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優詩織
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Novels by 優詩織

不器用で、複雑で、無茶苦茶な愛。

不器用で、複雑で、無茶苦茶な愛。

 中学二年生の遠藤紫苑は、始業式の帰りに見知らぬ男に誘拐される。  次の日から男にレイプされ続ける日々を送る。  紫苑はここから出られないくらいなら死んでやると思い、男がいない間に火事を起こそうとする。  紫苑が炎に手を伸ばすと、帰宅した男がとっさの判断で紫苑を守る。  死ねなかったと後悔する紫苑に男は無事で良かったと泣き崩れる。  次の日から男に犯されなくなり、それどころか妙に優しくされ不安になる紫苑。  しかし、男が少し居眠りをしている間、不審者が訪問し紫苑に襲いかかってきて……  イケオジショタの禁断の恋。
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Chapter: 俺と蓮の話。
 四月 九日 俺は誘拐されました。 中学校の始業式の帰りに、見知らぬ男に車の中に連れ込まれました。 そして今、男の家にいます。 誰か助けてください。 始業式の日、俺はまた始まる学校生活にため息をついた。 やはり休みというのは終わって欲しくない。ずっと休みで、家でゴロゴロして、意味もなく眠ることができたらいいのに。「よお」 全く、なぜ休みというのは終わるのだろう。「おい」 まあいいか。ゴールデンウィークまでの辛抱だ。ゴールデンウィークが来れば、俺はまた起きては眠り、の生活ができる。「……じっとしてろ」 ぐいっと腕を引かれたと思いきや、そのまま勢いよく車の中に放り込まれる。「ぐぁっ!」「よお、さっきから無視しやがって」 真横から頭を乱雑につかまれ、強制的に視線を上に向けさせられる。その先には、顔の良い鷲鼻の男がいた。三十代くらいで、目の奥が深く青い色をしている。「遠藤紫苑くん、これからよろしくな」「なんで、俺の名前を……」 言い終わる前に頭を後部座席に勢いよく打ち付けられ、動かないように腕を麻縄で固定された。「行くぞ」 いつの間にか男は運転席に座っていて、何事もなかったかのように発進する。下を向いていることと見知らぬ車の匂いに、俺は頭がクラクラした。「おい、ここで死ぬなよ」 バックミラーに映る男の目は確実に俺を捉えていた。「これからが楽しいんだよ」 にっこりと笑う男の顔を最後に、俺は意識を手放した。◇「う、あ」「静かにしろ……」 あれから一週間、飲まず食わずで男に犯される日々が続いている。 いや、飲みはした。汚いものだけれど。 ぐちゅぐちゅと解されていく卑猥な音が、テーブルとベッドのみの簡素な部屋に響き渡る。「喜んでるじゃねえか」「よろこんでなんか、ない……」 にやりと笑う男は、本当の畜生で、サディストで、屑だ。 名前も知らない男に犯される未来など、予想していなかった。父親と母親に愛され、ごく普通に育ったのに、なんでこんな仕打ちを受けなければならないのだろうか。「いれるぞ」「まって、おねが────」 ゴチュッ。 一気に奥を突かれ、視界が一瞬白くなる。ちかちかして、気味が悪い。 激しくガツガツとしているこの男の犯し方は、なんの体験もない俺にとって地獄以外の何でもなかった。女子と付き合ったことも
Last Updated: 2025-02-06
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