The Fontaines of Hollywood series: The Secret to Seduction

The Fontaines of Hollywood series: The Secret to Seduction

last updateÚltima actualización : 2023-11-29
Por:  Ember CaseyEn curso
Idioma: English
goodnovel18goodnovel
10
1 calificación. 1 reseña
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I'm screwed.If I want to keep my dream job, my new (and way-too-attractive-for-his-own-good) boss says I have to score an interview with one of the legendary Fontaine brothers of Hollywood.I know three things about the Fontaine brothers:1) that they're Hollywood royalty,2) that all four of them are ridiculously, mind-numbingly sexy,and3) that they never, ever give interviews.My only chance is to seduce one of them. The only problem? Historically speaking, I'm way more likely to put my foot in my mouth (or generally make a fool of myself) than charm the pants off anyone.That's where my way-too-sexy boss comes in. He might hold the fate of my job in his hands, but he's also totally willing to teach me the art of seduction. I only hope I can survive his lessons. . . Due to explicit scenes, this steamy romantic comedy is rated 18+.The Secret to Seduction is created by Ember Casey, an eGlobal Creative Publishing signed author.

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Capítulo 1

Chapter 1: Eight Days Until Certain Humiliation

1週間後、私はオーストラリアからK市へ戻ってきた。

同じ頃に到着する予定だった二人は、空港に姿を見せなかった。

私は荷物を受け取ると、彼らを待たずにタクシーを拾い、家へ向かった。

タクシーの運転手はとても気さくな人で、私を見るなり次々と話しかけてくる。

「お客さん、一人旅ですか?」

「はい」

「勇気がありますね。怖くなかったですか?」

私はかすかに笑って答えた。

「少し不安でしたけど、今はもう平気です」

家に着くと、スマホにいくつかメッセージの通知が届いていた。

どれも、私たち三人のグループチャットからだ。

【凪咲、ごめん!飛行機の時間間違えちゃって、私たち明日帰ることになったの】

【お前みたいなドジっ子が、海外旅行なんて無理だろ。俺がついてきて正解だったな】

【凪咲、あんたの彼氏がまた私のこといじめてくる!早く懲らしめてよ!】

私は荷物を置き、文字を打ち込む。

【二人ともオーストリアで一緒にいるんでしょ?いちゃつくなら、わざわざこのグループでやらなくてもいいんじゃない?】

次の瞬間、真言から電話がかかってきた。

通話ボタンを押すと、電話口から、紗知のすすり泣く声が聞こえた。

真言は不機嫌そうな声で言った。

「凪咲、今のどういう意味?俺たちのことを疑ってるのか?」

「別に」

「じゃあ、あの言い方はなんだよ」

「思ったことを言っただけ」

「凪咲!たかが旅行だろ。紗知がうっかり間違えただけじゃないか。それに、お前だって俺の金でオーストラリアを1週間タダで楽しんできたくせに!

紗知が今、泣いて落ち込んでるんだから、早く慰めてやれよ」

真言はそう急かすと、スマホを紗知に渡したようだ。

「紗知、もう泣くな。凪咲に謝らせてやるから。このあとハルシュタットに行くんだろ?せっかくのメイクが崩れるぞ」

紗知はしゃくりあげながら私に謝る。

「ごめんなさい、凪咲。全部私が悪いの。オーストリアに来るんじゃなかった」

「大丈夫、もう気にしてないから」

「じゃあ明日の朝、空港まで迎えに来てくれる?朝7時には着くから」

紗知の泣き声が、少しずつ収まっていく。

「本当にごめんね、凪咲。お土産買ってくるからね」

真言が低い声でなだめる。

「あいつは絶対来るさ。ほら、もう泣き止んで、メイク直しに行こうぜ」

「フェイスパウダー、持ってきてないの」

「俺が持ってるよ、ばーか。全部俺のバッグに入ってる」

二人は私の存在など気にも留めず会話を続け、電話を切ることすら忘れていた。

私は自分から通話を切り、そのまま5分ほど待った。

折り返しの電話も、メッセージの通知もなかった。

彼らはまたしても、私を蔑ろにしたのだ。

……

自分の部屋に入ると、窓際に吊るされた手作りの風鈴が目に入った。

私はそれに近づき、そっと取り外す。

これは真言と付き合い始めたばかりの頃、二人で手作り体験の店に行って作ったものだ。

「風鈴が鳴ったら、それは俺がお前を想っている合図だ」

彼はそう言っていた。

その風鈴が鳴らなくなって、どれくらい経つのか、もう思い出せない。

スマホがピコンと鳴り、私は反射的に画面を開く。

LINE公式アカウントからの通知だった。

何気なく通知を確認したあと、ピン留めした真言とのトーク画面を開く。最後のやり取りは、出発前に彼が送ってきた【明日の朝、忘れ物すんなよ】というメッセージで止まっていた。

