【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 師

【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 師

last updateLast Updated : 2026-04-29
By:  彼方Updated just now
Language: Japanese
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雀荘というものを知らない人はきっと雀荘に暗い怖いイメージを持っていると思う。しかし、それは大きな間違いで、雀荘っていうのは大人の息抜きになっていたり、社交の場という側面も持っていて、とくに今回の物語で扱う『低レート雀荘』という所などは怖いどころかむしろアットホーム。人情溢れるあたたかい場所なのです。 皆さんの誤解が100%解ける、人情麻雀小説のはじまりです。 是非是非最後までお付き合い下さい。

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Chapter 1

【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 師

 ごきげんよう、彼方です

 今回の舞台は『低レート雀荘』ノーレートとも競技麻雀とも普通の雀荘とも違う、低レート雀荘にしかない良さをこの物語で知ってもらえたらなと思って筆をとりました。

 これを読んで、低レート雀荘楽しそうだなとか思ってもらえたら幸いです。

◆◇◆◇

もくじ

➖️メインストーリー➖️

第2部 麻雀烈士英雄伝

三章【コバヤシ君の日報】

➖️表紙イラスト➖️

しろねこ。

◆◇◆◇

 さあ、期待を胸に『牌神話〜麻雀烈士英雄伝〜 師』を読み始めましょう!

 他の牌神話をまだ読んでない? 大丈夫です。順番が前後してもなにも問題ありません。どの順番で読んでも同じ感動を与えてくれるよう書きましたので。

 ちなみに、この小説の読み方は

──── 

──

 これは時間の経過です。2つなら少しの、3つなら大きな時間の経過になります。思考吹き出しのイメージですね。

── 

────

 これは時間の遡りです。

────

 これはちょっとした区切りです。

◆◇◆◇

 これは視点変更か大きな区切りです。

 これを意識していれば視点混乱などしないで読めると思います。

 では、最後に。本編に入る前に確認しますけど。あなたは麻雀に精通してますか? してる? では次に進んで下さい。でももし、まだわからない。よく知らない。まるで無知。という方は読めない漢字があるかもしれません。それをここでざっと書いておきましょう。

 まず牌(はい)の名称です。

 1〜9の数字があり、スートは3種です。スート……スートって何か言い換えられないかな。色、絵柄、いや種類……かな。まあ、種族というか。そんな感じ。

で読み方は

1=いー

2=りゃん

3=さん

4=すー

5=うー

6=ろー

7=ちー

8=ぱー

9=きゅー

これが基本。

種族の読み方は

萬=まん(わんとも言うが基本はまん)

筒=ぴん

索=そー

でもこれは略してて実際は萬子筒子索子(まんずぴんずそーず)と言うもの。

漢数字が萬子

数字に丸が囲ってあるのが筒子

全角数字が索子です。

 つまり二とあればこれはりゃんまんを持ってるってことで⑤ならうーぴんを持ってるってこと。OK?

ここまでが数牌(すうはい)の説明。

で、他にも字牌(じはい)というのがありまして。

まず字牌の風牌(かぜはい)から。

東=とん

南=なん

西=しゃー

北=ぺー

で、もうひとつの字牌が三元牌(さんげんぱい)

白=はく

発=はつ

中=ちゅん

 これが牌の読み方の全て。

 続いてよく使われるのが『家』。これ単独では使わないけど西家とか起家とかね。これ、読み方は(いえ)じゃないんです。

 麻雀の世界で家は(ちゃ)と読みます。つまり、西家なら(しゃーちゃ)。起家ならおきちゃ? いいえ、これは(ちーちゃ)と言ってこの人の親番からこのゲームは開始されたよという、最初に親番を担当した人を指す言葉。……よく考えたらあまり必要ない言葉だな。なんであるのかは不明。

 あとは聴牌(てんぱい)とか

一向聴(いーしゃんてん)とか

和了(ほーら)とかかな。出てきそうな専門用語は

 テンパイってのは完成まであと1つの状態を指すもので、イーシャンテンはそれのまた1つ前。さらに前だとリャンシャンテンとかサンシャンテンとか言うんだけどそのへんはイーシャンテンわかるならわかるよね。

