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第2話
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禁断のダイエット 第13話
それが、佐藤瑠奈と会う最後になるとは思ってもみなかった。それ以来、佐藤瑠奈はまるで消えたように、ぱったりと音信不通になった。毎日十数件投稿していたインスタの更新も止まり、まるでこの世から消えたかのようだった。しかし、私は全く気にしていなかった。危険人物の佐藤瑠奈がいなくなり、足手まといもなくなったおかげで、日々は穏やかに過ぎていった。私はすぐに新しい仕事を見つけ、新しい生活を始めた。二年後のある日、私は街を歩いていた。ネオンの下で、大きなスクリーンに映し出された広告が輝いていた。順達グループが美容医療分野に進出し、最新の痩身技術を提供するというものだった。広告映像の中で、鷹司社長が自ら商品を紹介している。彼は孵化器から白い液体の入ったボトルを取り出し、穏やかに微笑んでいる。「これは順達グループが最新技術で開発した脂肪溶解美容液です。朝晩一本ずつ飲むだけで、簡単にスリムな体型を手に入れることができます」しかし、私の視線は彼の後ろにある孵化器に釘付けになっていた。映像が流れるにつれて、孵化器の中で何かが動いているのが見えた気がしたからだ。私は急いで眼鏡をかけ、注意深く見てみた。白くて太った虫が箱から頭を出し、触角でガラスを必死に引っ掻いて、外に出ようとしていた。さらに詳しく見ようとしたその時、広告が終わってしまった。そよ風が吹き、私は背中に冷たい汗を感じた。誰でも美しくなりたいと思うものだが、行き過ぎた追求は、身を滅ぼすことになる。道端で誰かが美容医療のチラシを差し出したが、私は微笑んで断り、足早に立ち去った。私は近道は信じないし、外見の美しさにもこだわらない。強い心を持っていれば、どこででも輝けることを、私は信じているからだ。
禁断のダイエット 第12話
通報者として、私は警察に事情を説明した。母は病院に搬送されたが、救命措置も虚しく、その場で死亡が確認された。佐藤瑠奈は隔離病棟に送られ、完全に隔離された。聞いた話によると、その日、救急で対応した医師は、佐藤瑠奈と母の姿を見て吐いてしまったそうだ。医師として長年働いているが、あんな症状は初めて見たと言っていた。義父は殺人の容疑で逮捕された。全ての処理を終えた私は、晴れやかな気持ちで帰りの航空券を購入した。空港に着くと、大勢の人だかりができていて、そこで初めて、順達の鷹司社長も同じ便に乗ると知った。以前の大勢の熱狂的なファンとは違い、今回はパパラッチやゴシップ記者が多く、隠し子の件について彼に詰め寄っていた。私はため息をついた。彼も被害者の一人だ。搭乗案内のアナウンスが流れ、私が立ち上がった時、VIPルームの方から騒ぎが聞こえてきた。そして、聞き覚えのある声が聞こえてきた。「鷹司浩孝、ひどいね。私と寝たのに責任を取らないなんて、子供もほったらかし。そんな駆け引きして楽しいの？」「今、私を冷たくあしらっても無駄よ。後でどんなに謝っても、絶対に許さないんだから！」人の隙間から、私は病院着を着た佐藤瑠奈の姿を見た。あまりに変わっていたので、一瞬誰だかわからなかった。以前は痩せ細っていたのに、今は樽のように膨れ上がっていて、遠くから見ると壁のようだった。彼女が自慢していた長い髪は、ほとんど抜け落ちて、数本が宙に舞っているだけだった。顔はシミだらけで、皮膚は凸凹していて、警備員の手を振りほどこうと腕を振り回していた。驚くことに、鷹司社長が口を開いた。彼は笑みを浮かべながら警備員に手を放すように指示し、秘書に佐藤瑠奈をVIPルームに案内するように言った。そして、佐藤瑠奈に片手を差し出した。「やっぱり、私のことが好きだったのね」「フン、今更謝っても遅い！お姫様抱っこで運んでくれないと、機嫌直らないから！」佐藤瑠奈は傲慢に足を踏み鳴らし、床の振動が伝わってくるようだった。鷹司社長は眉一つ動かさずに、本当に佐藤瑠奈をお姫様抱っこした。私の位置からは、二人の姿がVIPルームの重厚な扉の奥に消えていくのが見えた。なぜ鷹司社長は態度を変えたのだろう？それとも、子供は本当に彼の子なのだろうか？
