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結城 木綿希
結城 木綿希
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Novels by 結城 木綿希

憧れに手を伸ばせ

憧れに手を伸ばせ

 街頭ビジョンに映るVTuber達に憧れた一人の少女がいた。お世辞にも良いとは言えない彼女の家庭環境では憧れに手を伸ばすことすら叶わない。  しかし、それは彼女が諦める理由にはならない。家を出て就職し、プライベート全てを憧れに近付くための自己鍛錬に費やした。 いくら彼女に才があろうと努力をしようと両親から逃げ続けている以上は表舞台には上がれないし、憧れ続けたVTuberにもなれない。彼女は最期までVTuberにはなれず、来世を夢見て死んでいった。  これは、そんな彼女の来世が舞台のシンデレラストーリー。 ※#〇.5の回は本編に直接的には関わりません。でも、読むとキャラ達のいる世界のことをもっと知れます。
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Chapter: #120 前途多難なお泊まり会⑥
「ねぇみんな、そろそろ私眠いんだけど……もう終わっていい?サクッとパスワード解除していい?」――終わらせてあげたいけど俺らの負けられない戦いが終わるまで我慢して欲しいかな――今パスワード解除したらどうなるんだ?――今で終了になるなら……最長予想の60分組が一番予想に近いってことになるのか――これ以上続けても結果は変わらなそだしほなええか――じゃあ配信終了でいいんじゃない?「あかねママ、ちょっとそのスマホ返して!……よし!パスワード解除できたよ〜!」「解除してくれたの!ありがと!よし、これで削除できた!」「良かったね!それじゃあそろそろ配信締めよっか!もういい時間になったからさ!あ、一応先に言っておくけど配信中ずっとパスワードの解除に集中してた件についてはほんとに気にしなくていいから!あかねママがいつまで頑張るかで賭けてたし、それはそれで楽しかったからね!」「ならいいの……かな?いやダメですよ!そ、そうだ!賭けの景品はたしかYURAちゃんのイラストでしたっけ?それに私もイラスト描きます!正直イラストに1ミリも自信はないですけど、自分への罰だと思って精一杯描かせていただきます!」――え?ま?――うわマジかクソ羨ましい!めちゃくちゃレアなグッズじゃん――ずーるーいー!あかねちゃんのイラストをもっとリスナーに供給し……はっ!YURAちゃんYURAちゃん!「ん〜?どったん?」――サブカルマーケットでYURAちゃんが頒布する冊子の中にあかねちゃんのイラストを入れることは可能ですか?「ちょっ、おま、天才か!?やろうやろう!絶対やろう!一緒に冊子作ろ?あかねママ、お願〜い♡」「くっ……(そんな人様に買ってもらうものに使ってもらうほどのものじゃない。でも由良ちゃんのおねだりを断るなんて私にはできないしぃ……。)わかり……まし……た。精一杯描かせていただきます。うぅ…………。」「リスナーのみんな!私、やったよ!やったよ私は!あかねママのイラストをサブカルマーケットで頒布するという一世一代の重要交渉を成功させたよ!やった!ファン的には死ぬほど嬉しいよね直筆イラストを買えるとか。少なくとも私は死ぬほど嬉しい!」――良くやったYURAちゃん!――これは偉業だよYURAちゃん!一度出せばきっとハードルがだいぶ下がるし、リスナーがいっぱい買って求められてる
Last Updated: 2025-11-30
Chapter: #119 前途多難なお泊まり会⑤
 「そうは言ってもねぇ……今日別にコラボの予定とかなかったからぶっちゃけ話題とか用意してないんだよね。で、肝心のコラボ相手がこんな状況じゃん?」「13001,13002,13003!あぁもうまた制限!!クソっ!」「ほんとにね、現状頼れるのが君たちリスナーだけなんだよ!だから頼む!話題ちょうだい!」――あかねちゃん意外と根気強いのと、追い詰められすぎて口調が荒くなってるのクソうける――ちなみにパスワードって前半なの?後半なの? 今のあかねママにはどうせコメ欄見る余裕なんてなさそうだしいいかYURA――後半だよ♡――うーわ、こいつやってるわwww――まぁ、どっちみちパスワードをしらみ潰しで突破できるわけないし大して変わらんやろ――たしかにそっかー「で、話題は?」――V祭とか出ないの?「V祭は抽選だからどうなるかは分かんないけど、一応応募はしたよ?参加できたら私にとって初めて大規模イベントだからめちゃくちゃ当たって欲しいんだよねぇ〜。言ったか言ってないか覚えてないけど……いや、まだ言ってなかったかな?前出たいと思ってるって言ったサブカルマーケットなんだけど、無事抽選通りましたー!いぇーい!場所に関してはあとで呟いとくから要チェックね!