Share

第3話

Author: 如子
「......怒って、ないのか?」

仁は探るように問いかけた。

里奈はゆっくり顔を向ける。

その瞳は空っぽだった。

「仁はもう、説明してくれたんでしょう?だから怒る理由ないじゃない」

その瞬間、仁の胸が理由もなくざわついた。

ちょうどその時、病室の扉が開く。

目を赤くした清美が入ってきた。

彼女はすでに乾いた服へ着替え、髪も整えている。

手にはリンゴの入った袋を提げていた。

「里奈さん、目が覚めたんですね!」

彼女は慌ててベッド脇へ駆け寄り、心配そうに顔を覗き込む。

「体の方は大丈夫ですか?本当に怖かった......ごめんなさい。全部、私のせいです。私が――」

「清美」

仁が口を挟んだ。

「あれは清美のせいじゃない。謝る必要はない」

清美は一瞬きょとんとしたあと、柔らかく笑う。

「じゃあ、湯たんぽにお湯入れてきますね。里奈さん、湖に落ちて身体が冷えてるだろうし、温めないと」

仁は頷いた。

「俺は食堂で何か買ってくる」

彼は一度里奈を見た。

何か言いたげだったが、結局そのまま病室を出て行く。

部屋には二人だけが残った。

清美は洗面所で湯たんぽへお湯を入れ始める。

ざあざあと水音が響いていた。

しばらくして、熱湯の入った湯たんぽを持って戻ってくる。

だが彼女はそれを里奈へ渡さなかった。

ベッド脇に立ったまま、手の中のゴム製の湯たんぽを見下ろしている。

「里奈さん」

彼女は小さな声で言った。

「湯たんぽって、面倒ですよね。ちょっと温まるまで時間もかかるし。

実はもっと早く、身体全部を温める方法があるんです」

里奈が意味を理解する前に――

清美は突然、湯たんぽの栓を捻った。

次の瞬間、沸きたての熱湯がそのまま里奈の胸元へ浴びせかけられる。

「――っ、ああぁっ!!」

激痛が一瞬で全身を貫いた。

里奈は悲鳴を上げ、ベッドの上で跳ね起き、そのまま重く倒れ込む。

熱湯は入院着を一気に濡らし、皮膚を剥ぎ取るような灼ける痛みが広がった。

目の前が真っ黒になり、息もできない。

もがいた拍子にベッドから転げ落ち、頭を棚の角へ強く打ちつける。

そこで意識は完全に途切れた。

再び目を覚ました時には、外はもう夜になっていた。

病室には小さな明かりが一つだけ灯っている。

仁がベッド脇に座り、彼女の手を握っていた。

目を開けたのに気づくと、彼はすぐ身を乗り出す。

「里奈、まだ痛むか?医者が言ってた、火傷はかなり酷いって......ちゃんと治療しないと――」

里奈は手を引き抜いた。

その動きだけで胸の傷が引きつり、痛みに息を呑む。

それでも歯を食いしばりながら問いただした。

「あの女は?!」

仁の表情が一瞬だけ固まる。

「清美なら......」

彼は言葉を選ぶように視線を逸らした。

「誰かの看病は初めてなんだから不器用で、つい湯たんぽを持ち損ねて......その、事故みたいなもので。本人も反省してるし、かなり怯えてた。だから先に帰らせた」

里奈は彼を見つめた。

10年以上愛してきた男。

この先、一生を共にすると信じていた相手。

なのに今は、頭から冷水を浴びせられたみたいに、全身が凍えていく。

「私は全身火傷したのよ」

彼女の声は震えていた。

痛みのせいなのか、それとも別の感情なのか、自分でも分からない。

「それなのに、『事故』の一言で終わり?当時何があったのか、私に聞こうともしないの?」

「里奈、清美はまだ若いんだ......」

「それでもちゃんと成人した大人でしょ?!」

里奈は堪えきれず叫んだ。

涙がとうとう頬を伝い落ちる。

「間違ったことをしたなら、相応の代償を受けるべきでしょ?どうしてあの子だけ許されるの?彼女のお父さんが仁に恩があるから?泣けば守ってもらえるから?」

彼女は泣きながら声を震わせた。

「あなたは義理も人情も大事にする。でも、一度でも私を婚約者として大切にしたことがある?私がどれだけ苦しかったか、本当に分かってる?何度あなたを待って、何度期待して、そのたびどれだけ失望したと思ってるの?」

