異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜

異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜

last updateآخر تحديث : 2025-06-26
بواسطة:  専業プウタمكتمل
لغة: Japanese
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妹にも親友にも裏切られたアラフィフ堺若菜は、死んだと思った瞬間に真っ白な空間に投げ出される。そこで出会った金髪碧眼の女神のような美女カイ。彼女は自分を異世界転生案内人だと言う。若菜は彼女に自分の人生を渡すことで、新しい人生を貰う。また、カイの元にはこだわりの強いビューティーアドバイザー前島カナや、結婚直前に裏切られた彩花が訪れていた。カイの元に訪れるのは死の淵を彷徨い、人生を詰んだ者たち。彼らが選択するのは自分の人生をそのまま生き抜くことか、または自分の人生を売り他人の人生の続きを生き抜くことか。訪れる人たちの人生と未練に向き合う程にカイの考えも変化していく。

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الفصل الأول

1.1つ目の断罪直前の悪役令嬢を選びます。

 私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?

 今日もお客様が来た。

 堺若菜49歳。

 私から見ればとても幸せな人。

「妹にも、親友にも裏切られました。もう私アラフィフですよ。信じられない。私が幸せになろうとすると皆が邪魔するんです」

 私は人生を詰んだと思い命を絶とうとして、処方されていた睡眠薬1ヶ月分を一気に飲んだ。

 朦朧としていく意識の中、真っ白な空間に目の前に女神のような存在が現れた。

 20代前半くらいの金髪碧眼の美しい女性だ。

「堺若菜さん。人生詰んだと死ぬ気なら、異世界で新しい人生を歩みませんか? その代わりあなたの人生はこちらの商品にさせて頂きます」

 私の人生を商品にするとはどういうことだろうか。

 30歳くらいまでの私の人生は人も羨むような人生だったように思う。

 中学生から彼氏は途切れたことがないし、とてもモテていた。

 友人関係も良好で、半年に一回は親友の茜と旅行に行っていた。

(まさか茜に婚約者を取られるなんて⋯⋯)

 私は声を出そうとするも、全く喉が詰まって声が出なかった。

 女神はそんな私を見てうっすらと笑った。

(まあ、まずは話を聞けってこと?)

「あなたは美人です。性格も悪くない。なのに、いつも男からは選ばれません。今は昔美人だった女になっていることに気がついてください。何が悪かったたと思いますか? それは若い頃、顔だけで寄ってくる男の相手をまともに相手してしまったこと? 性格が優しすぎるあまり、いつも相手に合わせていたこと?」

 確かに、私はいつも彼氏ができると相手に合わせていた。

 元々、長女気質で面倒見が良い方だと思う。

 妹の玲奈が、私と当時付き合っていた学と同棲していた家に泊まりに来たいと行った時も快く受け入れた。

(まさか、玲奈が私の彼氏を寝取るなんて⋯⋯)

 真夜中、水を飲みに起きると玲奈と学がキッチンで真っ最中だった。

「全てです。周りを見てください。あなたより不美人で性格最悪な女が幸せになっています。男はバカなのです。本当の美人より美人ぶった女に惹かれ、自分に合わせてくる女より、振り回してくる女を選びます」

 風が吹いて、女神の長いウェーブ髪がふわっとあがる。

「いつも、私が幸せになろうとすると妨害してくる人間がいるんです」

 突然、声が出せるようになったので、私は自分の思いの丈を話そうとした。

「被害者意識が強いですね。この世は弱肉強食。幸せそうにする美人を喰らうブスが幸せになる。それが真理です。あなたは自分が美人だから、いつだって大切にされる本命だと勘違いしていた。その間、策を巡らせ努力をしてたブスに負けただけの愚か者です。死のうと思ったならば異世界に転生しましょう。あなたには、異世界に転生する際3つの選択肢があります。お好きな道を選んでくださいな」