 ホーラってのはアガリのこと。完成ってことですね。

 これくらいを覚えておけばあまりつまづく事なく読めると思うんです。もし分からないことがあったらいつでも私に質問して下さい。感想欄でもメールでも方法は何でもいいです。必ず分からない系のご質問には答えますので

 長くなりましたが、それでは、元競技麻雀プロである著者が描く彼方流低レート麻雀小説の世界をお楽しみ下さい――

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【牌神話】〜麻雀烈士英雄伝〜 師
 ごきげんよう、彼方です 今回の舞台は『低レート雀荘』ノーレートとも競技麻雀とも普通の雀荘とも違う、低レート雀荘にしかない良さをこの物語で知ってもらえたらなと思って筆をとりました。 これを読んで、低レート雀荘楽しそうだなとか思ってもらえたら幸いです。◆◇◆◇もくじ➖️メインストーリー➖️第2部 麻雀烈士英雄伝三章【コバヤシ君の日報】➖️表紙イラスト➖️しろねこ。◆◇◆◇ さあ、期待を胸に『牌神話〜麻雀烈士英雄伝〜 師』を読み始めましょう! 他の牌神話をまだ読んでない? 大丈夫です。順番が前後してもなにも問題ありません。どの順番で読んでも同じ感動を与えてくれるよう書きましたので。 ちなみに、この小説の読み方は──── ── これは時間の経過です。2つなら少しの、3つなら大きな時間の経過になります。思考吹き出しのイメージですね。── ──── これは時間の遡りです。──── これはちょっとした区切りです。◆◇◆◇ これは視点変更か大きな区切りです。 これを意識していれば視点混乱などしないで読めると思います。 では、最後に。本編に入る前に確認しますけど。あなたは麻雀に精通してますか? してる? では次に進んで下さい。でももし、まだわからない。よく知らない。まるで無知。という方は読めない漢字があるかもしれません。それをここでざっと書いておきましょう。 まず牌(はい)の名称です。 1〜9の数字があり、スートは3種です。スート……スートって何か言い換えられないかな。色、絵柄、いや種類……かな。まあ、種族というか。そんな感じ。で読み方は1=いー2=りゃん3=さん4=すー5=うー6=ろー7=ちー8=ぱー9=きゅーこれが基本。種族の読み方は萬=まん(わんとも言うが基本はまん)筒=ぴん索=そーでもこれは略してて実際は萬子筒子索子(まんずぴんずそーず)と言うもの。漢数字が萬子数字に丸が囲ってあるのが筒子全角数字が索子です。 つまり二とあればこれはりゃんまんを持ってるってことで⑤ならうーぴんを持ってるってこと。OK?ここまでが数牌(すうはい)の説明。で、他にも字牌(じはい)というのがありまして。まず字牌の風牌(かぜはい)から。東=とん南=なん西=しゃー北=ぺーで、もうひとつの字牌
last updateLast Updated : 2026-04-19
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第2部 三章【コバヤシ君の日報】その1 第一話 さて、ここで一句
1. 日報。それは上司や他の責任者への一日の報告書。必ずしも書かないといけないものではないが(データを送るだけでもいい)昇給を狙う責任者たちは社長や会長という普段接点のないお偉いさんへアピールする場であるためなるべく書くようにと上司に指示される。 麻雀『アクアリウム』という全国展開している大手雀荘は日報をグループLINFでやり取りするというシステムを採用しており、そこにひと際異彩を放つ日報書きがいた。 彼の名は小林賢。通称『日報の小林』三章 コバヤシ君の日報~あるユニークな社員の日常~その1第一話 さて、ここで一句 渋谷店日報日報担当責任者 小林 本日は新しいシフトが完成する日です。連勤続きの私は出勤するとまずいの一番にシフトの確認から行いました。休みが気になるのは別に悪いことではありませんよね。そして、新シフトを確認して…… さて、ここで一句。『シフト表 見てわかるのは 行き先のみ』 ええ、ええ、行き先は書いてありましたとも。あー、この日は新宿店ねとか。上野店の応援は初めてだなとか。伝わることはありました。でも、休み、書いてなくないですか? えっ、休めない系? 休みなく働く忙しさを12月の季語にしてみました。え? そんな残念な季語無いって? それはそうかー。  