それ以前の履歴をスクロールしても、ほとんど私の独り言のようなメッセージばかりだ。

私は真言のインスタを開く。

プロフィール画像は私と手を繋いでいる写真のままだが、投稿されている内容は、私とは何の関係もないものばかりだった。

私と付き合ってからの1年間で、彼が私についての投稿をしたのはたったの5回。

しかし紗知と出かけたこの1週間で、彼は何十回も投稿している。

画面が一瞬固まり、タイムラインが再読み込みされた。

真言の新しい投稿がアップされたのだ。

写真には、オーストリアの街角で、大きなバラの花束を受け取り、驚きと喜びに満ちた紗知の笑顔が写っていた。

花束を贈った相手は、言うまでもない。

私は静かに目を伏せ、その投稿に「いいね」を押して画面を閉じた。

それから箱を一つ取り出す。中には、真言からもらったものがぎっしり詰まっている。

しばらくそれを見つめた後、あの風鈴もその中に押し込んだ。

明日、この荷物を彼に突き返して、最後に別れを告げよう。

……

翌日、私は時間通りに空港へ到着した。

朝7時から10時まで、ずっと待ち続けた。

何度も電話をかけたが、一向に繋がらない。

朝から何も食べていなかったせいか、頭がくらくらしてきた。

このままではまずいと思い、意識が朦朧とする中、空港内のコンビニへ朝食を買いに行こうとした。

しかし次の瞬間、私は大きな音を立てて、そのまま冷たい床に倒れ込んでしまった。

再び目を覚ました時、私は病院のベッドに横たわっており、腕にはブドウ糖の点滴が繋がれている。

「気がつきましたか?空港で低血糖を起こして運ばれてきたんですよ」

看護師がいくつかの注意事項を説明した後、ふと思い出したように言った。

「そういえば、さっきからスマホがずっと鳴ってましたよ」

「ありがとうございます」

私は力の入らない体をなんとか起こし、スマホの画面を確認する。案の定、着信が何件も残っていた。

すべて真言と紗知からのものだ。

私は着信履歴から一件選び、折り返し電話をかけた。

「凪咲、お前迎えに来るって言ったよな。今どこにいるんだよ!」

電話が繋がるなり、耳に飛び込んできたのは真言の怒鳴り声だった。

「もう午後1時だぞ!来たくないなら最初からそう言えよ。紗知は飛行機酔いしてるのに、お前を待ってたせいで余計具合悪くなってるんだぞ!

紗知への当てつけのつもりか?彼女は何もしてないだろ!文句があるなら俺に言え」

「大丈夫だよ、真言。凪咲を怒らないで」

「お前は黙ってろ!お前が甘やかすから、こいつがつけ上がって自分勝手なことばかりするんだ!