 女神の言葉は優しいようで、私にとってはキツイ言葉だった。

 彼女のいう通りかもしれない。

 私は、美人なのに控えめな自分は絶対に大切にされると勘違いしていた。

 異世界転生を提案されているようだが、どうせなら美人令嬢とかになりたい。

 そして、今度こそ美人らしく男どもを振り回したい。

「この世界ではない場所が存在するのですね。女神様、3つの道をお示しください」

 私はもはや今の自分の人生にも、世界にも未練はない。

 強いてゆうなら、ネット環境の整った便利な世界に行きたい。

「女神様ではありません。私は異世界転生案内人カイです。あなたが選べる道3つをお示しします。1つ目は断罪直前の悪役令嬢であるリンド公爵令嬢、2つ目は貧しいけれど特殊能力持ちなので貴族界に入る平民レオナ、3つ目は世界を旅するユアンです。さあ、どれを選びますか?」

 貴族が登場するということは、おそらく昨今、流行している中世西洋風の異世界だ。

(ネット環境は諦めるしかないか⋯⋯)

「3つしか選べないのはなぜですか?」

 はっきり言って、3つの選択肢どれもイマイチに聞こえる。

(他の選択肢もカモン⋯⋯)

「あなたは自分の人生において詰んでいます。それ以下の人生しか用意できません。しかし、詰んだと思って死をも考えた人生でしょ。何も選ばないでこのまま現世を生きる選択肢もあります。しかし、選んで別の人間の人生を歩む道もあります。ちなみに、選択肢のお三方にはあなたの人生を選択肢として異世界転生を提案しております。自分ばかりが詰んだ、不幸だとお思いにならないで。世の中追い詰められて、不幸だと感じながらみんな必死に生きているのですよ」

 女神は私の半分も生きていない20代くらいに見えるのに悟っている。

 確かに、私は勝手に自分が一番不幸だと思い込んでいた。

「では、1つ目の断罪直前の悪役令嬢を選びます。私は経済的にも苦労したことがありません。自分の人生を一度リセットして、同じ状況で詰んだ彼女の人生で戦いたいと思います」

 公爵令嬢、一択だと思った。

 他、2人は貧乏過ぎる。

 食べるものにも困りそうな生活をするのだけは嫌だ。

「ふふ。どうぞ、ご勝手に! それでは転生します。ご機嫌よう」

 そう告げると女神のようなカイと名乗ったその方は光の中に消えていった。

♢♢♢

「マリア・リンド公爵令嬢、君との婚約を破棄する。君は身分を理由にアカデミーに入学してきたナタリアを虐め抜いた。そのような女が次期王妃にふさわしいとは思わない!」

 これは悪役令嬢ものでよくある、婚約破棄イベントだろう。

 いかにも王子様と言った金髪碧眼の男がピンク髪の女を抱きしめながら、断罪してくる。

 みんなが私に注目している。

「私も自分が次期王妃にふさわしいなどと思いません。しかし、このような場所で女を血祭りにあげるあなたも次期国王にふさわしいのでしょうか? 婚約者がいながら、他の女を抱きしめるあなたなど私の方から願い下げです。下半身で物事を考える浮気男が国王になるこの国ともお別れしたいです。ぜひ、私を断罪して国外追放にでもなさってくださいな」

