車が遠くにあるラグジュアリーホテルのエントランスに停まっている。
スリムで最高級のオーダスーツを身にまとう私が車から降りた。
秘書が事前に用意してくれた場所でボロ服に着替えた。
ボロい服を着ている私はホテルに入り、ロビーでしばらく佇んでいたが、一人も接客しに来なかった。
それどころか、受付スタッフらしき者たちはひそひそと歓談し、どうやら私の服のことを嘲笑っているように見えた。
私は彼女たちに近づいていくのがわかっていても、彼女たちが全く止める様子がなかった。
「失礼ですが、ロイヤルスイートルームの予約をお願いできますかね、期間は3ヶ月です」
一人の受付が何かの冗談を聞いたかのように、クスッと噴き出した。
彼女は首に巻いたエルメスのスカーフをいじりながら、白い目をこっちに向けて軽蔑そうに言った。
「お客さん、ここのロイヤルスイートルームは一晩で20万円もするんですよ、高いですわ」
彼女はこういう反応をすることは予想していた。
十年、彼女が私を見分けられないほど変わるのに十分な時間があった。
しかし、彼女の貧乏嫌いな性格を変えさせられないようだ。
私は彼女の言葉を無視して、札束を取り出してカウンターに置き、彼の隣にいるマネージャーらしき人に言った。
「あなたがチェックインしてくれたら、このチップをもらえますよ」
ただ簡単なチェックインで、こんなにチップをもらえるなんて相当なことだろう。受付の目が大きく開いた。
彼女はすぐに軽蔑な表情を引っ込め、柔らかい声と穏やかな顔で私を喜ばせようとした。
低姿勢の態度で尋ねてくる。
「お客様、他に何か私にできることがありませんか?」
私は彼女を上から下まで見回し、まるで初めて会った赤の他人を見ているように。
「この三ヶ月間、専属マネージャーが必要ですけどね。でも、あなたのその服は気に入らない。三ヶ月も目にするのは億劫だな、あなたはダメかもね」
マネージャーは私が受付の女を断ったのを聞いて、慌てて自分を推薦した。
彼女たちは私がチップをこんなに気前よく渡すのを見て、もし3ヶ月間私の専属を務めればもっと多くの金を得られるに違いないと思っているだろう。
競争相手ができた受付の女は焦って口を滑らせた。
「もしこの服が気に入らないでしたら、今すぐ脱ぎます」
彼女はそう言ってすぐにエルメスのスカーフを外した。上着も脱いたら、パグのような期待に満ちた目で私を見つめた。
私は彼女のスカートの裾に目を移した。彼女は恥ずかしげもなく素早くスカートを脱いだ。まるで、少しでも躊躇したら私が他の誰かを選んでしまうかのように必死だった。
猛暑の夏日、彼女は下着姿で人通りの多いフロントに立っていても、全く恥ずかしそうな表情を見せなかった。
マネージャーは統括が彼女の色っぽい体つきに目が離せないのを見て、皮肉に言った。
「佳純、お客様のために、あなたは何でもやるんですね。だから統括はいつもあなたを褒めてるんです」
金のために下限がないという性格は、本当に佳純一家特有の特質だった。
佳純は平然とした表情を浮かべた。彼女にとって、お金のために裸になることは恥ずかしいことではなかった。
私はまた現金の束を取り出してカウンターの上に置いた。
「ここのスタッフさんはよく教育されてますね。これから彼女は私の専属マネージャーになってもらいましょう。私の部屋は彼女だけに出入りできます。掃除もすべて彼女にだけ任せてもらいたいです」
マネージャーは急いでお金を受け取り、うなずいて同意した。
佳純がマネージャーの手にある現金を奪おうとしたが、マネージャーは彼女の手を払いのけた。
「君はもうお客様の専属になったから、これから大金がもらえるでしょ?」
統括は我慢できずに彼女の体に触った。
「やっぱ綺麗な女は招き猫よりも客引きがいいな」
佳純は統括のセクハラ行為を拒否せず、むしろ自分の体をさらに大胆に見せた。
「招き猫だったらお客さんから投げ銭がもらえるんでしょ?私は全然もらえてないですよ?」
経理はポケットから金を取り出し、佳純の下着に入れた。
佳純は招き猫のように手を挙げて「ニャンニャン」と声を上げ、みんなを大笑いさせた。
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