あと売り子さんお願いするつもりだから募集することになるかもね?みたいな?」「待っても待っても入力制限が終わらない!あぁもう!長すぎて全然進まない!あぁもう!絶対に消し去らないといけないっていうのに!」「私も本当は売り子やりたいんだよ?でもさ、身長が足りないんだよ。台に乗ればなんとか届くとは思うよ?届くとは思うけどさぁ、そんなのに乗ってたら列を捌けないと思うんだよ。だから残念だけど今回は売り子さんにお願いしようと思ってる。ごめんね。」――ほなしゃーないかぁ……――机の向こう側でぴょこぴょこ飛び跳ねながらせっせと冊子の受け渡しをしてるYURAちゃんを見たいかも――てか事務所勢なんだからサブカルマーケット出るってなったら事務所から人手借りれるんじゃないの?――借りれるとかじゃなく借りれって言われるまであるやろ、だって事務所からすればファンにやらせて所属タレントになにかあったら困るやろし「ふっふっふ……そこら辺も大丈夫な契約なのだよ!あの契約は私の活動を縛るものじゃないからさ。いや〜ほんとしゃっちょさんには感謝
Last Updated: 2025-11-30
Chapter: #118 前途多難なお泊まり会④
「さーて今回も始まりました狐火あかね、どこまでま粘るかなのコーナーでーす!とは言え配信なので雑談でもしながらあかねママが何分粘るのかの計測をしていきます!時間の方は左上のタイマーで各自確認していただければと思っておりますっと。一番近かった人たちうち抽選で五名様に私特製のイラストを送らせていただきます!予想は分刻みで、#粘ってあかねママ のタグを使ってどしどし呟いちゃってください!」――なんか始まったんだがwww――「さーて今回も始まりました」とか言われても知らん知らん知らんwww「今回の企画はノリで決まったので事前告知はありませでした。それにこの配信中は遡れなくなってます。あとはもう言わなくても分かりますね?」――つまり倍率が低い!――よっしゃ俺呟いてくるわ!――この条件ならワンチャンあるんじゃねぇか?――ルールを把握できるのは今ここにいる俺たちだけなら全然チャンスあるやろこれ!――最高すぎ!恒常企画にして欲しいまである!「ちょっとYURAちゃん!そのスマホを早く私に貸してください!」「いいよ〜はいっ!」――ちょっ!そりゃないって!――そ、そんなことしたら!そんなことしたら!例の音源があっという間に消されちゃうじゃんか!――YURAちゃんの裏切り者ー!すぐ終わる組に味方しやがって!――見事に一人もあかねちゃんのこと応援してなくて草生えるwww――フハハハッ!これで勝利は我らすぐ終わる組の手中に入ったも同然だなぁ!「やった!これで私の黒歴史をこの世界から抹消でき……なんで!消せないんだけど!」「あれ?さっき私言わなかった?ロックかけてあるって。」――勝利は誰の手中に入ったも同然だったっけ?――へっへっへ!形勢逆転だねぇwww――くっ、我らはすぐ終わる組は滅びぬ!――貴様らなんぞに我らは負けぬ!「いや、でもパスワードである以上しらみ潰しに入力すればどこかでロックを突破できるはず!」「おーっとここであかねママは片っ端から入力するという力技を選んだー!これはおそらく長期戦を覚悟していることでしょう!そうなるとすぐ諦める予想をしていたリスナーは不利になってしまうのかぁ!」「あぁ、違う!これも違う!えーっと……これとこれは違うから次はこのパスワードを試してみよう。え?ロック!?」――これはロックが外れることはないのが大前提で、
Last Updated: 2025-11-30
Chapter: #117 前途多難なお泊まり会③
「ゆかりママおはよ!」「おはようございます由良ちゃん。あ、今それどころじゃなくて!今すぐ配信を始めなきゃいけないんですよ!ど、ど、どうしよう!大遅刻ですよ大遅刻!あぁ〜せっかく私の配信に来てくれてる皆さんの時間が無駄にー!」「それなら大丈夫だよ!私の方であかねママは気絶中ですってリスナーのみんなに報告しといたから。それで私というかリスナーのみんなからの提案なんだけどさ、このまま二人でオフコラボしない?やろうよ、お泊まり会コラボ。」「お泊まり会……コラボ?……っ!!やりましょう!絶対やりましょう!」 よし、ゆかりママの了承も取れたしサクッと呟いてみんなに報告しないとね〜♪これで……よしっ!「おっとまーりこーらぼー♪ おっとまーりこーらぼー♪ たーのしいたーのしいおっとまーりこーらぼー♪」 えーっとサムネは前にオフコラボした時のやつを文字だけ変えればいいかな。ま、こんなもんでしょ!「おっとまーりこーらぼー♪ おっとまーりこーらぼー♪ はーじめてーの♪おっとまーりこーらぼー♪」 変な歌を歌い出しちゃうくらいウッキウキのゆかりママをこれ以上待たせるのも可哀想だしさっそく配信部屋行ってオフコラボやりますかね!「それじゃあゆかりママ、時間は有限だし配信部屋行こっか!」「はい、そうですね!」「さっきの歌、可愛かったよ?