凪咲、今すぐ来い。紗知と空港の到着ロビーにあるカフェにいるから」

私が一言も発する間もなく、電話は一方的に切られた。

漏れ聞こえる電話の声で一部始終を聞いていた看護師さんは、眉をひそめて私を気の毒そうに見た。

「今のは、お友達の彼氏さんですか?ずいぶん勝手な人ですね……」

私はベッドから降りる。

「いいえ、私の彼氏です」

目を丸くする看護師さんをよそに、私は淡々と自分のバッグを手に取り、会計を済ませて病院を後にした。

指定されたカフェに着くと、真言と紗知はお揃いのTシャツを着て、スマホゲームをしていた。

「もう!なんでまた私を守ってくれなかったの!」

ゲーム内でやられてしまったらしく、紗知は怒って真言のスマホを奪おうとする。

「貸して!まだ遊び足りないんだから!」

「凪咲にだって俺のアカウントを触らせたことないんだからな、お前には絶対貸さない」

「またそうやって凪咲をダシにする!このサイテー男!」

真言がわざと手加減したせいで、紗知はまんまとスマホを奪い取り、適当にスキルを空撃ちして遊んでいる。

やれやれと苦笑いしながらスマホを取り返す真言の横顔を、私は静かに見つめた。

彼と一緒にゲームをした時のことを思い出した。あの時、彼は「なんでそんなにすぐ死ぬんだよ」と私を責めるばかりだった。

彼がゲームをしているのを隣で見ようと顔を近づけた時も、眉をひそめて私を押し退け、「集中できないから邪魔しないでくれ」と言い放ったものだ。

男の子はみんなそういうものだよ、ゲームになると本気になっちゃうんだから――紗知はそう言って私を慰めたけれど。

結局、彼は私のことをそれほど好きではなかった。それだけのことだ。

ゲームが一段落すると、真言はごく自然な仕草で紗知のドリンクを手に取り、一口飲んだ。

私が近づくと、真言は私を見るなり、その目に苛立ちと不満の色を浮かべた。

「なんだ、すぐ来れるんじゃん。なんで最初から時間通りに来なかったんだよ?」

「7時に着くって言ったのはそっちでしょ」

真言は言葉に詰まり、少しだけトーンを落とした。

「だったら待ってればよかっただろ。用事があって帰るにしても、ひと言連絡くらいできたはずだ」

「なんで本当の到着時間を教えてくれなかったの?」

私は真言の目を真っ直ぐに見据える。

「到着時間が変わったなら、そう教えてくれればよかったじゃない。

もう、あなたたちの都合に振り回されるのはうんざりよ」

紗知がスマホのモバイルオーダーの画面を見せてきた。

「凪咲、怒らないで。全部私が悪いんだから、真言と喧嘩しないで。ほら、何飲みたい?」

「喧嘩するつもりはない」

私は淡々とした声で告げた。

「真言、私たち別れよう」

真言は勢いよく顔を上げ、信じられないというような目で私を見た。

「凪咲、自分がいま何言ってるか分かってんのか?」

紗知も慌てて私の腕を掴む。

「凪咲、私に怒ってるならちゃんと言って?そんな急に別れるなんて言わないで、一回落ち着こう?

真言と付き合うために、あんなに頑張ってたじゃない。私のせいで喧嘩して別れるなんてダメだよ。私、もう帰るから、ね?」

「お前は帰らなくていい」

真言は紗知を制すると、不機嫌そうに顔をしかめ、嘲笑うような口調で私に向かって言った。

「凪咲、最初はそっちからしつこく俺を追いかけ回してきたくせに。本当に俺と別れるって言うんだな?」

「本当よ」

重い沈黙が、その場に流れた。

真言が口を開く。

「理由は?」

「私たちはもう、合わないと思うから」

「だから、理由を聞いてるんだよ!」

真言の語気が次第に荒くなっていく。

「俺が少し文句を言ったからか?それとも俺のインスタのせいか?俺たちがオーストリアに行ったからか?

