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第9話

Auteur: 前田貞治
田村がすぐに車を出し、私を市内へと向かわせた。道中、彼は一枚のプリント用紙を私に手渡した。

「これ、何?」

「オノクの資料だ。さっき調べたんだが、君に渡すのが遅くなった。君が久能に関わる人物を調べてほしいと言ったからな」

私は頷き、その紙を見つめた。それにはオノクの身分証と顔写真のコピーが載っていたがこれだけでは何も見えてこない。

唯一知らなかったのは、オノクのフルネームがオノク・オウハウで、英語表記がonuk ouhaであることだった。

四十分後、田村は私をある和食店へと連れて行った。この名前は以前に資料で見かけたことがあり、つばさが死の直前に最後に訪れた店だった。私は田村に玄関で待つよう指示し一人で店内へと入った。

案内係により個室に通されると、オノクは既に席に座り、少しずつお酒を口にしていた。私が来ると、彼は軽く手を挙げて座るよう促した。

「君、日本語がうまいんだな」と私は冗談を交わした。

「それは重要ではない」

私はさらに話そうとしたが、個室のドアが開き、入ってきたのは義雄だった。義雄は私を見ると少し驚きながらも席に着いた。

席につくと、低い声で尋ねた。「俺
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