ふふふっ!」「え?歌?なんのことですか?」「え?無意識?だってさっきまでゆかりママ、おっとまーりこーらぼー♪ おっとまーりこーらぼー♪ って歌ってたじゃん。」「え?うそ!私そんな歌歌ってたんですか!?もうヤダそんなよく分からない歌を歌ってたとか恥ずかしすぎる。ちょ、ちょっと外の空気を吸ってきますね。もうコラボ枠立てちゃうから早めに戻ってきてよね?」「はい、それは大丈夫です。ちょっと外の空気吸ったらすぐに戻るつもりなので。」「ならいいんだけど……。」◇◇「全っ然戻って来ない……。いやでもちゃんと戻ってくるとは言ってたし大丈夫でしょう!時間も時間だし始めますか!」――お、始まった始まった!あれ?あかねちゃんは?――あれなんでYURAちゃんだけ?「そうなんだよ!あかねちゃんまーた恥ずかしがっちゃって!外の空気吸ってきますって言ってから一向に戻ってこない!あぁ〜からかいすぎたかなぁ。いやでもあれは言わざるをえないししょうがないよね
Last Updated: 2025-11-30
Chapter: #116 前途多難なお泊まり会②
「そんなわけでこの配信はこの私、YURAがジャックしたわ!」――や、やめろー!――命だけは勘弁してください!――か、金ならある!俺の命だけは!――こ、こんなところにいられるか!俺は先に部屋に戻るぞ!――おい待て俺が先に出る!「君たち意外とノリいいんだね。あかねママの配信にいる人たちだからそういうのあんまり得意じゃないって勝手に思ってたんだけど……」――ほら、あかねちゃんの性格的にこういうノリは普段できないからさ――そうそう、ちょっとやってみたかったんだよね――てか得意じゃないだろうと思ってたのになんでそのネタ振ったし――それはそう「それに関してはほんとごめん、でも言ってみたかったんよ。一応みんなにも共有しておくけど、あかねママは自分が寝室に置いたイエス・ノーマクラ。しかもそれを自分がイエスの向きで置いたことが何を意味するのか知った時の"きゅ〜"って声めちゃくちゃ可愛かった。気絶はしたけどちゃんと私が抱きとめたからどこも怪我してないから安心してね。我ながらあのムーブ超イケメンでは?」 さっすが私、咄嗟にこんなイケメンムーブが飛び出すとはね。これで老若男女問わずイチコロだね!ふっ、自分が恐ろしいぜ。――いいな〜俺らも壁になって見たかった――ちゃんと壁になろうとしてるのファンの鑑で草――あかねちゃん、無意識とはいえ未成年に手を出そうとするとは……お巡りさーーーん!!――まだ未遂だから!未遂だから!――イケメンムーブって自分で言っちゃうところが残念というかYURAちゃんらしいというか……――おいコラあかねちゃんそこ代われ――いいな〜あかねちゃん私もYURAちゃんに抱きとめられたーい「あ、そうだ!この前あかねママとしたデートで買い物中、私のあまりの可憐さにあかねママが鼻血吹き出してぶっ倒れた話聞く?」 あれほんとあかねママ可愛かったからね、みんな聞きたいでしょ!そして私がこの話をみんなにしたのを知った時の表情も楽しめるし!まさに一石二鳥ってやつ〜?私ってば天才!――え?デート……だと!?――推しと推しがプライベートでもイチャついてるとか最高かよ!マジてぇてぇの供給感謝!やっべ創作意欲が止まらねぇ!――あれ?あかねちゃんが鼻血出したってことはあんまりデートできてないのでは!?――ちょっとあかねちゃん!そりゃねぇよ!「そうだね
Last Updated: 2025-11-30
Chapter: #115 前途多難なお泊まり会①
「あ……ゆかりママ夕方に枠立てしてなかったっけ!?絶対ゆかりママ時間までに復活できないよね……。」 私もその場にいてゆかりママを気絶させ……てはいないんだけど、一応当事者ではあるから対応するつもりではある。あるんだけど……問題はYURAと朽木てんのどっちで対応するかだよね。いや、てんちゃんじゃ流石にまずいか。事情の説明にお泊まり会のことも言わなきゃいけないし、となると関係値的にYURAで対応するのが適切かな。でもなぁ……あとあとお絵描き練習のタイミングがバレるとややこしいことになるよね。「あぁもういい!今の最善はYURA名義で対応してあとのことはあとで考える!以上!そうと決まれば機材チェックからやっていきますか!」◇◇ やっぱりゆかりママの機材は良いなぁ〜全部最高グレードモデルか。私もいつか買える日がくるのかな。お前もたいがい稼いでるだろって?ばっか野郎!私みたいな小市民がそんなクソ高い機材にポンっと買えるわけないだろ!おいそこ!チキンとか言うな!「これでよし、全部問題ないね。オフコラボの時たまに私が準備してるし機材チェックも慣れたもんよ。 時間ない中ではあったけど何とか配信時間には間に合ったね。ふぅ……」 よし、配信始めますか!「配信始まってそうそうにあれなんですけど、実は謝らなきゃいけないことがあってですね……。」――あかねちゃんどしたん?――え?