Chapter: #17 始まりの魔法 魔素のままでも魔法使えたし大体同じって仮定しようかな。きっと詳しい検証は師匠とか師匠とかがしてくれるはず。 「ね?」 「ね?ってなんだよもう……。そこら辺の検証は僕の趣味だしやっておくけどさぁ。」 伝わったな。よし!僕は現場の人間だからね。なんかよくわかんないけどできた!でいいんだよ。自分なりに理解して再現出来ればもう十分。所謂オーバーテクノロジーを理論化して発表するのは学者の仕事なのだ。是非とも学者様方には頑張って頂きたいものだ。まぁできてもできなくても僕には関係ないんだけどね。あとのことなんて僕知〜らね。 人の本能的な欲求である「楽をしたい」という思い。人はより楽をするために試行錯誤を続けてきた。燃えてる必要性はあるの?とか魔素がエネルギーなら固めて投げたらダメージ入るんじゃね?とか魔素をそのまま使うこの方法なら魔法の行使の反動を踏め倒せるんじゃね?とかは一旦置いとく。 この手の特訓は生活に組み込むのが肝要って漫画で読んだからね。魔法で生活を便利にしていこうかな。あ!大事なこと忘れてた!魔素をそのまま使う魔法にかっこいい名前を付けてないじゃん! "それ"は複雑な過程を経ずにただ祈りによって理に干渉する始まりの魔法。かつては神の奇跡と崇められ、使い手たちはその圧倒的な力で国を作った。長い年月の中でその力の痕跡のほとんどは失われ、今では遺跡や手記に僅かに残されるのみ。そんな世界を変えた偉大なる始祖たちが使ったとされる"それ"は後の世で始祖魔法と呼ばれた。 もっとも、この場にそのことを知る者はいないため関係のないことだ。今、まだ。 「よし!魔素魔法って呼ぶ!」 ◇◇ 「君というイレギュラーがこの世界に生まれ落ち、始原魔法に出会ったのは偶然か必然か。どちらにせよ数年でアレの時期だし荒れそうだ。ま、死なないように頑張ってね?」 なかなか良い出会いをしたようだし大丈夫だとは思うけどイレギュラーとイレギュラーは引き合うからなぁ。母神ならわかるんだろうけど僕そういうの苦手だからなぁ。おっと、任されたからにはカッコよく〆ないとね。ごほんっ…… 「君の魂の輝きを見せてくれたまえ。僕は君を鑑賞……じゃなくて、君の行く末を見守らせてもらうよ。ミシェル君。いや、檜木 篭君。君はこの世界の███たりえるかな?」 あ、そうだ
Last Updated: 2025-06-17
Chapter: #16 えいって言ったら火が出た ていうかそもそも魔素を魔力に変換とかほんとにいるの?あれでしょ?発電所とか変電所みたいな感じに使いやすくするみたいな。合ってるかなんて知らんけど(本日n回目)。魔力使ったら木が生えたり風吹いたり火がついたりするわけでしょ?前世の学者さんも涙目だよね。いや、ウッキウキで研究するかも。まぁ、それはいいとしてだ。 ものは試しだ。魔法はイメージ。だから詠唱は内に秘めた厨二心に身を任せる。この世の根源たる力よ。その力をもって我が前に火を灯せ。 「Fire.(ボソッ)」 なんか違う。難しく考えすぎたのか?ピカピカ光って熱もった球体ができたんだけども。いや、燃焼は熱と光を伴う酸化反応とは習ったけども。いや、酸化しとらんやろがい! 空気中の二酸化炭素から炭素をブチってちぎって、またギュッてくっつける!炎はできた。できたけどなんかこれじゃない感。魔法って思ってたんと違う。もっと詠唱してチュドーンって感じだと思ってた。でも所詮現実なんてそんなもんだよね。生徒会は校内の権力握ってないし屋上は閉鎖されてる。大学に進学したらキラキラのキャンパスライフが待ってると思ってたのにそんなものはなく、あるのは希薄な人間関係のみ。はぁ……期待した僕が馬鹿みたいだよ。 「……ル君!……シェル君!ミシェル君!」 「師匠どうしました?」 「今何したの?」 燃えろ〜ってしたら燃えました。としか言えないんだよなぁ。あれ?僕って母様と同じで言語化クソ下手なタイプ?嘘でしょ結構ショック。 「も、燃えろ〜って思ったら指先に火が灯ってました。」 申し訳程度に文字数増えたけど内容大して変わらねぇ……。 「魔臓は?僕の記憶が正しければ君はさっきまで魔臓作るのに手間取ってたよね?