お前が何も聞いてこないから、物分かりが良くて、無駄なヤキモチも焼かない女だと思ってたのに」

「私、あなたが思うほど物分かりよくないよ」

「お前、いちいちそうやって口答えしなきゃ気が済まないのか!?」

真言はドンッとテーブルを拳で叩き、血走った目で私を睨みつけた。

「今日の言葉は、ただのワガママってことにしておいてやる。家に帰って頭を冷やせ。紗知はいつもお前に優しくしてただろ?俺だって、お前にひどいことをした覚えはない。

お前をオーストリアに連れて行けなかっただけだろ?俺が彼女だと認めてるのはずっとお前なんだ、それだけじゃ不満なのかよ」

「そうだよ、凪咲。私と真言は本当に何もないの。私たち、顔を合わせればケンカばっかりなんだよ」

「もういい。これ以上、お前に説明する義理はない」

真言は立ち上がり、紗知の手首を掴んで強引に店の外へ歩き出した。

「大学に入って、またいじめられたって泣きついてくるなよ」

二人はあっという間に店から出て行った。

私は改めてカフェラテを注文し、席に座り直して、真言の最後の言葉を反芻していた。

私は内気な性格で、周りからいじめられることが多かった。

真言は、そんな私を一度助けてくれた。

それからは、いじめられるたびに彼に助けを求め、庇ってもらっていた。

彼に助けられる日々が何年も続き、やがて私たちは付き合い始めた。

しかし今、私を傷つける側に回ったのは、他でもない彼自身だった。

幸いなことに、私はもう、自分で自分を守れるようになった。

カフェラテを飲み終えると、私は一人で家へ帰った。

……

大学の入学式まであと3日。夕食の時、母がふと尋ねた。

「凪咲、本当に海外の大学に行くの?」

「うん」

「帝都大には行かないのね?」

私は小さく微笑んだ。

「行かないよ、お母さん」

母はそれ以上深くは追及せず、私の好きな唐揚げを、そっと私のお皿に移してくれた。

「海外に行っちゃったら、なかなか会えなくなるわね。そういえば紗知ちゃんから聞いたけど、明日の夜、クラスの集まりがあるんでしょう?みんなにちゃんと挨拶しておいで」

……

翌日、私はクラス会が開かれるレストランへ向かった。

集合時間は夜の7時。それは絶対に間違いない。

ところが、店に着いたときには、クラス会はすでに始まってからかなり時間が経っていた。

私がドアを開けて入っていくと、クラス委員長がすぐに眉をひそめた。

「荻野、何してたんだよ。1時間半も遅刻だぞ。

普段ならともかく、今回は卒業記念の集まりだろ!」

私はスマホを取り出して言った。

「私への連絡では、7時集合になってるけど」

委員長は鼻で笑う。

「はいはい、遅刻は遅刻だろ。鷺沢がクラス全員に連絡したんだぞ。お前だけわざと時間を間違えるわけないだろ」

クラス中からドッと笑い声が広がる。

紗知は真言の隣に座り、私に向かって手を振っていた。

周囲を見渡すが、空いている席は二人の隣しかない。

私は観念して、そこに腰を下ろした。

すぐにまた、周りの会話が再開される。

「そういえば、久我と鷺沢ってどこの大学に行くんだっけ?」

「帝都大に決まってんだろ!真言の第一志望だったしな」

「すげーな!うちのクラスの最強コンビが、帝都大でも無双するってわけか」

みんなが真言と紗知の周りに集まり、飲み物を手に祝杯をあげる。

私は彼らに押し潰されそうになり、思わず真言の名前を呼んだ。

案の定、真言は私をちらりと見たが、口角を少し上げただけで、そのまま無視した。

私は唇を噛み締め、腹を決めて冷たく言い放った。

「ちょっと、押さないでよ」

すると、真言の取り巻きたちが不機嫌な顔をした。

「荻野、なんだよその態度は?真言の隣にいられるのは自分だけって言いたいのかよ」

「そうだよ、お前に乾杯してるわけじゃないんだから、何を気取ってるんだ?」

「真言と紗知がオーストリア旅行にお前を連れて行かなかったのも納得だな。俺が彼氏なら、とっくにお前なんか振ってるぜ!」

「ちょっと、みんな言い過ぎ!凪咲をいじめるのはやめて!」

紗知はわざとらしく拳を振り上げるポーズをとる。

「凪咲、怒らないで。みんな、あなたが今日遅刻したから少し怒ってるだけなの」

「遅刻なんてしてない。あなたが教えた時間が違っていたのよ」

私は立ち上がった。

「どうして私宛てのメッセージだけ、7時集合になっていたの?」

紗知はきょとんとした顔をした。

「何言ってるの?みんなに同じ時間を一斉送信したんだから、間違えるはずないよ」

そう言って、彼女は悲しげに泣き出した。

「凪咲、まだ旅行のことで怒ってるのは分かるけど、私を悪者にするのはひどいよ」

