Share

36話 タロウは忙しい

Author: satomi
last update Last Updated: 2025-05-27 07:22:51

11月も全国模試あるのか……。受験生は過酷だな。

そして、勉強が最近疎かになっていたか?順位は67位だった。

「最近どうしたんでちゅか?疎かでちゅね?色気づいたからでちゅか?」

脚で鼻血を出す変態に言われたくない。姿勢を正しただけだ。たまに寝ぐせがイイ感じにもっさりとしてない髪型になるだけだ。

「田中君、最近陰キャだけどイケメン度上がってるじゃん。卒業前に残念よねー。姿勢と髪型がねー」

あと、黒縁眼鏡です。

順位は全国的に見ればかなりいいほうだと思う。進路指導が小踊ってたし。ま、目標がこの学校の生徒がいないような偏差値が高い大学に行くことだから。

そんな今月は男バージョンの撮影か……。筋肉……、色気……。

バーテンの格好で撮るか。腕をまくってシェーカーを振る。俺の前腕を見ろ!

そして、ラストは誘うようなカクテルを…スクリュードライバーを。酒言葉『あなたに心を奪われた』と共に。

全編うでをまくり、80年代のムード歌謡を歌いながら。ラストは挑戦的にカメラを見よう。

翌日の教室やっぱり女子が煩い。

「『T』様は腕も素敵♡ラストの酒言葉最高!え?お持ちかえられちゃう?みたいな?」

「バーテンダーは忙しくてそんな暇ないよ」

おお、変態まともな意見だ。先月俺の脚で死にかけてた人物と同一人物とは思えない。

「歌、上手いよなぁ。昔の歌か?うちの母さんに画像見せたら、「こんな人いるの?」って」

実在します。

「私、変態のこと笑っちゃったけど、こんなバーテンダーいたら、通っちゃう♡」

お、こいつも俺に貢ぐ宣言。

バーテンダーやったらかなり稼げるなぁ。多分。でも、福利厚生がしっかりしてないんだよなぁ。俺が起業するのか?はぁ、起業って面倒そうだ。経理とか……。

12月は受験生追い込み。来月は共通1次(?)がある。

よって今月は全国模試がいっぱい。

結果はどれも全国50位以内でかなりいいと思う。

俺は黒縁眼鏡から、普通のノンフレームの眼鏡にした。

姿勢がよくて、寝ぐせによってはイイ感じにもっさりしてなくて、インテリっぽい眼鏡。

よって、女子は今更俺に寄ってくる。

俺はインテリで髪型によってはイケメンという立ち位置になった。

「田中君はクリスマスどうするの?」

「多分、勉強かな?一応受験生だし」

「えー、息抜きに合コンしようよ?」

うちのクラスの女ども相手などしたくない。俺の相手ならもっと美
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • 陰キャが実はネットアイドル☆   41話 タロウ、親になる。

    俺は大パニック。何しろ、初めての相手だし。いや、俺の大学生活はタヤカ一筋だったが。結論「結婚してください」となった。結婚式とかは考えていないという超現実主義。今の俺の部屋は育児に向いていないから、賃貸にするなり売るなり(売れるのか?)なんかの施設にするなりだなぁ。スポンサーと要相談だな。金はたくさんある。外貨で貯金もしている。今後俺がすべきことは、タヤカの両親に挨拶だなぁ。タヤカ曰く、「おおらかな人達」だけど、デキ婚はありなのか?タヤカの両親。特に、お義父さんには殴られた。空手道場の師範だそうだ。超痛いんですけど?心の準備できてなかったし。お義母さんは「何をやってるんですか?仕方ないわねぇ?自分だって婚前交渉しまくりだったでしょうに。あらいやだ。子供の前で言う事じゃないわね。ほほほ」と、おおらかだった。「初孫は男の子と女の子とどっちかしらねー?」とも言っていた。ご両親には俺が『T』であることも話した。お義母さんは、「私、ファンなのよ。色気がいいわよね?そっかぁ男性なのね?で、高校生くらいだったから女装もしたのかしら?その時の色気もすごかったわー」とすぐに打ち解けられた。俺のサイン。署名みたいなものなんですけど?なんか芸能人みたいに難解なものは無いのです。あら?サインっていうより、署名とか記名みたいね。「私の手帳なのにタロウ君の手帳みたいになっちゃったわ」と仰っていた。お義父さんは、そんな姿を見てか「フン、芸能人みたいなことをやってたのか?しかも女装だと?けしからん!」「今は至る所鍛えてるわよ!」と、タヤカ。「ええ、動画をインターネットに投稿するということをしていたので、スポンサーもついてかなりの年収が今あります。もちろん、貯蓄もしています。いますぐにマンションくらいなら買えます」流石にお義父さんを黙らす要因となった。…認めてもらえるかな?「その資金とでタヤカさんとお腹の子は必ずや幸せにしてみせます。今後の活動は動画投稿ではなく、スポンサーに就職をして私の後を継ぐような人材を育てようと考えています」「でも、女声も男声も出る人材ってなかなか現れないんじゃ?」「育てるんです。現れるのを待っていたら、定年退職です」「フン、出来るもんならやってみろ。俺は孫が見たい」「もう、お父さんは素直じゃないんだから!いいですよ。いつでもこ

