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結城 木綿希
結城 木綿希
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Novels by 結城 木綿希

魔物嫌いの魔食家令嬢

魔物嫌いの魔食家令嬢

龍に殺されたはずなのに目が覚めると過去に戻っていた主人公が泥水をすすりながら死ぬ気で強くなる。一度死んで二度目の人生。自分を殺した龍より強い生物がいる世界で弱いままでいることは許されない。侯爵家の長女として、生まれながらの強者として、いずれ来る災厄を知る者として、わたくしは誰よりも強く在らねばならない。それこそが高貴なる者の義務なのだから。
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Chapter: #15 魔物の森の歩き方
「勉強クソだりぃですわ!というわけで今日は気分転換にブタ共をシバキにいきますの!」 誰に言ってんだこのエセお嬢様の皮を被ったガチお嬢様は……。それはそうと彼女がブタ呼んだ魔物の正式名称は魔豚人(オーク)。小鬼(ゴブリン)と同様に極めて原始的な種であり、それ故に進化や変異の幅が広い。小鬼と違い、通常種と上位種で見た目に変化がほとんどない。そのため冒険者になりたての者が誤って攻撃してしまい殺されるという事故がよく起きる。 「あんなもんただの二足歩行する豚ですものね。狩って食べるなら少しでもマシな方がいいですもの。」 そんなことを言いながら首を狩っては内臓を引きずり出して吊りしてを繰り返していく。表情を一切変えずに。やーいやーい!自称か弱い女の子ー!どこがじゃーい!「チッ……この刃が届かぬところからふざけたことを。いずれわたくしも貴方の首を貰いにそこまで言ってさしあげますからね。首を洗って待っていてくださいね。貴方を喰らえばどこまで強くなれるのかしらね。」 ッ!?ま、まぁ所詮は定命の者の戯言。しかも言ったのは定命の者の中でも脆弱な人種。そんなソナタらの刃が我らに届くことはない、ない……はず。多分大丈夫。 「あれは豚、あれは豚ですわ。」 わ、我は豚ではない!我神ぞ!偉いんだぞ!強いんだぞ!「いや、豚って言ったのはあんたの事じゃねぇよ。とりあえずこんなものかしら。ついでに竜でも狩っていこうかしらね。飛竜の幼体が街道の方まで飛んできてちょっかいを出していると聞きますし……。どうせ倒さなければいけないなら一人の時に倒してついでに味見までするとしましょうか。」 竜は縄張りを持つ種族だ。故に基本竜は単独で行動している。そんなプライドが高いが故に舐めプをしてくる竜はある一定以上の強さを持つものからすれば格好の獲物だ。バカで傲慢で目立ちたがり屋な性格故に無駄に吼えるし、魔力もダダ漏れで探すのも楽で相手の力量も見極められないから逃げもしない。 ほんとにこんなのが好きだとは貴族というのはおかしな連中だ。骨格標本にして売ると白金貨数枚はくだらないらしいけど……阿呆の骨なんて飾ってなんになるんだか。まぁ売れるなら売るけども。 えぇ〜っとですね。竜の狩り方講座の方を始めていきたいと思います!奴らは接敵と同時におらかかってこいや!と言わんばかりの咆哮で相手を威圧してきます
Last Updated: 2025-07-31
Chapter: #14 完璧な計画ですわ!
 あ、これ多分深く考えちゃダメなやつですわね。タイムパラドックスとか緩やかに元の時間軸に合流して結局龍に負けて死ぬ未来変えられない可能性とかそんなことを考えてたらわたくしのアイデンティティ崩壊まで秒読みですしね。 わたくし、SAN値チェック失敗して発狂だなんてごめんですもの!きっと神的な上位存在が起こした矛盾をはらんだ超常現象的ですわね。可能性の話は一旦脇に置いて気分転換がえてら今後のことを考えましょうかね。わたくしはこのままいけば学園に通うことになりますわね。 回避できないこともないですけれど……土地と民を見捨てて攻めるならともかく守りながら戦うとなると戦闘員の数が少々心もとないんですのよね。広い土地を守るには数必要ですし、見せかけだけだとしても数がいれば民を安心させるのにも有用ですもの。やはり平民貴族問わず人材を育てて同時に引き抜きをするのが無難ですわね。 とはいえ今後のことを考えると勧誘の過程で他家と揉めるわけにもいけないのがまた厄介ですわね。穏便にとなると慎重に事を進めなければいけないのがストレスですわね。時間があまりないというのに……クッソめんどくせぇですわ!サクッと武力制圧したいところですけれど、そんな些事にリソースを割けるほど時間的に余裕がないのがネックですわね。「よし、柄ではないですけれど優等生キャラを演じて片っ端から恩を売りまくってやりますわ!」 学園入学時にはおそらく前回の全盛期には達しているでしょうし、武闘派貴族の学園での師匠ポジに収まりたいところですわね。脳筋共は基本馬鹿ですけれど恩にはしっかり報いてくれますし安心ですわね、馬鹿ですけれど。すっごい馬鹿ですけれど。 そういえばあの馬鹿共、意外とモテるらしいですわね。普段の緩いのに戦闘になると表情をキリッとさせてクレバーに戦うギャップがいいらしいですわ。わたくしも……モテたかったですわね。わたくしとあのおバカさん達は何が違うのかしら。 今回は優等生キャラを演じる予定ですし、前回一ミリも異性からモテなかったわたくしにも好意を向けてくれる殿方の一人や二人くらい……。絶対に婚約者を捕まえてあのノンデリ団長に全力でドヤ顔で煽り倒してなりますわ! 悔しがるノンデリの顔が目に浮かび……浮か……あのノンデリどんな顔だったかしら。困りましたわ!記憶にモヤがかかったように思い出せませんの。こんな
