私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?
今日もお客様が来た。 澤村菜々子34歳。 私から見ればとても幸せな人。私はあと100年くらいすれば、刑期の500年を終えるはずだ。
今まで何人の人の進路の案内をしただろう。 何人分の人生経験を積んだだろう。早く私は私の人生が生きたい。
ここに来る人間は、横柄で贅沢な人間ばかり。 私ならもっと大切に自分の人生を生きる。今度、生き返ったら人のために何かをするのもいいかもしれない。
ボランティア活動をしたりしたら、来世では良い選択肢を与えられる気がする。男は浮気するものだと今の私にはわかっている。
男になど惑わされず自分の人生を生きていきたい。 1人で生きて行くだけのスキルを身につければ問題ない。運よく美人に生まれてきたら男などあちらから跪いてくるだろう。
もう、2度と搾取される側にはならない。 今の私ならもっと上手くやれる。 早く刑期が終わってくれますように⋯⋯。私は生きたい!
自分の人生を⋯⋯。 ♢♢♢何もかもに恵まれてきた私、澤村菜々子は常に刺激に飢えていたのかもしれない。
美貌も金も生まれながらに持っていた。 静かにしていれば、黄金のレールに乗った人生を生きられた。「菜々子お嬢様は、本当に勇気がないね。ドラッグストアが1番万引きしやすいんだって」私は小学校5年生の時に、万引きをした。
それは、みんなの仲間だということの証明だった。ポケットの中にそっと入れたリップスティックが仲間の証。
それで私は仲間と認識された。「私らって、ずっと将来的にもつるんでいるんだろうね」
「菜々子様って、金持ちだし将来大物になりそう!」 小学生にして万引きを平気で