「こんな奴、最初から呼ぶべきじゃなかったんだ!どうせみんなこいつのこと嫌いなんだし!」

「そうだよ、久我!自分の彼女くらいちゃんと躾けとけよ!」

あちこちから声が飛び、みんなが真言に詰め寄る。

隣では、紗知がいかにも傷ついた様子で泣いている。

真言は腕を組み、面白がるような目で私を見下ろしていた。

その瞬間、私は悟った。真言もこの嫌がらせの共犯者なのだと。

「真言……?あなた、どうしてこんなことを?」

「お前が紗知の機嫌を損ねたんだから、お前が恥をかいて機嫌を取ってやれよ」

真言は冷たく鼻で笑い、紗知を抱き寄せた。

「お前、俺と紗知ができてるって疑ってたんだろ?ああそうだよ、その通りだ。

凪咲、お前って本当に陰湿な女だな。何かあると、全部紗知のせいにするなんて。

さあ、お前のワガママでとばっちりを受けた紗知に謝れ!」

真言の腕の中で、紗知は弱々しく身じろぎした。

「真言、凪咲にそんなこと言わないで」

「こいつには少し痛い目を見せて、その被害妄想を治してやらなきゃダメなんだ」

全身の血の気が引くのを感じながら、私はかつて人生で最も大切だったはずの二人を見つめていた。

「あっ、真言!こいつ、お前から貰ったもの持ち歩いてるぜ!」

真言の取り巻きの一人が、いつの間にか私のバッグを勝手に開け、私が真言に返すつもりだった箱を取り出していた。

真言は箱をちらりと見ただけで、開けようとはしなかった。

私は血相を変え、バッグを取り返そうと振り返る。

しかし真言が私を力ずくで押さえつけ、どうしても紗知に謝罪させようとしてきた。

その間に、取り巻きの男は私の日記帳まで引っ張り出し、勝手にページを開いて大声で読み上げ始めた。

「5月12日、晴れ。真言はまた自分から連絡をくれなかった。でも、牛乳を買ってきてくれたから許してあげた。

6月1日、曇り。真言が塾をサボって、紗知を遊園地に連れて行った。私も一緒に行きたかったな。でも今の成績じゃ帝都大は厳しいから、勉強頑張らなきゃ。真言と同じ大学に行くために!

ギャハハハ!なんだこれ、真言の観察日記かよ!?」

これには、泣き真似をしていた紗知でさえ我慢できず、顔を背けて吹き出した。

私は嘲笑の渦の中に立たされ、日記は彼らの手から手へ渡り、好き勝手に読まれている。

真言は、私を守ってはくれなかった。

彼は私の敵側に立ち、見下すように言った。

「凪咲、俺と紗知に謝れ。そうすれば今日のことは無かったことにしてやる。俺はこれからもお前の彼氏だし、将来は結婚してやってもいい」

紗知は涙を拭いて言う。

「凪咲、大丈夫だよ、私には謝らなくていいから。

真言みたいないい男、そうそういないよ。早く彼に謝りなよ。帝都に行ったら、私たちで助け合わなくちゃいけないんだし」

私は怒りで全身が震え、耳鳴りが止まらなくなった。

どこからそんな力が出たのか、私は真言を力いっぱい突き飛ばし、取り巻きの手から箱を奪い取ると、彼に投げつけた。

箱の中から、彼が私にくれたプレゼントが床一面に散らばる。

そして私は日記帳を奪い返し、ボロボロになったそれをバッグに押し込むと、振り返ることなくその場を立ち去った。

去り際、最後の一言を言い捨てて。

「真言!私たち、もう終わりよ!」

家に帰ると、残りの荷物をすべてまとめた。彼らに内緒で進めていた留学の準備は、とうに完了している。翌朝早く、私は予定を早めてS国へ向かった。

……

2日後、真言と紗知は帝都に着いた。

紗知が帝都大へ入学手続きに行こうと急かすが、真言は空港の到着ロビーを食い入るように見つめ、見慣れた姿を探そうとしていた。

ついに耐えきれなくなった彼は、凪咲の番号へ電話をかけた。

しかし、着信拒否されていた。

真言の指が、知らず知らずのうちに震え出す。今度は凪咲の両親に電話をかけた。

だが、誰も彼女の居場所を教えてはくれなかった。

突然、とてつもない不安に襲われた真言はもう一度、別の相手に電話をかけた。電話の向こうで、担任の先生が訝しげに彼の質問に答えた。

「荻野ならS国に留学することになったはずだぞ。君は知らなかったのか?」

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rachellynnb70
rachellynnb70
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2023-12-12 04:46:16
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