Last Updated: 2025-07-24
Chapter: #13 未来人ですの
「この国の始まりは英雄王と呼ばれる初代国王陛下のロータス・ベルウッド様が現在の王都周辺に点在していた各民族の集落を統一したことです。初代様は国名をペンドラゴンとし、初代様ご自身はロータス・ベルウッド・ペンドラゴンと名乗りました。」 初代様の名前くらいなら覚えているんですけれど……。初代様の名前は畏れ多いからと貴族の名前に使われておりませんしね。ペンドラゴンは国名ですし、ベルウッドは王家の家名。いくら最後に勉強したのが死ぬ数年前とはいえ"ロータス"という単語はちゃんと頭に入っていますもの。 「お嬢様、心ここに在らずといったご様子ですが、ちゃんと聞いていますか?」 「もちろんですわ!それにそれくらいならわたくしも知っておりますし、よゆーのよっちゃんですわ。」 ま、まぁ?それが誰の名前かを今思い出したことは否定しませんけれど。 「初代様は数々の画期的な発明をしたことから近代魔道具の父とも呼ばれています。魔道冷蔵庫や魔道レンジ、魔道コンロといった魔道具も初代様の発明品です。その独特な名付けも有名です。」 レンジってなんなのかしら。どうして魔道加熱箱みたいな名前じゃないのか不思議ですわね。それに冷めた食べ物を温める時に便利ですけれど、何からこの道具の着想を得たのかしら。 「それ以外にも数々の逸話があるため我々と同じ人間ではないんじゃないかと言われています。今も初代様の出自についてはよくわかっていないのもあります。突飛なものだとこことは違う世界からやって来た異世界人だなんて説もあります。一番有力なのは預言者説ですね。」 はぁ……この初代様オタクは説明がくそ長ぇですわね。初代様の出自に関しては異世界だの預言者だの未来人だのバカバカしいですわ。古代人の生まれ変わりに決まっておりますのに。未来人だとその方が過去にいる時間軸の未来にはその方が存在しないという矛盾が生まれてしまうといいいますのに……。 ふわぁ……あまりの長さに眠たくなってきてしまいましたわ。 あれ?わたくしは……
Last Updated: 2025-07-14
Chapter: #12 勉強なんてお断りですの!
 メイド長怖すぎですわ。無事乗り切ったことですし忘れることにしますわ。このままですとわたくし、メイド長と目が合った瞬間に動けなくなってしまいそうですもの。 貴族令嬢たるもの優雅であれだのとうるさいんですのよね。「武芸に傾倒するのは結構ですが、いい加減勉学にも励んでくださいまし!」とか何度も何度もしつけぇんですのよね。王立学園の卒業は貴族の義務とされていますけれど……ぶっちゃけめんどうですわ。バックれる方法とかあればいいんですけれど。はぁ……。「嫌ですわ!勉強なんて最低限でいいではありませんか!どうして窓のない部屋に閉じ込められてまで勉強を強制されなければいけないんですの!わたくしは腐っても辺境伯家の令嬢ですわよ?こんなのおかしいですわ!いい加減にしてくださいまし!」 ノブレス・オブリージュというのもありますし、貴族たるもの武芸だけでなく勉学においても研鑽を積むべきというのも理解はしているつもりですの。だが断r……お断りですわ!このわたくしの最も嫌いなことの一つは他人に指図されことですの!「おかしいのはお嬢様の方です!なんで歴史の勉強からそうまでして逃げるんですか!窓がないのもお嬢様のこれまでの行動の結果です!何度も何度もお嬢様が窓ガラスを突き破って逃げるからです!鉄格子を付けてもそれごと突き破りますし……いい加減にして欲しいのはこちらです!」 それで窓があるのが悪いという考えに至りましたのね。それはわたくしが悪いのかもしれませんわ。「歴史の勉強が大事なのはわかっていますわ。過去の事例の起きた年まで把握する必要はないと思うんですの!どういう条件の元でそれが起きてどのような影響を及ぼし、どういった方向で解決したのか……それさえ分かればいいではありませんか!過去から学び今に活かすというのはそういうことだとわたくしは思いますの!ていうかアレなんなんですの!似たような名前が多い上にどいつもこいつもクッソ長い名前を名乗りやがるのは後世を生きるわたくしたちに喧嘩でも売っているのかしら?」 なんなんですの!アメリアという名前の方なんて学び始めの今の段階で47人はいますわよ!アルバードという名前の方は106人?しかも同じ血族の方もいますし……。実は皆さん頭悪いんじゃありません?「はっきりと申し上げましょう。お嬢様の言う通りです。ですが、これはあくまで学園入学のため。
Last Updated: 2025-07-13
Chapter: #11 さっさと逃げますわよ!