涙が火傷した胸元へ落ち、鋭い痛みが突き刺さる。

「あの子の就職に付き添って、10回も私に会わなかった......その10回が、私にとってどんな意味だったか知ってる?あの10回のせいで、お父さんは――」

「もういい」

仁が眉を寄せ、彼女の言葉を遮った。

「まだ前の件で怒ってるのは分かってる。会わなかったのは俺が悪かった。でもお前の父親の件は、もう解決しただろ。これ以上騒いでも、誰のためにもならないぞ」

Continue to read this book for free
Scan code to download App

Latest chapter

  • 後悔は、雪になって   第21話

    淳が家の中から出てきた。手には湯気の立つミルクを入れた湯呑みを持っている。彼は里奈の隣まで歩み寄り、その茶碗を手渡した。そして彼女の視線を追うように、門の外の土道へ目を向ける。そこにはもう誰もいなかった。しばらく黙った後、淳はそっと彼女の細い肩を抱き寄せ、小さくため息をついた。低く落ち着いた声だった。「泣いてたのか?」里奈は素早く目元をぬぐい、首を横に振った。その声は静かで、感情を感じさせない。「ううん。砂が目に入っただけ」淳はそれ以上聞かなかった。ただ彼女を少しだけ強く抱き寄せ、顎を頭頂に軽く擦り寄せる。そしてまた、小さく息を吐いた。複雑な感情の混じった声だった。「あいつも......少し気の毒だな」里奈は温かく逞しい彼の胸に身を預けた。そして、自分の下腹部にある小さな命の確かな鼓動を感じながら、静かに目を閉じる。しばらくして、まるでため息のように、風の中へ溶けていく声で呟いた。「気の毒な人には、気の毒になる理由があるものよ」――その後、仁は本部へ戻った。彼はすべての処分を受け入れた。そして自ら志願して、北国の最果てにある地方へ異動する。ほとんど仕事のない職だった。給料もわずかで、いてもいなくても変わらないような職務だったが、彼はそこで残りの人生を過ごすことを選んだ。二度とあの村を訪れることはなかった。手紙も出さない。電話もしない。どんな形でも連絡を取ることはなかった。だが毎年、春になり雪解けの季節が訪れると、林家には誰かが荷物を届けてくるようになった。丁寧に包まれた栄養食品だったり。丈夫で着心地の良い子ども服や靴だったり。あるいは新品の子ども向けの図鑑や絵本だったり。差出人の名前はない。添え書きも一言もない。それでも里奈は、それを受け取るたびにしばらく黙って見つめた後、静かに家へ持ち帰った。誰なのか尋ねることもなければ、送り返すこともなかった。彼女には分かっていたからだ。やがて里奈は男の子を出産した。元気いっぱいで、産声も力強かった。淳は子どものように喜び、腕に抱いたままなかなか離そうとしなかった。何よりも大切な宝物だった。さらに時が流れ、時代は変わった。淳の身分も正式に回復された。実は彼

