He was never mine

He was never mine

last updateLast Updated : 2026-01-20
By:  AngelOngoing
Language: English
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This a story about how enemies became lover then became enemies again .enemies don’t change I fell in love with him and trusted him but he destroyed me

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Chapter 1

1 Before love ruined us

香月温子(こうつき あつこ)が息を切らしながら山の中腹にあるヴィラに辿り着いた時には、中のパーティーはとっくに始まっていた。

門番は彼女が来るとは思っていなかったようで、少し驚いた様子だった。

「奥様、どうしてこちらへ?皆様はもうお食事を済ませてしまわれましたのに……」

夫の誕生日パーティーだというのに、名ばかりの妻である彼女は忘れ去られ、この界隈の誰もが、彼女に連絡一つよこさなかった。

温子は門番に微笑みかけ、ヴィラのドアを押そうとしたその時、中から話し声が聞こえてきた。

「梓穂さん、どんなプレゼントを贈ったんですか?伊吹さん、ずっと梓穂さんのプレゼントの袋をじっと見て、随分前から楽しみにしているようです」

「俺が?」

「いやいや。その袋、もう穴が開くほど見つめてましたって。せっかく梓穂さんが今回帰国したんだし、もうさっさと温子さんと別れた方がいいんじゃないですか?みんなも気分悪いでしょうし」

「そうですよ。そもそも、あいつが薬を盛って伊吹さんのベッドに忍び込んだんでしょう?あの時、伊吹さんが一時的に情に流されて、あいつの世間体を気遣って妻の座を与えなかったら、とっくの昔に世間の唾にまみれて生きていけなかったでしょう」

中央に座る男は、仕立ての良いダークスーツを身につけ、シャツの襟元はボタンが二つ開けられていた。彼の雰囲気は生まれつき人を寄せ付けず、深く彫られた目元、高い鼻、薄い唇は、まるで色彩豊かな毒蝶のよう。今、細く吊り上がった目尻が、どこか冷淡で傲慢な雰囲気を醸し出している。

「急ぐ必要はない」

「伊吹さん、三年経ってもまだ急がないんですか?あの女、昔、梓穂さんの姉を植物状態にしたんですよ。おばあ様が庇ってなければ、とっくに俺たちが始末してましたよ」

灰原伊吹(はいばら いぶき)のすらりと美しい指が、手中のライターをもてあそぶ。その視線が、ふと、入り口の影を捉えた。

そこでようやく、皆は温子がいつの間にかそこに立っていることに気づいた。

誰かが小声で尋ねた。「誰か、あいつに連絡したのか?」

その場に返事をする者はおらず、どうやら彼女は招かれざる客だったらしい。

温子は睫毛を伏せた。

温子は穏やかで涼しげな顔立ちで、小ぶりな卵型の顔をしている。淡い色のカシミヤのセーターを着て、額の髪は優しく耳の後ろに留められている。

その容姿だけを見れば、誰も彼女があんな恥知らずな真似をするとは思わないだろう。だが、実際にそれらのことをしたのは、紛れもなく彼女自身だった。

手にプレゼントを携え、中央に座る伊吹を見つめる。胸は締め付けられて、じわりじわりと痛みが染み渡り、指先までぎゅっと握りしめた。

伊吹のもとへ歩み寄り、丹精込めて用意したプレゼントを差し出す前に、彼はわずかに眉をひそめ、気だるげにからかった。「誰が来ていいと言った?」

周囲から嘲笑が漏れる。それは、温子の誇りを寸分ずつ打ち砕くかのようだった。

傍らにいた篠崎梓穂(しのざき しほ)はそれを聞き、伊吹を咎めるように睨みつけ、温子の腕を引いて座らせた。「一応、あなたの奥さんなんだから、プレゼントを渡しに来るのは当然でしょう?温子さん、早く座って。伊吹ったら、本当に意地悪な性格なんだから」

温子は口を真一文字に結び、何も言わなかった。正真正銘の妻であるはずなのに、元婚約者の梓穂に場を取り繕ってもらうなんて。この場にいる誰もが彼女を歓迎していなかった。