 次の一撃で模擬戦を終わりにするとは言いましたけれど……どの技にするべきかしら。 わたくし、技名覚えるの苦手なんですの。我流という建前のもと適当に技名を言って乗り切っていましたけれど……ぜんっぜん良い技名が思いつきませんわ!そもそも狙いをどこにすべきかしら。メイド長に見られている以上変なことはできませんしどうしましょう。あぁどうしましょう。 男性のナニを切るのはやはりお下品でしょうか。となると首?うっかりスパッとやってしまいそうで怖いですわね。そもそも血を被ってはきっとメイド長に怒られますし大事をとって流血しないように…… 柄!柄で殴れば血は出ませんわよね!正面からやれば嘔吐物がかかってしまって流血の二の舞ですし高速で移動しながらすれ違いざまに背中に剣の柄を撃ち込めば……大丈夫そうですわね!やったことはないですけれどなんとかなりますわよ!なんてったって未来の剣姫ですもの! この間、0.7秒である。「それでは……行きますわよ!」◇◇ 合図とともにお嬢様が消え……背中から衝撃!?「我流 断罪。」「カハッ……俺の勝ちですお嬢様。」 ギリッギリではあったが剣を杖にして立っている俺の勝ちだろう。死ぬかと思ったがお嬢様の手加減のおかげで生き残った。主君のご令嬢であるアビゲイルお嬢様は本来俺たち騎士団が命を賭して護るべき存在。「ワタクシハタイサンイタシマスワ!!」 そのお嬢様に手加減をされた上でのこの満身創痍という状態。団長として不甲斐ない限りだ。我流断罪とは恐ろしき技であった。それでも俺は生きている。今は事実に感謝するとしよう。「お嬢様。遠征中の無礼な発言、大変申し訳ございませんでした!そしてこの護るべきお嬢様に手加減をされてしまったこの事実を恥、これまで以上に鍛錬を積んでいく所存です!」「団長、お嬢様もういないっす。」「へ?」 逃げるアビゲイル。そして、取り残された騎士団長ガウェイン。 アビゲイルは無事にメイド長から逃げ切ることができるのか。そして、更なる鍛錬を決意したガウェインはアビゲイルの境地に近付けるのか。そして、二人がもう一度戦う日はやってくるのか。 それは……神にもわからない。
Last Updated: 2025-07-12
Chapter: #10 絶体絶命ですわ!
おいおいこのお嬢様もしかしなくても俺のこと本気で潰しにきてねぇか?おっと!的確に急所を潰しにきてやがる!多少の欠損程度なら魔法で治るとはいえ一度潰れたらトラウマで不能になるんだぞ!腕とかなら治れば機能も復活するけどよぉ……ソコは治らねぇんだぞ! 「ちょ、お嬢様?俺のっ!大事なっ!息子をっ!潰そっ!としないっ!でくれまっ!せんかねぇ!」 殺気ダダ漏れだしよぉ。いやね?俺も幼いとはいえレデイ相手に婚期の話のはまずかったかもしれねぇけどよぉ。あ、化け物って言ったのもまずかったか。でもよぉ、血に濡れながら淡々と魔物を殲滅していく子供がいたらそりゃ怪異の類だろう?悪かったとはもちろん思ってるぞ?でもこんな殺気垂れ流しながら急所狙いで攻め立てんでもと思うわけよ。 あぁ……でもあれか。客観的に見れば騎士が公爵クラスの貴族のご令嬢相手に化け物とか言ったつう事案なわけだが……普通に考えたら一族郎党あの世行きだな。それを殺気丸出しとはいえ模擬戦で許してくれるんだから十分温情をかけてくれてんのか。こりゃ……死んだか? いやでも流石に俺は団長だしな。チョン切られる女の子にされちゃうなんてことにはさすがになら……なら……なるわこれ!お嬢様が満足するか当主様が覗きに来て止めるまで耐久するしかないんだけど無理そうなんだよなぁ。 ◇◇ にしてもこいつこの辺境伯家の騎士団で団長してるだけあってクソ硬ぇですわね。いくら手加減してるとはいえここまで耐えるとは予想外ですわ。耐えられてるのはムカつきますけれど、加減をミスってうっかり殺したらさすがに父様に怒られますし不用意に人を殺す趣味などありませんもの。 「いい加減くたばりやがれですわ!」 あ、お母様かメイド長はいませんわよね!聞かれてませんわよね!な、な、な、な、な、なんでメイド長が騎士たちに混じっていますの!?こ、これは模擬戦が終わり次第逃げる必要がありますわね。 逃げたところであとで再教育が待っている気がしますけれど……わたくしは今を生きるのですわ!あとのことは未来のわたくしに任せてしまえばいいんですもの! そうと決まればメイド長の目が怖いですしさっさとこの模擬戦を終わらせてトンズラこいてやりますわ! 「騎士団長、次の技を受けて立っていられたら許して差し上げますわ!せいぜい痩せ我慢でもしてくださいまし!」
Last Updated: 2025-07-11
憧れに手を伸ばせ

憧れに手を伸ばせ

 街頭ビジョンに映るVTuber達に憧れた一人の少女がいた。お世辞にも良いとは言えない彼女の家庭環境では憧れに手を伸ばすことすら叶わない。  しかし、それは彼女が諦める理由にはならない。家を出て就職し、プライベート全てを憧れに近付くための自己鍛錬に費やした。 いくら彼女に才があろうと努力をしようと両親から逃げ続けている以上は表舞台には上がれないし、憧れ続けたVTuberにもなれない。彼女は最期までVTuberにはなれず、来世を夢見て死んでいった。  これは、そんな彼女の来世が舞台のシンデレラストーリー。 ※#〇.5の回は本編に直接的には関わりません。でも、読むとキャラ達のいる世界のことをもっと知れます。
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Chapter: #71 初エチュード