いつの間に魔臓作り終わってたの?そしてもう魔法発動できてるし……。初弟子なのに……魔臓できる瞬間見逃した……。」 「魔臓が全然作れなかったので気分転換に火よ出ろーって念じたら出ました。もしかしてこれってなんか悪影響あったりします?」 「たぶん……大丈夫?だと思うよ?」 たぶんとか言われると不安になるんだよぉ。師匠なんだから大丈夫とか自分がいるからどうとでもなるとか言ってくださいよ。 「自信なさげで情けないとか思ってるだろ!違うんだよ。一人(?)の学者としては検証をしてからじゃないと断言はできないんだ。今ま
Last Updated: 2025-06-16
Chapter: #15 解せぬ「師匠!まずは何をすればいいですか!」 「好きにやってみればいいんじゃない?なんかあったら止めてあげるからさ。大丈夫大丈夫!僕いるから死にはしないし魔法が使えなくなるなんてことにもならないから。」 「わかりまし……た?」 師匠が外付け安全装置になってくれるみたいだしやってみたかったことを試していくか。魔素はちゃんと感知できるから魔臓作りに入れる。魔素の認識は動けなかった時にやった。第六感的なやつだし身体に影響ないからね。この仮説が当たってるかは知らんけど。 瞑想に集中しなくっちゃ。まず試すのは体外に魔臓を作ること。普通は身体の中に魔臓を作るみたいなんだけどね。俺は知っているのだ人体の構造を。だから想像ができないのだ。考えてみて欲しいんだけどさ、人の身体って割と臓器でミッチミチじゃん?そこに魔臓が入るスペースなんてあるわけがない。でもそういうもんだから存在をイメージしてください?無理だわ! もう少し頭が柔軟な地球人ならいけるのかもしれないけど僕には無理。体内に作るのが無理なら体の外に作っちゃおうというわけなのです!大は小を兼ねるって言うし体の中にあるイメージというスペースの制約もないことですし?作っちゃいましょうか!クソデカ魔臓! イメージとしては大規模なろ過装置かな?どうせ魔素なんて不思議エネルギー扱うんだ!メカニズムなんて二の次三の次だよ。なんかいい感じにより分けて魔力が出てくる!ふっ完璧なイメージだね!後は試行錯誤するだけ! ◇◇ 無理でした。なにがダメなのかもわからん。魔素と魔力ってなんだよ!意味わかんねぇよ!とりあえず参考にするために師匠に魔法撃ってもらうか。 「師匠師匠ー!魔法撃ってー!」 「なにか的になるものを用意してくれる?」 「ん?僕に向かって撃って欲しいんだけど……。あ!師匠の魔法で怪我とかしたら師匠も怒られちゃうかもしれないじゃん。痛くない程度の威力でお願いします!」 「君、よくバカとか言われない?」 「言われないですよ?神童神童って言われてるので。ていうか酷くないですか?人のことを急にバカ扱いして!僕だって怒りますからね!もう!ただ僕は魔法についての解決のきっかけを得るためにこの身で魔法を体感しようと思っただけなのに!」 これぐらい普通のことだよ。知ろうと思ったら自ら食らうのが一番手っ取り早い。剣の修練
Last Updated: 2025-06-15
Chapter: #14 目指すのはてっぺん「それじゃさっそく魔法の講義を始めようか。ミシェル君も早く魔法使いたいだろうしね。魔法についてどのくらい知ってる?」 そこら辺の予習は完璧だからね。余裕だよ。「純粋なエネルギーの魔素を魔臓に取り込んで魔力に変換し、理に干渉するものですかね。」「うん、それだけわかっていればひとまず問題はないね。あ、もしかして猿でもわかる魔法学って本読んだ?」「はい、読みました。すっごい分かりやすかったので!」「あれの著者の彼はこの国の魔法士の立場の低さにキレて学校どころか学園都市作ったんだよ。そこの卒業生が優秀でさ、上層部の老害どもが邪魔ばっかりするわけ。そのせいで彼の本は今準禁書扱いされちゃってさ〜。だから今はまだあんまり人に言わないようにね。君がそれらを跳ね返せるくらい強くなったら好きにすればいいけどね。」 力か……国の上層部をガン無視できるほどの力となるとどれだけの修練を積めばいいんだろう。ちょっと想像つかないな。