禁断のダイエット 第11話
マンションの廊下に入った途端、母の叫び声が聞こえてきた。「やめて！お願い、やめて！わざとじゃないの！佐藤瑠奈があの子がそそのかしたのよ！」「全部あの子のせいよ！吸脂虫を注射したのはあの子だし、他の男を連れ込んできたのもあの子よ！あの子のせいなの！長貴、信じて！」母の悲鳴と棒で殴られる鈍い音が交互に響いてきた。私はニヤリと笑った。匿名で送ったメッセージは無駄ではなかったようだ。「この淫乱女！やっぱりお前は根っからの尻軽女だったんだな！俺を裏切って男と遊ぶなんて！」「今日はお前だけじゃなく、あの馬鹿娘もぶち殺してやる！」ドアを叩き壊す音がした後、母は髪の毛を掴まれて引きずり出された。元々生気がなかった彼女は、痩せ細った体に傷だらけで、今にも死にそうだった。私は歩みを緩めた。佐藤瑠奈はまだ未来に夢中で、危険が迫っていることに全く気づいていない。廊下で、彼らは鉢合わせた。獲物が自ら目の前に現れた。気性の荒い義父は、何も言わずに佐藤瑠奈に殴りかかった。佐藤瑠奈は抵抗することもできず、頭を覆って泣き叫び、母はそれを止めようとした。たちまち佐藤瑠奈の皮膚が破れたかと思われた。だが、不思議なことに、出血はなかった。その代わり、彼女の体からは 白濁した粘液が噴き出し、鼻を突くような腐乱臭が漂い始めた。どうやら、彼女の肉体はドロドロに溶け出し、吸脂虫たちの巣窟と化していたらしい。 幼虫が次々と孵化し、脂肪を吸い尽くすと、今度は彼女の肉、臓器、そして皮膚まで食い始めた。しかし、義父は怒りに我を忘れていて、この異変に全く気づいていなかった。三人がもみ合っている時、母は突然口を歪め、体のコントロールを失って階段の下へ転落した。「お母さん！」佐藤瑠奈の悲鳴がようやく義父の意識を呼び覚ましたが、もう遅かった。母の体は既に空洞化していて、まるで熟れすぎたスイカのように、地面に叩きつけられてぐちゃぐちゃになった。薄紙のように脆くなった彼女の皮膚は、地面に倒れ込むとまるで溶けるようだった。体液が流れ出し、ゆっくりと広がっていく。次から次へと吸脂虫が這い出し、気持ち悪い頭を揺らしながら、まるで新しい宿主を探しているかのようだ。佐藤瑠奈は狂ったように、手で虫を掴んで口に詰め込んだ。詰め込みながら、彼女は呟いた。
禁断のダイエット 第10話
佐藤瑠奈は無理やり彼の胸に身を寄せ、ふくよかな胸が顔に触れそうだった。メディアはゴシップの臭いを嗅ぎつけ、あらゆる角度からカメラを向けた。鷹司社長の笑顔にも、ひび割れが見え始めた。「お嬢さん、もう少し落ち着いてください......」彼の言葉を遮るように、佐藤瑠奈は突然激しく震えだし、白目をむいて意識を失った。そして、突然「オェッ」という音を立てて、鷹司社長の服にゲロを浴びせた。「つわりかな......」「もしかして本当に妊娠してるの？鷹司社長って、もしかしてブス専？」周囲は騒然となったが、大型スクリーンに二人の様子が映し出されると人々は悲鳴を上げた。佐藤瑠奈が吐き出したのは、白い虫の塊だった。虫たちはぬめぬめとした体で、細い触角を不気味に動かし、驚いてあちこちに這い回っていた。中には羽化しそうなものもいて、背中に黄色い羽根が生え、パタパタと人々の方へ飛んでいく。怖がって気を失う人もいれば、ほとんどの人は虫がつかないように必死に外へ逃げ出した。一瞬にして、発表会会場は大混乱となり、逃げる人、帰る人が続出し、中継もここで途絶えた。残された鷹司社長は服を脱ぎ捨て、大声で警備員を呼んでいた。本来賑やかであるはずの発表会は、恐ろしいほどの光景へと変わってしまった。人々が散り散りになり、佐藤瑠奈だけが地面でゆっくりと意識を取り戻した。「あなた、あなた、どこなの？」帰り道、佐藤瑠奈はスマホを取り出してトレンドをチェックし、勝ち誇ったような顔をしていた。「フン、小説ではいつもこうよ。