 エチュード。それは場面設定だけで、台詞や動作などを役者自身が考えながら行う即興劇のことである。相手の言葉に速やかに対応し言葉を返していく。それ故にアドリブ力が非常に求められる。 そう、アドリブ力が求められてしまうのだ。「あぁ〜や〜り〜た〜く〜な〜い〜!アドリブ力とか私に求められても無理ですってばァ!全部段取り決めてやりましょうよォ。」『だーめ!ホントの想定外に遭遇した時に落ち着いて対応できるようにするためのトレーニングは大事なの!』「うぅぅぅぅ……頭ではわかってますよ?頭では……突然アドリブを入れてくる人もいるでしょうし、生放送をしている以上私が想定しえない何かが起こるかもしれない。その時のための経験を積むって意味でも大切な意味のあることなのは理解してるんです!理解してはいるんですけど感情では納得できないんです!!やりたくないんです!」『由良、もう始まるから準備して。』 「うわぁぁぁん……」 やりたくないよォ……やりたくないんだけど始まった以上はやらなきゃだよね?事務所に所属した以上は仕事だしなぁ。はぁ……頑張るか。『さぁ始まりました!ピオーネ公式放送曲!今回は新たに加わったメンバーと一緒に配信組のみんなでエチュードをやっていきたいと思います!始める前に新メンバーを紹介しますね。YURAちゃーん!!』 あ、さっそく呼ばれた。吸って〜吐いて〜吸って〜吐いて〜よし!気持ち切り替えて明るくいこう明るく!「はーい!というわけで自己紹介をしていきます!配信組のマスコット兼VTuberのYURAです!先日顔合わせをしに行ったら紡先輩に撫で回されました!今日はよろしくお願いします!」『声色からもわかる通り、YURAちゃんは今回のエチュードを死ぬほど嫌がっております!』 私なりに明るくしようとしたんだけどな。嫌さがダダ漏れだったかぁ……私も精進が足りないなぁ。「はい!私はアドリブが苦手なので即興劇が嫌すぎて駄々こねていたら配信が始まりました!始まったものは仕方ないので自分なりに頑張ってみたいと思います!」 『というわけで苦手なりに頑張ってくれるみたいなので温かい目で彼女頑張りを見守っていてくださいね!それじゃあさっそくエチュードを始めよう!3・2・1・Q!……あ、設定の説明するのをうっかり忘れてたよ、ごめんごめん!』
Last Updated: 2025-07-31
Chapter: #70.5  スレ回
【天才】YURAちゃん応援スレPart33【VTuber】 001:名無しのお兄ちゃん ID:sgPagmKmJ34 本スレは個人VTuberのYURAちゃんを応援するスレです。YURAちゃん以外の話題は極力控えてください。また、アンチには反応せず静かに通報ボタンを押しましょう。 ・スレを立てるときは先頭に「!extend:―――――――――――――」を三行入れる。 ・次スレは>>800が立てること。無理なら代理を頼むか踏まないこと。 ・各種サイトへの転載禁止。 ◇◇ 245:名無しのお姉ちゃん ID: pgDmgMmg73 ついに"リスナーの性癖を晒しあげよう"とかいう恐ろしいコーナーが始まってしまったね。怖いよね。リスナーのリクエストをもとにしてYURAちゃんがイラストを仕上げるんでしょ?リスナーの性癖とYURAちゃんの性癖が悪魔合体してどんなイラストが生み出されちしまうんだろうか…… 246:名無しのお兄ちゃん ID:gMmpwgmM46 ちなみにだけどお前らも引用リツイートでリクエスト送った? 247:名無しのロリコン ID: NjgNgaMg41 >>246 あったりめぇだろ?書くだけただなんだから書かないなんて選択肢は存在しないでしょ 248:名無しお姉ちゃん ID: sgPmKmJ34 リクエストの一発目は銀髪赤目のツルペタお姉さんか。一歳児に自分の性癖を送り付けるとかいうだいぶ終わってる行動をしといて今更日和ってんの誰だよ〜! 249:名無しのロリコン ID: NjgNgaMg41 普段の姿を見てからその子の叡智絵を見るのも悪くない。普段はこんな感じの子なのに……みたいなギャップがいいってのに。 250:名無しのお姉ちゃん ID:pgDmgMmg73 みんな大好き猫耳だー!!ロリだー!!メイド服だー!ひぃやっほーー!!この三つだけでも最強なのにここに泣き顔が追加されるんですか!もうそんなの最強に決まってんじゃんかよォ! 251:名無しのお兄ちゃん ID:agjGjgMjgm46 いや、えっろ!そしてしれっと自分の性癖部分の業を人に押し付けようしてて草 252:名無しのお姉ちゃん ID: pgDmgMmg73 YURAちゃ
Last Updated: 2025-07-31
Chapter: #70 事務所体験記
「みーんなー!先輩方との顔合わせをしてきたよん!なんかねぇ……芸能人って感じがした!凄かった!(小並感)」 ――語彙力よ……――一応VTuberって話を生業にしてるんだよね?――おっかしいなぁ……小学生の感想かってくらいの語彙力のなさだったぞ?――具体的にはどんな感じだったのか教えて教えて〜!「うーん……裕也先輩は苦労性っぽい感じで、紡先輩は元気っ子みたいな?紡先輩は扉を開けると同時に突撃してきてずっと私の頭を撫で回してましたね。不審者っぽかったです。雪先輩はマイペースというかなんというか……口数がとっても少ない方でしたね。それでも存在感があって、最年長ってこともあってか紡先輩も裕也先輩も雪先輩の言葉には従ってましたね。」――面白い人達だね――やっぱりリアルのYURAちゃんも可愛いのか――俺もYURAちゃんをなでなでしたい――お巡りさんこいつです――配信組の皆さんは三人だけだったの?「そうだね、私が今日あったのは三人だけだった!あ、そうそう!来週のコラボの告知みたいになっちゃうんだけど、紡先輩にエチュードをしないかって誘われたんですよ!来週の土曜日ですね。