でもまぁ僕って伸び代の塊みたいなもんだし問題ないよね。やればやるだけ成長できるんだもん。 それにしてもどこの世界も大きな組織の上層部はこんなもんか。老害が蔓延るのは人がいる限り変わらないんだろうね、悲しいけど。「あっという間に上層部なんて関係ないくらいの力を手に入れて師匠も超えてみせますよ!僕に不可能なんてないので!」 前世はすぐに頭打ちだったけど今は魔力っていう便利なものがある。やりたいことは全部やろう。魔力体作れるようになって役割分担すれば僕自身は引き込もれるし最高だよね。「そうだね、この世界はなんだってできる。そういう世界にしたって数千年前に神様も仰ってたことだしね。でも僕らを超えるとなると生半可な修練じゃ無理だよ?なんせ君は世界最強の一角にのやる気に火を付けちゃったんだから。君はヴェルムートより速いスピードで強くならなきゃいけないんだよ。そこら辺ちゃんとわかってるのかい?」「当然!余裕だね!任せといてよ!」「ふふっ……どうだか。」 笑ってられるのも今のうちだよ!みんなが引くほど強くなってやるんだからね!目指せ最強!男の子だもん!目指すならてっぺんだよね!
Last Updated: 2025-06-14
Chapter: #13 師匠1は帰った!すると師匠2が現れた! ヴェルムートさんは晴れやかな顔をしてどこかに歩いていってしま……わないよ!だめだよ!危ない危ないその場の雰囲気に流されて見送るところだった。ヴェルムートさんには魔力操作の訓練に付き合ってもらわないと。さすがに母様に習うのは怖すぎるからね。 「ヴェルムートさん!初心を思い出すのも高みを目指して修練に意欲を見せるのも勝手なんですけど、僕の魔力操作の修行に付き合ってからにしてくれません?基礎だけ教えてくれたら後は母様の擬音を解読したり自分なりに試したりして頑張るので。」 「いや、そこは空気を読んでだなぁ……。」 「黙っててください父様。ヴェルムートさん、一週間でいいのでお願いします。」 「わかった。元々ここへはそのために来たからな。先にやるべきことを終わらせるとするかの。秘技 魔力体生成。それではな、俺は塔に戻って新たな魔法の研究をする。その魔力体も俺ほどじゃあないがそれなりに強い。俺と同程度の知識とある程度の自我も持たせてあるから修行相手にはちょうどいいだろう。魔力体経由で俺と通信もできる。上手く使え。」 それだけ言うとヴェルムートさんは地面に魔力で魔法陣を書いて消えた。たぶん転移だよね。僕にもできるかなぁ。 ◇◇ 「ヴェルムートは黒の塔に行ったことだし自己紹介といこうか。僕は彼の魔力体で君の師匠だ。ミシェル君、厳しい修練になるとは思うけどこれからよろしくね。」 厳しい修練?望むところだ!僕は一秒でも家にいるための努力は惜しまないからね。それに漫画に小説と嗜んでいた身としては魔法はちょっと憧れてたからね!一流の師匠が付くんだ。やってやろうじゃないの! 「こちらこそよろしくお願いします。」 「あ、そうだ。僕は生まれたてだから適当に名前を付けてくれると僕としては嬉しいかな?」 「え?僕でいいの?」 自慢じゃないけど僕のネーミングセンスって微妙だよ? 「君がいいんだ。ヴェルムートは名前を付けるのを面倒くさがっていてね。識別記号でしか呼ばないんだ。ちなみに僕の識別記号はMI-1。ミシェル君の師匠だからミシェル君のMI。君の師匠になるために生み出された一人目の魔力体だから1。だから出来れば名前を考えて欲しいんだよね。」 ヴェルムートさんの名付けはなんていうか機械的だなぁ。ゲームのプレイヤー名とか「あ
Last Updated: 2025-06-13