彼が冷静になって考えれば、きっと私を探しに来るわ」私は尋ねた。「本当に妊娠してるの？鷹司社長の子供なの？」佐藤瑠奈は髪を振り乱し、得意げに笑った。「当たり前じゃない。バーで出会った時、彼は私に一目惚れしたのよ」「彼は私に目隠しをさせたのよ。顔を見られたら困るって。お金持ちにはいろいろなしきたりがあるんだから。小説をたくさん読んでるんだから、そんなことくらい知ってるわよ」「バーで媚薬を盛られて、か弱い奥様が妊娠して逃げるの。社長が追いかけてきて、最後は奥様を取り戻そうと必死になるのよ」私は上機嫌の佐藤瑠奈を見て、冷笑しながら首を振った。小説の読みすぎで頭がおかしくなる人っているんだな。でも、彼女の妄想に付き合ってる
禁断のダイエット 第9話
「痩せすぎて化け物みたい。何か病気じゃないの？精神病患者が外に出てきて人を怖がらせるなんて、本当に迷惑！」周りのざわめきが大きくなるが、佐藤瑠奈は気に留めていない。頭の中は鷹司社長のことでいっぱいになり、警備員ともみ合い、警戒線を突破して中に入ろうと必死だ。しかし、彼女は今や痩せ細って体力がなく、警備員の制止を振り切ることはできない。時間も迫ってきたので、佐藤瑠奈は地面に座り込み、狂ったように騒ぎ始めた。「見て見て！順達の人間が庶民をいじめてるわ！女に乱暴するなんて、男じゃない！」「私にちょっかい出すなんて、どういうつもり？美人を初めて見たの？私は鷹司社長の女よ。あなたたちみたいな月給じゃ養えない女なのよ。あっち行って！」警備員が近寄ると彼女はさらに騒ぎ立て、周りの人だかりも気にしない。両方がこう着状態になっていると、順達グループの正面玄関が開き、スーツを着た若い男が出てきた。全員の視線が彼に注がれる。佐藤瑠奈も駆け寄ろうとするが、素早い警備員に阻まれる。発表会はオンラインで生中継されているため、トラブルを起こせば彼は職を失う可能性がある。佐藤瑠奈は人々が鷹司社長に群がるのをただ見ていることしかできず、もともと体力がなかった彼女は、憧れの社長に会う機会を完全に失ってしまった。もうこれで終わりだろうと、帰ろうとしたその時、甲高い女の叫び声が会場全体に響き渡り、私は耳を塞いだ。それは佐藤瑠奈だった。彼女はどこからかマイクを手に入れ、スピーカーにつないでいた。全員の視線が彼女に集まり、鷹司社長も彼女を見た。佐藤瑠奈はすぐに弱く無垢な表情で地面に倒れこんだが、痩せ細りすぎてミイラのようだった。しかし、彼女の次の言葉に、その場にいた全員が驚愕した。「鷹司浩孝、私、妊娠したの。あなたの子よ！あなた、自分の子供を捨てるの！？」この衝撃的な告白に、記者たちは発表会の撮影をやめて、カメラを佐藤瑠奈に向けた。それを見た佐藤瑠奈は、さらに大げさに鷹司社長との一夜限りの関係や、子供を身ごもって逃げ出したこと、そして仕方なく子供を連れて父親を探しに来た経緯を語り始めた。まさに少女漫画のような展開に、周りの人々は眉をひそめ、彼女を狂人扱いした。鷹司社長は戸惑いながら髪をかきあげ、顔には穏やかな笑みを浮かべている
禁断のダイエット 第8話
佐藤瑠奈は私を睨みつけて言った。「あんた、私がこんなところに住みたいと思ってるの？狭くてボロボロの古い団地、エレベーターさえないし、階段を上るのも大変なのよ。今の私にはお金が有り余ってる。この家はタダでもいらないわ」「だけど、絶対引っ越さないわ。小説のヒロインはみんなアパートに住んでて、それで社長に拾われるんだから。この家はボロいけど、今の私に合ってるのよ」「もういいわ、ケチね。鷹司社長と結婚したら、あなたに大きな別荘をプレゼントしてあげるわ」「ほら、ぼーっと突っ立ってないで、発表会が始まるわよ。ちょうどいいから、運転手して送って行って」そう言って、佐藤瑠奈は痩せこけて突き出た頬骨にチークを塗り始めた。反論しようかと思ったが、やめておいた。携帯でメッセージを送ると、佐藤瑠奈は白いワンピースに着替えて出てきた。はち切れんばかりの胸と箸のような足は、滑稽に見えた。笑いをこらえながら、好奇心に負けて、発表会に送っていくことにした。