  • 後悔は、雪になって   第20話

    「もう二度と......元には戻らない......」仁はうわごとのように繰り返した。焦点の合わない瞳が虚空を見つめている。淳は立ち上がり、びしょ濡れのズボンを軽く払った。手には泥がべったりと付着した。地面に崩れ落ち、まるで抜け殻のようになった仁を見下ろしながら、彼は酷なほど静かな声で言った。「もう帰れ。そして二度と来るな。本当に里奈に悪いと思ってるなら、男としての意地が少しでも残ってるなら、生きろ。ちゃんと人間らしく生きろ。命を懸けて好きになった相手が、最後には死ぬ死ぬ騒ぐだけの腰抜けだったなんて、そんなふうに思わせるな」そう言い残し、背を向ける。その時、仁がふらつきながら体を起こし、かすれた声で叫んだ。川の水を飲み込み、泣き続けたせいで、その声はひどく途切れ途切れだった。「......どうして......俺を助けた?」淳の足が一瞬止まる。だが振り返らなかった。湿った風に乗って、しゃがれた声だけが届く。「里奈が見てたからだ。俺に助けてやれって」仁はその場で凍りついた。半身を起こしたまま、まるで風化した石像のように動けなくなる。濡れた髪から冷たい雫が頬を伝い落ちる。だが寒さは感じなかった。胸の奥でかろうじて燃えていた最後の灯火が、ぷつりと音を立てて消えた気がした。残ったのは果てしない闇と、凍えるような冷たさだけ。――そうか。自分が死ぬところさえ、彼女は見たくなかったのだ。ただ目に入ったから。だから夫を向かわせて助けさせた。なんという皮肉だろう。なんという......完全な拒絶だろう。仁は川辺で三日三晩を過ごした。食事も取らず、水も飲まず、ほとんど動かない。魂の抜けた抜け殻のようだった。髪は乱れ、髭は伸び、目は真っ赤に充血している。かすかな胸の上下だけが、まだ生きている証だった。その三日間、彼は数え切れないほどのことを考えた。あるいは、何ひとつ考えていなかったのかもしれない。甘かった記憶も、苦しかった記憶も、後悔も。すべてが渦巻き、最後には淳の言葉へと収束していった。――元には戻らない。――もう戻れない。――三日目の夕暮れ。血を流したような夕陽が川面を真紅に染めていた。仁はゆっくりと、実にゆっくりと、冷た

  • 後悔は、雪になって   第19話

    生臭い鉄の味が突然喉の奥までせり上がった。仁は腰を折り、激しくえずいた。だが何も吐けない。胃の奥で焼けるような痛みだけが渦を巻いていた。彼はその場にしゃがみ込み、両手で頭を抱えた。指が髪の中へ深く食い込む。喉の奥から漏れ出たのは、瀕死の獣のような呻き声だった。低く、かすれ、言葉にできない苦しみと絶望に満ちている。どれほど泣いたのだろう。声が出なくなるまで。涙さえ枯れ果てるまで。やがて彼はゆっくりと顔を上げた。真っ赤に充血した目。無数の血管が浮かび上がっている。その視線は、足元の濁流へと注がれていた。川は休むことなく流れ続ける。時を、誓いを運び去り。二度と戻らない過去のすべてを運び去っていく。――死んでしまえばいい。死ねば、もう彼女が他の男に向ける笑顔を見なくて済む。他の男の子どもを宿す姿を見なくて済む。彼女が完全に別の男のものとなり、自分がかつて夢見たすべてを手に入れる姿を見なくて済む。死ねば、楽になれる。その考えが芽生えた瞬間、蔦のように狂った勢いで広がり、彼の理性を瞬く間に絡め取った。仁は川面を見つめた。空虚で、それでいてどこか熱に浮かされたような目だった。そして――何の前触れもなく。何のためらいもなく。一歩、前へ踏み出した。そのまま真っ直ぐに、濁って冷たい川へ身を投げた。水が一瞬で頭上を覆う。口と鼻から流れ込み、激しい窒息感が襲った。肺が焼けるように痛む。冷たい水が全身を包み込み、深みへと引きずっていく。暗闇。冷たさ。そして、解放。――これでいい。このままで。薄れゆく意識の中で、彼はまた18歳の里奈を見た気がした。自分が贈った赤いワンピースを着て、陽だまりの中をくるくると回る彼女。鈴のような笑い声。そのときだった。突然、腕を強い力で掴まれた。そして誰かが必死に彼を水面へ引き上げる。生存本能が勝手に体を動かした。水中でもがく。だがその力は圧倒的だった。大きな水音とともに水面へ引きずり出される。冷たい空気が肺へ流れ込み、仁は激しく咳き込んだ。その直後、顔面に強烈な衝撃が走った。――拳だった。頭が横へ弾かれる。口の中に鉄錆のような血の味が広がった。「この

