-㊷警察と王国軍、そして国民の友好関係-
林田「では将軍、宜しくお願い致します。」
将軍「かしこまりました。林田警部、お勤めご苦労様です。」
将軍の先導で冒険者達が王宮の下にある牢へと運ばれる、この国では刑務所や拘留所は王国軍の管理下となっているので常に連携を強く保っているのだ。
将軍「そうだ、思い出しました。林田警部・・・、ちょっとお耳を・・・。」
林田「どうしました?」
林田が将軍に耳を貸す、将軍が耳打ちで何かを伝えると林田警部は顔をニヤつかせ了承した。
ドーラ「あの2人ったら・・・、相変わらずね。」
呆れた表情をしているドーラをよそに林田と共にニコニコしながら将軍が大隊長に犯人の連行を指示し、周辺で静かにしていた冒険者に向けて一言。
林田・将軍「皆さん、お騒がせしました。今日は私たちの奢りです、じゃんじゃん呑んで下さい。」
冒険者達「流石だぜ、いつも気前がいいな。2人に乾杯!」
冒険者達は片手に持ったジョッキを2人に向けて振り上げた、張り詰めていた空気が一気に朗らかになる。
ギルドの従業員からジョッキを受け取った林田はビールを飲み干した。
将軍「林田警部、この後お仕事では?」
林田「いや、休日出勤です。全く・・・、優秀な犯人ですよ。ねぇ、ノーム刑事・・・。」
ドーラ「あ、いや、あの・・・、空いたジョッキ回収しまーす。」
警察署直通のベルと押し間違え、どうやら休日を満喫しようとしていた上司を呼び出してしまったと思われるその犯人のエルフはそそくさとした様子で客席へと逃げて行った。
女性「ニコフ、あんたも休みなんだろ?遠慮しないで吞みなって。」
女性の声に引かれる様に役目を終えた私服の将軍・ジェネラルのニコフが涙目になりながら振り向くと、パン屋で働く鳥獣人族で光の同僚であるキェルダがいた。仕事終わりにドーラから連絡を受けた光が林田の奢りで一緒に呑もうと誘っていたのだ。
光「ニコフって・・・、キェルダ!!いくら何でも将軍に失れ・・・。」
ニコフ「キェルダ・・・、会いたかった・・・。デート行けなくてごめん!」
光・林田「え?!」
キェルダ「こいつ・・・、あたしの彼氏。」
ニコフ「ど、どうも・・・、お初にお目にかかります。お、王国軍でニコフをしてます、将軍と申します。いつも彼女と林田さんからお話を伺っており・・・。」
キェルダ「何であんたが硬くなってん