モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている

モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている

last updateHuling Na-update : 2025-04-30
By:  光命In-update ngayon lang
Language: Japanese
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モブな勇者♂の相棒(バディ)は体(ボディ)も力(パワー)も規格外(チート)の元魔王♀! 非常識でジコチューのやりたい放題のチート元魔王♀と 翻弄される召喚モブ勇者♂が 魔王軍相手に無双して異世界を救う!? 平凡なサラリーマンのアグリは 突如異世界に転移した。 魔王討伐を命じられ、一振の剣をもらうのだが… その剣には元魔王が封印されていた。 そこから傍若無人の元魔王との魔王軍討伐が始まる。 課せられた運命にアグリは元魔王とチカラ合わせて突き進む。

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Kabanata 1

第0話 勇者のバディは魔王様!? ~アグリサイド~

俺はアグリ。

何故かこの世界で勇者となった。

そして魔王討伐の旅に出ている。

で、今はその旅の途中なのだが……

「このワシに立てつくとはいい度胸しておるのぅ」

容姿端麗で見た目は美しいが終始高圧的な態度の女性が、容赦なく敵を蹴散らしていく。

「さすが、ねえさま。素晴らしいですわ」

現代で言えばゴスロリ風というのだろうか……

そういう服を着ている、

まだ容姿としては幼い女の子がうっとりした目をしている。

「おいどんにも残しておいてくだされ」

強面で筋骨隆々ないでたちの男性が、肉体をこれ見よがしに見せながら敵をなぎ倒す。

「もう少しスマートに出来ないものですかね。私のように」

執事風ですらっとした体系の男性が、そう言いながら華麗に敵を倒していく。

「暑いわ。いややわ。わっちの肌がヒリヒリしてきたわ」

後方で素肌を眺めながらのんびりと構えている女性。

出るところが出て、引っ込むところは引っ込む、所謂物凄くグラマラスな女性だ。

そのスタイルがわかる姿は、目のやり場に困る感じだ。

……と、なんだろう。この状況は。

みんながみんなだいぶ好き勝手にやってくれている。

「おい、お前ら!

