Masukモブな勇者♂の相棒(バディ)は体(ボディ)も力(パワー)も規格外(チート)の元魔王♀! 非常識でジコチューのやりたい放題のチート元魔王♀と 翻弄される召喚モブ勇者♂が 魔王軍相手に無双して異世界を救う!? 平凡なサラリーマンのアグリは 突如異世界に転移した。 魔王討伐を命じられ、一振の剣をもらうのだが… その剣には元魔王が封印されていた。 そこから傍若無人の元魔王との魔王軍討伐が始まる。 課せられた運命にアグリは元魔王とチカラ合わせて突き進む。
Lihat lebih banyak「ふぅ…… これですべて片付いたかのぅ」ゾルダは疲れたがどっと出たような顔をしていたが、その表情はすっきりした様子だった。 自身が封印されたこともあるのだろうけど、ゼドやお父さんにいろいろと仕掛けられたことが一番頭に来ていたのかもしれない。 それでも、ちょっとやり過ぎな気もするけどね。「あっ……」「なんじゃ、急に」「いや……ちょっと気になったことがあって」「気になることじゃと?」「そう。 確かさ、前もそうだったけど、アスビモはなんでゾルダの事を『ソフィア』と言っていたの?」急に頭の中に浮かんできた。 アスビモが呼んでいた名前の事を。 それを聞いたゾルダは何故か顔を赤くしている。「そ……それは……別に気にしなくてもいいのじゃ……」少し俯いてボソボソと呟いている。 なんだかゾルダらしくない。「それはですね。 お嬢様の本名は『ソフィア・デアネポス・レティクス・デストルーク』と申します」「セバス、それを言っては……」セバスチャンがフォローなのかわざとなのか真相を話してくれた。 ゾルダはさっきより赤面していたような気がする。「『ソフィア』ですか……かわいい名前ですね。 ゾルダに似合わないですが」容姿や出自を見れば合わなくもない名前とは思うが、魔王らしくはない名前だ。 お父さんも魔王にさせるつもりはなかったのかもしれない。 でも態度や言動を見ると、今の『ゾルダ』の方がしっくりくるし…… ちょっと照れもあって、最後の言葉を足してしまった。「わるかったな。 似合わなくて。 ワシも十分理解しておるわ。 だから『ゾルダ』と名乗っておるのじゃ」ゾルダはほっぺを膨らませ怒っているのだったが、今までのピリピリした感じはないような気がした。「それも半分は本来のお嬢様ではないです」セバスチャンはゾルダの言動や態度について話始めた。
アスビモの奴…… ワシによくも屈辱を味あわせてくれたのぅ。 この仕返しはしっかりと返さんとのぅ。「おぬし、邪魔じゃ…… 少し離れておれ」そうあやつに言うと、捕まえている腕を引きはがしたのじゃ。 そして指をポキポキならしながら、アスビモの奴の前に立ったのじゃ。そう言えば、封印が解けた反動なのかもしれぬのじゃが…… 先ほどまでの不快な魔力の乱れが嘘のように消えておる。 なんだか力が溢れてくるのぅ。「アスビモ、お前わかっておるのぅ」頭の中は怒り狂っておるとワシでもわかっているのじゃが…… 何故か冷静なワシもおり、その怒りを眺めているような気持じゃ。「ひぃっ……ひぃーっ……」アスビモの奴、面白い顔をしておるのぅ。 あちこち引きつっておるぞ。「ゾルダ……お前なんか笑ってないか?」笑っておる? そんな訳ないはずじゃ。 ワシは確かあいつを睨みつけているはずじゃが……そう思うと両手を頬から口に抱えて撫でてみたのじゃ。 確かに口角が上がっているのぅ。「違うのじゃ。 これは……笑みなどではないのじゃ。 身体が勝手に反応しているだけじゃ」「無自覚で笑っている方が怖いって」あやつはなんでそんなところまでワシのことを見ておるのじゃ。 なんだか顔が熱くなってきおった。「……もう、そんなことより、アスビモの奴じゃ!」改めて気を入れ直して、アスビモの奴に向かい直したのじゃが…… 足音を立てぬようにそぉーっとその場から立ち去ろうとしておった。「何をこそこそしておるのか!」一喝するとアスビモの奴は一目散に逃げていったのじゃ。「ちっ…… ワシらを嵌める大胆なことをするぐらいじゃから、少しは期待しておったのがのぅ……」もう少し楽しめるのかと思っていたこともあって、思わす舌打ちをしてしまったのじゃ。 まずは逃げられぬようにと……
