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Home / 恋愛 / 離婚カウントダウン、クズ夫の世話なんて誰がするか! / 第66話

第66話

Author: ちょうもも
悠良はそのまま会社を出て、商業施設に向かった。

史弥が自分で一緒に行くと言っていたこともあり、一応尊重してメッセージを送る。

【今空いてる?なければ、私一人で行くから大丈夫】

史弥からはすぐに返信が来た。

【こっちはまだ会議が終わってない。先に行っていいよ。お義父さんへのプレゼントなら俺のカードを使って】

その言葉を見て、悠良は薄く笑った。

きっと来る時間なんてないのだろうとわかっていたから、特に期待もしていなかった。

悠良と家族の関係はもともと良いとは言えない。

その中でかろうじて父親だけは少し気にかけてくれていた程度で、他のみんなからは厄介者扱いだったくらいだ。

それでも、もう二度と会えないかもしれないからと、せめて一通りの贈り物は選んでおくことにする。

買い物を終えても史弥からは追加の連絡もなく、まだ時間が早かったので、自分の服もいくつか選び、支払いには史弥のカードを使った。

仕方がない。

玉巳に服をあれこれ触られてしまったせいで、自分の手元にはほとんど服が残っていないし、潔癖気味な自分は他人が触れたものにはもう手を通したくない。

その頃、史弥はまだ玉巳をなだめていた。

伶にアポが取れないからと、玉巳は気が気でない様子だった。

目を赤く腫らし、涙ぐみながら史弥にすがりつく。

「史弥、どうしたらいいか教えてよ。悠良さんに頼んでもまだ取れてないって......悠良さんは寒河江社長といい関係なんでしょ?あのA8に乗ってたくらいなんだから」

史弥は眉間にしわを寄せ、玉巳が何を言っているか半分も耳に入らないままだった。

視線はスマホに向かっていた。

はじめは見間違いかと思ったが、よく見ればそれは間違いなく1000万円だった。玉巳は相変わらず腕にしがみつき、甘えたように声を落とす。

「史弥......」

「ちょっと待って。今メッセージ送るから」

史弥は手早く悠良にメッセージを送る。

【悠良、さっきカード使ったのは君か?買い物?】

メッセージを見た悠良は、口元に冷たい笑みを浮かべた。

やっぱり、どんなに忙しそうにしていても、自分に関心がなくなったわけじゃない。

返信する余裕くらいはあるらしい。

【ええ。この間ほとんど服を処分したから、新しい服が必要だったの。それに父さん一人にだけ買うのも気が引けるから、ついでに家族みんな
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