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第5話

Autor: ウィンター
母は私をそのまま空港へ連れていった。私がマンションに戻っていないと圭吾が気づいたころには、実家へ向かう私の飛行機はとうに飛び立っていた。

それでも圭吾は空港へやってきた。夜が明けるまでそこで待ち続け、私に何十回も電話をかけた。秘書にチャーター機の運航会社へ片っ端から連絡を取らせ、私の行き先を突き止めようとした。

彼がようやく手を引いたのは、涼子から「これ以上の追跡は、つきまといとみなされる可能性があります」と警告を受けてからだった。

圭吾がマンションに戻ると、玄関の電子錠は変更されていた。管理人が段ボール箱をひとつ差し出す。

「相原様が、瀬戸様の入館登録を取り消されました。こちらは、相原様からお預かりした瀬戸様のお荷物です」

箱の中には、彼の髭剃りセットと数枚のシャツ、車のスペアキー、それに書きかけの誓いの言葉を綴った冊子が入っていた。

彼は廊下に立ち尽くしたまま、動けなかった。

3年前、彼が初めて泊まっていった日、私はクローゼットの半分を彼のために空けた。

「半分も空けてくれたって、入れる服なんか持ってないよ」と、彼はそう冗談を言っていた。

けれど翌日には、そこに
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    拓海が私を見下ろした。「2時間も閉じ込められれば、少しは頭も冷えただろ。綾乃に謝れ。それで帳消しにしてやる」唇はまだ寒さで感覚がなく、答えようとしても、歯がカチカチと鳴るだけだった。綾乃が一歩進み出て、私の腕に腕を絡めてきた。「拓海、圭吾、もうやめて。結衣だって、本気でこんなことしたかったわけじゃないんだから」それから彼女は、私に優しく微笑みかけた。「私たち、まだ親友だよね?」私が身を引くより先に、綾乃は片腕を私の腰に回した。そしてブラウスの下の、火傷を負ったばかりの肌を、わざと指で強く押した。私は悲鳴を上げ、反射的に彼女を突き飛ばした。綾乃は小さく悲鳴を上げてよろめいた。その目に、たちまち涙があふれる。「結衣、まだ私のこと、許してくれないの?」拓海の顔が険しくなった。「お前、いったい何考えてるんだよ!」「綾乃が、私の火傷を押したのよ」「そんなことしてない」綾乃がすかさず言う。「支えてあげようとしただけなのに」拓海が私を突き飛ばした。「結衣、いつまでこんなことを続ける気だ!」腰のあたりが壁に打ちつけられる。ちょうど火傷が水ぶくれになっている場所だった。息が詰まり、膝から力が抜けそうになる。圭吾がこちらへ歩いてきた。一瞬、支えてくれるのだと思った。けれど彼は、両手を私の肩に置いた。「もういい。綾乃に謝れ」「嫌よ」その手を振りほどこうとしたけれど、極寒のエレベーターに2時間も閉じ込められていたせいで、脚にはまだ力が戻っていなかった。圭吾が肩を押し下げ、私は綾乃の目の前で膝をついた。ロビーがしんと静まり返った。私の膝が鈍い音を立てて床にぶつかったのを見て、圭吾は一瞬固まった。それでも、手を差し伸べようとはしなかった。拓海はただ、こう言っただけだった。「いいから謝れよ」私は3人を見上げた。綾乃は拓海の背後に隠れるように立ち、潤んだ目でこちらを見ている。圭吾は私の傍らに立ったままだ。3人とも、同じものを待っていた。私が屈服する瞬間を。私が口を閉ざしたままでいると、拓海はスマホを取り出した。「結衣、ここまでさせたのは、お前だからな」彼が画面をタップする。次の瞬間、受付の上にある巨大なモニターが明るくなった。映し出されたのは、私の顔だ

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