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結城 木綿希
結城 木綿希
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Novels by 結城 木綿希

魔物嫌いの魔食家令嬢

魔物嫌いの魔食家令嬢

龍に殺されたはずなのに目が覚めると過去に戻っていた主人公が泥水をすすりながら死ぬ気で強くなる。一度死んで二度目の人生。自分を殺した龍より強い生物がいる世界で弱いままでいることは許されない。侯爵家の長女として、生まれながらの強者として、いずれ来る災厄を知る者として、わたくしは誰よりも強く在らねばならない。それこそが高貴なる者の義務なのだから。
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Chapter: #18 イィィィィヤァァァァ!!!!
「モフモフ〜♪モフモフモッフモフ〜♪わたくし〜のあいぼ〜うはどっこにいる〜♪可愛い可愛いわたくし〜のモフモフさ〜ん♪わたくし〜はここよ〜出ておいで〜♪」【モッフモフ第6番『相棒』-第2楽章 作詞作曲 アビゲイル=ルミナリア 】より そんなこんなで森を散策すること二時間。一向に見つからないモフモフ。性懲りもなく突撃してくる|駄竜《バカ》共。なんなんこいつら!さっさとピーねよ!てかわたくしについてる血で同じバカ共の末路を理解できねぇのか?あぁん?おっと失礼致しました。つい美しくない言葉を使ってしまいましたけれど、普段はこんなんじゃありませわ!本当ですわよ!チッ……全部全部あの駄竜が悪いんですわ!モフモフA『何あの化け物!竜を何体仕留めればあそこまで濃い竜の匂いが付くのさ!逃げなきゃ殺られる!逃げなきゃ殺られる!』モフモフB『あ、やばい僕死んだ。お父さんお母さん、先立つ親不孝者な僕をお許しください。』モフモフC『……………………………………………………………………………………オジャマシマシタ。』 上位の魔物の血は魔物除けの結界に使うとも聞きますし、駄竜の血の影響でしょうか。やっぱりあのバカ共のせいでしたか。あとで根絶やしにしないとですわね。余計な予定を増やすだなんてあの駄竜共サイテーですわ! 「はうっ!あんなところに可愛らしいモフモフさんが!しかもそのモフモフが白銀の毛の狐さんとはわたくしスーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルついてますわね!これで勝つるですわ!」"プルプルプルプルッ"「さぁ〜おいで〜怖くないですわよ〜?」"プルプルプルプルッ"『修羅が……修羅がいるよォ……私美味しくないからぁー!私食べても美味しくないから殺さないで〜!』「ほーらわたくし特製の干し肉ですわよ?食べたいでしょう?」"プルプルプルプルッ"『あ、私は今日死ぬんだ。あの方優しいな、今から殺す相手に慈悲として最後の晩餐を用意してくださるなんて……アハハハハハッ!』「ほーらおいでー!」 "プルプルプルプルッ"『イィィィィィィィィヤァァァァァァァァ!!!!』
Last Updated: 2025-09-09
Chapter: #17 モフりたいですわぁぁぁ!!
『あふんっ……』 クソ情けない駄竜の断末魔が聞こえた気がしましたがまぁ気の所為でしょう。もういい時間ですしわたくしもそろそろ帰りましょうかね。駄竜はどうでもいいんですけれど……やはり異世界ファンタジージャンルの小説たるものペット枠の一つや二つ、欲しくありませんこと?欲しいですわよね?欲しいですわよねぇ!(圧) 欲しい……です。  はい、ちゃーんと空気読めて偉いですわね!特別に1アビゲイルポイント差し上げますわ!まぁそんな茶番をさておきまして、モフモフを探していきたいと思います!なんでモフモフ限定なのかって?そんなのわたくしが吸いたいからに決まっているじゃありませんか!モフモフは正義!可愛いは正義!そしてそんなモフモフからしか得られない栄養素がいずれ発見されるのです! さてと、真面目な話をしましょうか。モフモフということは何を意味するかわかりますか?モフモフということは身体で受けきるタイプではないということです。わたくしの戦闘スタイルの関係上、共闘するならスピードタイプか遠距離タイプが望ましいんですの。となると先程の駄竜のように鱗のような硬いものが身体を覆っているタイプの魔物はあまり好ましくありませんの。人に置き換えると金属鎧のようなものですしね。 その点モフモフなら毛皮系の鎧、すなわち近距離なら回避盾や斥候、そして遠距離なら魔術師のような役割を担ってくれますの。これならわたくしのスタイルとも噛み合いますわ。やはりペットと言ってもわたくしと共に生きる以上ただの愛玩動物とはいきませんもの。相棒として共に戦ってもらわないといけない以上わたくしの戦闘スタイルと噛み合うことは必須。 ついでに言えばカラーリングも大切ですわね。上位の魔物は姿を変えられるとも聞きますし、もし人化できるようになった時には銀髪赤目がいいですもの!犬系でも狼系でも猫系でもいいですけれど、銀髪赤目!これだけは絶対に譲れませんわ!
