Of Beasts and Heartbreak

Of Beasts and Heartbreak

last updateLast Updated : 2023-04-07
By:  Lady JasCompleted
Language: English
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Synopsis

Tori Culpepper's mission to find out who was responsible for the murder of her father and stepmom is not going well. After a traumatic meeting with her hateful and exploitative stepbrother, Alex, who claims to have news of her missing sister, Fran, she falls prey to the charms of her boss. Calvin Phillips of the North Shore pack was once her prime suspect. He is the most eligible Alpha in the territory and his nightclub, Remus, has contributed to his wealth and near celebrity status. "You know this was a one night stand, don't you? We have to keep it professional." Despite his hurtful words, Tori is hopeful that Calvin will help her uncover the truth. Justice seems as out of reach as ever when she is abducted. Will she ever learn who was behind it - and will the truth be more than she can bear?

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Chapter 1

Chapter One - The Interview

五十嵐拓海(いからし たくみ)は、周囲から見れば、完璧な夫だった。

毎日決まった時間に帰宅し、出張先からは必ずビデオ通話で無事を知らせてくる。

飲み会に女性が同席すると分かれば、必ず事前に電話で私の了承を得る。

生理のたびに、彼は決まって温かい飲み物を用意してくれた。

しかし、彼の優しさが深ければ深いほど、私・音羽望央(おとは みお)はまるで刑期を過ごしている囚人のような気分になった。

五年前、結婚式当日。

彼の秘書が、臨月のように膨らんだ腹を抱えて私の前にひれ伏し、二人の仲を認めてほしいと懇願した。

拓海は彼女を引きずり出し、戻ってきた時には全身が血だらけで、私の前で震えていた。

「みお、俺が悪かった。もう縁を切った。あいつは二度と姿を見せない」

それから五年。

彼は確かに、浮気まがいの行為は一度もしていなかった。

むしろ欠点が見つからないほど完璧な夫で、そろそろ彼を許してもいいのだろうか。

そう自分に言い聞かせていた。

今日、一緒に食事に行こうと、彼の会社へ向かった。

ドアの向こうから、子どもの声が聞こえた。

「パパ、今日はママの誕生日だよ。帰ってお祝いしようよ」

「うん、そうしよう」

次の瞬間、手元のスマホが振動し、画面が明るくなった。

【みお、今夜は残業だ。遅くなる】

ドアの隙間から、そっくりな顔をした夫と男の子を見つめた。

ふと、五年前のことを思い出した。

あの女がひれ伏した時、その腹は今にも生まれそうなほど大きかった。

強く握りしめていた妊娠検査薬が床に落ちた。

臆病者の私は、飛び込んで問い詰める勇気など、微塵もなかった。

震える指で床の妊娠検査薬を拾い上げ、踵を返してその場を離れた。

会社ビルを出て、ようやく一息つくことができた。

花壇のそばにしゃがみ込み、えずきそうになったが、何も出てこなかった。

手のひらは汗でびっしょりで、検査薬をカバンの奥へ押し込んだ。

抜け殻のように街をさまよい、気がつけば夜になっていた。

いつの間にか家に帰り着いていた。

邸宅はがらんとして、拓海はまだ戻っていなかった。

靴を脱ぎながら、なぜか無意識のうちに、もう書斎の前に立っていた。

普段、彼は私に書斎への立ち入りを固く禁じていた。

私も本当に五年間、一度も入ったことがなかった。

鍵はかかっていないまま、私はドアを開けた。

デスクの上はきれいに片付いており、古いスマホが一台置かれていた。

充電ケーブルを繋ぎ、電源を入れた。

スマホに保存されていたチャット履歴は、一人分だけ残っていた。

一番上にあったのは、四年前のボイスメッセージだった。

再生ボタンを押すと、女の笑い声が流れてきた。

「翔太(しょうた)はね、今日『パパ』って言えたのよ。聞いてみる?」

履歴をさかのぼっていく。

丸一年、拓海は宮園詩織(みやぞの しおり)とその息子・翔太の成長を、一日も欠かさず見守り続けていた。

毎日の「おはよう」と「おやすみ」、毎週の面会の約束。

翔太が初歩きの日、初めて幼稚園に通った日も、すべて拓海が記録していた。

スマホを元の位置に戻し、その場に座り込んだ。

涙が、ただ静かに落ちた。

五年前の結婚式での出来事が、また蘇ってきた。

その時私は思った。「男なら誰でも過ちを犯すもの。一度だけ、許してあげよう」と。

でもまさか、彼は何も解決などせず、彼らを隠していただけだったんだ。

彼を問い詰めるつもりもなく、私はただ、ぼんやりと書斎をあとにした。

深夜になり、拓海がようやく帰ってきた。

酒臭さはなかった。代わりに微かなケーキの香りがした。

ソファに座っている私を見つけ、彼は近づいてきて抱きしめた。

「こんな所で一人で座ってたら冷えるだろ。寝室まで送ってやるよ」

私は淡々と告げた。

「昨日、私たちの結婚記念日だったの。覚えてる?」

彼は一瞬固まり、すぐに謝った。

「ごめん、みお。忘れてた。今からプレゼントを用意するから、怒らないでくれ」

私は彼の手を振り払った。

「もういいわ。過ぎたことだから」

そう言い捨てて、彼の反応を無視し、そのまま階段を上がった。

寝室に戻ると、親友にメッセージを送った。

【離婚したい】

送信直後、ドアが開けられ、拓海が入ってきた。

問答無用で私を抱きしめると、囁くように言った。

「そんなに落ち込むなよ。最近、接待続きで本当に忘れてただけなんだ」

鼻をつく、見知らぬ香水の匂い。

堪えきれなく、私は力いっぱい彼を突き飛ばした。

そのまま腰を折り、何度もえずいた。

拓海はその場に立ち尽くし、表情がじわじわと沈んでいった。

「だから、仕事で忙しくて忘れただけだと言っただろ。いつまでグチグチ騒ぐんだ? これだけ長く、お前を大切にしてきただろうが」

彼は、私が騒いでいるのだと言った。

顔を上げ、彼を見据えた。

涙が溢れそうになるのを堪え、私は一言も返さなかった。

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