 やりたい放題やって、さっきの話はどうなった?」

終始高圧的な態度をしている女性が攻撃をやめて、睨みかえしてきた。

「さっきの話とはなんじゃったかのぅ……忘れたぞ

 目の前に敵がいるなら堂々と蹴散らすのみじゃ」

なんでこう話を聞かないのか。

「なぁ、ゾルダ。

 敵を倒すのはいいんだけど、もっと自重しろっていったよな。

 辺り一面火の海じゃん」

終始高圧的な態度を示す女性の名はゾルダという。

「これでもワシは自重しておるぞ。

 周りが脆いだけじゃ」

そしてこのゾルダ。

実は元魔王である。

「ゾルダの自重は自重になっていないんだって。

 後々から言われるのは俺なんだからな」

そう、勇者である俺のバディでもある。

そして他の4人も元四天王でゾルダの部下である。

今はこの5人と共に魔王討伐の旅に出ていたのだった。

俺も何故元魔王たちと一緒にいるのか不思議だ。

勇者には勇者の仲間がいるのが普通だが、今の俺の仲間と言えるのはこの元魔王と元四天王だ。

勇者が元魔王の力を借りて現魔王を倒しに行く。

自分で言っていても訳が分からない。

それにこいつらは本当に元魔王だし、元四天王なのだ。

魔族だし、人の常識にあてはめられないのは確かなのだが……

それを除いたとしても本当に本当に非常識だ。

敵だろうが味方だろうが関係なしに攻撃しはじめる。

手加減をしない。

山の一つや二ついとも簡単に壊す。

建物もそうだ。

それに加え、元魔王のゾルダは自己中でやりたい放題やってくれる。

人質は無視するし、作戦も無視する。

すぐるキレるし、何事も容赦をしない。

それに酒癖も悪いときた。

本当に一緒に旅をし始めてからは振り回されっぱなしだ。

こう今までのことを思い出しても愚痴しか出てこない。

ただ、そうは言っても頼れる存在ではあるのだが……

ただゾルダたちに振り回されながらも、魔王討伐に向けて一緒に旅を続けている。

何故、そうなったかというと、それは俺がこの世界に呼び出されたころに遡る。

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55 Kabanata
第0話 勇者のバディは魔王様!? ~アグリサイド~
俺はアグリ。何故かこの世界で勇者となった。そして魔王討伐の旅に出ている。で、今はその旅の途中なのだが……「このワシに立てつくとはいい度胸しておるのぅ」容姿端麗で見た目は美しいが終始高圧的な態度の女性が、容赦なく敵を蹴散らしていく。「さすが、ねえさま。素晴らしいですわ」現代で言えばゴスロリ風というのだろうか……そういう服を着ている、まだ容姿としては幼い女の子がうっとりした目をしている。「おいどんにも残しておいてくだされ」強面で筋骨隆々ないでたちの男性が、肉体をこれ見よがしに見せながら敵をなぎ倒す。「もう少しスマートに出来ないものですかね。私のように」執事風ですらっとした体系の男性が、そう言いながら華麗に敵を倒していく。「暑いわ。いややわ。わっちの肌がヒリヒリしてきたわ」後方で素肌を眺めながらのんびりと構えている女性。出るところが出て、引っ込むところは引っ込む、所謂物凄くグラマラスな女性だ。そのスタイルがわかる姿は、目のやり場に困る感じだ。……と、なんだろう。この状況は。みんながみんなだいぶ好き勝手にやってくれている。「おい、お前ら! やりたい放題やって、さっきの話はどうなった?」終始高圧的な態度をしている女性が攻撃をやめて、睨みかえしてきた。「さっきの話とはなんじゃったかのぅ……忘れたぞ 目の前に敵がいるなら堂々と蹴散らすのみじゃ」なんでこう話を聞かないのか。「なぁ、ゾルダ。 敵を倒すのはいいんだけど、もっと自重しろっていったよな。 辺り一面火の海じゃん」終始高圧的な態度を示す女性の名はゾルダという。「これでもワシは自重しておるぞ。 周りが脆いだけじゃ」そしてこのゾルダ。実は元魔王である。「ゾルダの自重は自重になっていないんだって。 後々から言われるのは俺なんだからな」そう、勇者である俺のバディでもある。そして他の4人も元四天王でゾルダの部下である。今はこの5人と共に魔王討伐の旅に出ていたのだった。俺も何故元魔王たちと一緒にいるのか不思議だ。勇者には勇者の仲間がいるのが普通だが、今の俺の仲間と言えるのはこの元魔王と元四天王だ。勇者が元魔王の力を借りて現魔王を倒しに行く。自分で言っていても訳が分からない。それにこいつらは本当に元魔王だし、元四天王なのだ。魔族だし、人の常識にあてはめ