アドリブ苦手でガッツリチャートを組んでる私なんですけど、苦手なアドリブの克服をするために挑戦するので是非とも温かい目で見ていただけると嬉しいです!」――え?YURAってアドリブ苦手だったん?……――イレギュラーがあっても落ち着いて対応してるイメージあるからてっきりアドリブも余裕なのかと思ってたわ――苦手の克服は大変だしやりたくなくなることもあるだろうけど、なんとか克服できるように頑張ってね!「私がなんかあっても冷静に対処できているのはそれも想定して予定を組んでるからです。じゃないとテンパってその日話すことが全部飛んだりしちゃうのでね。普段私が見せないようなキョドったり動揺して噛んじゃったりもあるとは思いますけど、それも含めてエンタメとして楽しんでいってくださいね!」 今日はレッスンもあってちょっと疲れ気味だし配信切り上げようかな。いや、でも短すぎるかなぁ……まぁいっか!「それじゃあ今日はレッスンもあったのでここら辺で配信を終わりにしたいと思います!今日は言えなかった事務所での経験は機会があれば話していこうと思います!それじゃあ、おつゆらでした〜!待ったね〜!」
Last Updated: 2025-07-31
Chapter: #69 家に帰ろう
「それじゃあ陽葵さん!今日はありがとうございました!また何かの機会に!」『YURAちゃん、あんまり伝えるの得意じゃない私の指導についてきてくれてありがとね!どこかの現場で一緒に仕事できる日を楽しみにしてる!』「お世話になりました!」◇◇ ふぅ……今日の予定は全部片付いたかな?それにしてもこんな時間か。おばあちゃんにやること終わったことを報告しないと。今回のことで配信で話すネタも補充できたしいろんな意味で満足のいく結果だったよ。今日ののとはちゃんと忘れないように早めにメモを取っておかないと…… お、来た来たー!「ばあちゃーん!すぐ来てくれてありがとね!じゃあ家までお願いしまーす!」 いやぁ〜疲れた疲れた。家に着くのはまだ先だけど、事務所を出て車に乗っただけで安心できる。『はいよぉー!今日の事務所での用事はどうだった?楽しかった?』「うん、そうだね。顔見知りの人たちも結構増えたし、軽くだけどレッスンも受けてきたから声を当てるのも前より上手にできるようになったから大満足!それに今日のことは配信の雑談のタネにできるから一石四鳥五鳥で最高だったよ!」 やっぱり配信の頻度高めでやってるからどうしても話すネタが尽きてたりするんよなぁ。でも今回いっぱい話のネタを補充できたからね! 『それは良かった。由良がいくら大人っぽくてしっかりしてるとは言ってもまだまだ幼いからさ。やっぱり心配になっちゃうんだよね!だからさ、こうやって色々話聞けて安心したよ。教えてくれてありがとね!』 そうだよね。私はまだ一歳児だからね、一人で動くとなると心配かけちゃうよね。心配してもらえているのが嬉しいような申し訳ないようかで複雑だなぁ……「私は大丈夫だからさ!安心して用事を済ませてくるといいよ!私もある程度は自分一人でできるし、頼りになる大人もいっぱいいるからね!そう心配しなくても大丈夫。」『そっか……たぶんおじいちゃんも心配して家でソワソワしてるだろうから、同じ話をYURAちゃんの口からおじいちゃんにも説明してあげて!』「わかった!任せといて!おじいちゃんにはバッチリ話すから!おばあちゃんへの説明も含めて二回目だから一回目よりも上手く話せると思う!」『何はともあれまだ一歳なんだから無理しないようにね!私たちとしては由良が楽しく笑顔で活動出来ていればいいからさ。由良ちゃんが
Last Updated: 2025-07-31
Chapter: #68 感情の引き出し
『YURAさん、そろそろ次の予定が……』「近藤さん、分かりました!それでは皆さん、来週の土曜日はよろしくお願いします!」『おう、またな!』『由良ちゃんまったねー!』『由良ちゃん、また今度。』 来週エチュードかぁ……エチュードなぁ……◇◇『由良さん、それじゃあ次の場所に行きましょうか!次行くのは第3スタジオですね!今ちょうどYURAさんの講師をしてくれる方がそこにいらっしゃるので、そのままそこでレッスンを受けちゃいましょっか!今日は運良く第3スタジオに利用予約が入ってないですしね!』 やっぱり僕は運がいい。オーディションがいつやるか分からない以上状態を仕上げるのは早いに超したことはないからね。今日は時間の許す限り細かいところを詰めていこう。「私にレッスンをしてくださる方ってどんな方なんですか?」『そう……ですねぇ。感覚派で言語化が苦手といった印象でしょうか。』 え?「あの、私のレッスンはほんとうに大丈夫なんですかねぇ……」『大丈夫だと……思いますよ?たぶん?きっと?おそらく……』 不安だなぁ……「ほ、ほんとに大丈夫なんですか?感覚派で言語化苦手とか講師として致命的すぎません!?」『大丈夫ですって!カタログスペックはこんなんですけど、あの社長がYURAさんのために講師として選んだ方ですよ?きっと大丈夫ですって!』 大丈夫なの……か?大丈夫じゃなくないかなぁ……「そ、そうですよね!社長が私のために選んでくれた方ですし、そう悪い結果にはなりませんよね!」『第3スタジオはここですね!失礼します!』「先日この事務所への所属が決まった新人VTuberのYURAです!今日はよろしくお願いします!」『YURAちゃん、私は佐藤陽葵(さとうひまり)!口下手だけど精一杯教えるから今日はよろしくね!今のYURAちゃんがどんな感じか知りたいから一度この文章を読んでみてくれるかな!』 え?今!?さすがに原稿の読み込みとかもなしに読むとか無茶振りがすぎるんじゃないかなぁ……。「はい!え〜っと、ゴホンッ……どうして!僕らは彼女と戦わなきゃいけないんだよ!今までずっと……ずっと一緒に戦ってきて……お前らおかしいよ!なんでそんな平気な顔して仲間を殺せるんだよ!お前らはもう……人間じゃねぇよ……。とまぁこんな感じでどうでしょうか。」『うーん、なかなかいい