  • 後悔は、雪になって   第18話

    その瞬間、血が一気に頭へとのぼったかと思うと、次の瞬間にはすべて引いてしまった。手足が冷たくなる。何も考える暇はなかった。意識より先に、体が動いていた。仁は後を追った。全力で走った。淳に追いつきそうになるほどだったが、近づきすぎることはできなかった。ただ少し距離を置いてついて行き、淳の背にぐったりともたれかかる、あの生気のない横顔から目を離せなかった。――どうしたんだ?病気か。それとも倒れたのか。恐ろしい想像ばかりが次々と頭をよぎり、息が詰まりそうになる。そのまま診療所まで追いかけた。小さな診療所はたちまち騒然となった。「先生!彼女を診てください!畑で急に倒れたんです!」淳の叫び声は今にも泣き出しそうだった。白衣に眼鏡の医師が、半ば引っ張られるようにして簡素な診察室へ連れて行かれる。扉が閉まり、外の喧騒は遮断された。仁は廊下の壁にもたれた。冷たく剥げかけた壁だった。全身の力が抜け落ちたようで、耳の奥ではブーンという耳鳴りが続いている。聞こえるのは、自分の荒く重い心臓の鼓動だけだった。鼓膜を叩くような激しい音。どれほど経ったのか分からない。数分だったかもしれないし、一世紀にも感じられた。やがて診察室の扉が開いた。医師は聴診器を外しながら、ほっとしたような笑顔を浮かべていた。そして、落ち着かず待っていた淳に向かって言った。「おめでとうございます、林さん。心配はいりません。見たところ、もうすぐ妊娠二か月ですね。倒れたのは栄養不足と過労、それに軽い熱中症が重なったためです。帰ったらしっかり栄養を取らせて、無理はさせないようにしてください」「に、妊娠......?」淳は意味が理解できないように呆然と繰り返した。医師は笑いながらうなずく。「そうです。お父さんになりますよ」淳の表情が変わった。呆然。困惑。信じられないという顔。そして次の瞬間、巨大な歓喜が目の中で爆発した。顔全体が一気に輝く。仁は扉の隙間から、その光景をはっきり見ていた。淳は診察室へ飛び込み、簡易ベッドから起き上がったばかりの里奈を力いっぱい抱き締めた。まるで全身全霊を込めるように。彼は彼女の首筋に顔を埋め、肩を激しく震わせながら、泣いているのか笑っているのか分