last updateHuling Na-update : 2025-02-22
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第1話 ここはどこなんだ ~アグリサイド~
俺は岩城亜久里そこそこ働いて、そこそこ遊んで、そこそこの生活をして過ごしている。どこにでもいそうな普通のサラリーマンである。フツーが一番。目立つのは面倒である。今日も通勤電車に揺られながら出勤する。そして自分の役割だけはこなす。定時になったら、目立たぬようにそろっと帰る。人付き合いもそこそこで、深すぎず浅すぎずの友人関係や仕事関係を保っている。深入りしてトラブルになるのは避けたいんでね。社畜と言われるほど会社に奉公している訳でもないし、かといってちゃらんぽらんに仕事をしている訳ではない。ワークライフバランスっていうのかな。何でもバランスって大事よ。今日も与えられた任務完了して、さっさと家へ帰って筋トレして、風呂入ってから、ゲームでもするか。朝の通勤電車の中でそんなことを頭に思い浮かべながら出勤をしていった。~数日後の休日~昨日の夜に動画を見ていたら、海ではしゃいでいるシーンがふと目に留まった。まだ夏には早いけど、今日は休みだし、一人で海へ行ってみるか。愛車の軽自動車に最低限の荷物を積み、海へと向かう。そういえば、最近あまり遠出はしていなかったな。インドア派だし、そんなに外へ出なくてもね。家でゲームしたり、動画見て過ごせる。外に出る必要性は感じないけど、たまには外に出なくちゃね。窓を開けると海風が心地いい。しばらく走っていると足跡もない白い砂浜が見えてきて、テンションがあがった。近くに車を止めると、ビーサンに履き替えて、海へと突っ走っていく。「冷たっ」さすがに海の水は冷たく、思わず声が出てしまう。しばらく波打ち際を歩いていたが、少し先の海の中が一瞬何かが光ったように見えた。「なんだろう」光が気になり、その方向に近寄っていく。すると、潮の流れが急に早くなったのか、足が引っ張られる。片方の足で踏ん張ってはみるものの、引っ張る力は強く、なかなか抵抗が出来ない。みるみるうちに、海の中へ引きずり込まれてしまう。もがけばもがくほど苦しくなる。「もうダメかも。このまま死ぬのか……」そのまま意識が遠のいていった。はっと目が覚めると、そこは見覚えがない天井だった。周りを見回す。石で作られた壁や柱。天蓋付きのベッド。見たことがないものが並んでいる。ベッドから起き上がり、窓際に行く。閉まっていた窓を両手
last updateHuling Na-update : 2025-02-22
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第2話 ここはどこなんだ ~ソフィアサイド~
………………………………ふと気がつくと、薄暗いところだった。周りには古めかしい鎧や兜、書物や宝石だろうか。そういったものが置かれている。……………………ここでワシは何しているんだ。身体を動かそうとするが、全く動かない。「ここはどこなんだ。 そういえば、ワシは何をしていたんだ」……………………たしか、ゼドがワシのところに来て、勇者を討伐したと勇者の剣や防具を持ってきたんだったかな。そして、その剣を鞘から抜いたら……その後、どうだったかな……ゼドの不敵な笑みだけは思い出せるが……そういえば、ここもワシが知らんところだ。そしてなんで身体が動かないのだ。ワシはどうなっているのだ。立っているような感覚はある。目も見えているようだ。キョロキョロと周りを見回す。左奥の方に光るものが見えたぞ。鏡だ。視線を鏡に向けてみた。?剣が映っているではないか。あれ?鏡はこっちを真っすぐ向いている。こっちはワシがいる方向だよな。??!!!!!「何じゃこりゃ」剣になっているではないか。そういえば……ゼドが持ってきた勇者の剣とやらを抜いた直後にまぶしい光が出てきて……あやつはワシを嵌めおったのか。あれは封印の光か。だからあんな笑みを浮かべていたのか。してやられた。四天王どもはどうなった。そういえばあの時に姿はなかったな。…………………………たしか剣と共に兜や鎧などもあったような。であれば、ワシと同じくそれらに封印されたのか。そうとしか考えられんな。あの時見た覚えがある兜などはここにはなさそうだ。となるとここにはいなさそうだ。周りの雰囲気からしてもここはワシの城ではないな。あとその時からどのくらい時が経っていたのかも分からんのぉ。今がどうなっているか、何かわかる手段はないのか。あちこち見回してみるが、手掛かりになりそうなものはなさそうだ。そうこうしているうちに、扉のカギを開ける音がした。「ガチャ」数名の兵士が扉を開けて入ってきて、灯りをつける。あれは人間どもだな。……ここは人間の支配する国か。兵士たちが話す声が聞こえてくる。「王様は何を持って来いと話されていたんだ」とある兵士が一緒にきた兵士に確認しているようじゃ。「確か、勇者に渡す武器や防具と仰っていたはずだが」確認