考えてみるとは言ったもののどうしたものか…… 相手は悪辣非道なアスビモ。 ゾルダたちとは直接戦っていないものの、弱いからってわけじゃないだろう。 明らかに俺よりかは強い。 俺が倒すのは正直現実的ではないな。 ゾルダたちをどう解放すべきかに力を割いた方がいいだろう。 でも、アスビモから逃げながらそんなことが出来るだろうか。周りを見直す。 ここには幸い、柱がいっぱいある。 これならアスビモの攻撃を避けながら……「さぁ、あなただけになりましたね」なんとも言えない笑みでこちらを見るアスビモ。 もう勝ったような顔をしている。「あなたが欲しいのですよ。 あなたのまだ使っていない力が欲しいのです…… 私のモノになりませんか?」欲しいって何それ。 怖いって。アスビモがじりじりと近寄ってくるが、俺も一定の距離を保つように後退する。 それでも慌てて追ってくるようなことはしない。 いつでも捉えられると思っているのだろう。 そんな感じがする。「黙っていては何もわかりませんよ…… あなたを手に入れるには多少足や手が無くなっても問題ないのですよ」アスビモはそう言うと魔法を詠唱する。「氷の矢」無数の氷の矢がこちらに向かってくる。『おぬし、何をしておる。 右じゃ右、右に避けるのじゃ』頭の中にゾルダの声が響く。 とっさに言われるがままに右に避けると、その横を氷の矢が横切っていった。『何を考え事しておるのじゃ! 目の前に敵がおるじゃろ』「いや、お前がこの状況を何とかしろって……」『確かに言ったがのぅ。 今は目の前に敵がおるのじゃぞ…… まぁ、ワシの言う通りに動いておれば、当たることはないじゃろ。 ワシの指示に遅れるなよ』相変わらず無茶言うな。 ゾルダの指示に従って動きながら、封印を解くもしくは弱める何かを考えろってかい。『ほれ、そうこうしているうちに次が来るぞ。 お前も多少魔法が使えるようになっておるじゃろ。 闇の雷でも何でもいいのじゃ。 雷系の魔法をあの氷にぶつけるのじゃ』「いや、闇の雷なんて使えないって」『おぬしなら使えるようになっておるじゃろ。 とにかく唱えてみるのじゃ。 早くしろ!』「わかったって。 |闇の
奇妙な城の中を行ったり来たりさせおって…… 壁にも小細工をしおってショートカットも出来んしのぅ。 ストレスが溜まるばかりじゃ。 でももうそれも終わりじゃのぅ。 この扉の向こうにアスビモの奴がおるじゃろう。 有無を言わさずぎったんぎったんにしてやるのじゃ。マリーとセバスチャンが扉を開けると、柱だけが立ち並ぶ大きな空間が目の前に広がってきたのじゃ。「奇妙な部屋じゃのぅ。 アスビモの奴の趣味かのぅ」「うゎ…… こういう空間、見覚えがある」あやつがキョロキョロしながらつぶやいておる。「ここに来たことがあるのか?」「いや、無いよ。 俺が居た世界での、ゲームや漫画でだよ。 だいたい、こういうところで強い敵が現れて、戦いになるんだ。 たぶん、アスビモもその辺りの影響を受けてそう」「ほほぅ。 強い敵とな。 それは楽しみじゃが、相手はアスビモだしのぅ。 腹が立ってはおるが、ワクワクはせんのぅ」強い敵がおるのじゃったら、本当に楽しみなのじゃが、相手はもうわかっておるしのぅ。 強さもそこまでではないしのぅ。 ただ単に姑息で卑怯で自分では手を下せない臆病なだけじゃ。 万が一にもワシが負ける事なぞないのじゃ。