  • 陰キャが実はネットアイドル☆   40話 二人の『T』

    「なぁ、タヤカ。俺ら『T』は今年度からネットの声も聞いていこうと思うんだ。二人になったから時間的にも心に余裕ができたし」「そうね。それがいいかも。ただし、ネットの声って応援してくれるものからディスってくるものまで色々あるけどね?」「うん、二人ならできるかな?って一人でディスられたらイライラして次に進めなくなるかもしれない。でも、今はタヤカがいるし♡」「わかった。で、こないだの二人の投稿したんでしょ?ネットの声は?」ウーム、タヤカはなかなか甘い雰囲気になってくれないなぁ。なんだかビジネスライクだ。――――女バージョンのスカート、今までより丈長くね?色気が減ってて俺はガッカリ。――――私はきちんと仕事!って感じでこのほうが好き。――――俺は脚派だな。それにしても、ちらりと見えた脚。今までの『T』様の脚となんか違うんだよなぁ。コレは‘変態’の投稿だろうか?脚評論家か?「俺は歌を聞いて欲しいんだけど、みんなの意見がタヤカのスカートの丈に集中してた。やっぱもうちょっと短い方が……」「この方がって意見もあるんだから、このままで大丈夫よ!」無念。せめて、スリットでも入れたいところだけど、股間蹴られたくないから黙っておきます。「あ、歌はねー。『T』は歌が上手いってのは誰しもが言わなくてもわかるってことだから、あえてネットで発言しないかもなぁ。いや、変な歌声とかだったら別だけど、タロウはまともに歌うでしょ?」それはどうかなぁ?とはタヤカには言えない。大学では俺とタヤカは美男美女カップルとして有名になっていた。認識として、俺は『T』様によせてるイタイ人間だけど。タヤカと授業はかぶるように調整した。俺は超頑張って飛び級できるようにする!そうすればタヤカと同学年だ!「見てよあの二人は結局付き合う事になって、しかもタヤカが超美人に変身!はぁ、恋をしてあそこまでキレイになるのはすごいと思う」俺がイロイロ手を加えたからな(ドヤァ)。「タロウ君は前よりイケメン度が上がった?なんか、堂々としててイイ感じ」すごく曖昧な表現でよくわからん。今日もタヤカがうちに来てくれた。素直に嬉しい。うちの機材とか、施設に興味深々。俺(・)に(・)興味持ってくれないかなぁ?「タヤカ。今度の撮影なんだけど、タヤカを主役に考えてるんだ」「えー?どんなの?」「タヤカは嫌がるか