last updateHuling Na-update : 2025-02-22
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第3話 剣を賜る ~アグリサイド~
マリアについてくと、バカでかく煌びやかな扉の前に着いた。廊下の天井も高いし、扉も大きくて当たり前か。ここに王様がいるのだろうか。「勇者様を連れてまいりました」扉の前にたったマリアが近衛兵たちに話しかける。扉の前に立つ近衛兵が大きな扉の取っ手に手をかけ、扉を押す。そこには広い大きな間が広がっていた。奥の方のこれまた豪華な椅子に座っているのが、国王だろうか。国王の前につき、マリアが跪く。それと同時に、俺の方に目を送る。あっ、俺も同じことしないといけないのか。慌てて、俺も跪く。「勇者様がお目覚めになりました」マリアがそう告げると、国王が顔を崩す。「よく目覚めてくれた。私が国王のマルクス・アウレリウス八世である。 勇者をせっかく召喚したのに、このまま死んでしまうのではないかと思った」勝手に呼び出しておいて、勝手に殺されてしまったら、かなわない。「貴方が、国王が俺を呼び出したのか?」ちょっとムキになり大声で国王に話しかけた。そして、つっかかるように話す。「正確に言うと呼び出したのは私ではない ただ、私が命令して、召喚の儀式をしてもらったのだ」俺の様子に多少ひるんだのか、弱弱しい声で国王が答える。「勝手に呼び出されて、勇者と言われても困るんだが……」さらにつっかかる俺。国王が困った顔をして話し始める。「確かにそれはわかるが、こちらとしても事情があってな」今の状況を長々と説明しはじめた。纏めるとまず、前任の勇者が150年前に魔王を追い詰めたが、討ち取るまでには至らなかった。勇者たちは深手を負って帰還。その後、しばらくは平和になった。ただ、最近になり魔王軍が攻め込んで来るようになった。魔王に対抗する手段は、この世界にはない。異なる世界から勇者を呼び出すしかない。前任の勇者もそうだった。ということらしい。勝手に呼び出されて、魔王と戦えと言われてもな。でも戻る手段はなさそう。覚悟を決めるしかなさそうだ。「事情はわかった。 こうなった以上は仕方ないのかな…… で、この後はどうすればいいんだ」その言葉を聞いた国王の顔がほころぶ。「そうか。引き受けてくれるか。よかったよかった。 では早速だが、シルフィーネ村に向かってほしい。 魔物が増えてきているとの報告がある。 そこの状況確認と魔王に関する情報を
last updateHuling Na-update : 2025-02-22
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第4話 封印が解けた? ~ソフィアサイド~
よし。うまく抜け出せたようだ。しかし、あやつは良くワシを選んでくれたな。なんだか力も少し出てきたような感じだ。「でかしたぞ。よくワシを選んでくれた」とあやつに声をかけてみた。そのまま、ちょっと力を入れてみた。すると、剣の外へ向かって体が流れていく感じがした。「んっ……」なんか首が動く。下も向ける手も動かせるぞ。脚もある。「これは……剣から出られたのかのぉ…… もしや封印が解けたのか?」独り言のようにつぶやいた。そしてワシの目の前には剣を持ったまま固まっているあやつがおる。目を丸くしてこちらを見ている。「何をそんなにこちらを見ておる」あっけにとられた顔をしておるあやつが、深呼吸して話し始めた。「………… おっ……お前は……だっ……誰だ!?」まぁ、ビックリするよのぅ。このワシですらビックリしておるのじゃから。「ワシか? ワシはソフィ……んっうん……ゾルダだ」あやうくソフィアというとろこだった。この名前はどうも魔王らしくなくて困る。改めてワシは言い直した。「魔王のゾルダだ」魔王と聞いてさらに驚いた様子のあやつ。なんとも言えん顔をしておるのぅ。「まっ……魔王!? さっき王様が話していた復活した魔王のこと!?」さらに驚いたのか、剣を離して床に落としよった。今度は剣の中に体が吸い込まれる感覚に襲われる。ふと見ると、天井だけが見えていた。どうやら剣にまた閉じ込められたようだ。