部屋に入り始めてゆっくりと奥へと進んでいったのじゃが、延々と同じような柱が続いておる。 同じような間隔で続く柱にグルグルと同じ場所を回っているような感覚になるのぅ。「しかし、アスビモの奴はどこにもおらんのじゃ。 ワシを恐れて逃げ出したかのぅ」「ここまで誘い出していて逃げるのか? それよりか、何か罠を仕掛けていると思った方がしっくりくるけど」あやつは周りを警戒しながら歩を進めておる。 そこまで警戒せんでも、セバスチャンやシータたちもおるし、問題ないじゃろ。「まぁ、アスビモの奴じゃからのぅ。 策は何かしらしておるじゃろ。 正面から正々堂々という奴じゃないしのぅ」大きく笑いながら、アスビモの奴の姿を探すのじゃが、全く姿が見えん。おらぬ。「……っ」イライラのあまりか、頭が少し痛くなってきたのぅ。 魔力も若干乱れておるような気がするのぅ。 姉貴もマリーも先ほどとは様子が少し違うような気がするのじゃ。「なんか……寒くないですか」マリーは腕を組んでブルブル震えておる。 かと思えば「暑いわ…
「さて、次へ行くとするかのぅ」砕け散った肉塊が飛び散る部屋を出たワシらはさらに城の奥へと進んでいったのじゃ。 城の中は上へ下へ右へ左へと通路がわかれておる。 本当にあいつはワシをイライラとさせるのが上手いのぅ……「なんだか、本当にゲームをしているようだ」あやつがポロっとつぶやいた。「なんじゃ、そのげぇむとやらは?」聞きなれない言葉に興味がわくのぅ。 なんか強そうな気がするのじゃ。「うーん…… 説明が難しい…… こっちにないものだし、似たようなものもないものだからなぁ……」あやつは困り果てた顔をしておる。 それとも何かワシに話せないことでもあるのかのぅ。「そんな
セバスチャンは少しだけ乱れていた衣服を整えていた。 しっかりと整っているように見える髪型も念入りに直していた。 普段からきちんとした身なりをしているセバスチャン。 何故改めて身なりを整え始めたのだろう。「うむ、これはセバスチャンの本気が見れるかのぅ」セバスチャンの様子を見ながらニヤニヤしはじめたゾルダ。「えっ? というか、今まで本気じゃなかったの?」「??? 何を今更…… おぬしもわかっておったのじゃないのか? ワシらは今まで本気を出した事などないのじゃ」「えーっ!」あれでまだ本気出してないの? 驚いてマリーとシータの方を見ると、二人は首を振っている。
このような頑丈な壁、どうやって構築してきたのでしょうか。 お嬢様の物理攻撃がまったく効かないのは初めて見ました。 簡単に作れるものなら、ぜひともお嬢様の住む家にも使いたいところです。「ちっ、ここも壊れんのぅ。 早くアスビモの奴のところに行きたいのじゃが……」お嬢様は相当悔しいのでしょうか。 しばらく歩いてはまた壁にパンチやキックをしています。 さっきは魔法を手にのせて壁を攻撃していましたが、ビクともしませんでした。 いい加減諦めてもよさそうなのですが……「もう無理なのはわかっただろ、ゾルダ。 入れるところから入っていこうよ」アグリ殿は呆れながらお嬢様の手をひぱって進
あれから数日――ゼドがいろいろと手配をしたこともあり、アスビモが取得したという土地への出立の準備が整った。 その間、アスビモの居場所に繋がる情報も調べてもらっていたが、こちらはあまり有益な情報は出てこなかった。「アスビモの奴め…… あいつはどこにおるのじゃ」ゾルダはアスビモの情報のなさにイラつき始めていた。「まぁまぁ、みんな頑張ってくれているみたいだし。 ゼドも上手に指示出来ているみたいだし、そのうちいい情報が入ってくるよ」「まぁ、それはそうじゃが……」ゼドはあの騒動後、ゾルダに魔王を返すと言っていたけど、ゾルダは固辞していた。『今の魔王はお前じゃ、ゼド。 もとも