  • 陰キャが実はネットアイドル☆   39話 新・『T』

    「せっかく昨日(昨夜だけど♡)記念日だし?今日撮影してみる?えーと、タヤカ?体は大丈夫?」俺はハジメテだからかなぁ?全く加減というのがわからないままというか本能のままに抱き潰した感がある。スマン、タヤカ。「私は平気だよ!撮影面白そうね?二人で撮るんでしょ?」「俺が使ってるのは遠隔操作可能なやつだから、一回とればOK。あ、歌は俺が担当するよ。こんな体形でも女声がでるんだ」「うそー、歌でも負けてる感じでショック」「他には?」「女性としての色気?脚とかすごい色気だったし」「あー、クラスに脚フェチのやついてね。俺の脚見て鼻血で死にかけてたよ、いやマジで。救急車に乗ったし」「その人は人として大丈夫?」「うーん、俺も心配だけど…。大学進学じゃなくて家業を継ぐらしい。どんな家業かわかんないけど」「代々パンスト作ってる会社かもよ?」「あぁ、それならありうるな」「で、変態の話じゃなくて撮影の話。俺が社長の椅子に座ってて、タヤカは社長秘書」「あの冬服着るの?」そうだけど、なんか問題あったかなぁ?「……昨日めちゃくちゃいろんなとこにキスマークつけたでしょ?絶対見える」「それはそれで色っぽいじゃん」「あと、あの服!超ミニでスリット入ってるよね?下着はどうすれば…」あぁ、俺はノーパンだったけど、女の子は気にするのか……。不覚。「似たような生地で作り直す!マーメイドラインにしようか?」「秘書さんが仕事をするのに動きにくそうだよ。スリットなしでタイトスカート。丈は膝上5センチ!」うーん、スリット好きとしては悲しい。ま、タヤカのオーダーだし作ろう。「演出なんだけど、まずタヤカが書類をチェックする。それを俺が受け取ってチェックする。ラストは俺が椅子から立ち上がってタヤカの首に手を回す。 でOK?」「OK」「いやぁ、今まではこういう時女バージョンで撮影して、男バージョンで撮影して、合成して補正してって大変だったんだよ。あ、相手役はココに転がってるマネキン人形。もう、マネキン人形の脚をなでてるとき俺は何やってるんだろう?って思ったし」「……大変だったのね。出来た画像は非常に艶めかしかったけど」撮影は進む。ラスト。俺はタヤカの脚を撫でてみた。「アドリブアドリブ♪」俺は言うけど……「アドリブで股間蹴りあげるわよ?」怖し……「はい、止めます」

  • 陰キャが実はネットアイドル☆   38話 タロウの大学デビュー

    卒業してから、俺の行動は速かった。髪をまず切った。もっさりしてたからな。もうすぐ入学式。俺は首席で入学を免れた。目立つのは避けたい。俺が望んだ大学デビュー!「ねぇ、あの人!…」ふふふ。俺の思惑通りいっているのか?とりあえず、合コンが多そうなサークルに所属した。さっそく今夜歓迎会という名の合コンらしい。「俺は田中タロウです。えーと、趣味は多趣味なんですよね。なんでもできるかな?」「家事一般は?」「一人暮らしだったから余裕ですよ。加えて、洋裁・和裁もできます」「えー?楽器は?」「うーんと、サックスとドラムやったことあるかな?」「やっぱりー‼田中君。『T』に憧れてるんでしょ?そっくりだもんね。素顔?整形?」おおう、そうだったのか・・・。本人疑惑じゃなくて、そっくりに寄せてるちょっとイタイ人。凹む。「顔も体も天然ものですよ。触ります?」「それはセクハラでしょ?」うーん、ノリが合コンチックになってきた。イイ子いるかな?俺はそこで‘こいつは’という逸材を見つけた。昔の俺と同じ気配を感じる。「田中くーん、その地味子はどうかと思うけど……」遠くからも笑い声が聞こえる。俺はこの子は磨けば光る俺と同じ性質を持つ、もしや俺と同業者か?「俺はこの子とちょっと抜ける」そういって俺はその子と歓迎会なんだか合コンなんだかを抜けた。「えーっと名前は?あ、俺の名前は田中タロウ。今年入学したからあなたの1学年下ですね」「私の名前は、天王寺タヤカ。よろしく。なんで私なんかを?」「うーん、昔の俺と同じ気配を感じたからかな?単刀直入に聞きます。天王寺さんはもしかして」「『T』様じゃないわよ?」「それはわかるんだけど」俺が『T』だから。「ネットアイドルやってない?」彼女は赤面した。「なんでわかったの?」「俺と同じ気配を感じたって言ったよね?俺の正体は『T』」天王寺さんは絶句していた。そうだろうな。自分よりも視聴数が断然多い『T』が目の前にいるからな。「それで、提案何だけど、今後二人で『T』をやっていかないかな~と。天王寺さんのイニシャルも『T』みたいだし」「え?イニシャルで名前決めてたの?」愕然とされた。「俺も限界が近くて。女バージョンでの撮影は俺の体形だと無理なんだよね」「それより、昔はあの女バージョンも田中君がしていたと?」「ま