封印が完全に解けている訳ではなさそうだ。「おい、おぬし! その剣を持て!」声が聞こえたのか慌ててあやつが剣を持つ。するとまた体が流れていく感じがした。すると、また動けるようになった。どうやらあやつが剣を持っている間だけ、外に出れるようだ。また出てきたワシにビックリしているようだ。「なんで魔王がここにいるんだ?」あやつが慌ててワシに問いただしてきた。…………おっと、そういえば今は魔王ではなかったな。「あそこでじじいが話していた魔王はゼドのことじゃ。 言うなれば、ワシは元魔王ってところじゃな」あやつはまだ状況を理解できておらんようじゃ。ワシへの確認を続けておる。「元魔王? 元だろうが前だろうかよくわからないけど…… で、その元魔王が何故にここに?」そう言われても、ワシも困るのじゃが……適当に話をし
last updateHuling Na-update : 2025-02-22
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第5話 旅の始まり ~アグリサイド~
昨日はいろいろとあったな。王様に呼ばれて、魔王を倒せと言われるわ、貰った剣には元魔王がいるわで……シルフィーネ村に向かう馬車に揺られながら昨日のことを思い出す。あの後もゾルダにはこの世界のことを少し教えてもらった。自分のステータスの見方も。「ステータス、オープン」レベルは1、パラメータも特筆するものはない、スキルも特に今はない。経験を積んでいけば何かは得られるのだろうか。そういえば、ゾルダが言っていたな。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「ステータスの見方はわかったか? おぬしは特に現時点では何か凄い能力を持っていることはないようだな」よくある飛びぬけた能力を持って転移する話。その期待をしていたが、不発に終わったようだ。そう世の中うまくいかないよな。「なんだよ~。 よくある異世界転移の話だったら、チートスキルか能力があるはずなのになぁ……」ゾルダがキョトンとした顔でこちらを見る。「なんじゃ、そのチーなんちゃらとか、異世界転移の話とかは……」元の世界の話だから、通用しないのは当たり前か。そこでゾルダに元の世界の流行りの話をしてみた。「あっ、こっちの話。 俺が元いた世界には、そういう作り話が流行っていて、 転移とか転生するとものすごい力や能力を持って、 無茶苦茶活躍するっていう話がいっぱいあってだな。 そのすごい力をチートって言っていたのでつい言葉が出てきた」感心した様子でうなづくゾルダ。「そうなのか…… おぬしの元の世界も面白そうなところだのぅ。 頭に思い描いたものを話として世の中に広めていくのだから」こちらの世界には小説とか物語とはないのだろうか。伝説という感じの話はありそうだけど。「まぁ、そういうことだ。 しかし、そう世の中、話のように上手くいかないな」俺は自分を納得させるように言い聞かせた。「そういうことかもしれんのぅ…… おっ、そうだ、ちょっと待っておれ」ゾルダが俺の頭に手を当て、目をつむる。「んっ…… でも、呼び出されただけのことはあるやもしれん」ゾルダは何かが見えたようにつぶやいた。「それは、どういうこと?」俺に何かがあるのか?ちょっと期待してしまう。ゾルダは手を当てながら話を続ける。「ワシは完全にではないが、素養というのを見る
last updateHuling Na-update : 2025-02-25
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第6話 旅の始まり ~ソフィアサイド~
さて…… ようやく外にも出れたし、さっさと封印の解き方を探さないとな。よくわからんのは、あやつがこの剣を握ったときは実体化が出来るようじゃが…… 完全に封印が解けている訳ではなさそうじゃ。 あやつが封印を解くカギやもしれん。 どうせまだこの剣からは出られんのだし、しばらくは同行するしかなさそうじゃ。あと、力も完全に出せている感じはしないのぅ。 さっきのあやつの戦いに使った力も、本来ならウォーウルフごときは姿形も残さないはずじゃがのう。 魔力を探知できる範囲も思ったより狭いな。 あやつがある程度強くなる前に強敵に出くわさないといいがのぅ。しかし、さっきの戦いは滑稽だったのぅ。 あやつがいた世界には剣も何もないのだろうか。 この世界は己の身は己で守らんといかんから、年端もいかない子供たちですら武器を使うことを教えられている。 