こんにちは、渋谷店無休社員の小林です。シフト表見て驚きのあまり一句詠んでしまいました。まあね、これが社員と言われればそれまでですがね。でもせめて半休くらい欲しかったですわ。 冗談はさて置き(冗談で済む案件かは不明)本日はイベント日前日です。明日のイベントに1人でも多く動員できるように最後の宣伝を全員で行う構えですので忙しくなりそうです。 でももし、万一ヒマになりましたら私は少し休憩を多めに頂いてよろしいでしょうか。なんせ休みがないらしいので、休める所で休んでおかないと。そんなことを思った11月28日でした。アクア渋谷11月27日売上フリー156000セット46570フード4560計207130───── なんだこの日報。と、大勢の責任者たちが吹き出して読んでいる中、青ざめた顔をしていた奴がひとりいた。 渡辺健司(わたなべけんじ)副店長、渋谷店のシフト管理者である。休みのことをすっかり忘れていた。行き先ばかり埋めて小林の休みというのを考えていなかったのだ。
last updateLast Updated : 2026-04-19
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第2部 三章【コバヤシ君の日報】その1 第二話 最後の戦いのつもりで
2.第二話 最後の戦いのつもりで 渋谷店日報日報担当責任者 小林 本日は晴天なり、本日は晴天なり、はいはい。本日晴天もいいですけどね、昨日こそ晴天になって欲しかったですよ。なんですか大雨って。予報では東京ギリ晴れでしたよね。あんまり雨量多いからイベント休んだ人も出ましたよ。 せっかくの麻雀大会も嵐の中行く気になれないとの律儀な連絡をいただきました。ご連絡誠にありがとうございます。残念です。 そしてまあ人数合わせで私が参加したのですが、それが良くなかった。優勝ですよ。人数合わせの黒子が優勝。バカか。 でもすいません。手を抜くとかは苦手なので、普通にやっていいよと身内もお客様も皆様おっしゃるのでついトップを取ってしまい。4連勝でした。はい。 でもでも、参加した皆様全員楽しそうで、私の優勝も心から祝福してくれてたように思います。多分。 賞金は2位の方にお渡しして、私は優勝トロフィーのヒラヒラに(あれは何ですか? 歴代優勝者の名前を書くあれ)名前を書くことだけ許されるという形になりました。ちょっと誇らしいですね。 なんだか私の弟子になりたいという方も複数出てきました。これがきっかけで彼らが常連さんになってくれたらイベントをやった甲斐もありましたね。そんな事を思った11月30日。今日も一日頑張ります。 アクア渋谷11月29日売上フリー229400セット15250フード2500計247150────「またおかしな日報を書いて……」そう言っている男は厳しい言葉とは裏腹にニヤケながら楽しそうにその日報を読んでいた。「鈴乃木(すずのき)会長、また小林ですか」「ああ、あれは日報をブログか何かと勘違いしているな。だが、このまま書かせておこう。これはこれでいい」「は! 私も正直いつも読むのが楽しみになっています」「おかしな奴だよな」「はい、ただ善人なのは伝わってきますね。少々バカではありますが」「少しバカなくらいは丁度いいさ」「かもしれませんね。私も利口とは言えませんし」「おまえは利口さ。上村(かみむら)」「ありがとうございます」────── 麻雀『アクアリウム』で働く従業員小林は一応責任者で、毎日の日報作成を担当している。 まあ、責任者って言っても小林はバイトリーダーみたいなもんで、あくまで時給制。今はまだ正社員候補の位置だ。
last updateLast Updated : 2026-04-20
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第2部 三章【コバヤシ君の日報】その1 第三話 レンタルスタッフ杜若蘭
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last updateLast Updated : 2026-04-22
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第2部 三章【コバヤシ君の日報】その1 第四話 常連客 長谷川春子