Last Updated: 2025-09-08
Chapter: 閑話 吾輩結構強いのに(短めです)
 吾輩は竜。神代から続く由緒正しき純血竜の家系の四男坊だ。由緒は正しいのだが先々代から最上位竜を輩出できていないせいで駄竜だなんて言うやつもいる。だからこそ吾輩はひたすら貪欲に強さを求め獲物を狩り続ける。両親や兄弟たちは意地汚いだのみっともないだの純血竜としてのプライドはないのかだのと散々な言われようだ。 だが、本来竜は戦闘種族なのである。かつて多く存在した強者たちとの生存競争に勝ち、生き残ることで最強生物竜の立場を獲得してきた。にも関わらず最近の我が一族の体たらくはなんだ?立場に甘え、戦いを野蛮な行いだと蔑み、惰眠を貪る。 これではその力が衰え、最強生物としての血が劣化していくのは当然のことではないか。なぜそんな単純なことに誰もわかっていない!なぜ誰も試さない!過去の栄光を誇るのはいい。だが、結果だけを見て戦い続けた歴史を見て見ぬふりするのは違うであろうが。 ならこの吾輩が強さを求める竜たちの導となろう。その生涯をもって戦い続ける竜の真価を示そう。◇◇ 「ふんっ、人間のガキではないか。今日は気分がいい。この小さきものには慈悲をやろうではないか。さ、我の咆哮に脅え即刻立ち去るがいい!」 え?無視して突っ込んでくるじゃん!え?全然ビビってない?おえっ!なんか口に入ってきた気持ち悪!おえぇっ!なんだこの毒は!気持ち悪っ!おえぇぇぇっ!だが!おえっ!残念だったな吾輩の身体には耐性があるゆえ毒程度で吾輩は死なn……
Last Updated: 2025-09-07
Chapter: #16 わたくしは不満ですの!
「うーん、これなら瞬殺できるんですけど戦闘訓練にはならないんですわよね。最初の咆哮さえ耐えてしまえばそこらの狼の方が戦いずらいとかどうなんですの?だって狼共は一応逃げますし、ただの的でしかない竜よりは多少……。」 あぁ〜解体クソ面倒ですわね。誰か解体要員でも連れて……いや、それは咆哮食らった後にまともに動ける人間がいないから断念したんでしたわね。なんでいつまでたっても耐性が付かないのかしら。正直このままじゃお話になりませんわ。当時は私、お兄様、お父様の三人でもギリギリでしたものね。そこからさらに私が龍との相打ちで一抜けすることになってしまいましたしね。 戦場で覇気に負けて足を止めるなど愚の骨頂ですもの。自分を殺してくださいと言っているようなものだというのに天下のルミナリア辺境伯騎士団の団員ともあろう者が揃いも揃ってこの様とは……。◇◇ ここでその覇気を浴びた被害者さんたちの声を聞いてみましょう!被害者A「なんなんですかあの覇気!およそ人が出して良いレベルを超えてますって!お嬢様の前でなければ失禁してました。安心してくださいね?自分は耐えきりましたので!」被害者B「竜の咆哮の方がまだマシ。以上!」ノンデリ被害者C「なんだあの化け物はよぉ!思わず足が止まって腰が抜けちまったじゃねぇか!にしてもあれがうちの大将になるたぁそれまで長生きしねぇとな。」 現場からは以上です。 ◇◇ わたくしは単騎で勝てなどとは言っていませんのに。その場に立つ資格を得なさい。彼らに求めたのはそれだけだというのに!目の届く範囲なら守りきれますけれど、これじゃ咆哮で足が止まって解体もまともに出来ないばかりかその後連れて歩くこともできませんものね。欲を言えば料理人も…… ダメですわね!何をそんな貴族の令嬢のような甘ったれたことを言っておりますの!貴族令嬢、それも上位貴族の辺境伯の令嬢なのを忘れている訳ではありませんわよ?それはそれ、これはこれですもの。まぁそれはさておき、一度気を引き締め直さねばなりませんわね!わたくしは我が国の剣、そのような甘えは許させませんわ!とはいえ現実問題として美味しく食べるための調理法の研究は必須ですわよね。 戦力の底上げのために一番手っ取り早いのが魔食ですし。となると美味しく食べれる状態にしてこっそり食事に混ぜて後に引けなくして……ふふふっ一蓮托
Last Updated: 2025-09-06
Chapter: #15 魔物の森の歩き方
「勉強クソだりぃですわ!というわけで今日は気分転換にブタ共をシバキにいきますの!」 誰に言ってんだこのエセお嬢様の皮を被ったガチお嬢様は……。それはそうと彼女がブタ呼んだ魔物の正式名称は魔豚人(オーク)。小鬼(ゴブリン)と同様に極めて原始的な種であり、それ故に進化や変異の幅が広い。小鬼と違い、通常種と上位種で見た目に変化がほとんどない。そのため冒険者になりたての者が誤って攻撃してしまい殺されるという事故がよく起きる。 「あんなもんただの二足歩行する豚ですものね。狩って食べるなら少しでもマシな方がいいですもの。」 そんなことを言いながら首を狩っては内臓を引きずり出して吊りしてを繰り返していく。表情を一切変えずに。やーいやーい!自称か弱い女の子ー!どこがじゃーい!「チッ……この刃が届かぬところからふざけたことを。いずれわたくしも貴方の首を貰いにそこまで言ってさしあげますからね。首を洗って待っていてくださいね。貴方を喰らえばどこまで強くなれるのかしらね。」 ッ!?ま、まぁ所詮は定命の者の戯言。