Chapter: #12 え、ちょっと待って!師匠!?「ふはははははっ!ギャフンと言わせられたぜ!降参降さーん!みゃーーーー!だってよ!しかも威厳たっぷりの老魔法士への変化解けてやんのー!やっばいまじでおもしれぇ!いくらエルフは耳が弱いって言っても弱すぎんだろ!」 父様がイメージ崩壊するレベル勝ち誇っててウケる。ヴェルムートさんが耳を真っ赤にしてうつ伏せなってる。顔隠してるつもりなんだろうけど真っ赤な耳のせいで意味がないって言うね。ていうか縮んでない?縮んでるよねぇ?え?エルフって耳がそんなに弱いの?いやだって熟練の魔法士がその制御ミスるってよっぽどだよ?しかも普段から使い続けてる魔法となれば……耳弱すぎない?「もうヤダ俺こんな姿晒して生きていけない。もういっそ殺してくれ……。」「動揺し過ぎて一人称まで変わってやがる!やっべ面白!ミシェルに尊敬されたくて猫被ってたのに台無しだなぁヴェル爺!アハハハハハッ!おっもしれー!」「大丈夫ですヴェルムートさん。最初のボケを見た瞬間から威厳なんてなかったですし、人格面にも期待していませんから!安心してください!僕はあなたの魔法の知識と技量"だけ"は尊敬していますから!」 よし、これでヴェルムートさんへのフォローは完璧だね!これで落ち込んで僕に魔法教えないで帰っちゃったら困るからね。これで思う存分ヴェルムートさんの知識と経験を搾り取れるぞ!「そ、そうだよね。俺はもう魔法しかないんだよな。みんな大賢者様大賢者様って褒めてくれてたけど俺が使える駒だったから褒めたたえて気分が良いようにしてくれてただけだよな。なのに俺はそんなお世辞にも気付かないで一人有頂天になって調子に乗って……ほんとに俺ってしょうもない男だよ。人と違って時間がいっぱいあるんだからそりゃ知識は増えるし技量も上がるわな。それなのに下に見て、油断して、舐めプして、情けない声を出して負けた。」「なんだこいつめんどくせぇな。」「おい!ミシェル!声!声!」「ん?あ、声に出てました?すいませんヴェルムートさん。そんな落ち込まなくても良いじゃないですか。ヴェルムートさんは今でも凄い魔法士なんですから。それにヴェルムートさんの人生まだまだこれからなんですから!今気付けて良かったと思ってまた上を目指せば良いじゃないですか!」「そ、そうだな。君のようなまだ生まれて間もない者に諭されるとは我ながら情けないものだ。よし、俺は
Last Updated: 2025-06-12
Chapter: #32 獣人の耳は生命の神秘「生まれてすぐ母を亡くしたのでママが恋しかったのかもしれません。でも、あかねさんが嫌ならすぐにでもやめ……」 「いや、別に嫌ってわけじゃないから!ね!ほら、ママですよー!」 「あかねママ……チョロい。」 気を使わせちゃってすいません。でも、嬉しいです。あかねさん。いや、あかねママありがとうございます。 「え?YURAちゃん?」 「クックックック……。」 ――計画通り……って顔してやがるこいつ ――逆だ逆! ――あかねちゃんの優しさを利用するなんてなんて酷いやつだ。 ――そういうリスナー側が文句言いにくい話題はずるいと思う!禁止カードだ禁止カード! ――フェアプレーの精神はないのか! ――良心はないのかー! 「うるさいお兄ちゃんお姉ちゃんたちですねぇ。もっと重てぇのぶち込んでやりましょうか?鬱エピのストックはまだそれなりにあるのでね。良心はないのかって?ないのは両親ですよ。」 あ、あかねママがしゅんってしてる。かわよ。 ――だからそれずるいって! ――不謹慎だぞー! ――それ言われちゃうとなんも言えんからずるい 「不謹慎だなんだって言いますけどね、何様のつもりですか?母はともかく一応戸籍上の父は生きて彼女とよろしくやってるみたいですよ?それに今一歳で話したことがほとんどないんですよね。今は祖父母もいるので正直今はもうこうやってネタにできる程度には整理できてますし元気いっぱいです!」 不謹慎だなんだっていうのは残された者を慮る行為だと思うんだよね。だから事情もよく知らない人間が口にするべき言葉じゃないと思うんだよ。罵るために使うのはもってのほか。もちろん善意で言ってる人もいるだろうし、そういう人がいるからこその自浄作用なんだろうけどさ。何が言いたいのかって?そりゃあもちろん…… 「不謹慎だぁ?うっせぇバーカ!自治厨なんてクソ喰らえ!」 「うんうん!」 ――うん……ってあかねちゃん? ――残当 ――なんか今回のだけじゃないと積もり積もった怨嗟を感じる ――一歳にして自治厨をこんだけ恨むってなにされたんよ ――自治厨はね、うん。ここのルールはお前じゃねぇよ!って思うよね ――似非マナー講師もね……最近なんかね ――面倒でつまらない世の中になっていってる気がするよね 「これ以上は収拾がつかなくなるので最後に一つだ