佐藤瑠奈は小さなバッグを肩にかけて、二歩歩くごとに息を切らしていた。彼女の体は既に内側から蝕まれていた。ただ、まだ若いので、母よりは長く持ちこたえているだけだ。佐藤瑠奈は手を伸ばし、苛立った様子で私に指示した。「目が見えないの？早く手を貸してよ！」私は無視して、先に下に降りて車の中で待った。たった五階なのに、彼女が降りてくるまで一時間以上もかかったとは思わなかった。しかも、車に辿り着いた時には汗だくで、息を切らしすぎて私を罵る余裕もなかった。私は彼女の愚痴を聞かずに、直接に車を進めて、順達エネルギー会社の発表会会場へ向かった。会場に着く前に渋滞に巻き込まれた。順達会社の入り口には記者たちが詰めかけ、カメラを構えていた。鷹司社長の熱狂的なファンたちは、自主的に後援会を結成し、入り口で横断幕を掲げてスローガンを叫んでいた。車がまだ入れないうちに、ファンの叫び声が聞こえてきた。「鷹司社長、頑張って！私たちは永遠に応援します！」それを見た佐藤瑠奈は、まるで尻に火がついたように、車の窓を開けて叫び始めた。「恥知らずの売女ども！みんな下がれ！鷹司社長は私のものよ！」佐藤瑠奈は車が走っているのも構わず、ドアを開けて飛び降りたので、私は急ブレーキをかけて車を路肩に停めた。彼女
禁断のダイエット 第7話
新しい街で生活が落ち着いてきた頃、以前売りに出していた家の買い手が見つかった。不動産屋から連絡があり、買主が来ているので、早く家の引き渡しをするように言われた。佐藤瑠奈に電話をしても繋がらないので、仕方なく実家に戻ることになった。マンションの入り口に着くと、酸っぱい臭いが漂ってきた。鼻をつまみながら中に入ると、家に向かうにつれて、その臭いはますます強くなった。家に着く前に、突然ドアを開けた隣人に呼び止められた。「お嬢さん、502号室の持ち主の方ですか？」私は状況を理解できず、ぼんやりと頷いた。「一体どんな人に部屋を貸してるんですか？前は毎日のように違う男を連れ込んで、すごい騒音だったんですよ。マンション中に響き渡って、本当にみっともない！」「最近は少し静かだったのに、また何かやらかしたのか、とんでもないものでも拾ってきたのか、漂ってくる匂いが、本当にひどいですよ。いくらドアを叩いても誰も返事しないし、もうあの二人には貸しちゃダメよ、まったく手がつけられませんよ！」私は慌てて謝り、胸騒ぎを覚えながら、急いで家に向かった。ドアを開けた瞬間、生臭い悪臭が鼻をつき、涙が溢れて視界がぼやけた。鼻を押さえながらどうにか目を開けると、持っていた鍵を驚きのあまり落としてしまった。そこには、母が四つん這いになって、体を歪ませながら床を這いずり回り、時折首をひねって、キーキーという音を立てている姿があった。母が顔をこちらに向けた時、私はようやくはっきりと見ることができた。母の顔は痩せこけて変形し、表情は歪み、目は生気のない黒い穴のようで、私を見ても何の反応も示さない。母は焦点の定まらない目で、そのまま前へ進んだ。母が進んでいく方向を見ると、私は再び息を呑んだ。リビングの床には、皮を剥がれた豚の死骸が丸ごと一頭置かれていて、周りには鶏や鴨の死骸が散乱し、黒ずんだ血が流れ、ハエが腐肉にたかって飛び交っていた。まるでバイオハザードの現場のようで、吐き気を催す。私は耐えきれず、何度もえずいた。母は魂が抜けたように、肉の塊のそばまで這っていき、手で腐肉を引き裂いて口に詰め込んだ。肉には白いウジ虫が蠢いていて、私は数歩後ずさりした。母は、まだ人間なのだろうか......私が我に返る前に、佐藤瑠奈が部屋から出てきた。
禁断のダイエット 第6話