しかも言ったのは定命の者の中でも脆弱な人種。そんなソナタらの刃が我らに届くことはない、ない……はず。多分大丈夫。 「あれは豚、あれは豚ですわ。」 わ、我は豚ではない!我神ぞ!偉いんだぞ!強いんだぞ!「いや、豚って言ったのはあんたの事じゃねぇよ。とりあえずこんなものかしら。ついでに竜でも狩っていこうかしらね。飛竜の幼体が街道の方まで飛んできてちょっかいを出していると聞きますし……。どうせ倒さなければいけないなら一人の時に倒してついでに味見までするとしましょうか。」 竜は縄張りを持つ種族だ。故に基本竜は単独で行動している。そんなプライドが高いが故に舐めプをしてくる竜はある一定以上の強さを持つものからすれば格好の獲物だ。バカで傲慢で目立ちたがり屋な性格故に無駄に吼えるし、魔力もダダ漏れで探すのも楽で相手の力量も見極められないから逃げもしない。 ほんとにこんなのが好きだとは貴族というのはおかしな連中だ。骨格標本にして売ると白金貨数枚はくだらないらしいけど……阿呆の骨なんて飾ってなんになるんだか。まぁ売れるなら売るけども。 えぇ〜っとですね。竜の狩り方講座の方を始めていきたいと思います!奴らは接敵と同時におらかかってこいや!と言わんばかりの咆哮で相手を威圧してきます
Last Updated: 2025-07-31
Chapter: #14 完璧な計画ですわ!
 あ、これ多分深く考えちゃダメなやつですわね。タイムパラドックスとか緩やかに元の時間軸に合流して結局龍に負けて死ぬ未来変えられない可能性とかそんなことを考えてたらわたくしのアイデンティティ崩壊まで秒読みですしね。 わたくし、SAN値チェック失敗して発狂だなんてごめんですもの!きっと神的な上位存在が起こした矛盾をはらんだ超常現象的ですわね。可能性の話は一旦脇に置いて気分転換がえてら今後のことを考えましょうかね。わたくしはこのままいけば学園に通うことになりますわね。 回避できないこともないですけれど……土地と民を見捨てて攻めるならともかく守りながら戦うとなると戦闘員の数が少々心もとないんですのよね。広い土地を守るには数必要ですし、見せかけだけだとしても数がいれば民を安心させるのにも有用ですもの。やはり平民貴族問わず人材を育てて同時に引き抜きをするのが無難ですわね。 とはいえ今後のことを考えると勧誘の過程で他家と揉めるわけにもいけないのがまた厄介ですわね。穏便にとなると慎重に事を進めなければいけないのがストレスですわね。時間があまりないというのに……クッソめんどくせぇですわ!サクッと武力制圧したいところですけれど、そんな些事にリソースを割けるほど時間的に余裕がないのがネックですわね。「よし、柄ではないですけれど優等生キャラを演じて片っ端から恩を売りまくってやりますわ!」 学園入学時にはおそらく前回の全盛期には達しているでしょうし、武闘派貴族の学園での師匠ポジに収まりたいところですわね。脳筋共は基本馬鹿ですけれど恩にはしっかり報いてくれますし安心ですわね、馬鹿ですけれど。すっごい馬鹿ですけれど。 そういえばあの馬鹿共、意外とモテるらしいですわね。普段の緩いのに戦闘になると表情をキリッとさせてクレバーに戦うギャップがいいらしいですわ。わたくしも……モテたかったですわね。わたくしとあのおバカさん達は何が違うのかしら。 今回は優等生キャラを演じる予定ですし、前回一ミリも異性からモテなかったわたくしにも好意を向けてくれる殿方の一人や二人くらい……。絶対に婚約者を捕まえてあのノンデリ団長に全力でドヤ顔で煽り倒してなりますわ! 悔しがるノンデリの顔が目に浮かび……浮か……あのノンデリどんな顔だったかしら。困りましたわ!記憶にモヤがかかったように思い出せませんの。こんな
Last Updated: 2025-07-24
憧れに手を伸ばせ

憧れに手を伸ばせ

 街頭ビジョンに映るVTuber達に憧れた一人の少女がいた。お世辞にも良いとは言えない彼女の家庭環境では憧れに手を伸ばすことすら叶わない。  しかし、それは彼女が諦める理由にはならない。家を出て就職し、プライベート全てを憧れに近付くための自己鍛錬に費やした。 いくら彼女に才があろうと努力をしようと両親から逃げ続けている以上は表舞台には上がれないし、憧れ続けたVTuberにもなれない。彼女は最期までVTuberにはなれず、来世を夢見て死んでいった。  これは、そんな彼女の来世が舞台のシンデレラストーリー。 ※#〇.5の回は本編に直接的には関わりません。でも、読むとキャラ達のいる世界のことをもっと知れます。
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Chapter: #92 意外と真面目なひまわりちゃん