Last Updated: 2025-06-16
Chapter: #31 そこにママがいれば甘えたくなるのが人間「それじゃー二つ目の質問いきまーす!なになに〜?お二人の第一印象を教えてください?こんなまともな質問をうちのリスナーがするわけない!さてはあかねママのとこのリスナーだな!」 うちのリスナーは悪ノリしかしないからね。まぁ雑談の時とかは頼りになるし普段ならいいんだけども。コラボの時は頼むから大人しくしていてくれ。にしても第一印象かぁ。私、ママだぁくらいしかないんだけど。――ひでぇwww――そんな酷いこと言うなよ〜――まぁ否定はできないけれども――YURAちゃんとこのリスナー怖い――こんないたいけな女の子にそんな扱いするとか人の心ないんか――うわぁないわ〜――違うんだ!俺らは悪く……いや、悪いわ――質問の一個目という前科のせいでなんも言えねぇ「あかねママから第一印象お願いできます?」「そう……ですねぇ。初めてYURAちゃんの動画を見た時は同じ人間なのかなって思いました。いわゆるロリババア的な存在って言われた方がまだ納得できるレベルだったので。もちろん色々できるのも血のにじむような努力の成果なのもわかってるんです。でも一生かけてできるかどうかわかんないレベルだったのでそんなふうに感じました。」【悲報】初コラボでコラボ相手に人外扱いされる。 わ、私が何をしたって言うんだよぉ!人生かけて頑張っただけだもん!なにも悪いことしてないもん!――酷い言われようで草――人かどうか疑われるやんけ――なんとなく流されて納得してたけどやっぱおかしいよねこの赤ちゃん――あかねちゃんがコラボするって告知出てから見に行ったけど意味わかんないよ――どこかのボカロPじゃないけど27人くらいいるんじゃね?知らんけど「うーんなんて反応するべきか。私って凄いでしょ!って開き直るべきか。それとも人扱いされてないのを嘆くべきか。とりあえず私はちゃんとヒト属ヒト科のホモ・サピエンスなので安心してください。最後のに関してはあかねママ大正解!私は前世の記憶を持って生まれてきたって設定なので!」「YURAちゃんは人間。YURAちゃんは人間。YURAちゃんは人間。よし、覚えました!」「あの……私泣いていい?」――これは泣いていいと思う――上に同じく――あかねちゃんは天然なんです。本人気付いてないけど天然なんです!悪気はないんです!――無自覚にコラボ相手を刺すとはやりおる
Last Updated: 2025-06-15
Chapter: #30 赤ちゃんがコラボするってよ「今日は全力で狐火あかねママにおぎゃるつもりのYURAです!初コラボということで私は緊張しっぱなしです!みんな助けてね!よーしお前らァ!あかねママのバブみを堪能するぞー!」――おぉーー!!――おぉーー!!――おぉーー!!――おぉーー!!――緊張してるとか嘘やんwww――え?なにこんな感じなの?――コラボ相手の方がまだ挨拶できてないんですが「そして!本日のコラボ相手は〜!」「皆さんどうも、こんあかね〜!緊張しすぎて今までしたことない挨拶をしている狐火あかねと申します。今日はよろしくお願いします。」「せーの、ママァァァ!!」「??????」――ママァァァ!!――ママァァァ!!――あかねさんがテンパってらっしゃるぞ!――ママァァァ!!――もうそろそろやめてさしあげろ「さて、今回あかねさんをお呼びした理由についてリスナーのみんなに説明をしていこうかと思います。私、まだまだ新人で人脈も仲間もいない状況がちょっとまずいんじゃないかと思ったわけですよ。私は年齢的にも外部とのやり取りはハードルが高いですしね。でも配信者仲間はやっぱり活動を続けていくうえで大事なので同時期にデビューした配信者さんをお呼びして仲良くなっちゃおうという企画でございます!」「ほうほう……。」「題して!友達100人出来るかな!あの〜あかねママ?通話で言いませんでしたっけ?」「聞いたような気はするんです。