-㊹本来の勝負-
呑み比べの結果が結果だけにギルド内は少しだけ気まずい雰囲気に包まれていたが光は全く気にしていなかった、酔いが回りすぎて周りが見えなくなっていた訳では無かったがもう皆倒れてしまっているのでもう相手をしてくれる人がいない。光は寂しさを紛らわすためドーラに声を掛けた。
光「ドーラぁ、ビールもう1杯~。」
ドーラ「もうやめときなって、光にしては呑みすぎだよ。」
その時、頭を抱えながらキェルダが起き上がった。
キェルダ「許してあげて、あたしらが巻き込んじまっただけなんだよ。」
ドーラ「一先ずキェルダのお兄さん達と将軍が起きないと話が始まらないわ、皆にお冷を持ってくる。」
そう言うとドーラは受付カウンターの奥へと消えて行った、すれ違いざまにキェルダの家族たちが続々と目を覚まし始めた。
デカルト「うん・・・、我々はどうしていたのだ・・・、皆、大丈夫か?」
マック「叔父さん・・・、昼間っからここまで呑むのは久々だよ・・・。」
ウェイン「それにしても俺達どうして呑んでたんだろ・・・。」
最後にニコフがゆっくりと体を持ち上げる。
ニコフ「悔しいです・・・、勝負の形はどうであれ、負けたのですから・・・。このままではキェルダやご家族の皆さんに合わせる顔がありません。」
林田「誰が負けだと決めたんですか、光さん以外は皆ほぼほぼ同時に酔い潰れたと言うに。」
お冷の入ったグラスを片手に林田がニコフを介抱した。
林田「我が友よ、上級鳥魔獣と鳥獣人族と勝負して立派にここまでやったんだ、貴方は十分胸を張って顔を合わせてもいいはずだ。ですよね、皆さん?」
周りの冒険者達が拍手でニコフを称賛した。
冒険者「あんたは立派だよ、俺達上級鳥魔獣と鳥獣人族が酔い潰れたのを初めて見たぞ。」
冒険者「俺達だったら全員リバースの嵐だよ。」
林田「ほら見ろ、皆認めてくれているだろう。ダンラルタ国王様、失礼ながらお伺い致します。貴方様のお気持ちはもうお決まりなのでしょう?」
デカルトはマックとウェインを集め頷いた、2人も納得している様だ。
3人がニコフに手を差し伸べた。
デカルト「ニコフさん・・・、いやニコフよ。」
ウェイン・マック「ニコフ将軍・・・、いや義弟よ。」
3人「認めよう・・・、これからもキェルダ含めよろしくお願いします。」
ニコフは体を震わせ頬には涙が流れていた、彼は認めら