 ぐすん……めっちゃ怒られた。ノリでコラボを始めるのはいいけどちゃんとマネージャーに根回ししろって言われた。あと、配信止められてるのわかったならキリいいタイミングでコラボ終えて休ませるとかできることあっただろって。 ごもっともすぎるよ。でも、でもだよ?YURAちゃんにも原因があると思わない?そしたら社長が「たしかに俺もYURAが先輩に誘われて断れなかったなんてシチュエーションは全くイメージできない。実際えーやだーとか言って断るだろうな。それは裏での話だ。配信中にリスナーにも聞こえる形でコラボの話を持ちかけられたらどうだ?あいつはあれでいてなんだかんだ空気を読むし、気も使う。まぁラインのギリギリ手前で暴れてるからタチが悪いとも言うがな。ま、そういうわけだから。今後は今その場で言うことによる影響とかも考えるように。いいな?」 私はぐうの音も出なかった。「ぐう!」 違う。これはぐうの音が出たんじゃなくてお腹空いてたからお腹が鳴っちゃっただけ。ちょっとお腹に何か入れておくか。 まぁたしかに"もぐもぐ"頑張りすぎちゃってる"もぐもぐもぐ"YURAちゃんのストッパーになるべき大人がそれを真っ当出来てないことの責任を"もぐもぐ"YURAちゃんにぶつけるのは違うよね。やる気があるのは"もぐもぐもぐ"いいことなんだから。"ゴクンッ"あとは大人が無理しすぎないように体調とかに気を使っていけば済む話。 なんかこんなキャラじゃないのに真面目に考えすぎてちょっと脳みそ疲れちった。寝よ寝よ。んじゃ、おやすみなさーい。「スピーースピーー」
Last Updated: 2025-11-13
Chapter: #91 ひまわりちゃんの受難
「ふぅ……お疲れ様でした〜!」「今日はありがとねYURAちゃん!おかげでいつもより盛り上がった気がするよ!」"ブー……ブーブー……ブーブー"「ねぇYURAちゃん。」 あ、やばいめちゃくちゃ嫌な予感する。これは逃げなきゃまずいか?「なんですか?ひまわりせーんぱい!」「なんかさぁ、社長から電話きたんだけど……。」 よし、逃げよう!たぶん配信用の社用携帯だろうし切らないと電話出れないよね。なら私から抜けるのも優しさってやつだ!「あぁ、それは緊急事態ですね!早く電話出ないと!それじゃ邪魔しちゃ悪いんでぬけますね。お疲れ様でしたー失礼しまーす!」"ブツッ"「え?」◇◇「も、もしもーし……夏風ひまわりです。蒲萄社長、何かありました?」「何かありました?じゃないだろ?ひまわり、お前も俺の要件わかってるんだろ?」(あ、オワタ……) なんだかんだ楽しく終わることが出来た配信の直後にきた一本の電話。それこそが彼女の身に降りかかる長い長い不運な日々の始まりであった。 やめて!久しぶりのコラボがノープランで始まったせいでひまわりちゃんはもう限界!社長にまで詰められたらひまわりちゃんの心がへし折れちゃう! お願い!諦めないでひまわりちゃん! そこで諦めたら怒られるのは貴方だけになっちゃう!それに、本来怒られるべきYURAちゃんのことはどうなるの? 頑張ってひまわりちゃん!今を耐えればきっと希望はあるから! 次回「ひまわり死す」デュエルスタンバイ!
Last Updated: 2025-11-12
Chapter: #90 強いて言うなら事務所が悪い!
「先輩先輩!配信中ですよ?いつまでそんなこの世の終わりみたいな顔してるんです?もっとシャキッとしてもらわないと!もう!」――めちゃくちゃいい笑顔で煽りよるわこいつwww――それな、めちゃくちゃ自然に言ってるけど元凶なんだよなこの子――なんというか許せちゃいそうな雰囲気をまとってる――しっかり者の後輩風。あくまで風――ガチで草「お前誰のせいだと思ってんのマジで!いやほんとお前マジでさぁ……」「私は誰も悪くないと思ってますよ?強いて言うなら事務所ですかね。」――あぁなんか落ち見えたかも――奇遇だな俺もだ――口八丁で誤魔化されてなんとなく有耶無耶になって終わると見た!――いやでもひまわりちゃんもいい歳した大人だよ?さすがにこんな一歳の女の子にコロッと……される気がしてきた――誰か一人くらい信じてやれよ――そうは言いつつも皆信じてるさ、ひまわりちゃんのチョロさを「は?どう考えてもお前が悪いだろ。」――おおっと!ここでしっかり言い返した!――この反論どう見ますかYURAちゃん側のリスナーの皆さん――そうですねぇ、追求を一旦止めてしまったのが悪手でしょうね。――というと?――ユラちゃんとひまわりちゃんがまともに言葉でやり合って勝てる見込みはないんです。ここでの切り返しでそのまま押し切って先輩の言葉ということで強引にでも飲み込ませるべきでした。――長いから3行で――最後のチャンスを無駄にした。ひまわりちゃん負け確。「まず、現状の整理からしていきましょうか。一つ、私が配信を禁止されてることを先輩は知らなかっただけ。二つ、私は暇を持て余していたからコラボの予定が今後入った時の予習がてら先輩方の配信を漁ろうと思っていただけ。三つ、何も知らない先輩の誘いに私が応じただけ。ほら、何も問題はないですよね?」「う、うん……た、しかにそんな気がしてきた。そういうことなら問題はない……のかな?でも事務所の問題って言うのは?」――実況の言う通りになったな。YURAの屁理屈も間違ってはないけど、そこにYURAちゃん自身のあ、これ使えるなって下心があったから誰も悪くないわけが無い――ほんとそれ↑――やっぱりユラちゃん天才を自称するだけあって頭の回転めちゃくちゃ早いのな――頭の回転もそうなんだけど、どちらかと言うと引き出しの多さじゃないかな――あぁ
Last Updated: 2025-11-11
Chapter: #89 配信できるぜやったー!