なんかあったっけか――ね、別に今回あかねママ寝坊とかもしてないし――なんかよくわかんないけど全然ええで「皆さんありがとうございます!それでその……肝心の謝らなきゃいけないことなんですけどね?実は本物の狐火あかね、現在絶賛気絶中でして……。ちょっと配信に出れない状況なんですよぉ。」――じゃあ今話してるお前は誰だよwww――本人じゃないとなると……声真似?――そしてこのクオリティとなるとあの人しかいないのでは?――こんなよくわかんないスペック持っててあかねちゃんの知り合いで、しかもこんな無駄遣いするのなんて……ねぇ?「それじゃあ、この配信に関しての話に移りますね。勘のいい方ならお気付きだと思いますけど、今話してるのはみんなのアイドルYURAちゃんです。あとこれは技術の無駄遣いではないので悪しからず。」――YURAちゃんじゃん!ちっすちーっす!――てかあかねちゃん気絶したって言ってたけ
Last Updated: 2025-11-30
魔物嫌いの魔食家令嬢

魔物嫌いの魔食家令嬢

龍に殺されたはずなのに目が覚めると過去に戻っていた主人公が泥水をすすりながら死ぬ気で強くなる。一度死んで二度目の人生。自分を殺した龍より強い生物がいる世界で弱いままでいることは許されない。侯爵家の長女として、生まれながらの強者として、いずれ来る災厄を知る者として、わたくしは誰よりも強く在らねばならない。それこそが高貴なる者の義務なのだから。
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Chapter: #23
「お母様お母様!ペットを捕まえて来ました!名前は|栄養バー《リーゲル》です!」「まぁ、なんて愛らしい子なんでしょう。ところでアビーちゃん?」 何か変なものでも受信したのでしょうか。名前を聞いた瞬間顔色が変わりましたわね。まぁお母様はこういう方なので気にはしませんけれど。「はい、なんでしょう。」「その白い狐さんの名前のことで一つ聞きたいことがあるの。――何か変なニュアンスはなぁい?」 何か妙なことを突然言いますわねお母様。でもこれと言って心当たりはないんですわよね。「特に何もありませんわよ?しいて言えば遠い異国の言葉らしいんですけれど意味はよく分かりませんでしたの。でも語感が良かったので採用してみましたわ!この子に相応しい名前はリーゲルの他にないと断言できますわ!なんせわたくしが考えましたもの!」「そう、ならいいわ。ところでその子はうちで飼うのかしら?」「はい、そのつもりですわ!狩人は狩りをする時に飼い慣らした獣を使って獲物を誘導すると聞いたことがありますし、きっとリーゲルはわたくしの良きパートナーになってくれますわ!」「魔物といえど生き物は生き物、その生き物を飼うというのならそれなりの覚悟が必要よ。それは分かっているの?」 ふっふっふ……お母様はわたくしを誰だと思っているんですの?わたくしはモフモフマイスター(自称)ですのよ!それくらい承知の上ですわ!「もちろんですわ!全力で可愛がるつもりですもの!」
Last Updated: 2025-12-12
Chapter: #22
 無事帰宅ですわ!まぁ日帰りで行ける範囲なんてたかが知れてますし無事もクソもねぇんですけどね。おっと、クソだなんてお下品な言葉を使ってしまいましたわ!こんな調子ではおばs……じゃなくてお年を召した方に怒られてしまいますわね。オホホホホホっ!「あ、そうそう!一応家族が増えるわけですしお父様……に言っても仕方ないですしお母様に報告しておきましょうか。こんなにもモフモフでプリティな狐さんですけれど一応分類上は魔物ですし"チェストォォォォォォォォォォ!!!"されない為にみんなへの紹介もしないとですわね。」  あらあら、可哀想な狐さん。こんなに震えちゃっていますわ。大丈夫ですので安心してください。わたくしがちゃーんとうっかり食べちゃわないように言い含めますわ。「あ、そうですわ!」 家族になるんですもの!名前を付けないとですわね。わたくしったらうっかりしてました。そうですわねぇ……リーゲルなんてどうでしょう!響きも悪くないですしね!たしか遠い異国の……なんてしたっけゲルマン?とかいうところの言葉らしいですけれど詳しくはよく分かりませんわ。 まぁそんなのはどうでもいいですわよね!こういうのは勢いとパッションと語感が命ですもの!我ながらネーミングセンスが冴え渡ってますわね!さすがわたくし!「おいでリーゲルちゃん!さぁ、行きますわよ!」※【独】Riegel(リーゲル):栄養バー
Last Updated: 2025-12-10
Chapter: #21