Last Updated: 2025-07-31
Chapter: #67.5 スレ回
【天才】YURAちゃん応援スレPart33【VTuber】 001:名無しのお兄ちゃん ID:sgPagmKmJ34 本スレは個人VTuberのYURAちゃんを応援するスレです。YURAちゃん以外の話題は極力控えてください。また、アンチには反応せず静かに通報ボタンを押しましょう。 ・スレを立てるときは先頭に「!extend:―――――――――――――」を三行入れる。 ・次スレは>>800が立てること。無理なら代理を頼むか踏まないこと。 ・各種サイトへの転載禁止。 ◇◇ 245:名無しのお姉ちゃん ID: pgDmgMmg73 ついにYURAちゃんが配信頻度自重するってよ! 246:名無しのお兄ちゃん ID:gMmpwgmM46 ついに……ついに!ここまで長かったね。何度YURAちゃんにそろそろ休んだ方がいいって言ったことやら……。毎日配信なんて無茶を止められて良かった良かっt……ん? 247:名無しのロリコン ID: NjgNgaMg41 >>246 やっと自分の身体を気遣って配信頻度落としてくれると思ったのに……YURAちゃんサイテー!YURAちゃんに謝ってください! 248:名無しお姉ちゃん ID: sgPmKmJ34 まさか配信頻度落としてその分の時間をそのまま他の作業にあてるとかいうあたおかムーブかましてくるとはね。この孔明の目を持ってしても見抜けなんだ。 249:名無しのロリコン ID: NjgNgaMg41 自認孔明なだけの普通のおっさんだからスカスカやね 250:名無しのお姉ちゃん ID:pgDmgMmg73 グッズだと!? 251:名無しのお兄ちゃん ID:agjGjgMjgm46 え?ファ?あのピオーネに所属!? 252:名無しのお姉ちゃん ID: pgDmgMmg73 え?なになになに!?ちょっと情報量多すぎてよくわかんない!俺今仕事してて配信見れてないから誰か三行でよろ 253:名無しのお兄ちゃん ID:dAmWjjmjpCd21 仕事中は仕事に集中しろよな?てか後でアーカイブ見ればいいだろ……ったくしょうがねぇなぁ ・作業時間確保のために配信頻度を落とす ・YURAちゃんグッズのデザイン完成
Last Updated: 2025-07-31
異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜

異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜

真の引きこもりたるもの自分の食い扶持くらい家にいながら稼ぐのである。家から出たくないだけで働きたくないわけじゃないからそこんとこ勘違いせんでもろて。え?ここどこ?異世界!?まぁいいやとりあえず引きこもろ。ふむふむ、ここには魔法があるなら魔法使って身代わりを作れば……分身体一号、二号よ!俺の代わりに外で働いてこい!魔法って便利~!
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Chapter: #26.5 とある試験官
 私は魔法学校入試課の職員だ。今年で18年目でなかなかのベテランだと自負している。これだけ長く働いていればイレギュラーはそれなりに経験しているし、今更慌てることもない。そう思っていた……◇◇ 今日は入試課の仕事の山場とも言うべき入学試験、その初日だ。私たちの仕事は説明、監視、記録の大きくわけて三つだ。「試験、始め!」  何回言ったか分からなくなるほど言ったこの言葉。それでも気を抜く訳にはいかない。いくら優秀とは言っても受験を受けに来た彼ら彼女らの年齢なんて所詮十歳かそこらでまだまだ幼い。試験会場で感じる孤独感と極度の緊張によって何をしでかすか分からない。試験官として未然に防ぐのも私たちの仕事。 そんな私たちをかいくぐって問題行動を起こした受験生はその場で退場となる。まだまだ幼い彼ら彼女には少々厳しい処置だが、規則は規則。来年以降の挑戦に期待したい。先程も言ったが麒麟児、天才、神童などと持て囃されていようと幼い子供。試験の結果は皆似たり寄ったりとなることが多い。毎年一人か二人ほど頭一つ抜けた子もいるにはいるが、それも早熟の範囲内。 真に天才と呼ばれる者になるかを今の段階で見分けることなど不可能。学校という競走の場で切磋琢磨して初めて真の才能の片鱗を見ることができる。才能とは一生をかけて磨いていくものであり、せいぜい十数年しか生きてない彼らから才を見出すのは土台無理な話。それが私の持論だ。「二次試験用意、始め!」 彼は神童と呼ばれる今回最年少のミシェル君か。とはいえ彼はまだ四歳だ。四歳はいわゆるなぜなぜ期だ。そんな時期の彼が天下の魔法学校の入学水準に達することなどまずないだろう。 あの侯爵閣下(笑)の目も息子への愛ゆえに濁ってしまったのだろうか。水準に達したとすれば幼い頃から虐待とも言うべき過剰な教育を施した可能性も……いや、あの親バカに限ってそれはないか。やはり試験の対象年齢が低すぎるのだ。これではまともに受験生を測れない。  長年の経験からこの考えもあながち間違っていないだろうと私は考えていた。だが、私はこの日……本物を見た。無論、持論が間違っているとは考えているわけではない。     私の見ている世界と彼の見ている世界が別物だった。ただそれだけの話だ。
Last Updated: 2025-07-17
Chapter: #26 今の全力