「それじゃ我らがピオーネのスーパー新人VTuberのYURAちゃんとのコラボでーす!はい!みんな拍手ー!それじゃあひとまず自己紹介お願いしていい?」「もちろんです!人生二周目の天才ロリっ子VTuberのYURAです!大先輩の足を引っ張らないよう頑張ります!」――大先輩の足をってアレ?ユラちゃんのチャンネル登録者って何人くらいいたっけ?ワンチャンひまわりちゃんが負けてね?――いや、まだギリ勝ってる――良かったなひまわりちゃん、先輩としてのメンツはギリ守れてるぞ!――まぁ、ギリだけどな!「ありがとYURAちゃん!おいこらコメ欄うるせぇぞ!じゃあ次はYURAちゃんの目撃情報が極端に少ない件について教えて貰っていい?話聞く限りじゃ見てないわけではないみたいだけど。」「それは……私は天才だからなんです。」「ん?」――さすがの俺らもクエスチョンマークだらけやわ――ワイも天才やからわかる、きっとながら作業してるからやな――適当言うなカス――ひまわりちゃんの枠に天才とかいるわけないやろ――寝言は寝て言え、いやもう黙ってろ――ボロくそで草「動画編集もMIXもイラストもモデリングも全部自分で出来るので、全部やると時間がやっぱりその分長くかかっちゃうじゃないですか。となるとより多くの時間を確保するために色んなことを同時進行することになるわけで。配信視聴も作業しながらなんですよ。」――な?――コメ主のドヤ顔が目に浮かぶ――ほらそこ!コメント欄内で会話しない!――枠主が混乱してこっちに助け求めてるよ!――しゃーないなぁ誰か答えといてー――お前ちゃうんか、ほな俺がやるか。やりたいことがいっぱいあって、それをやる能力も持ってると。だから全部やってて手が離せない。それで配信は見てるけどコメントはできない。「あ、なるほどね!作業BGM的なってことか!え?生き急ぎすぎでは?もっとゆっくりしよ?」「前半は端折るんですけど、何事かをなすにはあまりにも短いって名言あるじゃないですか。そういうことです。人なんていつ死ぬか分かりませんしね。母もまさか私を遺すことになるなんて思ってなかったでしょうし……。あ、今は祖父母がいるので大丈夫ですよ?」――重いね……――そうなんだ、ユラちゃんお母さんを……――俺ちょっとチャンネル登録してくる――俺も俺も――チャンネ
Last Updated: 2025-11-10
Chapter: #88
「そういえばユラちゃんがうちの事務所の配信にいるの珍しくない?なんかそんな気がする。」YURA――実は色々事情がありまして……――今更だけど、ひまわりちゃんはみんなの妹なわけじゃん。ならさ、ユラちゃんじゃなくてユラお姉ちゃんって呼んだ方がいいんじゃない?――そうだそうだー!妹なら妹らしくちゃーんとお姉ちゃんと呼ぶんだー!――妹ちゃーんほれほれー!「クッ……ユ……ラ……おね……ちゃん……。うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!もうヤダ配信やめたい!ふて寝したい!あたし年上なのに!先輩なのに!うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!」――泣いちゃった……――しょうがないね、妹ちゃんだからね――ちょっと男子ー!サイテー!――ひまわりちゃん泣いちゃったじゃーん!――あんな小さな女の子相手にいい歳した大人が揃いも揃ってさー!「やめて……もうやめて……話題変えよ?ね?ほら、ユラ……オネエちゃんが配信に現れない原因をしようよ!」――しゃーないなぁ――という訳でユラちゃん!――あとは任せた!YURA――え、えっと……任されまし……た?アレなんか通話かかって……ひまわり先輩?(ど、ど、どうしよう!今日仕事したら絶対社長とマネちゃんに怒られる!でも私みたいな事務所に入りたての新入りがひまわりさんみたいな大先輩からの通話に出ないわけにもいかないし……。いや待てよ?出ないわけにはいかない……か。これ使える!新入りって立場で先輩の話を断れなかったってことにすれば怒られるのはひまわり先輩!これで怒られることなく配信ができる!)「はい、YURAです!ひまわり先輩!リスナーの皆さん!改めてよろしくお願いします!」(ふっ……計算通り!)