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last updateLast Updated : 2026-04-23
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第2部 三章【コバヤシ君の日報】その1 第伍話 アガリのコツ
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last updateLast Updated : 2026-04-24
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第2部 三章【コバヤシ君の日報】その1 第六話 小林の真骨頂
6.第六話 小林の真骨頂 小林と杜若の麻雀教室は火曜日と日曜日の平日週末で毎週2回の開催にすることが決定した。かつてのサ◯エさんのようである。 ――日曜日「すいませんね、蘭ちゃんのシフトまでいじることになってしまって」「謝ることないわぁ。ケンちゃんのせいじゃないって言うか、むしろ私たちが良い仕事をした結果なんだし。それにケンちゃんと一緒に仕事ができる日が増えるのは私は嫌じゃないしぃ~」「えっ、と。どう言う意味」「言葉通りの意味よ? 他意はないわぁ」 蘭の意味深な一言で小林は少し考え込むが(いや、他意はないって言ってたじゃないか。多分、上野店で働くよりおれと働く方が気楽でいいとか、その程度の意味だ)と思う事にした。 「今日も沢山の生徒さんが来ると良いわねぇ~」「日曜日だからとりあえずあの人たちは来ると思うんだけど。昨日は来てないし」「あ~。例の長谷川春子さんね」「そう、それとその旦那さん。……よく名前覚えてましたね」「うちの祖母の名前もハルコなの。平仮名で『はる』に子供の『子』ではる子」「もしかしてそれで杜若さんと結婚した事で夏の季語も手に入れたから娘の名前には秋の季語ってこと?」「え、それがわかる人は初めてよ! そう、杜若は夏の季語で蘭は秋の季語。一代ごと季節を巡らせてるの。よく気付いたわねぇ!」「学校の授業で俳句を習ったときに少しハマってしばらく趣味で俳句を詠んでましたから」「いい趣味ね。続けなかったの?」「先日、久しぶりに一句詠みました。日報で」「日報で? そんなの載せていいの?」「わかんないけど、好評でしたね」 しばらくすると来客があった。予想通りの長谷川夫妻だ。「先生、麻雀教室始めたんですね。いいと思います。先生の教え方はわかりやすいしユニークだから私でも楽しく覚えていけたし。先生は教える才能あるわよー」「春子。先生の名札が変わってるぞ! 主任だって!!」「えー! おめでとうございます先生。お祝いに何か差し上げないといけないわね。ちょっと考えさせて下さいね」「え、いえいえ。いいですよ気持ちだけで。来てくれるだけで充分なんですから」「ケンちゃん大人気ねぇ~」「あはは、まあ。とにかく、生徒さんも来たし今日の麻雀教室を始めましょう」 小林と杜若はこの麻雀教室の設定目標を事前の会議で決めていた。目標は生徒が点
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第2部 三章【コバヤシ君の日報】その1 第七話 降り打ちへのいざない
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last updateLast Updated : 2026-04-26
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第2部 三章【コバヤシ君の日報】その1 第八話 馴れ初めの何切る(前編)
8.第八話 馴れ初めの何切る(前編) 長谷川春子の夫である長谷川雅史(はせがわまさし)は誰もが認める愛妻家で、彼の事を春子はいつも自慢に思っていた。 雅史は父である長谷川浄史(はせがわきよし)の後を継いだ個人経営のゲームセンター『ロング』の二代目経営者である。 ゲームセンター『ロング』は父、浄史が長谷川の『長』と、いつまでも長く続く店になるようにとの祈りを込めて名付けた店で、はじめは町の小さな駄菓子屋のような店から始まった。 実際、駄菓子も置いていたから駄菓子屋という認識で通う子供も多かったが店の名前はゲームセンターロングである。  ロングはその名の通り営業時間も長くて朝9時から夜の9時半まで開いていた。