あの恐ろしい光景を思い出すと、吐き気がして夕食が喉を通らなかった。しかし、佐藤瑠奈はとても堂々としており、次第に良いスタイルがもたらす優遇を受け入れ、美女のオーラをまとうようになった。彼女が街を歩けば、振り返る人の数は200%にも達する。レストランに入れば、人気のインフルエンサーと間違われて、代金を免除されることもあった。道で声をかけられる男性の数は数え切れないほどだ。これらの出来事が佐藤瑠奈を有頂天にさせ、彼女はほとんど一日中外出して、周りの視線を楽しんでいた。ついに母まで、佐藤瑠奈の豊満な胸を見て、こっそり注射を受けに行った。ほどなくして、彼女たちは街の話題となり、毎日連れ立って出かけ、自慢のスタイルを見せびらかすようになった。彼女たちの周りにも、高級車を乗り回す男や、ブランド物のバッグをプレゼントする男が現れ始め、果ては直接プロポーズする男まで現れた。母は既婚者であるため、羨ましい気持ちを押さえ込むしかなかった。母は佐藤瑠奈に良い男を見つけるため、目を光らせるようになった。帰国子女のエリート、不動産オーナー、金融マンなど、母は目が回るほど多くの男を品定めした。しかし、佐藤瑠奈は社長夫人になることを夢見ており、普通の男には全く興味を示さなかった。母は説得できないと分かると、また小言を言い始め、佐藤瑠奈はうんざりして、また大喧嘩になった。ある深夜、彼女はこっそり母の部屋のドアを開けて、何人かの男を連れ込んだ......監視カメラに映る刺激的な映像を見ながら、私は静かに録画ボタンを押し、保存した。しかし、翌朝、母は佐藤瑠奈を責めなかった。彼女は赤ら顔で、恥ずかしそうに男たちを見送った。「瑠奈、この一歩を踏み出させてくれてありがとう。若い頃を思い出したわ」それ以来、母は佐藤瑠奈を放任し、毎日違う男を連れてきては遊びほうけていた。母娘は男たちに囲まれた生活に浸り、男の金で贅沢三昧をし、同時に注射も欠かさなかった。ついに二人は水槽いっぱいの吸脂虫を買い込み、自宅で毎日何度も注射するようになった。最初は医師の指示通り、吸脂虫を砕いて注射していたが。後には面倒になり、なんと生きたままの虫を注射器に入れ、太い針で体内に注入するようになった。皮膚越しに、彼女の脇の下から無数の虫の頭が出てき
禁断のダイエット 第5話
彼女は空気が抜けた風船のように、みるみるうちに萎んでいった。元々太っているとは言えない体型だったのに、今や40キロに迫り、骨と皮ばかりになって、頬はこけてしまっている。しかし、佐藤瑠奈は大喜びだ。毎日暴飲暴食を続けても体重が減るなんて、まるで魔法のようだ。このお金を使った甲斐があったと思っている。そこで彼女はインスタでキャラ作りを始め、自らを生まれつき美しく痩せやすい体質だと吹聴し始めた。「今日、ファミリーパック2つ食べたのに、体重が2キロも減っちゃった。お肉毎日食べても太らないなんて、どうしたらいいの、困っちゃう」「みんな、SSSサイズの服はどこで買えるの？SSサイズでもブカブカすぎて、誰が着るかしら」彼女は皆に自慢したくてたまらず、私にさえもビデオ通話をかけてきた。「お姉ちゃん、この吸脂虫、すごすぎる！全然痛くないのに痩せるだけじゃなくて、肌も前より白くなったし、胸も大きくなったの！まるで魔法みたい！」「今の私はよく色白で、スタイルも良く、可愛らしいって言われる。どんな男だって私を見たらドキドキするはず。見てなさい、もうすぐ玉の輿に乗るのよ」私はハートの絵文字を送り返したが、顔は嘲笑に満ちていた。棚から牡丹餅は落ちてこない。そんな簡単な道理も、佐藤瑠奈は理解していない。彼女が痩せたのは、吸脂虫が体内で順調に繁殖している証拠だ。顔色が悪いのは、体内の栄養が吸い取られて、体が危険信号を発しているせいだ。佐藤瑠奈は髪をいじりながら、相変わらず興奮した様子で自分のスタイルを自慢している。私はビデオ通話をしながら、彼女の様子がどこかおかしいことに気づいた。佐藤瑠奈の細い腰は、片手で掴めそうなくらい細く、皮膚の下は薄っぺらくて、まるで肉がないようだ。しかし、彼女の胸は丸々と大きく、興奮した仕草に合わせて揺れている。こうして見ると、まるでトマトの蔓にスイカが２つ生えているようで、とても不釣り合いだ。このプロポーションはあまりにも現実離れしていて、人間というより、ゲームのキャラクターのようだ。しかし、現実の人間には骨があり、皮膚で覆われている。このような異常な軟組織は、長期的には支えきれず、変形してしまうはずだ。私がそう考えていると、佐藤瑠奈は突然かがんで床に落ちたものを拾おうとした。すると、２つの大き