 いつも人に合わせて来た自分と決別したい思いで、私は高らかに声をあげた。

 誰かが拍手を始め、それに合わせて周りがみんな拍手をしだす。

「なんだ、リンド公爵令嬢、君の仕業か?」

 私を断罪した王子様がうろたえている。

「まさか、これは皆の総意ではございませんか? 浮気男は地に落ちろということでございます。私の人格とあなたの浮気は無関係です」

 婚約者がいながら浮気をする。

 私のトラウマを抉る行為、許す訳にはいかない。

「その通りだ。リンド公爵家を侮辱したお前は廃嫡とする!」

 参列していた国王陛下だと思われる方が高らかに宣言する。

「ち、父上。」

「え、王子様じゃなくなるの。だったら私もいらないわよ」

 壇上で王子とナタリアの痴話喧嘩が行われている。

 私はどうして今まで自分の意見を言わなかったのだろう。

 人に合わせて笑顔でいれば幸せになれると勘違いしていた。

 そっと会場の外に出ると1人の男が私を待っていた。

 黒髪に澄んだ青い瞳が美しい青年だ。

 格好からして、相当身分の高い人間だろう。

「マリア・リンド公爵令嬢、あなたに惹かれた隣国の王子です。来賓として訪れましたが、あなたの堂々とした振る舞いに惚れました」

「ふ、迷惑な人。私はそのようなことを言われて、簡単についていく女ではないのよ」

 私は彼の登場を嬉しいと思いながらも、これからは思ったことを言っていこうと決意していた。

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1.1つ目の断罪直前の悪役令嬢を選びます。
 私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?    今日もお客様が来た。  堺若菜49歳。  私から見ればとても幸せな人。「妹にも、親友にも裏切られました。もう私アラフィフですよ。信じられない。私が幸せになろうとすると皆が邪魔するんです」 私は人生を詰んだと思い命を絶とうとして、処方されていた睡眠薬1ヶ月分を一気に飲んだ。 朦朧としていく意識の中、真っ白な空間に目の前に女神のような存在が現れた。  20代前半くらいの金髪碧眼の美しい女性だ。「堺若菜さん。人生詰んだと死ぬ気なら、異世界で新しい人生を歩みませんか? その代わりあなたの人生はこちらの商品にさせて頂きます」 私の人生を商品にするとはどういうことだろうか。  30歳くらいまでの私の人生は人も羨むような人生だったように思う。 中学生から彼氏は途切れたことがないし、とてもモテていた。  友人関係も良好で、半年に一回は親友の茜と旅行に行っていた。 (まさか茜に婚約者を取られるなんて⋯⋯) 私は声を出そうとするも、全く喉が詰まって声が出なかった。  女神はそんな私を見てうっすらと笑った。 (まあ、まずは話を聞けってこと?)「あなたは美人です。性格も悪くない。なのに、いつも男からは選ばれません。今は昔美人だった女になっていることに気がついてください。何が悪かったたと思いますか? それは若い頃、顔だけで寄ってくる男の相手をまともに相手してしまったこと? 性格が優しすぎるあまり、いつも相手に合わせていたこと?」 確かに、私はいつも彼氏ができると相手に合わせていた。  元々、長女気質で面倒見が良い方だと思う。 妹の玲奈が、私と当時付き合っていた学と同棲していた家に泊まりに来たいと行った時も快く受け入れた。 (まさか、玲奈が私の彼氏を寝取るなんて⋯⋯)  真夜中、水を飲みに起きると玲奈と学がキッチンで真っ最中だった。「全てです。周りを見てください。あなたより不美人で性格最悪な女が幸せになっています。男はバカなのです。本当の美人より美人ぶった女に惹かれ、自分に合わせてくる女より、振り回してくる女を選びます」 風が吹いて、女神の長いウェーブ髪がふわっとあがる。「いつも、私が幸せ
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2.ビューティーハイパーアドバイザー前島カナ。
