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第399話

作者: 小粒キャンディ
「分かったわ、降参する」

一花は、柊馬の前ではもう嘘がつけないと悟った。

嘘がつけないわけではなく、ただ柊馬にだけは嘘をつくことに、心が痛むのだ。

「私、おじい様に一度会いに行くつもりなの、あの、実の祖父に」

一花の口調は、少し沈み込んでいた。

「西園寺幸雄さんだよね?」

柊馬は瞳を、少し暗くさせた。

匠の父である幸雄は、もう何年も前からM国に移住している。

噂では、海外でのんびり隠居生活を送りたいからではなく、匠と関係が悪かったため、顔を合わせるのを避けているという。

匠が重体の時でさえ、幸雄は帰国しなかった。彼が亡くなってから、やっと慌ただしく帰国し、匠の葬儀に参加しただけだという。

だが、その日のうちに帰ってしまったようだ。

一花はこっくりとうなずく。

今日、サミットからの帰り道、彼女は和香から電話を受けた。幸雄が、自分に会いたがっているというのだ。

和香からの電話に、一花は非常に警戒していた。だが相手は、ほんの挨拶をしただけで、電話を幸雄に代わった。

どうやら、和香が出張でM国へ行ったついでに、幸雄のところに尋ね、西園寺グループの状況も簡単に報告した
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