 そいつは私に獲物を与えたきた。でも……魔物食べるの身体に悪いし、別にいらないんだよね私。あ、あのぉ……ほんと大丈夫なんで出来ればそのまま回れ右してお帰りいただけると幸いです。はい!「クゥーン……」 いや、でも今これを食べなきゃ殺られるかもしれないっていうのも考慮しなきゃだよね。いやでも、うーん……「クゥーン……」 いつこいつの堪忍袋の緒が切れて襲いかかってくるかも分からないしそろそろ覚悟決めなきゃだよね。いや、でもなぁ……「クゥーン……」「――"わたくしも困ってしまいますわね。"」「キュッ!?」 やばい!殺られる!た、食べます!食べますから!許してくださいご主人様!!「――――――"これ"も念の為試しておくべきですわね。はいどうぞですわ。」 おにい……ちゃん?「キャン!!キャン!!キャン!!」 え?なんで!お兄ちゃん!目を覚ましてよお兄ちゃん!ねぇってば!なんで目を覚ましてくれないの?ねぇ!ねぇ!そんな……いつものイタズラだよね?そうだよね?だってお兄ちゃんかくれんぼ上手だったじゃん!そりゃ正面から戦ったら私が勝つけどさ!『やっぱり強いな――は。お前自慢の妹だな。でもまだ俺も負けてやるわけにはいかないんだよね。だって俺は――のお兄ちゃんだからさ。』『いや〜ついに負けちゃったかぁ。強くなったな――。お前より弱い俺じゃ頼りないかもしれないけどさ、なにかあったらいつでもお兄ちゃんのことを頼ってくれよな。なにがあっても駆けつけてみせるから。』『お前なら一人でもやれるよ。母さんはああ言ってるけどさ、なんだかんだお前のことは認めてるから大丈夫。あとのことはお兄ちゃんに任せとけって!愛してるぞ、俺の自慢の妹。』 なにがあっても駆けつけてくれるって。いつでも頼れって。お兄ちゃんが死んじゃったら頼れないじゃんか……。「喜んでもらえてよかったですわ!どうぞ遠慮しないで食べてくださいまし!」 ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!
Last Updated: 2025-12-09
Chapter: #20
「あら?わたくしは何しにこの森に来たんでしたっけ。まぁ、何はともあれ狩りはそれなりにしましたしこの辺で一旦終わりにしましょう。お腹も空いできましたし親交を深めるためにも食事にしましょうか。東方の島国には"同じ釜の飯を食う"なんて言葉もあるらしいですしね。それはそうとこの狐さんは何が好みなんでしょう。これとかはどうですの?」 「クゥーン……」 豚さんはダメみたいですわね。 「じゃあ……これは?」 「クゥーン……」 トカゲさんもダメですか……。 「これなんかどうですの?」 「クゥーン……」 鳥もダメですのね。 「あなた、以外と食の好みがありますのね。わたくし、野生で生き延びるためにもっとなんでもがっつくのを勝手にイメージしてましたわ。うーん……ここまで全滅となるとさすがのわたくしも困ってしまいますわね。」 「キュッ!?」 「急にがっつき始めましたけれどどうしたんですの!?別に好き嫌いしたからって捨てたりはしないから安心して欲しいですわ!わたくし、アビゲイルを甘く見ないでくださる?そうは言ったものの手持ちにあるのはだいたいが同系統の上位種と下位種ですし……。となると最初に候補から外していた"これ"も念の為試しておくべきですわね。はいどうぞですわ。」 「キャン!!キャン!!キャン!!」 「喜んでもらえてよかったですわ!どうぞ遠慮しないで食べてくださいまし!」  まさか狐の魔物が当たりだなんて思いませんでしたわ。
Last Updated: 2025-12-08
Chapter: #19 来世は長生きしたいです。
※以下狐語訳です。 ふんふふんふふーん♪今日もいい天気だなぁ〜♪なんだか最近やけに駄竜が少ない気がするし最高だね!」 駄竜ってなんて言うかヤンキーみたいな感じでさ、いちいち難癖つけて攻撃してくるからクソウザイんだよね。ん?なんか……嫌な予感がする。具体的には昔イタズラがバレて母ちゃんをガチギレされた時くらいの嫌な予感が。 まさか……抜き打ちチェック?嫌でも前回うちに来て生活状況確認された時から2ヶ月しか経ってないのにそんなわけないか。じゃあなに?まさかの存在を脅かすほどの格を持つものがこの森に入ってきたってこと?いや、それこそありえない。ありえない……よね?◇◇ い、いやぁぁぁぁぁぁああ!!!ば、化け物ぉぉぉぉぉぉ!!!悪寒の正体はこれぇ!?ていうかえ?人型!?人型になれるってことは知能も高いってことでしょ?脳筋ならまだしも知能高いとか終わったわ。あぁ死んだ。もう死んだ。来世は長生きできるといいなぁ。「はうっ!あんなところに可愛らしいモフモフさんが!しかもそのモフモフが白銀の毛の狐さんとはわたくしスーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルついてますわね!これで勝つるですわ!」 これは……一応人語みたいだけど何言ってるのか全然理解できないよぉ!怖いよぉ!単語はわかるのに文章が意味不明すぎるよぉ!なにこれ隠語? 「さぁ〜おいで〜怖くないですわよ〜?」 いや、怖いよ!怖いに決まってるよ!母ちゃん助けて!もうわがまま言わないからぁ!あぁもうヤダおうち帰るー!ママァ”ァ”ァ”ァ”ァ”!!!