「この世を覆う魔の力よ、全てを壊す破壊の力よ。我が手に集い、脈動せよ。」 集中……集中……僕本体はただひたすらに詠唱と魔力操作に集中しろ。足りない魔力は死ぬ気でかき集めろ。そのために4人分も人手を割いてるんだ。頼むぞ御分霊たち!失敗したら飯抜きな?「それは偉大なる星々の輝き。破壊は創造。創造は破壊。森羅万象の始まりにして終わり。闇に閉ざされし深淵を今ここに解き放たん。」 圧縮し続けろ。一度やめればおそらく暴走して制御を離れるだろう。止まるな乱すな。「今一度目覚め、我が元に現界せよ!」 まずい、これ以上は!残念だけど、今の僕じゃここら辺が限界か。「ステラ……ノヴァ。」 僕がその魔法の名を言うと同時に手のひらから指先程の大きさの漆黒の球体が放たれた。完全な状態で発動することこそ叶わなかったもののそのエネルギー量は絶大……のはず。自信がないのは師匠に止められていたからまだ撃ったことはないから。 今気付いたけど……まともな結界ないから無造作に放つのまずかったのでは?フレンドリーファイアとか気を付けてるとこ見せないと倫理的にまずい!的に当てた後も爆発させずに制御して魔力を散らしながら上にかっ飛ばす!アッ…… わぁ〜いい天気だなぁ。アハハハハ〜!さてと……ちゃんとコントロールはしてたし威力に関しては申し分ないはず。威力重視にした関係でちょっと詠唱に時間かかっちゃったけど、そこは許容範囲内だと信じたい。「試験官さん、ありがとうございました。この後って帰っていいんでしたっけ。」「…………はっ!そ、そうですね。この後、一次試験と二次試験の結果を総合的に判断して三次試験参加者を選びますので今日はこれで終了となります。後日試験通過者の方に通知をします。通知の約二週間後に行われる模擬戦形式での試験と面接試験をもって入学試験の全日程が終了いたします。」「ところで座学と実技で一次、二次と別れてるのはなんでですか?」「それは、昔カンニングや替え玉受験が横行していた時の名残りですね。二代目校長が"お前らなんか怪しい動きしたら最初の試験で切るからな!"という思いを込めてこの分け方にしたそうです。」「教えていただきありがとうございました!それでは失礼します!」 これで試験はひとまず終わりか。つっかれた〜!いやぁ〜それにしても天気悪くなりそうだったけど大丈夫みたいだね。雨
Last Updated: 2025-07-17
Chapter: #25 準備万端
 座学試験が簡単過ぎて少し焦りを感じているミシェルは実技試験に向けて入念に身体と魔力の体操をしていた。これは少しでもいい結果を残すための悪あがきだ。少しでも力強く、そして繊細に身体と魔力を動かせるように。そんなおまじないみたいなもの。でも、ずっと続けてきたことだからルーティンという意味でもなかなかバカにできないと思う。「受験番号1番から10番、前へ!的に向かって放つ魔法は各自呼ばれるまでに決めておけ!呼ばれたら試験官の合図でその魔法を構築して撃つことになるからスムーズな試験の進行のためにもよろしく頼む。」 試験官さんが十人いてそれぞれ違う人に見られながら違う的を狙うのか。これは何を測るんだろう。威力?精密性?速度?まぁ、試験で撃つ魔法は合図されてからとは言っていたが試験で撃つ魔法以外の行使に関しては特に言われてないし少し準備をしておくとしようか。 とりあえず御分霊を出しておこう。注意されたら注意された時だな。怒られたら謝って魔法を解除すれば許されるだろう。なんてったって完全実力主義の学術都市だからね。 あ、そうそう!この第三試験会場にいるのは二百人くらいらしい。何個あるのか分からない屋外訓練所がそれぞれ試験会場になっていて受験番号の前の記号で割り振られているらしい。だからそろそろ……「試験番号180番から190番前へ!」 やっとチームミシェル(ミシェルの御分霊4体を自らの周囲に配置している。)の出番か!さてさてさ〜て!的を消滅させるくらいの気持ちで頑張っちゃうぜ!どんな的をぶち抜けばいいのか。それ次第だよね。御分霊含めて5人いて今の僕にぶち抜けない物はないとは思うけどどうなることやら。 御分霊たちとの意思疎通よし!自分への各種強化魔法及び祝福よし!魔法の構築イメージよし!座学の結果のこともあるし不安材料はいっぱいあるけど実技に関しては同じ受験者と比べて飛び抜けた実力を持ってる自信あるし大丈夫……なはず!よし!「二次試験用意……始めぇ!」
Last Updated: 2025-07-15
Chapter: #24 座学試験開始
(あぁ……ダメかもしれない。) 緊張でもう何が何だか分からないまま試験会場に入ったミシェル。そんな彼の前に配られた試験問題は僕にとって最悪の問題だった。 (簡単すぎる……。なんだこの低レベルな問題は!こんな問題で受験者の能力が測れるのか?受験者の中で一番高度な学習をしているであろう殿下もこれくらい余裕で解けるはずだしこの問題はどうなっている!いや、ここは実力主義の学術都市。まさか……これは最低ラインすら超えてない記念受験者を足切りするためなのでは!?) そんなわけはない。腐ってもここは世界最高峰とも言われる学術都市。いくら初等部とは言っても入学してくるのは各地域で神童と呼ばれてきた者たち。その試験内容も彼らが受けるのに相応しいものとなっている。となると誰がおかしいのか。それはもちろん大賢者ヴェルムートの魔力体であるマイクとその弟子のミシェルである。 ミシェルの肉体自体のスペックもさることながら中身の檜木の能力も高い。効率の良い勉強の仕方を知っており、学習意欲もある。そこに莫大な知識を蓄えたマイクが指導をするのだ。どうなるかは明らかである。乾いたスポンジの用に知識を取り込んでいった結果がコレだ。 これはミシェル自身に非はない。