ただ、緊張しすぎて今頭が真っ白でなんも覚えてないです。」 緊張で頭真っ白のママ可愛い。これはあとでファンアート描かねば。「大丈夫です!安心してくださいあかねママ。最悪勝手におぎゃるので。」「????」――いつにもましてアクセルベタ踏みだな――初めてのコラボでテンション上がってるんだろ――YURAちゃんうっきうきやん――まぁあかねさんは頭の中ハテナでいっぱいだろうけどね――強く生きて…… もうアドレナリンがドバドバよ!テンション上がりすぎてこのままのノリでオフコラボとか誘いたくなってるもん!「母性を感じる!あかねママの声に圧倒的な母性が!母親力はだいたい76か。なかなかに母親力高いなあかねママ。」 あかねさんのママみがほんとにやばい件。「母性?母親力?え?は?え?」――あぁ可哀想なあかねさん――母親力 is なに――このカオスな赤ちゃんに目を
Last Updated: 2025-06-14
Chapter: #29 害虫はオーバーキルするべし!おばあちゃんは……今忙しそうだな。それじゃあおじいちゃんにまず聞くとしようかな。 「おじいちゃんおじいちゃん!」 なんかもういっそ気持ち悪いくらいニヤけるじゃん。これ以上ないくらいニヤけてるよ。どうする?これ指摘するべきなのかなぁ…… 『ん〜?あぁ由良か、どうしたんだ?』 どうしたんだ?じゃないよ!ニヤけすぎておじいちゃんの顔が気持ち悪いんだよ!でもさすがにストレートに言うのは可哀想だよなぁ。 「今信頼できる弁護士さんを探してるんだけど法律系のツテとかないかなぁ〜って。あと税金とかに詳しい人も紹介して欲しいんだけど心当たりとかある?おじいちゃん、今の表情だいぶ気持ち悪いよ?おじいちゃんはもう少し表情筋を引き締めるべきだと思う。」 気持ち悪っ!おじいちゃんに頼ろうと思ったら顔気持ち悪っ!マジかよ、まださっきのニヤけ顔の上があったのかよ。もう驚くしかないよ。人の顔ってこんなに気持ち悪くなれるんだ……ってめっちゃ落ち込んでる。いや、あそこで言わないと外で私といる時にあんな顔したら引かれるだろうしね。早めに言っとかなきゃだししょうがないよね。 ごめんね、おじいちゃん。これもおじいちゃんのためなんだ。 ◇◇ 待つこと暫し…… 『なんだって弁護士なんて探してるんだ?誰か訴えたい人でもいるのか?ってそんなのいる訳な──』 勘良すぎかよ…… 「いや〜実はそうなんだよね。今ではないんだけど いずれ訴えたい人が一人いてさぁ。私の義理の母親になりそうな人なんだけどね。」 『健二のやつもう彼女作ったのか!?』 そうだよね、もうって思うよね。私も思ったもん。 「うん、ちょっと前に家に帰ったら彼女さんを家に連れ込んでてたんだよね。」 『嘘じゃろおい……それでその人を訴えたいって健二が悪い女に騙されてるとかか?さすがにドラマの観すぎか。』 ドラマの観すぎだよ!この情報量でその可能性が思いつくのはドラマの観すぎだよ!でも残念ながら正解なんだよ!もうなんなんだ!現実は小説より奇なりってか?あ、これ小説だったわ。これより酷いとか現実ハードモード過ぎんだろ。 「いや、そのまさかだよ。お母さんを失ったタイミングで傷心してたから簡単に騙せたってそいつが誇らしげに私に話してたんだよ。あんな奴が私の周りにいるのはろくなことにならないだろ
Last Updated: 2025-06-13
Chapter: #28 騙される方も別件で嫌い よし、家の前に車もないしたぶん今頃仕事だろう。大丈夫そうだな。"ガチャッ"『んっ///あっ///』「は?こんな真昼間からお盛んかよ。きっしょく悪いなぁ。さっさとくたばれクソジジイ。おっと、エンジェルボデーから出てはいけない汚い言葉を使っちまったぜ。」 最悪なタイミングで帰って来ちゃったよ、どうしよう。それにしても、フラグ回収までの流れが完璧すぎやしませんかね…… まぁ父親はお楽しみ中みたいだしさっさとお母さんに報告して退散するとしよう。父親、再婚でもするのかなぁ。アレから一年くらいでお家デートとか意外とあいつモテるのか?「お母さん、夢を叶えれたよ。