Last Updated: 2025-12-07
Chapter: #18 イィィィィヤァァァァ!!!!
「モフモフ〜♪モフモフモッフモフ〜♪わたくし〜のあいぼ〜うはどっこにいる〜♪可愛い可愛いわたくし〜のモフモフさ〜ん♪わたくし〜はここよ〜出ておいで〜♪」【モッフモフ第6番『相棒』-第2楽章 作詞作曲 アビゲイル=ルミナリア 】より そんなこんなで森を散策すること二時間。一向に見つからないモフモフ。性懲りもなく突撃してくる|駄竜《バカ》共。なんなんこいつら!さっさとピーねよ!てかわたくしについてる血で同じバカ共の末路を理解できねぇのか?あぁん?おっと失礼致しました。つい美しくない言葉を使ってしまいましたけれど、普段はこんなんじゃありませわ!本当ですわよ!チッ……全部全部あの駄竜が悪いんですわ!モフモフA『何あの化け物!竜を何体仕留めればあそこまで濃い竜の匂いが付くのさ!逃げなきゃ殺られる!逃げなきゃ殺られる!』モフモフB『あ、やばい僕死んだ。お父さんお母さん、先立つ親不孝者な僕をお許しください。』モフモフC『……………………………………………………………………………………オジャマシマシタ。』 上位の魔物の血は魔物除けの結界に使うとも聞きますし、駄竜の血の影響でしょうか。やっぱりあのバカ共のせいでしたか。あとで根絶やしにしないとですわね。余計な予定を増やすだなんてあの駄竜共サイテーですわ! 「はうっ!あんなところに可愛らしいモフモフさんが!しかもそのモフモフが白銀の毛の狐さんとはわたくしスーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルついてますわね!これで勝つるですわ!」"プルプルプルプルッ"「さぁ〜おいで〜怖くないですわよ〜?」"プルプルプルプルッ"『修羅が……修羅がいるよォ……私美味しくないからぁー!私食べても美味しくないから殺さないで〜!』「ほーらわたくし特製の干し肉ですわよ?食べたいでしょう?」"プルプルプルプルッ"『あ、私は今日死ぬんだ。あの方優しいな、今から殺す相手に慈悲として最後の晩餐を用意してくださるなんて……アハハハハハッ!』「ほーらおいでー!」 "プルプルプルプルッ"『イィィィィィィィィヤァァァァァァァァ!!!!』
Last Updated: 2025-09-09
異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜

異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜

真の引きこもりたるもの自分の食い扶持くらい家にいながら稼ぐのである。家から出たくないだけで働きたくないわけじゃないからそこんとこ勘違いせんでもろて。え?ここどこ?異世界!?まぁいいやとりあえず引きこもろ。ふむふむ、ここには魔法があるなら魔法使って身代わりを作れば……分身体一号、二号よ!俺の代わりに外で働いてこい!魔法って便利~!
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Chapter: #53
「別に王様になりたいわけじゃないよ?だってあんな義務だけあって自由のない役職なんて僕はごめんだからね。」「ねぇ、義務だけあって自由のない役職とか僕の前で言わないで欲しいんだけど。」 あ、いっけね!ミーシャは国王になろうとしてるんだった!だけどごめん……「ごめんねミーシャ、もう少しだけ我慢して欲しい。僕は目的を実現するための手段として手駒にできる一国家が欲しいだけで国王としての地位も名誉も僕の目には全く魅力的にはうつらない。僕が裏でいろいろやる予定のアレソレの後始末を国家単位で任せたいだけなんだよ。だから安心してよ、気付いた友人が王になってたりはしないから。ただ、隣国の仕事がちょっぴり増えるだけ。」 影響力を各方面で得るためにちょーっと派手に動きたいんだけど、ミーシャが国王を目指す以上友人の迷惑になる形でやる訳にはいかないじゃん?だからうちの国の中じゃなくて他国に諸々押し付けようかなって。僕も対処できなくは無いんだよ?でもそれじゃ僕がやったのがバレそうかなってさ。だからちょっとまっててよ!僕が個人的に何とかするからね、大丈夫、きみにはなんなら迷惑はかけないからさ!なーんてね、君は心配するんだろうけど。
Last Updated: 2025-11-22
Chapter: #52
