、お前は仕事の時も自分が納得していない味の料理をお客様に出しているのか?」

ヤンチ「それは・・・、ないけど・・・。」

御厨「本当か?迷いがある言葉だな。」

ヤンチ「自分ではまだ発展途上だと思っているからかな、でもこのタレは素材から全部作って味見をしながら作った。」

御厨「汗と涙の結晶か。それじゃ何故不安になるんだ、是非俺にも味わわせてくれ。」

ヤンチ「いや・・・、あの・・・。」

 御厨がタレ漬けにしたリブロースを自ら焼き1口食べる。

御厨「ぐっ・・・、かっ・・・。」

ヤンチ「だから不安だったんだよ、親父唐辛子苦手だろ。」

御厨「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 辛い物が大好きなヤンチはビールや白飯に合う様に自宅で育てた果実と一緒にハバネロやブート・ジョロキア、そしてトリニダード・スコーピオンと言った様々な唐辛子を加えていた。

 御厨は白米とビールの両方を一気に煽り、何
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