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妊娠九ヶ月、夫は私を見捨て初恋を救った
妊娠九ヶ月、夫は私を見捨て初恋を救った
Author: えだ ほのか

第1話

Author: えだ ほのか
東村に五度刺されたとき、赤い血が私・吉江美波(よしえ みなみ)の白いワンピースをじわじわと染めていった。

血塗られた刃が私のか細い首筋に押し当てられる。

「吉江秋水(よしえ しゅうすい)に連絡しろ」

私はほんの一瞬だけ躊躇したが、顔面蒼白のまま震える指で電話をかけた。

「……私、東村に拉致された。五回刺された。今、うちの団地の屋上にいる。……早く、助けに来て……」

数秒の沈黙の後、返ってきたのは想像していたような心配の声ではなかった。むしろ冷ややかで、皮肉すら含まれていた。

「そうか。葵が情緒不安定で自殺未遂してるときに、お前が刺されたと……

東村に?俺があれだけ情報を隠してたのに、どうやって新居の住所を知ったって?

次から芝居打つなら、もうちょっとマシな嘘ついてくれない?」

冷酷な声が受話器越しに響く。東村の黒く濁った瞳に、恨みの炎が燃え上がった。手に力が入り、私の首筋には真っ赤な裂傷が刻まれた。

私は今にも泣き出しそうなほど恐怖に震えていたが、必死に平静を装った。

「私は……あなたが岩崎葵(いわざき あおい)を助けに行くのを止めるつもりなんてない。もし信じられないなら、部下の誰かを様子見に寄こしても……」

「もういい!」

秋水は不機嫌そうに私の言葉を遮った。

「演技は結構。俺は今、葵を助けに行く。お前の相手してる暇なんかない」

そして部下に命じた。

「『屋上の刺傷事件』は虚偽通報として処理しろ。誰が通報してきても、無視でいい」

通話は一方的に切られた。

東村の目にはさらに深い恨みが湛えられ、絶望の冷気が全身を襲った。

まさか、秋水がここまで非情だとは思ってもみなかった。

前世、同じように東村に刺された私は、必死に子どもを守ろうとして、秋水に何度も電話をかけた。

結局、私の哀願に負けて、彼は私を助けに来た。

そのことを知った葵は精神的に崩れ、借家に火を放ち、焼死した。

その夜、秋水がどこか様子がおかしくて、私は尋ねた。

「怒ってるの?」

秋水は普段の冷淡な態度を隠し、優しく私の腹を撫でながら言った。

「怒ってるわけないだろ。彼女が死んだのは自業自得だよ。気にしなくていい。元気に赤ん坊を産んでくれ」

その後、彼は至れり尽くせりで私の面倒を見てくれた。私は、彼がようやく目を覚ましたのだと、そう思っていた。

だが、出産当日。

彼は私を病床に縛りつけ、目を血走らせながら、赤ん坊にナイフを何十回も突き立てた。

「あのときお前が俺を無理やり行かせなければ、あんなことにはならなかった!

危険な状況だと嘘をついて、俺を引き離したお前が悪い。俺は……お前の言葉なんか信じた俺がバカだったんだ!

彼女が死んだときは、ひとりぼっちだったんだぞ。どれだけ心細かったか、わかるか?

美波、お前はずっと子どもを欲しがってたよな?だったら、お前も愛する者を失う痛みを味わえよ……!」

秋水は何度も何度も、赤ん坊に刃を突き立てた。小さな体は次第に血に染まり、肉は裂け、骨が露わになっていった。

私は崩れながら必死に説明した。「あのときは本当に危険だったの!」

けれど、彼はまったく信じようとしなかった。

あのときの赤ん坊の姿……十月十日、私の腹で育った命は、身体中に一片の綺麗な部分もなかった。

骨すら見えていた。

そして秋水は、赤ん坊を殺した後、VIP病室に火を放ち、私を焼き殺した。まるで葵と同じように。

前世の記憶、あのときの絶望と崩壊が、私の理性を焼き尽くそうとしていた。

そして今、秋水を呼べなかった私に対し、東村は怒りのままに十数回、ナイフを振り下ろした。

血が私の太腿を伝って流れ、屋上の黒い床にぽたぽたと落ちていく。

絶望の淵に立たされたそのとき――

義母が駆け上がってきた!

全身血まみれの私を見た瞬間、義母はその場にへたり込みそうになった。
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