私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?    今日もお客様が来た。  前島カナ34歳。  私から見ればとても幸せな人。   私はビューティーハイパーアドバイザー前島カナ、34歳、独身だ。   「こだわりが強すぎるから結婚できない」、「若い頃は綺麗だった」と言われて5年は経っていた。 余計なお世話だ。 皆が野球選手だの、アイドルになるだの夢があるように私は美を極めることが夢だった。    美しさに自信がないものに魔法をかけて人が綺麗になり自身を持ち笑顔になる瞬間、私の心は満たされていた。 モデルの園田守は私がその美を掘り起こしたことで売れた。  私たちは公私共に離れられぬ関係になり、来月には結婚する予定だった。 著書の『あなたはまだ自分の美しさを知らない』、『美しさは努力が100%』、『女の就活は見た目採用』はベストセラーだ。メディアにも引っ張りだこで私は忙しい毎日を過ごしていた。 大阪出張がなくなり、私は守を驚かそうと2人で住んでるマンションに帰宅した。 そこにいたのはリビングのソファーで半裸で絡み合う守と若い女だった。「守、これ⋯⋯どういうこと?」 「いや、これは浮気だよ。本気じゃないよ。そのこれは男の甲斐性だから⋯⋯」  見覚えはないが、若い女は量産型アイドルだろう。  彼女は私に見つかると、面倒そうに私をすり抜け玄関に向かった。  おそらく彼女も本気ではなくて、面倒な事にはなりたくないのだろう。「浮気か⋯⋯ごめん、そういうの無理なんだ。出てってくれる?」  ここは私が購入したマンションで、守はヒモ状態だった。  守は一度は売れたものの、だらしのない性格で現場受けは最悪で干されてしまった。「はぁ? こだわり強すぎの売れ残りババアの相手してるんだから、浮気くら良いだろう!」 優しい物わかりの良い年下男を演じていた守が急に私に牙を剥いてきた。 彼が言った言葉は私が毎日裏で囁かれていた陰口だ。 好きな美容を極めたら何が悪いのか⋯⋯34歳で周りがうるさくなってきて、付き合っていた男と婚約したのが間違いだった。 本当は結婚なんて全く興味はなくて、誰かと一緒に生活するのも苦痛だ。  ただ、大好きな美容だけを
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3.君の美しさを最大限に引き出せるのは俺だけだ。
 メイドのラリナは背が高くて、彫が深くてはっきりとした顔をしている。  艶々の黒髪ロングは一つ束にまとめていたら勿体ないので、流すべきだ。 そして、フリフリしたエプロンは似合わない。  膝上のスカートも彼女の良さを消している。 ロングスカートか、パンツスタイルの方が似合うだろう。  こう言ったものは小柄な子が似合うのであって、彼女はエプロンを外してシンプルな格好をした方が良い。「そのダサいメイド服は、まず脱ぎましょうか」 私は自分のクローゼットから、彼女に似合う赤いロングドレスを用意した。  彼女の赤い瞳と同じ印象的な強い赤だ。「今からこれを着るのよ。胸はないようだけど、この首まで詰まっているドレスは胸がないあなたの方が上品に着こなせるわ」 「今から、ドレスを着るのですか?」 戸惑いながらもラリナはドレスを着ることに、ワクワクを隠せないようだ。 (そう、その目よ! 今から、あなたは生まれ変わるの) 私はまず彼女のほぼスッピンのメイクを注意した。  そして、サーモンピンク色の口紅が恐ろしく似合っていない。  彼女に似合うのはハッキリした色だ。   「あなたに似合うメークは違うのよ。可愛い系じゃなくて、モード系。まずは、そのシャケみたいな口紅を落とすわよ」 「モード?」 「そうよカラーでいえば、冬カラーが似合うの。はっきりした色ね。そのぼんやりしたメークでは自分を失うわ」 「でも、私はメイドなので⋯⋯」 「その意味もないカテゴリー捨てましょう。あなたは、今からメイドではなくて、ただのラリナよ。今からあなたの美しさは大暴走するわ。今まで抑えつけられた分ね⋯⋯」  私は彼女の美しい顔立ちをより際立たせるように、シェーディングをした。 「あ、すごい⋯⋯これが、私⋯⋯」 ラリナは鏡を見を見て自分の姿に見惚れている。  私は人が新しい自分を見つけ出す瞬間に、異世界でも立ち会えた。  やはり、美の伝道師としてこの世界でも生きていこうと決意を新たにした。   「ザッツイット! さあ、今すぐ仕事をすて、夜の街を闊歩してきなさい。どさどさとあなたにくっついてくる男たちを嘲笑いにね!」 「え、私、首ですか!」 「首ではないわ。ただ、今、この場所があなたの美しさを拘束できるだけの力がないだけ⋯⋯」 似合わぬ服を着て仕事をする事で
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4.人生何が起こるか分からない。