  • 後悔は、雪になって   第17話

    里奈はただ一度、彼の方を見ただけだった。その視線は静かに彼の上を通り過ぎ、何ひとつ留まることはなかった。まるで道端の石ころや草を眺めるのと変わらない。そして彼女は背を向け、そのまま家の中へ入っていった。ギィ、と軋む古い木戸が閉まる。仁は門の外に立ち尽くした。真夏の陽射しは容赦なく照りつけ、目の前がくらりと暗くなる。彼はふらりと川辺へ向かった。何度も座ったあの大きな岩の上に腰を下ろす。足元では濁った川が絶え間なく流れていた。しばらく水面を見つめたあと、彼は突然右拳を振り上げる。そして全身の力を込めて、傍らの太い柳の木へ叩きつけた。――ドンッ!幹が激しく揺れ、葉がざわざわと舞い落ちる。拳の甲は瞬く間に裂け、鮮血が滲んだ。骨の奥まで突き刺さるような痛みが走る。それでも彼は何も感じないように、ただ流れ落ちる血を見つめていた。赤い雫が灰色の樹皮と河原の小石を濡らしていく。――痛いか?たぶん少しは。だが心の中に広がる果てしない空洞に比べれば、この程度の傷など何でもなかった。――その日の夜。仁のもとへ、警備隊から緊急電報が届いた。薄い紙一枚。だが、その重みは計り知れなかった。岩田仁。独断で人脈を利用し、地方司法案件へ介入した件について、組織に悪影響を及ぼしたものと認定する。審議の結果、すべての職務を停止する。直ちに本部へ帰還し、事情説明を行うこと。仁はその数行を長いこと見つめていた。やがて、ふっと笑った。低く乾いた笑い声が、荒れ果てた部屋に虚しく響く。彼は電報を丁寧に折りたたみ、胸ポケットへしまった。心臓のすぐ上。将来を代償にして得た、浩一郎の潔白。それだけの価値はあった。少なくとも、ようやく一度だけ、彼女のために正しいことができたのだから。――本部からは何度も帰還命令が届いた。だが彼はすべて無視した。ついには辞職願を書き、人づてに送った。それを知った老総監は激怒し、村へ直接電話をかけてきた。受話器越しでも怒鳴り声が震えているのが分かる。「お前は本当に気でも狂ったのか!女ひとりのために前途を捨てるつもりか?!27で隊長になった男だぞ!私の後を継ぐ最有力候補だったのに、自分が何をしているか分かっているのか?これは

  • 後悔は、雪になって   第16話

    仁は老総監の前に背筋を伸ばして立っていた。そして老人が驚愕の目を見開く中、彼はゆっくりと、まっすぐ膝をついた。膝が冷たい磨き石の床にぶつかり、鈍い音が響く。仁は顔を上げ、怒りで顔を紅潮させた老人を見つめた。その瞳には一片の迷いもなく、ただすべてを賭ける覚悟だけがあった。「総監。村越浩一郎さんは冤罪です。証拠は吉岡清美が捏造したものでした。彼の娘さんは私のせいで理不尽な苦しみを受け、地方へ送られ、望まぬ結婚まで強いられました。もし私が彼らの潔白を証明できなければ、この制服に袖を通し続けることなどできません。そんな生き恥を晒すくらいなら、死んだも同然です」老総監は震える指で彼を指差した。しばらく言葉を失った末、力なく籐椅子に腰を下ろし、大きなため息をつく。一気に何歳も老け込んだようだった。「仁よ......お前というやつは、なぜそこまで頑ななのだ。己が何をしようとしているか分かっているのか?敵に回して良い相手も悪い相手も、すべてを敵に回すことになるのだぞ!約束された出世コースは、これで完全に終わりだ!昇進どころか、警備隊の身分を保っていられるかどうかも怪しい。最悪の場合......不祥事として組織を追われることになるのだぞ!すでに他人の妻となった女のために、そこまでする価値があるというのか?!」老人は声を荒らげた。仁は膝をついたまま背筋を真っ直ぐ伸ばした。その姿は一本の槍のようだった。静かな居間に、はっきりとした声が響く。「構いません。あの親子が胸を張って故郷へ帰れるなら、私は何もいりません。将来も、地位も、この制服さえも......すべて失っても構いません」老総監は長いこと彼を見つめていた。怒りから困惑へ。困惑から深い疲労へ。そして最後には、どこか悟ったような表情へ変わっていく。やがて老人は力なく手を振った。「......立ちなさい。この老いぼれが、もう一度だけ動いてみよう。だが結果は保証できん......あとは自分で何とかしろ」仁は深く額を床につけた。「ありがとうございます、総監」......そこから先は困難の連続だった。進展するたびに新たな妨害が現れ、表立った圧力も陰の工作も次々と降りかかる。仁はほとんど一人で、巨大で硬直した仕組みそのものと戦っていた。証拠

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status