父親とは正直めっちゃ仲悪いけどおじいちゃんおばあちゃんの家で仲良く楽しくやれてるよ。だから安心してあっちでのんびりしててね。来れたらまた来るから今日はここら辺で、お母さんまたね。退散退散。」 忘れ物は……ってお供え物のこと忘れてた。私はよく知らないけどおばあちゃんがお母さんは菊の花が好きって言ってたから買ってきたんだった。危ない危ない。このまま持って帰って買った意味がなくなるところだったよ。「うん、今度こそこれでよし。帰ろ帰ろ〜」"ガチャッ" 私まだ扉開けてないしこの音が鳴らすとすれば……って誰だこいつ?「ど、どちら様?」『私は良ちゃんの彼女だけど……どちら様はこっちのセリフよ!あんたこそ誰よ!』 ここで取れる選択肢が二つ。一つ目が素直に娘と言う無難な展開。二つ目はクソ親父の彼女のフリしてこの女にクソ親父がロリコンだと勘違いさせて引かせるた上で修羅場に突入。うーんどうしたもんかなぁ。よし、一つ目でいこう!なんて言うかもう関わりたくない!「え〜っと、この家の持ち主の娘ですけど……」 な〜んかアクセサリーの趣味悪いし感じ悪いわぁ〜ゴテゴテで成金感がすごいなぁ。これってもしかしなくても私の父親に買わせてるんだろうなぁ。これは……金ヅルにされてるパターンかな?「あなたが良ちゃんの言ってた母親を殺した子どもってやつね。まぁ聞く限りただ運が悪かっただけなんでしょうけど私には関係ないもの、良ちゃんに何かを言うつもりはないわ。今の周りが見えていない状態の方が金をせびるには都合がいいもの。あなたにはご愁傷さまとでも言っておきましょうか。」「それじゃ私はもうあの男に興味も期待もないので帰りますね。それでは
Last Updated: 2025-06-12
Chapter: #27 一級フラグ建築士 私なんか、か……やけに自己肯定感の低い人だなぁ。こんな気持ちのままコラボしたってつまらなくなるだけだしどうにか上手いこと彼女の気持ちをのせないと。 さてさてさ〜てっと。なんて送ればいいかなぁ。どうすれば自信を付けさせられるのか……いっそ一ファンとしてファンレターみたいな文章送ってみようかなぁ〜なんて。オタクはオタクらしく長文の推しへの思いででぶん殴るっきゃねぇ! 一人のVTuberとしてのコラボ依頼に個人の感情を持ち込むとかライン越えだよね。推しと親しくなるとかちょっとファン的には重罪かもしれない。いやでも自信を持たせるにはありかもしれないし……やっちゃおう!その後謝罪動画も出そう!なんてったって私は個人勢!もう怖いものなんてない!私は無敵だー!そうと決まれば話が早い!さっそく文章作っていくぞー!◇◇ 狐火さん。「メリットがない」だの「私なんか……」だの好き勝手言うのをやめてください。私はあなたの動画を見て、一視聴者としてあなたを推して、あなたとコラボがしたいと思ってあなたをコラボにお誘いしたんです。 私はあなたのVTuberとしての容姿と声、性格。そして、時より見せるあざとさが好きです。あなたに魅せられたんです!私はあなたにおぎゃりたい! あなたのリスナーだってそうじゃないですか。あなたの容姿、声、性格、コンテンツを好きになって時間を割いて動画を見てくれている。あなたが自らを卑下するのは彼らの推しに対する想いへの冒涜です。彼らの好きの否定です。彼らの推しであるあなたが一番やっちゃいけないことです。それをちゃんとわかってください。 これまできつい言葉で好き勝手言ってすみません。でもあなたの言葉が納得出来ませんでした。他でもない推しがそんなことを言っているのが凄く悲しかったんです。本当にすみませんでした。◇◇ これでいいかなぁ……なんか上から目線になっちゃってる気がする。でも卑屈すぎてイライラする!例え本人だとしても私の推しを貶すんじゃないよ! 返信作業が終わったらshortのストックもあるからコラボ決まるまで暇だなぁ……お母さんに報告しに行くか。「あなたの娘の唯はしっかりやれているよ!」「夢が叶いそうだよって!」万が一父親と鉢合わせたら最悪だけどこの時間ならさすがに仕事あるから家にはいないだろうし、まぁ家で会うなんてことになるなんてありえ
Last Updated: 2025-06-11