Last Updated: 2025-11-09
Chapter: #87
(えーっと確か……この時間帯だと夏風先輩の配信かな?なつかぜひまわりっと!お、配信開始に間に合った!セーフ!)「みんな〜こんひま〜!みんなの妹!夏風ひまわりだゾ♡」――こんひま〜――こんひま〜――こんひま〜――こんひま〜――こんひま〜「ねぇ、もうこの罰ゲームやめない?なんだよみんなの妹って!私もう三十路ぞ!」――慣れてないのひまわりちゃんだけ定期――そろそろ慣れろよwww――もう三十路……てことは推し始めてからかれこれ13年――時の流れって残酷だよね――おいコラやめろ!そんなこと言ったらr――ぐわぁぁぁぁぁあ!!――え?そんなに経ってるの?てことは俺42……見始めはギリ20代だったのに!もうヤダ辛い「フハハハハッ!苦しめ苦しめー!」――これがピオーネのベテラン配信者の姿かYURA――魔王で草――他人ヅラしてるけどひまわりちゃんもだからね?――三十路のやつがなんか言ってら〜――おーっと!?痛烈なカウンターが入ったァァァ!!「我らが事務所のニュービーちゃんがいるじゃないか!やっほやっほー!ゆっくりしてってね!」(なんとなく混ざりにくかったけど、突然の魔王ムーブのおかげでなんとか混ざれた!さすが先輩だね、こういう立ち回りは私じゃまだできないもん。やっぱり年季が違うや。)YURA――先輩のトーク面白いですね!やっぱり年季の差ですかね、私も頑張ります!「カハッ……」
Last Updated: 2025-11-08
異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜

異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜

真の引きこもりたるもの自分の食い扶持くらい家にいながら稼ぐのである。家から出たくないだけで働きたくないわけじゃないからそこんとこ勘違いせんでもろて。え?ここどこ?異世界!?まぁいいやとりあえず引きこもろ。ふむふむ、ここには魔法があるなら魔法使って身代わりを作れば……分身体一号、二号よ!俺の代わりに外で働いてこい!魔法って便利~!
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Chapter: #45
「お、それなら僕が今改めて自己紹介しても問題ないね?」「ややこしいことになりそうだからそれは遠慮しておこうかな。で、僕は殿下のことをなんと呼べばいいのかな?」「そうだなぁ。友人というものがいなかったからいざどう呼ばれたいかって聞かれると難しいな。うーん……ミハっちとかはどうだい?」「ミハっちってなんだよ。ネーミングセンス皆無か。ちょっと待って僕が考えるから。」「ふふふっ、友人に愛称を決めてもらうと言うのはなかなかどうして心躍るものだな。」「なんだよ急に、気色悪いなぁ。よし決めた、今日から僕は君をミーシャって呼ぶ!ていうかミーシャってぼっちなのな。取り巻きとかもいるしてっきり友達いっぱいいるのかと。」「エル君、君は本気であの王位継承権という名の餌に群がる連中が友人に見えているのかい?」「ごめんごめん、僕が悪かった。」「ふんっ!僕は気分を損ねましたー!あーもしエル君が僕のいい所をいっぱい言ってくれたら機嫌が直るかもしれないなー!父上との食事中に同級生にぼっちだとからかわれたって愚痴っちゃうかもなー!」「おいミーシャほんとにそれはやめろ!てか僕ら出会って2日目だぞ?いい所をあげられる程僕はミーシャのこと知らないんだけど……。あと男が拗ねても可愛くない。」「うだうだ言ってないでさっさと僕を褒めるんだ!にしても男か……そうだね、僕は男だ。でも拗ねるくらいしてもいいじゃないか。」「ヘイヘイヘイ、そうだなぁ……。まず魔力操作の練度が驚く程高い。魔法の発動による外部への影響を遮断してるのがすごいと思った。才能とか環境の差もあるんだろうけど、そこに泥臭い努力のあとが見えた。僕はそれがかっこいいと思う。あとはそうだなぁ……。」「い、一旦休憩ちょうだい!心が!心がもたないから!」
Last Updated: 2025-11-13
Chapter: #44 友人(正式)