「あ、そうそう!」 「これ以上なにかあるのかい?僕としてはそろそろ勘弁して欲しいんだが……」 「大丈夫もう特にな……いから?ただ、役割分担に使った魔法の件ちょっとね。あれ軍用魔法分御霊って言うんだけど、それを秘密にして欲しくてさ。とりあえず僕がここを卒業するまでは内緒にして欲しいんだ。」 そう、本当に大したことではない。僕個人で世界に喧嘩を売れる程度に強くなるまではバレないようにコソコソ強くならなきゃだからさ。これは現状の僕の秘密兵器だからね。これがなければ僕の計画は始まらない。僕に言わせれば、この弱肉強食な異世界においてスローライフだなんだとほざいてのんびり過ごすのなんて愚の骨頂。それの理由は単純明快。人はすぐに死んでしまうから。 「僕は王家の人間だ。僕は王家、ひいては国の利益を最優先に行動しなければいけない。だから、君のその力も報告して上層部と対応を協議をする。だけど、今の僕は王子である前に学生だ。学生なら友人との約束を優先したって問題は……あるかもしれないけど見逃される。でも、それは学生の間しか通用しない言い訳だよ。それは分かっているね?」 「無論それは僕もわかっているさ。だから、卒業までに力を手に入れる。有無を言わせない程の圧倒的な力をね。だからねミーシャ。卒業までの時間稼ぎ、頼んだよ。」 とはいえ力技一辺倒というのも芸がない。搦手は趣味じゃないが適当な人材を各国に送り込んでみようかな。それぞれの影響力は小さくてもいずれ大きな力になる。僕に寿命なんてあってないようなものだしね。気長に行こう。ついでに僕の分身も魔法・剣術両方の軍に入り込ませておこうか。ひとまずはこんなところか。 「しょうがないなぁ……。その依頼!ミシェル=リングストの友人であるこのミハエルが引き受けた!大船に乗った気であとのことはこの僕に任せてくれたまえ。」 「ミーシャ、僕は君を友人として信頼しているから話したんだ。それじゃあ一蓮托生ってことで改めてよろしくね。さてと……僕の権力基盤を確保のために個人的に国を一つくらい欲しいんだけど良さげなところないかな〜?」 「ん?なんか聞き捨てならないこと言わなかった?国が一つ欲しいとかなんとか……。」 「たしかに言ったけど……それがどしたの?」
Last Updated: 2025-11-20
Chapter: #51 「それ」は夢物語なんかじゃない
「ところでミーシャ。」「どうしたの?エル君。」「次はどの授業受けるのかなって。」 いやね?僕も魔法の話するのは楽しいんだよ?楽しいんだけどさ、そろそろ次の講義始まる時間かな〜って。「次は礼儀作法の授業だよ。めんどくさくはあるけどね。僕も立場上ある程度はできるんだ?でもこの手の授業じゃ粗探しされてボロクソに言われるだろ?だから正直こんな講義取りたくない。エル君はどう?作法とかはどう?得意?」「魔法程じゃないけどそれなりに頑張ったし……まぁ、貴族としちゃあ普通ってところじゃない?」 ふっ、僕ほどの天才になると死角などないのさ!さぁ、崇めたければ崇めるといい!「君はほんとにどうやって時間を捻出したのさ。まだ君は四歳だろう?普通はまだ好きに遊んでいる頃だろ?僕なんてその頃は剣技の修練と称して棒きれを降っていただけだぞ?魔法に礼儀作法にとそんなに手を付けていては物理的に手が足りないだろ。時間でも止めて修練したのかい?」「そうなんだよね。やりたいこと、やらなきゃいけないことはたくさんあるのに身体が一つしかない。そのせいで中途半端になるか、どれかを切り捨てなきゃいけなくなる。そこで僕は考えたんです。なら役割分担をすればいいんじゃないかってね!あと世界単位の時間停止なんて出来るわけないじゃん。そんなの夢物語だよ。」 さすがの僕でも修練の為だけに世界の時間止めるとかそんなのは無理だよ。個人の時間を止めるくらいはできるけどね。僕はもう少し成長したらこれで肉体の老化を止めるんだ〜!「は?君は何を言っているんだい?身体が一つしかなくて役割分担なんて出来ないから困っているんだろう?自分を鍛えるのは自分がやらなきゃいけない。誰にも託せないんだから。」「そこなんですよ。自己鍛錬を他の人と役割分担することはできない。でも自分一人でやるには多すぎる。なら、自分二人。もしくはそれ以上の自分自身で役割分担すればいいんだよ。」 一人でできないなら二人でやる。当然のことだろ?「それこそ夢物語だろ!あとほんのり禁忌の匂いがするから正直これ以上この話を掘り下げたくないんだが。」 夢物語?想像出来ることなら実現できるんだよ。そしてそれは魔法の存在するこの世界じゃ尚更顕著だ。ならやるよね。やっちゃうよね。「大丈夫大丈夫。ちゃんと諸々確認したし、大賢者様にも確認して脱法魔法って太鼓判押
Last Updated: 2025-11-19
Chapter: #50
