Esmerelda Sleuth  «LA  BOÎTE MAGIQUE» [Livre  deux]

Esmerelda Sleuth «LA BOÎTE MAGIQUE» [Livre deux]

last update最後更新 : 2021-09-05
語言: French
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故事簡介

Avec ses ennemis dans la Virginie d'avant la guerre civile cherchant toujours sa mort, Esmerelda est forcée de retourner dans le futur quelques jours seulement après le mariage de Lance. Parce qu'il était nécessaire de simuler sa mort pour empêcher ses ennemis de la suivre dans le futur, son nouveau mari, Lance, a été contraint de rester. Il avait placé une boîte magique pour qu'ils puissent communiquer jusqu'à ce qu'il trouve un moyen d'être en toute sécurité avec elle sous le plancher de la maison. Maintenant, elle doit le trouver. Une tâche plus facile à dire qu'à faire ! « The Magic Box » est le deuxième tome de la passionnante série de détectives d'Esmerelda

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第 1 章

1

「ごめんなさい、|細波《さざなみ》さん。何度言われても、私、貴方とはお付き合いできません」

|神田《かんだ》|芽生《めい》がそう言って頭を下げるのに合わせて、腰まである彼女のさらさらストレートの黒髪が、スルリと肩をすべって顔を覆い隠した。それと同時、プルンと揺れた胸は、一五五センチあるかないかの芽生にはちょっぴり不釣り合いに大きくて、そのギャップからだろうか。胸目当ての男性からよく絡まれてしまう。

芽生の勤め先のファミリーレストラン『カムカム』の常連客、|細波《さざなみ》|鳴矢《なるや》からの交際申し込みは一度や二度ではない。何度断っても懲りないバイタリティを思えば、何もこのたわわなバストだけが目当てではないのかも知れない。

でも、だからと言って好きになれそうにない相手からのアプローチほど面倒なことはないのだ。何度断ってもしつこいぐらいに言い寄ってくる細波に、芽生は正直|辟易《へきえき》していた。

「ねぇ芽生ちゃん、何で僕じゃダメなの?」

細波は大企業『さかえグループ』の社長室付きのスーパーエリートらしい。一番最初に交際を申し込んできた際、頼んでもいないのに『さかえグループ 社長補佐 |細波《さざなみ》|鳴矢《なるや》』と書かれた名刺を差し出されて、つらつらと自らの価値――社長の|遠縁《とおえん》だのなんだの――について本人から説明された芽生は、残念なことにそのことを知っている。

「僕の職歴に不服はないはずだけど?」

言外に、『|ファミレス《こんなところ》で働いているキミにはもったいないくらいの申し出だと思うよ?』という言葉が見え隠れするようで、芽生はゾクリと肩を震わせた。

見た目だけなら彼は本人が自信を持つのも納得がいくイケメンだが、性格と趣味嗜好に難あり。それが|細波《さざなみ》|鳴矢《なるや》と言う男だった。

|暦《こよみ》は冬へ向かってまっしぐらな十一月の半ば。上着を羽織っていても日陰に入ると風が冷たくてぶるっと震えてしまう。

(でも今のは違うゾクゾクだ)

香水のにおいをぷんぷんまき散らす細波に傍へ寄られると、それだけで嫌な気分になる。移り香なんかが残ってしまったらと思うと無意識に距離をあけたくなった。

(香水なんて、薫るか薫らないかを身に纏うくらいでちょうどいいのに)

ふとそこで、〝ある人〟を頭に思い描いた芽生は、寒いはずなのにほわりと頬が熱を持ったのを感じた。

ハッキリ言って、細波みたいなタイプは苦手だ。それじゃなくても芽生は、〝孤児院育ち〟という生い立ちから、散々周りに|哀《あわ》れまれてきた。馬鹿にする人間だって少なくなかった。

細波のように地位や名誉や血統を|笠《かさ》に着るタイプの人間は、表面上はそう見せなくても大抵後者だ。

「何度も言ってますけど……別に細波さんがイヤなわけじゃないんです。私、小さい頃からずっと、思い続けている|男性《ひと》がいて……その人以外とはお付き合いしたくないだけなんです」

「うん、そのことは何度も聞かされてるし、知ってる。――で、その男と付き合える見込みは?」

「それは……」

芽生が口ごもったと同時、「だったら」という声とともに細波が一歩踏み出して来て……芽生は慌てて後ずさる。

(においが移っちゃうっ)

強く薫る嫌いなにおいに気圧されて逃げようとしたら、|踵《かかと》がコツッと縁石に当たる感触がして、これ以上下がれないとソワソワした。そんな芽生の背後に、まるでタイミングを見計らったように黒塗りの高級車が音もたてずに滑り込んできた。

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