「おい、適当言うんじゃない!」「な?」「はぁ……アルノー君もう帰っていいよ。しばらく僕の側近としての仕事しなくていいから。あ、そうだ僕はエル君のことを勝手に友達認定してるからタメ口でいいよ。」 いや〜タメ口公認されたのマジラッキーだわ。正直敬語で話すのめっちゃキツかったね。そろそろボロが出そうだったし。「え?ちょ、ちょっと待ってくださいよ!なんで、なんで僕が!何か失礼をしてしまったなら謝罪します!だから!どうか!」 ほんまこいつ……「いいんですか?なら遠慮なく〜。アルノーだっけ?お前そういうところだぞ?心から爽やかお兄さんのサポートするでもなく、その立場にあぐらかいてさ。挙句の果てに過干渉して、爽やかお兄さんの知人に殺気垂れ流す。お前の行動はお兄さんの品位を地に落とすものだ。そんなこともわかってねぇから暇を出されたんだよバーカ。それにさっきの謝罪もあれだろ?ほんとに悪いと思ってるんじゃなくてとりあえず謝ってご機嫌取りしないと的なやつだろ?はぁ……ほんとお兄さん見る目ないね。こんなのを自分の周りに置くとかありえないよ。」 ふぅ……言いたいこと言ってスッキリした〜「めっちゃ言うねエル君……。あとしれっと最後に僕のこと刺すじゃん。やめてよ自覚あるから普通に刺さるんだよ。ところでエル君!君、僕の側近に興味ない?今なら僕の横、空いてるよ!」 君のせいで僕は巻き込まれたんだからそれくらい許容してくれたまえよ。「迷うまでもなくお断りだね。これでも僕は忙しくてね。お家でゴロゴロするので忙しいんだよ。それに僕政治関係苦手じゃないけど趣味じゃないんだよね。ぶっちゃけて言うと、あなた方で勝手にやってどうぞって感じ。」 腹黒い老害とのやり取りとかクソ喰らえ。てか国政とかいうブラック企業なんかに僕は関わりたくないの!てか仕事したくないの!「え〜なってよ側近〜!僕たち友達だろ〜?」「やだよ〜イケメンお兄さんの近くで目立ったら刺されるじゃーん!目立ちたくなーい!」「ふっ、僕らが仲良さそうに話してるのを現状多くの人に目撃されているわけだけどさ。これを見た民衆はどう思うかな。」「あぁもうやだ最悪だ!もう僕隠居しよかな。うーん……決めた!一つ約束してくれない?僕を君の友人以上にしないと。僕に役職は不要だからね。出世とか大っ嫌い。友人としてなら手伝うし、助言もする。でも側
Last Updated: 2025-11-12
Chapter: #43 狂犬くん
 さてと、もう朝か。めちゃくちゃ眠い……が僕はちゃんと起きる。努力ができるタイプの引きこもりなので。そんじょそこらの引きこもりとは違うのだ。「いただきます。」 これは僕が部下たちの間で根付かせた文化だ。根付かせたというか寝ぼけてうっかりやって根掘り葉掘り聞かれたと思ったら次の日には広まってただけというか…… まぁそんなことはどうでもいい。ご飯を食べたら身支度を整えて学校へと向かう。もちろん馬車で。大した距離でもないのでケツがこれ以上割れないようにするためにも歩いて行きたいんだけど、それはダメなのだ。要らぬトラブルに巻き込まれる。巻き込まれたらどうなるか護衛の騎士たち含め周囲の貴族以外の者の首が飛ぶ。もちろん物理的に。 ふんぞり返るつもりも先祖の功績でドヤるつもりもないけど貴族である以上そういうものなのだからしょうがない。不敬罪が方に明記されているのだから。僕にこの制度を変える気もない。やってやれないこともないけど、まず間違いなく国がなくなるからだ。 やるなよ?お前だお前に言っているんだよ!そこの貴族が横を通るたびにガルルルしてるそこの少年!まぁ、声には出していないんだけどね。そうこうしているうちに学校前にとうちゃーく!「あ、爽やかイケメンお兄さん、おはようございます。」「やぁエル、おはよう。今日も気だるそうだね。」 あ、側近くんがガルルルしてる。この爽やかイケメン、本人は優秀なのに部下の教育は下手っぴらしい。そうでもなきゃ主人の友人に殺気を向けない。しかも側近くんの家よりうちの方が爵位が上だ。となると普通に問題になる。逆なら基本泣き寝入りだけどね。僕の場合は……「爽やかイケメンお兄さん、そこで唸ってる狂犬くんをなんとかしてくれません?噛まれるんじゃないかと内心ヒヤヒヤなんですよね。彼をちゃーんとしつけとかないとあとで取り返しのつかないことをやらかしますよ?」 そう、主に直談判!だって絶対だる絡みしてくるもん!