なので少しつっぱったような不良少年もよく訪れたがみんな店内では良い子にしてた。誰もが長谷川店長のことを大好きだった。長谷川浄史という男はどんな子供にも好かれたのだ。「店長ー! 勝負しよーぜー!」「しょうがねえなあ」「店長、ガムちょうだい」「はい、10円な」「店長、両替してー」「はいはい」 店長はひっきりなしに呼ばれる人気者だ。一緒になって遊んだりするし、どのゲームもちょうどいい程度に強かったから遊び相手としても人気があった。ロングの常連たちの認識では『店長に勝てる』くらいになるとゲームが上手い人認定される。そんな傾向にあった。 月日は流れ、息子の雅史が高校生になり店番を手伝うようになる。雅史は子供達からは『マサ兄』の愛称で親しまれた。 雅史は店側の立場で冷静に見ているうちにひとつ分かったことがあった。父はゲームする時に手を抜いて客の相手をしているということ。「本気出してなかったのかよ」「いや、本気だったさ。ただ『制約』を付けていただけだ」「制約?」 「ハメ手はしないとか、コンボは5までとか三連勝禁止とかだな。ゲームによって色々だが、自分だけの禁止行為を設けてる。これを制約と言う。その上で本気でやってたさ。自分のルールに従ってな」「だからそれは手を抜いてるのと同じじゃないか」「うーん、こればっかりは自分でやってみないと分からないかな。本人は制約の中で真剣なんだよ。うまく伝えられないが。麻雀屋さんの店員さんなんかはみんな店の制約の中で戦ってるんだぞ」「へぇ。あっ…… それで思い出した! そーだ麻雀。うちはゲーセンなのになん
last updateLast Updated : 2026-04-27
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第2部 三章【コバヤシ君の日報】その1 第九話 馴れ初めの何切る(後編)
9.第九話 馴れ初めの何切る(後編)「スゴーイ! さすがです小林先生。実はうちの旦那も7索を選んだの。それがきっかけで好きになっちゃったんですけど。ここから7索を選んだのはうちの旦那以外では先生が初めてですよ」「そしたらおれも長谷川さんと結婚した可能性ありましたね。もう少し早く生まれてたら良かったのになぁ。ハハハ!」「先生イケメンだし。私のタイプよ。残念だわ、時代がもう少しズレてれば!」「馴れ初めの何切る問題かあ。ところで、なんで7索なのぉ? 緑一色やるにしてもとりあえずテンパイの5索で良くなぁい?」と蘭が聞いてきた。「ん~。おれはとくに攻める麻雀だからね。守備に重きを置いてない以上12000点のリードなんかじゃ決定打にならないんだよ。しかもこれ東1局だしね。なら、そもそもテンパイにこだわらないで緑一色になりやすい手順を追求する方がいいかなと。そう考えたら4巡目に7索を捨てたら8索が死角になりやすいからそれが一番いいなって。巡目が早かったっていうのもポイントになってる」「なるほどぉ」「12000のテンパイより48000一撃決着のための迷彩作りの方がいい。おれの麻雀スタイルだとそれがいいって思ったってだけです。そして多分、長谷川さんの旦那さんも」「小林先生の言う通り。若い頃の私もそう思ってテンパイを壊す7索切りを良しとしました」「ドラが1枚あればまた違うんですけどねー」「ですね。6000オールは決定打になり得るので」 しかし、蘭はあることに気が付いていた。そう、これはゲーセンのコンピュータ麻雀での何切るだと言うこと。通信対戦でもないCPU戦だ、つまり――「でもこれぇ、迷彩とか意味ある?」「それ、私も同じこと旦那に言ったヮ」「あ、相手はCPUなんだっけ。でもCPU戦だからこっち切りみたいな器用なことはおれにはきっと出来ないです」「私も。先生と同じく相手がCPUだからという理由で選択を変えることはしないです。なので作るべき迷彩は作りますね。無意味でも」「2人とも頑固ねぇ」「でも、実際この時彼は『7索を切ろう』と私に指示して、結果私は48000をアガるの。私には思い付きもしない手順での親役満。あの興奮は忘れられないわ」222234566788発発打7「ポン」打522223488発発(666)「よく考えると5667の5索7索外
last updateLast Updated : 2026-04-28
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