比較対象がいなかったのと、マイクが初めての教え子であるミシェルが優秀なあまり調子に乗ったせいである。「僕何かやっちゃいました?」系の主人公ではないのだ。おそらく学校に入って人と交流することでこの認識の偏りは矯正されていくことだろう。罵倒するならマイクにして欲しい。是非とも調子乗んなバカ師匠と罵って欲しい。 (ひとまず全部解き終わったか。一応後半にかけて難易度が上がっているようだが誤差の範囲だな。やはり足切り用でまともな問題は最後のみか。やはり本番は実技のようだな。アーシャにも書き間違いをしないよう言われたことだし残りの時間で見直しをするとしよう。) ◇◇ 「ふっふっふ……今年の受験者は粒ぞろいと聞くがどんな結果になることやら。今年の受験者のレベルの高さを鑑みて平均が五割になるように調整した。その結果今回の問題は歴代最難関と言っても過言じゃない。」 「校長、最終問題はさすがにやりすぎなのでは?あれはかの大賢者が提唱したものの理解できる者がいなかったという例の理論を使う必要があるんですよ?」 「なぁーにあれはた
Last Updated: 2025-07-14
Chapter: #23 ポンコツ
 今日が運命の日。とはいえ今日じたばたしたところで結果は良くならない。故に、極めて冷静に。かつ普段通りの行動を心掛けるべきだろう。「ミシェル様?試験の準備の方は大丈夫ですか?」「あああアーシャか。ももももちろんだとも。冷静沈着で天才なこの僕が緊張するなどあああ有り得ない。よよよゆーで満点だとも。」 これのどこに大丈夫な要素があると言うのか。ミシェルの専属メイドとして主人に全幅の信頼を寄せているアーシャといえど全く信じることができない。「かなり動揺しているご様子ですのでこちらこお茶でもお飲みになってください。」「う、うむ。助かるよ。ふぅ……落ち着いた。ありがとなアーシャ。ここここれで満点で最年少首席はかかか確実だな。」 ミシェル様、手がプルップルでございます。そろそろ落ち着いていただきたい。とはいえ今回の試験は満点を取ったところで殿下の点数次第で首席になれるか分からないという結果を第三者に託したもの。緊張するのも無理はないですかね。「動揺から立ち直れていませよミシェル様。動揺のあまりメザメドリのようになっております。いい加減落ち着いてくださいませ。」※メザメドリ:この世界におけるニワトリのような生き物。朝になると「起きろ寝坊助!起きろ寝坊助!」と鳴き続けるため住民からは嫌われている。肉と卵が美味い。「そ、そんな言うことないだろ!この僕だぞ?た、多少動揺したところで頭に入っている知識が抜け落ちるなんてことあるわけがない。つまり今回の試はパーフェクトだ!」 なにを言っているのだこのうっかり主人は。「そこを心配してはいないのです。動揺のあまり解答欄を間違えて全ズレをしてしまわないか心配なのです。」「この僕がそんな間違いするわけがないだろ!」 両手で数えきれないほどやっていたではありませんか。緊張した主様はただのポンコツみたいです。やっぱりしっかり者の私がいないとダメみたいですね。「少しは落ち着いたようですね。解答欄を間違える件に関しては試験勉強中に前科が多数ありますし、ミシェル様はおっちょこちょいなところがあるので本気で気を付けてくださいませ。それと……」「それと?」 全然気付いていないようですし、はっきり言っておきましょうか。「先程からキャラが迷子でございます。」
Last Updated: 2025-07-12
Chapter: #22 明日じゃねぇか!
 何点くらい取れれば首席になれるのだろうか。そもそも侯爵家の自分が首席にさせてもらえるのだろうか。僕と同じタイミングで試験を受ける王子殿下もいると聞くし、国としてはその殿下に首席を取ってもらいたいだろう。 父様もそれなりに高い地位にいるらしいしそこまであからさまな忖度はないとは思う。だがもし殿下と僕の点が僅差なら?もし僕と殿下が同点なら?いくら政治から独立した都市とは言ってもきっと学校側は僕より殿下を首席にするだろう。 となるとだ。満点を取るのは当然として、僕にできるのは殿下が一問でいいからミスをするようお祈りをすることくらいだ。この受験戦争、なかなかにクソゲーではないだろうか。願わくば試験問題の難易度が上がりますように。 殿下を抜いて首席を取ってしまえば悪目立ちするのでは?いや、勉強を頑張っている者というのは教師から気に入られるもの。首席になって殿下の取り巻きにだる絡みされたときのことはそのとき考えればいい。試験はまだ先だしね。それに優秀な生徒でいれば殿下からも目をかけていただけるだろう。政治は面倒だ。ただ、こと学内において王族の庇護と侯爵家次男の地位があれば安泰であろう。 面倒ごとは嫌いだし、王族と関わってしまえばろくなことにならないのは承知の上だ。だが、貴族にとっての学校とは勉学に励む場であると同時に伝手を作る場でもある以上やるしかない。引きこもりに必要なものは人脈なのだから。 だから一生懸命身代わりの御分霊の操作をする。まぁ先のことだから気にしたってしょうがないのだがな。そう試験はまだ先。試験まであと21時間もある。21時間……21時間!?明日じゃないか!「明日じゃねぇかぁ!」 前言撤回。全然先のことじゃなかったわ。めちゃくちゃ時間ないやんけ……。父様の用事があるだかで早めに学術都市の別邸に来ていたから良かったけど父様の用事なかったら間に合わずに詰んでたんじゃねぇか?いや、さすがに僕以外にそんな初歩的なミスをする人はうちにはいないか。「いや〜超焦った……。」
Last Updated: 2025-07-11
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