私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?  今日もお客様が来た。 川島彩花29歳。 私から見ればとても幸せな人。 工藤裕太と私は別れ話もしていないのに、今日、彼は私の友人である桜と結婚する。 裕太とは3年以上付き合っていて、私は彼と結婚し夫婦になることを夢見ていた。「おめでとう、桜」 私はチラリと桜の隣にいる新郎を見た。 何食わぬ顔で私の友人の隣にいる裕太は、私の部屋で半年前まで将来の家族構成まで話していた男だ。 裕太は2.5次元俳優をしていので、恋愛は明らかにしてはいけないと私とは秘密の恋をしていた。「できれば、スリムな体型でウェディングドレスが着たかったよ」 笑顔で言う桜に私は怒りで震えた。 彼女の新郎とは彼女から妊娠を告げられ、その相手が私の彼氏だと聞くまで付き合っているつもりだった。 (それなのに、恋人である私の友人を妊娠させてたなんて⋯⋯)「新しい命も結婚式に出席できて良かったって言ってるよ」 私は腹わた煮え繰り返る思いで言葉を紡ぎ出した。「ごめんね。彩花の幸せ奪っちゃったみたいで⋯⋯」 桜のその言葉に私は全てを察っした。 思えば桜は私の彼氏をずっと奪ってきた。「こればっかはしょうがないよね。気持ちばかりはどうにもならないよ」 そう言われてしまうと、私の女としての魅力も足りなかったと反省したりした。「桜、もう二度と私の前に現れないで。さようなら。彼とお幸せに」 私は結婚式場を飛び出したところで、車に轢かれ30年の生命を終えた。 目を開けると真っ白な空間に金髪碧眼の美しい女性が立っている。「川島彩花さん。今、あなたは死の淵を彷徨っています。あなたの人生をお譲り頂けるのであれば、あなたに新しい人生を用意しますよ」 私は車に轢かれた記憶がある
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5.久しぶりにみんなで会いましょうか。
 私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?  今日もお客様が来た。 持田佳代子32歳。 私から見ればとても幸せな人。「佳代子、久しぶりー! 変わらないねー」 今日は18年ぶりに大学の同級生に呼び出されて、お茶をしている。 真理は私の大学時代の親友で卒業してすぐに結婚した。 それ以来、彼女の夫が転勤族ということもあり音信不通だった。「本当に大変だよ。転勤がさ、3年に1回はあるから。子供が中学に入ったあたりから単身赴任して貰ってるんだ」「そうなんだ。単身赴任って大変そうだね」 私はまだ独身で子供がいないから、真理の話に共感できない。「ほら、単身赴任中って浮気とかされそうって心配になるじゃない。全国転勤がある仕事って地方の方から見ると高収入らしくモテるのよ」「旦那さん、国家公務員だもんね⋯⋯」「私も自分が公務員になんて地味な職業の人と結婚するとは思わなかったよ。でも、公務員って不況知らずで意外とモテるんだよね。佳代子は良い人とかいないの?」「う、うん⋯⋯私はもう一生1人で暮らすこととか考えているかな?」「子供は早く産んだ方が良いよ。確かに医療が発達して40歳でも子供産めるけどね。羊水は腐らなくても、子育ては体力使うから」「そうなんだ⋯⋯子供か⋯⋯真里の子供は今、幾つくらいなの?」 なぜ、子供の話になったのだろうか。 今、私は彼氏もいないし、一生1人で暮らすことを考えマンションを買ったばかりだ。「高校生だよー。もう、思春期真っ只中で大変。某有名私立校に受かっちゃってお金も掛かってさ。何で受かっちゃうかね⋯⋯公立で良かったのに」「そうだよね⋯⋯私は当たり前のように公立高校に進んだから、私立ってどんな感じかよく分からないな⋯⋯」 これは、会話なのだろうか。 一方的に私は彼女の相手をさせられているような気がしてきた。「でも、都内だ
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6.私は自殺した女だ。
