パーフェクト・ウーマントレーニングコース

夫と大喧嘩した後、私はスーツケースを引きずって親友のもとへ逃げ込んだ。

「今の私は全然女らしくないって言われたの。彼からそんな言葉をもらうために一生懸命働くのはもう疲れたわ……」

「私なしで、彼が仕事と子育てをしながら、毎日華やかでいられるのか見てみたいわ！」

私は涙と鼻水を流しながら豊永優里に泣きついた。

私の名前は岩本芽衣。結婚して7年になる。3歳の子供がいて、妊娠後、仕事を辞めて専業主婦として家庭に入った。

私も以前は活発で可愛らしい少女だったが、生活の苦労でくすんだ顔の女性になってしまった。

優里は大学時代の親友で、卒業後も連絡を取り合っていた。

以前は直接離婚を迫られたこともあったが、今回は不思議とトレーニングコースを勧められた。

「パーフェクトウーマントレーニングクラスって言うんだけど、何回か受講したことがあって、すごく良かったんだ。よかったら一緒に行かない？」

優里が言うには、1カ月教室に通えば、そのときから夫に死ぬほど愛される体になれるということだった。

控えめに言っても、とても素晴らしかった。

でも、授業料は月60万円もかかる！

夫の収入は良いが、出費も多く、60万円あれば2か月分の住宅ローンを支払うのに十分だ。

私が迷っているのを見て、優里はすぐに思い出させてくれた。

「今日、あなたの夫が何て言ったのか考えてみて！彼が言ったのは、あなたは上品な場にも似合わないし、台所仕事もできないってことだよ！」

この言葉に私は刺激を受け、夫の私に対する軽蔑的な表情を思い出し、同意するように頷いた。

すぐに、親友が私をトレーニングクラスに連れて行ってくれた。

このトレーニングクラスはオフィスビル内で開催されており、オフィスビルのフロア全体を占めていて、高級な装飾が施され、非常に高級感があります

かなりの数の生徒が出入りし、高級バッグを持った金持ちの女性も多く、私のような主婦も少なくなかった。

驚いたことに、受付係はえくぼが2つあるハンサムな男性だった。

若いハンサムな男性は、私が親友から紹介された生徒だと聞くと、すぐに明るい笑みを浮かべた。

「岩本さん、優里さんの先生を選びますか？それとも別の先生を選びますか？」

私が話す前に、優里はすぐに彼に目配せをした。

「彼女に別の先生を選ばせてください！私たちは違わなきゃだめなんです」

それを聞いたハンサムな男性は私に分厚い冊子を渡し、「岩本さん、どの先生が良いか教えてください」と言った。

次の瞬間、私はさらに驚いた。

分厚い冊子には男の先生が満載で、どの先生もとてもイケメンだ。

写真だけでなく、名前、身長、体重、特技など、様々な個人情報も添付されている。

特技欄についても「適度な力強さと技術の良さ」と記入する人が多かった。

この専門分野は何?トレーニングと何の関係があるの?

この冊子を読んでいるうちにますます眉をひそめてしまったが、結局のところ、最初はこのクラスの先生は全員女性だと思っていた。

パーフェクトウーマントレーニングクラスでは、女性に体型、気質、服装、料理のスキルを教えるべきではないか?

どうして全部男の先生ばかりなの？しかも……なんだか変に奇妙だし。

私は心の中で尻込みしてしまった。

「岩本さん、何か心配事がありますか？」

ハンサムな男性たちは皆、私の躊躇に気づき、優里はさらにそれを見抜いていた。

彼女は憎しみを込めて私の額をはじいた。

「今日あなたの夫が何を言ったか忘れたの？まだ彼にあなたをくすんだ顔の妻と呼んでもらいたいの？」

私の頭の中には、夫の今朝の顔が脳裏をよぎり、心の中の不安が一掃された。

私は気に入った先生を選んでしまった。

「会員証を作る！これでいいよ！」

最初は体験授業で、フロントにいた小柄な男たちがすぐに先生を呼んでくれた。

「安藤先生、この方があなたの新しい生徒、岩本芽衣さんです」

最初にその先生を見た瞬間、この人を選んで正解だと思った。