あそこのなんとかっていう王もたぶんそれぐらいは出来ているだろうというところで訓練もせずに放り出したな。 これじゃ魔王を倒す前に、あやつが死ぬぞ。「ゾルダ、この先にはまださっきの狼みたいな怪物はいるのか?」ワシが考え事しているところだというのに、あやつは尋ねてくる。「はっきりと感じるだけでも、数十匹はおるようじゃ。  その先はもっとおるやもしれん」死なれては困るし、死なぬように教えておかんとな。「そんなにいるのか?  いつになったら目的の村につくのやら……」あやつがため息交じりにつぶやいておる。 たかがウォーウルフごときで何をしておるのじゃ。「ほれ、そうこうしているうちに、すぐそこに1匹おるぞ」少しは自信を持ってもらわないとのぅ。 魔王のところまで行く前に、旅を辞めかねん。「さっき、レベルが上がって、スキルを覚えたじゃろ。  1匹だし、今度は手助けせんから、1人で戦ってみろ」1対1だし、なんとかなるじゃろ。 出来るかぎり手助けをせずに、強くなってもらわないとな。 こんなところでくたばりでもしたら、ワシの封印が解けないしの。 いざとなったら手助けはしてやるがな。「1人でか……」またボソッとあやつが独り言を言っておる。 相変わらず自信なさげじゃのぅ。「新しいスキル、新しいスキル……  これか。この【スピントルネード】ってやつは……」字のごとくそのままじゃろ。 何を深く考えてい
last updateHuling Na-update : 2025-03-10
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第7話 ウォーウルフキングとの戦い ~アグリサイド~
俺はウォーウルフキングと対峙して苦戦をしていた。それを見かねたゾルダが急に剣から飛び出してきた。「おい、お前、こっちだ。 ワシが相手をしてやるぞ。 ありがたく思え」そう言いながらウォーウルフキングの前に立ちふさがるゾルダ。静寂の中にウォーウルフキングの唸り声が響き渡る。「グルルルルゥ……」五臓六腑に染みわたるような低い声を出しながらゾルダを睨みつけていた。「そう血気盛んにならんでもよいのにのぅ。 うーん、そうだのぅ……お前に30秒くれてやるぞ。 その間に、逃げるなら見逃してやってもよいぞ」ゾルダはニヤニヤしながらウォーウルフキングに語り掛ける。何もそんなに煽らなくてもいいんじゃないか……俺が全然歯が立たなかったんだから、相手はかなり強いんじゃないのか。「ゾルダ、油断するなよ」相手を見下しているゾルダに対して俺は声をかけた。「ほぅ、油断するなよとは誰に言っておるのじゃ。 このワシにか?」そうだよ。だいぶ上から目線で話をしているから足元をすくわれないか心配になる。「いかにも余裕がありそうにしているから、大丈夫かと思って」その言葉を聞いてか、ゾルダがさらに満面の笑顔でドヤ顔になる。「余裕があるから、そういう態度をしておるのじゃ」ゾルダが俺の方に体ごと向いて言い放つ。戦っている敵に対して背を向けているのである。そんな隙を見せたら、ウォーウルフキングが襲ってこないか……と思ったら、案の定襲ってきた。「危ないっ」思わず声を上げてしまう。ゾルダはまだ俺の方を向いたままだ。ウォーウルフキングは爪をむき出しにして、ゾルダに襲い掛かってきた。「おっ、ようやくきたかのか。 こちらに来るということは、逃げる意思はないということじゃぞ」全く振り向きもせずにひらりとかわす。「せっかく時間をあげたのに、逃げずに襲い掛かってくるとは、なかなかの度胸よのぅ。 その度胸を賞賛してあげようぞ」ゾルダがなんか楽しそうだ。にやりとしながら、ウォーウルフキングに目を向ける。息つく暇なく手を出してくるウォーウルフキングだが、全くゾルダにはかすりもしていない。風に吹かれている柳のようにしなやかにかわしていく。「すっ……凄い」あっけにとられてしまった。ゾルダの動きに目を奪われる。そう言えば、元魔王って言っていたけど、本当なのかも
last updateHuling Na-update : 2025-03-11
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第8話 シルフィーネ村 ~ソフィアサイド~