 私は異世界転生案内人『カイ』をしている。 もう、この役について300年以上になるだろう。 中間ゲートは回ったはずだが、先はまだまだ長い。 途方もなく長く、精神を疲弊する時間。 私を淡々としていると人は評するが、淡々としているフリをしているだけだ。 常に来訪者の言葉に感情が動かされ、怒りや悲しみで支配されそうになる。 全ての負の感情は自分の愚かな選択に対する絶望の感情だ。  私は自殺した女だ。  誰も褒めてくれなかった私を褒めてくれた男にハマった。 マッチングアプリで会った彼はマルチで私からお金を吸い上げることが目的だった。 心から彼の表層的な言葉を信じて彼の愛を信じた私は失望した。 まるで、世界の全てから裏切られた気分になった。  私には友達も愛してくれる家族もいたのに、初めての恋愛に浮かれて突き落とされた私は絶望に駆られていた。「もう、死んでしまおうか⋯⋯私が死んでも誰も悲しまないし⋯⋯」 私はそのまま川に入って自殺した。 目を開けると、そこは真っ白な空間だった。 目の前に現れた金髪碧眼の美しい女性を見て、一瞬時が止まったような感覚を覚えた。 私を見た途端、女性は険しい顔になった。「石川杏奈さん。はじめまして。私は異世界転生案内人のカイです」「初めまして⋯⋯」「神より与えられた命を自ら捨てましたね。そのようなあなたには異世界転生の機会は与えられません。自殺をした人間にあるのは永遠の無です。ここで私の代わりに異世界転生案内人カイとして500年の刑期を過ごせば、新しい生を与えられます⋯⋯」 一瞬何を言われたか、理解できなかった。 私は人生を詰んだと思って自殺した。 カイの話によると自殺ではない死の場合は、憧れの異世界に転生できたらしい。(死ぬ前に言ってよね⋯⋯)「杏奈さん、死ぬ前に言っても同じ判断をしてたでしょ。あなたのご両親は本当に悲しまないと思っているのなら、想像力不足です⋯⋯」 私は親から勘当され
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7.あなたがブスなのは、顔ではなく性格ですよ。
「あなたがブスなのは、顔ではなく性格ですよ」  笑顔で心を抉るような事を言うカイは女神ではなく悪魔だ。「あなたのような美人だったら、性格も歪まなかったんですがね!」「ふふっ、美人だったら性格が良くてモテてたとでも?カイをやっていると性格ブスな美人のモテなさを知りますよ。ちなみにブスでも雰囲気を作ればモテます! 私の代わりにカイをやりませんか? 早く、私は新しい生が欲しいのです」 どうやら、異世界転生案内人カイは交代制のようだ。 彼女は私にカイを代わって欲しいみたいだ。 ということは、今私の前で不遜な態度をとている彼女も自分で命を絶つくらい思い詰めた事があったということだ。 (500年という莫大な時間、ここで1人で過ごすのか⋯⋯) ふとカイが自分の500年を刑期と表現したのを思い出した。  辛いかもしれないけれど、ここにいれば両親に会える時が来るかもしれない。 「杏奈さん、本当に愚かですね。あなたの自殺がご両親に絶望を与える可能性も考えられない⋯⋯これ以上はもう言いません。あなたがご両親に会える日は来ません」 ひゅっと胸に冷たい風が入ってきた気がした。 子に先立たれる不幸など、子を産んだ事のない私には分からない。(まさか、私を追って自殺⋯⋯) 一瞬、「無」に逃げたくなったが、今、逃げてはいけない気がした。「私、カイになります」 
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8.美人だけど、すごい嫌な感じのする女⋯⋯。
 私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?  今日、初めてのお客様が来た。 櫻涼太17歳。 若くて、実家も金持ちで、頭も良いしルックスも良い。 周囲から愛されているのに、彼は皆が常に自分に夢中でないと我慢できないらしい。 それが例え男でも⋯⋯。 彼は、私から見ればとても幸せな人。  中高一貫校の男子校の姫ポジだった櫻涼太は悩んでいた。 最近、みんな大学受験に備えて塾に行き始めた。「なんか、塾で本当の女子を見ちゃうと涼太って可愛くなくね」「よく見ると髭も生えてるよな」 トイレの個室、そんな話を聞いたら表に出ていく勇気がなかった。 俺は中学から入学して5年間、男子校の姫ポジとして可愛がられてきた。 先生も同級生も俺を男のようには扱わない。 みんな俺のことを可愛い女の子のように、猫可愛がりで丁寧に扱う。 そのポジションを俺は気に入っていた。「3年の優太先輩も可愛かったのに、ゴツくなったよな。やっぱり、本当の女には敵わないよ」 その言葉を聞いて気が遠くなり始めた。 何がいけなかったのだろう、俺の方が絶対に女子より可愛いのに。 小学校の時は普通にスクール水着の女子にときめく男の子だった。 しかし、中学受験で男子校に進学して俺の運命は変わった。 可愛がられるというポジションの美味しさを知ってしまったのだ。 終わってしまう、この時が。 絶望に打ちひしがれながら、トイレの扉を開けるとそこには美しい金髪碧眼の美女がいた。「私は異世界転生案内人のカイと申します。すみません、私自身も新人なのであなたも転生体験ということになるそうです。まあ、憑依という形ですね⋯⋯あなたが親しんでいるゲーム『悪役令嬢は今日も痛ぶられる』の主人公になれるそうですよ。いってらっしゃい!」 彼女がバカにしたように俺を語るのが気になった。(美人だ