それでも彼女は来た。

ただ、十八歳の時、彼が「二十八歳の誕生日を一緒に過ごそう」と言ってくれたから。

彼女は直接、伊吹の隣に座り、梓穂を押し退けた。

梓穂の顔色が一瞬で凍りつき、険しい表情になった。しかしすぐに気を取り直したように尋ねる。「伊吹にどんなプレゼントを用意したの?」

詮索好きな誰かが、直接手を伸ばして開けてみた。中にはマフラーが入っており、タグはなく、手編みのように見えた。

梓穂の声が再び響く。「あら、私と本当に気が合うわね。私もマフラーを贈ったのよ」

二本のマフラーはそうして並べられた。どちらも手編みで、どちらの出来が良いのかは判別できない。

誰かがうっかりテーブルに触れると、蓋の開いたワインボトルが突然倒れ、酒が二本のマフラーへと流れ出した。

伊吹は手を伸ばし、そのうちの一本を手に取った。もう一本はびしょ濡れになり、酒の匂いが充満していた。

彼が手に取ったのは、梓穂のマフラーだった。

温子は、二ヶ月かけて編んだマフラーが酒に浸されているのを見て、一瞬で顔色を失った。心臓は鈍く、痺れるように痛んだ。

梓穂はため息をつき、慰めるように温子の腕を組んだ。「温子さん、怒らないでね。これ、持って帰って洗えばまた使えるわよ」

温子はやはり梓穂を無視し、伊吹を見つめた。

伊吹は目を伏せ、その瞳に宿る感情を覆い隠していた。

場の雰囲気は微妙なものになった。温子はまるで、楽しんでいたパーティーを台無しにしたかのよう。人々は次々と立ち上がり、帰ると言い出し始めた。

温子は動かずにその場に座り、テーブルに置き去りにされたマフラーを見つめていた。まるで、自分自身を見ているかのように。

他の人々が次々と去っていく中、彼女は立ち上がろうとする伊吹を見つめ、静かに言った。「伊吹、誕生日おめでとう」

伊吹は聞こえていないかのように振る舞った。この周囲にいるのは皆、彼の親しい友人たちだ。

二十一歳の時、灰原家に見つけ出された頃、伊吹はすでに裸一貫から成り上がった新進気鋭のビジネスマンだった。そして、彼の隣には十九歳の香月温子(こうつき あつこ)がいた。

七年の歳月を経て、その新進気鋭のビジネスマンは、今や権力の中枢を担う巨頭となっていた。しかし、二人の間の愛情はもはや跡形もなく消え去っていた。

共に苦労し、無名だったあの辛い日々は、まるで前世の出来事のようだ。

伊吹は梓穂を送り届けるよう指示した。

梓穂は手を上げ、彼の肩にそっと触れた。「二人でちゃんと話し合ってね。いつも喧嘩ばかりじゃだめよ」

誰かが鼻で笑った。「梓穂さん、本当に気が長いですね」

「気が長いわけじゃないわ。ただ、あの頃の温子さんもまだ幼かったし、きっと悪気はなかったんだと思うの」

「わざとじゃないって、とんでもない。他人の人生を台無しにして、その上厚顔無恥にも梓穂さんの居場所を奪ったくせに、よくもまあ顔を出せるもんだ」

声は嫌悪感を露わにし、次第に小さくなっていった。

温子は座ったまま、まるで急所を突かれたかのように、全身の血の気が引いて、唇の色もわずかに薄くなっていた。

温子は立ち上がり、ずぶ濡れのマフラーを掴み取ると、伊吹を見つめた。

「伊吹」温子は一度、静かな声で彼を呼んだ。

伊吹のスーツはすでに腕にかけられていた。それを聞くと、彼はネクタイを軽く緩め、彼女を見ることなく、目に見えて苛立ちを募らせた。「また何か言いたいのか?」

温子は微笑んだ。その美しい唇から紡ぎ出されたのは、「私たち、離婚しましょう、伊吹」という言葉だった。

伊吹の瞳に驚愕の色が走り、その目元には陰鬱な影が幾重にも重なった。「今度はどんな新しい手口だ?あの時、薬を盛って俺に触れさせたくせに、今更高潔ぶって離婚だと?温子、お前は疲れないのか?」

「ごめんなさい、三年もあなたの時間を無駄にしてしまって。でも、今回は本気なの」

伊吹の瞳から嘲りが寸分ずつ消え去り、彼は勢いよく温子を引き寄せた。

指先で温子の顎を強く掴み、彼女が痛みに眉をひそめるのを見て、ようやくその得体の知れない鬱屈が少し和らいだ。「今更、無駄にしただと?てめえ、三年前は何をしてたんだ?温子、いいか、離婚したいんだろ?金は一銭たりともやらんぞ!」

「私、何もいらないから」

温子の瞳は澄んでおり、声は相変わらず穏やかで、一点の曇りもないようだった。

当時、伊吹が灰原家に見つけ出された後、彼の傍にいた温子は灰原家の両親に養女として迎えられた。

誰もが知っていた。灰原家は、ようやく見つけ出した次男が、平凡な出自の女性と結婚するのを望まず、手っ取り早く養女の身分を与えることで、世間の口を封じたのだと。

伊吹は温子の冷ややかな顔を見つめ、何も言わずに喉を詰まらせ、そして背を向けた。

「いいだろう、身一つで出て行け。後悔するなよ」

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