ウォーウルフキングをあやつが倒したあとから数日後……旅の目的地となっていたシルフィーネ村にようやっとたどり着いたわ。「ここがあのじじいが言っておったシルフィーネ村か」思ったことを口にしておると、あやつが窘めにくる。「じじいって、国王だぞ」見たままを言っておるのにのぅ。「あんな老いぼれをじじいと言って何が悪いのじゃ。 事実を言っておるだけじゃ」そう反論をすると、あやつは首を振りながら頭を抱えてしまった。「はぁ……」何ため息をついておるんじゃ。あやつは呆れておるのか。「事実だろうが言っていいことと悪いこととがあるんだって」怒りながらワシを見て諭すように話してきた。「………… ……って、なんで剣から出てる?」今頃気づくか。反応が遅いのぅ。だいぶ前から外に出ておるのに。「この間は剣を握ってないと出てこれなかったじゃん」あやつは驚いた顔をしながら、ワシを見ておる。「さぁ、何故じゃろな」ワシにもようわからんが……出れるようになったみたいだから、出たまでじゃ。「村の中で、ゾルダが姿を現わしていたら、村の人が怖がらないかな」血相を変えてワシに顔を近づけてくる。「まぁ、大丈夫じゃろぅ。 おぬしがおれば、何せ、勇者御一行様だからのぅ」ワシは元魔王とは言え、この姿は魔王には見えんからのぅ。見た目はそう人族の女と変わらんからのぅ。「それより、今のおぬしの態度の方が怪しいぞ」あやつは動揺しているのか、挙動不審になっておる。「いや……でも……元だとはいえ、魔王だったんだし。 お前のことは魔王と知られているんじゃないのか?」なんだ。そんな心配をしておるのか。「ワシが魔王だったころからだいぶ経っておる。 たぶん誰もワシの顔なぞ知らんじゃろ。 一応身なりも人に近いしのぅ。 おぬし、気にしすぎじゃ。 器が小さい男じゃのぅ」こんなもん、堂々としておれば、だいたい気づかれんもんじゃ。「それより、何か言われておったじゃろ。 あのじじいに」旅立つ前にあれやこれやじじいからなんか話があったと思うが……まぁ、ワシはしっかりと聞いておらんからわからんがのぅ。何か言っておったぐらいしかわからん。「じじいは余分だって」あやつがワシが外に出れるようになったのを気にしすぎるものだから、話をちょっとそらしてみた。ワシも何故出れ
last updateHuling Na-update : 2025-03-12
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第9話 魔物の巣窟 ~アグリサイド~
俺はシルフィーネ村へ着くと村長のところへ向かった。途中ゾルダが姿を現したところは、ビックリしたけど。周りの人たちも特に気にする素振りもないので、大丈夫かな。村の中で暴れなければいいが……村の長の屋敷へとたどり着くと、ドアをノックした。「コンコン」「アウレストリア王国の国王からの指令で来たアグリというものです」ドアを開けると、美しい女の人が出てきた。村の長というから、てっきりおじいさんが出てくるのかと思っていた。「お待ちしておりました。 国王様からは勇者様が来られるとの連絡をいただいています」美しい女性は穏やかな口調で話す。「私がこのシルフィーネ村の長、アウラと申します」丁寧な挨拶を受けて、中の応接間に通された。聞けば、アウラさんはシルフ族という種族らしい。人よりは長生きらしく、132歳とのことだ。応接間の椅子に座り、状況の確認をする。「国王からは魔物が増えてきているからという話でしたが…… 今の状況はどうなっていますか?」「はい。ここ最近いつもと違う魔物が増えてきて、往来も難しい状況でしたが……」アウラさんは険しい顔をして話を進めていく。「数日前から王都セントハム方面の森に出ていた魔物が突然姿を消したとの報告がありました」んっ?たしかその方向は、俺たちが来た方向の話だな。「突然姿を消した……」なんとなく思い当たるところがあるかもと考えながら、アウラさんの話を聞いていく。「はい。 急な話だったものですから、確認のため、森へ腕がたつ者を向かわせました。 その者からの報告ですと、やはり魔物がいなくなっていたとのことでした」あれ……もしかして……と考えていたら、ゾルダが割って入ってきた。「魔物とはこれの事かのぅ」ゾルダはどこからともなく、ウォーウルフキングの頭を取り出した。「……ヒィッ……」アウラさんがひきつった顔をして、目をそらす。しかし確認もしないといけないのか、意を決したように指の隙間から見ている。「は……はい この魔物でございます」アウラさんが確認できたのを見てか、ゾルダがウォーウルフキングの頭をしまった。どこにそんなものを隠しているのか……「そうか。 であれば、この魔物はこやつが倒したぞ」ゾルダは体面上、俺ということにしてくれたらしい。「なっ…なんと。 さすが勇者様でございます
last updateHuling Na-update : 2025-03-13
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