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9.君のそんなところも愛している。
「俺は!」 金髪碧眼の王子様アランは俯いた。 俺の思わぬ口撃に何も言えなくなったようだ。 彼は、アレキサンドラの嫉妬を煽るために他の女を使う幼稚な男だ。 悪いが、俺の好みは大人の男。「トルネコ・ウィザード公爵!」 俺はこのゲームでの大本命の男の出現に歓喜した。 がっちりした体型に、小細工ないドSな性格。 まさに俺の理想を絵に描いたような男だ。「アレキサンドラ様?」 トルネコはクールな男で強引にアレキサンドラに迫る仕様になっている。 それゆえに、突然ウィンナーの膝上から立ち上がり抱きついてきた俺に驚いている。「アラン様が、ミーナ様がいるのでもう私はいらないとおっしゃるのです。」 アレキサンドラは美しい女性だ。 俺はやっと女の体を手に入れたので、存分に使い本命トルネコを誘惑する。「ア、アレキサンドラ?」 思わず、敬称も忘れて俺を呼ぶトルネコにほくそ笑む。 どうだ、これが女の香りだ。 俺は今まで男という足枷を背負っても、周囲の男達を女以上に夢中にさせてきた。 だから、これからも同じように男たちを夢中にさせる。 女の体を手に入れた俺は無敵だ。「トルネコ、アレキサンドラは私の婚約者だぞ」 嫉妬を煽ろうなどと、姑息な駆け引きをしようとしていたアランが必死になっている。 これが、白昼夢でも楽しくて仕方がない。「アラン様、私のことは気にせずアレキサンドラ様とご一緒になってください」 今の流れを理解しないピンク髪のミーナがやってくる。 彼女は今、慎ましいキャラを演じている。 しかし、本性は貪欲に王子の婚約者におさまりたい女だ。 アランはアレキサンドラの気を引こうと彼女に近づきつつも、この慎ましいキャラに本気になりそうになる浮気者な男。 まるで、塾で女子を見たからと言って姫ポジの俺を蔑ろにしようとした男たちのようだ。「アラン様、私は揺るぎないものしか価値を感じません。今のあなたはゆらゆら
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10..整形も加工もしていないのに私はまだ美人だった。
 私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?  今日もお客様が来た。 杉崎美香30歳。 私から見ればとても幸せな人。♢♢♢ 私、杉崎美香はずっと周囲の男のマドンナだった。 過去の栄光? でも、その栄光時代の私の好きだった人に今日再会する。 ずっとあなたに会いたかった。 佐々木太郎⋯⋯私の初恋の人。 30歳を迎えた日、中学校の同窓会の案内が届いて私は会場へと向かった。 佐々木太郎は2人いた。 私の初恋の人⋯⋯背が高く足が速い佐々木太郎。 彼は同窓会には来なかった。 そこにいたのは、もう1人の佐々木太郎。 高身長の私からは許せないレベルの身長にだらしのない体。 中学の時から、目立たぬモブだった。「美香ちゃん。本当に、ずっと綺麗だね」 私が存在さえ忘れていた佐々木太郎は私に頬を染めて近づいてくる。 昔は虐められていた彼がなぜか今は周囲の注目の的。 IT分野で成功をし、時代の寵児となっていた。 SNSのフォロワーも10万をこえるらしい。 今回の同窓会で彼と会えることを周りが楽しみにしていた事は知っている。 私はそんなミーハーな奴らとは違う。 彼がマドンナだった私と会えるのを渇望する事はあっても、私にとって彼は未だ大勢の私を称賛していた男の1人に過ぎない。(まあ、でも今の彼なら、少しは相手してやっても良いか⋯⋯)「太郎君、今ならあなたと付き合って良いかも」 私も三十路でそろそろ落ち着こうと精一杯の譲歩で言った言葉だった。「ごめん⋯⋯君レベルの女、相手にする程落ちぶれているつもりはないから」 一瞬聞き違えたかと思った彼の言葉。 周囲を見回すと周りは私を嘲笑していた。 私はその場にいられなくなり、外に出た。 外はバケツをひっくり返したような土
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