Last Updated: 2025-11-11
Chapter: 閑話 一人の王子
「いや〜今日はいい日だったなぁ。エル君と知り合えたのが何よりの収穫だね。」 「いくら建前上学校内において身分に差はないとは言ってもミハエル殿下相手にあのような……」 「私は気にしない。」 「ですが!」  はぁ……アルノーはこういうところがダメなんだ。相手の力量を把握する目が足りなすぎる上に言っても聞かない。暴走して彼に迷惑かけたら最悪だし釘を刺しておこうかな。 「二度も言わせるな。私は気にしないと言ったんだ。」  まぁ、これで彼が素直に聞いくれると楽観視できるほど私は馬鹿じゃない。こんなことやりたくないけど後で監視を付けるか。この盤面で余計に人手減るの痛いなぁ〜。 「ッ!承知致しました。」 「うん、それでいい。それにエル君は侯爵家の次男だからね。まぁ年齢も年齢だし表舞台に顔を出す機会がなかったからね。だからアルノー、君が知らないのも無理はないよ。でもまぁ……私の側近なら上位貴族家の顔と名前くらい把握しておいて欲しかったかな。」  これ以上私を失望させないでくれよ? 「……」 「それにしても荒れそうだねぇ、この学校。そして彼は間違いなくその台風の目になる。どうしたものかな。派手に動きすぎると潰されそうだし……アルノーどう思う?」 「ミシェル様との距離を取るべきかと。」 「でもなぁー彼を取り込めたら私の陣営のジョーカーになってくれると思うんだよね。それに私は彼が気に入っているんだ。だから個人的にも仲良くしたい。なにより彼が敵国に移住してしまった場合の影響がデカすぎる!帝国に行かれた日にはもう……。」 となると……いや、やめだやめ!そんなコソコソしてたらつまんない! 「決めた!今回は派手にいこう!叩き潰せない程大きい勢力を作ってみようかな。彼がいればそれができる。」
Last Updated: 2025-11-10
Chapter: #42 良い上司(笑)
「たっだいま〜!やぁ本体、変わりない?」「おかえり分身くん、僕は変わりないよ。学校でのことをサラッと教えてくれる?」「あれ?見てたんじゃないの?あと俺は分身じゃなくて分霊だから。そこんとこよろしく。」「そんなめんど……じゃなくてプライバシーは大事だからね。ほら、分身君も自立行動できるようになっただろう?なら上司として部下が一人になれる時間を多少は確保するべきだと思ったのさ。」 両方本音の可能性は……ないな。ないない、だって本体だもん。平気な顔して適当なこと言えるとか詐欺師じゃん!この世界風だと悪役貴族ってやつどね!もう本体断罪されちゃうね。「本音が滲み出ていたけど大丈夫そ?建前の割には理由がちゃんとしてて普段から嘘ばっかりついてるんじゃないかって僕は心配だよ。あと俺のことを分霊って呼ぶ気はないんだね。まぁ別にいいけども。」「いや、君は何目線なのさ。そ・れ・と!君も僕なんだからさ、一人称をちゃんと揃えてくれないと困るんだけど。」「今だけだよ今だけ!ちゃんとキャラ付けしていかないと俺か本体かわかんなくなっちゃうよ!ほら!読者さんも困惑してるでしょ!もう、これだから本体は……配慮ってもんが足りない。大事だよ?こういうの。」「うるさいなぁ〜分身にする配慮なんてあるわけないでしょ。」 あぁぁぁぁあ!!こいつ言いやがった!「さっきの良い上司みたいなムーブどこ行ったの?ねぇ!ねぇ!」「アハハハハッ!」「ねぇってばーー!!あ、そうだ王子様に気に入られちゃった!めーんご!」「はぁっ!?」 ヤッター本体に一矢報いれたぜ!まぁ、矢面に立たされるの俺なんだけどね。
Last Updated: 2025-11-09
Chapter: #41 友人(?)ができた
「せっかくこんな最高の環境にいるんですよ?なら使い倒さないと損じゃないですか!なので僕は単位なんてものに煩わされるのはごめんなんです!わぁ〜楽しみだなぁ〜!趣味に没頭するための口実としてこんなに上等なものは他にないですもん!」「……プフッ!アハハハハハハッ!趣味に没頭するための口実、か……そうだね。そうだ、確かにその通りだ!ミシェル君ありがとう、僕は少々気を張りすぎていたみたいだ。そっか、僕も自分の好きなこと……ここでならしてもいいんだよね。」 ん?急に笑いだしてどうし……ってそうか高い立場にいる以上自分の行動一つで家の弱みになりうるのか。イケメンなお兄さんも大変だね。僕も少しは気を付けないとか。でも、僕は好きに生きると決めたんでね。「こちらこそ色々教えてくれてありがとうこざいます。それじゃあ改めて同級生としてよろしくお願いしますね、イケメンなお兄さん!」 なんて呼ぶのか迷った末にイケメンなお兄さんって……まぁ言っちゃったもんはしょうがない!ごり押す!「イケメンなお兄さんって……あ、そういえば僕の名前まだ言っていなかったね。僕は……」 ストップストップ!ストーーーップ!!!「いや、名乗らなくて大丈夫です。それを聞いたら僕、後戻りできない場所に行っちゃいそうなので。はい、ほんと大丈夫です。あと僕のことはエルって呼んでもらえるとありがたいです。ミシェルはちょっと呼ばれ慣れてなくって。」「そうかい?また後日正式な場で会ったら名乗らせてもらおうかな?それと、呼び方の件もオッケーだよ。よろしくね、エル君。」 うわぁ……完全に気に入られちゃったなこりゃ。なんでこんだけ人数いてドンピシャでイケメンなお兄さんこと王子殿下を引き当てるかなぁ……。僕そんな運が悪いタイプじゃないと思うんだけど。
Last Updated: 2025-11-08
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