  • 陰キャが実はネットアイドル☆   37話 タロウは余裕

    1月まさに追い込み。今月で結果が決まっちゃう受験生もいたりする。俺は来月まで続く。流石に今月は全国模試はない。けど、すぐに共通1次(?)がある。なんか知らんが俺よりも進路指導の教官の方が緊張しとる。俺は大丈夫じゃないか?とタカをくくってる。けどなぁ。今月の更新はお休みしよう。理由は必殺体調不良。体調には気を使っている。特に喉はショーバイ道具と言ってもいいのかな?翌日の教室。「今月の更新お休み。悲しいな。体調不良かぁ。男バージョンならさぞかし色っぽいんだろうなぁ♡」男の俺が元気です。「女バージョンなら脚がいいなぁ。鼻血を出してる場合じゃないぞ。俺だって看病する!」うーん、変態に看病されるのか。女バージョン貞操の危機!俺だけど。2月に受験終わったらサービス動画を投稿しよう。2月俺は当然合格。よし、大学デビュー決定!ここで、デュエット曲をお見舞いしよう。二人とも着物ってのはどうだろう?まず、女バージョン撮影。徐々に着崩れます。アゴクイされたように顔を上に向けます。脚を絡めます。全身で抱きつきます(虚しくもマネキン……)ラストは着物を羽織るのみ!次に男バージョンの撮影。こちらも徐々に着崩れます。腹筋見えます。至る所の筋肉全開です。アゴクイします(マネキンだけど……)。ラスト抱きつきます。二人に着物がかかってる感じ。ベッドに横たわっての仕草。曲は80年代のムード歌謡デュエット曲。さぁ、明日から自由登校になるけど、その前の反応はどうかな?「うおー!俺の脚!!」俺の脚だ。断じて変態の脚ではない。「すごいエロティックな動画をぶちこんできたわね。いや色っぽくていいんだけど♡」編集大変なんだ。女バージョンの脚だって今の脚ならNGだろうから、もっと女っぽい脚にコンピューター加工したり、ちょっと寝不足です。「あら?田中君眠いの?うち来る?今日うちの両親泊りで出かけてるんだ」明らかに誘ってるし。そんなことより、俺は家でゆっくり休みたい。「泊まるならうちに来なよ!私、実は一人暮らしだから料理に自信あるんだ♪」俺、料理も上手いからやめとけ。俺の方が絶対うまい。「オイオイ、田中の争奪戦かよ?そいつはちょっと前まで陰キャだったんだぜ?」「それが何よ?」そうだよな…。インテリの磨けば光るイケメンで将来性がある逸材だもんな。でも、俺にも

  • 陰キャが実はネットアイドル☆   36話 タロウは忙しい

    11月も全国模試あるのか……。受験生は過酷だな。そして、勉強が最近疎かになっていたか?順位は67位だった。「最近どうしたんでちゅか?疎かでちゅね?色気づいたからでちゅか?」脚で鼻血を出す変態に言われたくない。姿勢を正しただけだ。たまに寝ぐせがイイ感じにもっさりとしてない髪型になるだけだ。「田中君、最近陰キャだけどイケメン度上がってるじゃん。卒業前に残念よねー。姿勢と髪型がねー」あと、黒縁眼鏡です。順位は全国的に見ればかなりいいほうだと思う。進路指導が小踊ってたし。ま、目標がこの学校の生徒がいないような偏差値が高い大学に行くことだから。そんな今月は男バージョンの撮影か……。筋肉……、色気……。バーテンの格好で撮るか。腕をまくってシェーカーを振る。俺の前腕を見ろ!そして、ラストは誘うようなカクテルを…スクリュードライバーを。酒言葉『あなたに心を奪われた』と共に。全編うでをまくり、80年代のムード歌謡を歌いながら。ラストは挑戦的にカメラを見よう。翌日の教室やっぱり女子が煩い。「『T』様は腕も素敵♡ラストの酒言葉最高!え?お持ちかえられちゃう?みたいな?」「バーテンダーは忙しくてそんな暇ないよ」おお、変態まともな意見だ。先月俺の脚で死にかけてた人物と同一人物とは思えない。「歌、上手いよなぁ。昔の歌か?うちの母さんに画像見せたら、「こんな人いるの?」って」実在します。「私、変態のこと笑っちゃったけど、こんなバーテンダーいたら、通っちゃう♡」お、こいつも俺に貢ぐ宣言。バーテンダーやったらかなり稼げるなぁ。多分。でも、福利厚生がしっかりしてないんだよなぁ。俺が起業するのか?はぁ、起業って面倒そうだ。経理とか……。12月は受験生追い込み。来月は共通1次(?)がある。よって今月は全国模試がいっぱい。結果はどれも全国50位以内でかなりいいと思う。俺は黒縁眼鏡から、普通のノンフレームの眼鏡にした。姿勢がよくて、寝ぐせによってはイイ感じにもっさりしてなくて、インテリっぽい眼鏡。よって、女子は今更俺に寄ってくる。俺はインテリで髪型によってはイケメンという立ち位置になった。「田中君はクリスマスどうするの?」「多分、勉強かな?一応受験生だし」「えー、息抜きに合コンしようよ?」うちのクラスの女ども相手などしたくない。俺の相手ならもっと美

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status