ミハエル王子視点 空、かぁ……相変わらずあいつは規格外なやつだ。およそ僕じゃ辿り着くことはおろか想像することもできないような高みにいる。あいつと目を合わせる度にこんだけ見上げてたら首が痛くなっちゃうよ。 王族の者としてはこのまま仲を深めるだけでいいのだろう。無理をする必要はない。無茶をして自らの命を危険に晒しては本末転倒だ。そんなふうに僕の中のナニカが言う。でも、それじゃダメなんだ!僕はナニカの意思を否定した。それでは僕は彼の隣に立てないから。それでは……彼の友人を名乗ることができないから。 僕は彼の良き友人であり続けたい。お互いの立場をすっ飛ばして無邪気に僕へ笑いかけてくる彼の友人でいたい。ならば見上げるだけじゃあダメだろうよ僕!僕と彼の距離は計り知れないほどに遠い。だから使えるものは使う!僕は権力を傘にきた行いなんてしたくない、そんなのズルだと遠ざけていた。でも違う、そんなのズルのうちに入らない。 一旦身一つではるか高くまで舞い上がる彼を見て欲しい。僕は思う、ズルってあぁいうのだろって。使える足場は全部使う。使える伝手も全部使う。金で揃えられるものは全て揃える。そこまでしてようやく射程圏内に収められる可能性が出てくる。そんな真正の怪物が彼なのだから。
Last Updated: 2025-11-18
Chapter: #49 目標は高く
「空飛んだらね、全身で感じられてなんて言えばいいのかなぁ……すごい自由だーって感じがする。でも地面から足が離れるからちょっぴり落ち着かないかな。あとあんまり高く飛ぶと寒い。」 あの時はほんとにやばかった。飛べるようになったことに興奮して後先考えずに高度上げてめちゃくちゃ寒くて凍え死ぬかと思ったもん。それも魔法で強引に解決したんだけど、次酸素なくなって死にかけた。あれはだいぶまずかったよね。高山病くらいならまだ酸素あるから周りの酸素をかっぱらって自分の周りに集めりゃ解決できるんだけどさ、空気自体がなくなるとさすがにどうしようもなかった。「え?体験談?」「うん、体験談。」「飛べるの?」「うん、飛べる。いやぁ……マジで死ぬかと思った。あ、そうそう!地球は青かった。」 やっぱりこれは言っておかないとね。僕まじガガーリンさんリスペクトなんで。「地球?ってのはよくわかんないけど、この世界は青いのか。一度見てみたいなぁ〜!僕も一緒に連れて行ってよ!」「それはダーメ。こういうのはさ、やっぱり自分自身の力でやらなきゃ。あとこれはアドバイスなんだけど、空高くまで行きたいなら風魔法と身体強化魔法は必須だね。火魔法もあるとなおよしかな。連れて行くことは出来ないけど、いくらでも相談にはのるから!ミーシャ、頑張ってね!」 使えて良かった身体強化!やっぱりこの人ことに尽きる。※ 真空では人体が最終的に2倍にまで膨れ上がると言われている。「うん、頑張るね!僕もできるようになったらその時はエルくんも一緒に来てくれる?」「そりゃあもちろん!なんてったって僕はミーシャの友達だからね。」 最近のミーシャはどことなく幼く感じる。いや、これまでが異常でこっちが素なのかもね。年相応な無邪気さ。うむ、実に健全!良きかな良きかな。青少年はこうでなくっちゃね!若人よ、のびのび育てよ。※四歳です。
Last Updated: 2025-11-17
Chapter: #48 空へ
「にしても、興味津々だったなぁ……あの教授。」「だねぇ……もう授業とかそっちのけだったもんね。」「あ、そうだ!ミーシャはなんか作りたいものとか思いついた?やっぱり何事も目的がないと前に進めないからね!どこを目指して勉強していく?」 これは何も将来つく職がなにかって話じゃない。雑に言うと……「卒論テーマ決まった?」だ。まだまだ入学したてでその話をするには早すぎるなんて意見もあるとは思うけど、ここは魔法学校。エリートたちが集まり切磋琢磨する場である。「うーん……パッとおもいつくものはないんだけど、 移動用の魔道具を作りたいかな。」 詳細はまた後で考えるにしても大枠くらいは決めておきたいところ。みんな将来自分の領地のために役立つ使い方がなにかを日々考える者、家業を継ぐための勉強に励む者と様々だ。それでも皆目的がある。 単位なんてさっさと取り終えて早く研究室に篭もりたいとかか?考えているのは少数派なのだ。いや、僕だけか?「いいね移動用魔道具!どうするどうする?どこ進む感じ?空?海?陸?全部?それともワープ?個人的には空がオススメだよ!」「空、かぁ……。全然想像できなかったよ。空を飛ぶ上での最大の壁は空中での姿勢制御……だったよね?」「そうそう!だって飛ぶだけなら手から風魔法全力ブッパでもできちゃうからね。でもそれじゃあどこに吹っ飛んでいくか分からない。それじゃあ移動用に使うには無理がある。だから安定させる必要があるわけなんだけど……大丈夫ついてこれてる?」 僕は個人的にこれは魔道具と相性がいいんじゃないかって思ってるんだよね。だからミーシャの研究に結構期待してたりする。「う、うんなんとかね。空飛びたいなぁ。空を飛べたらどんなに気持ちいいだろう。」
Last Updated: 2025-11-16
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