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第256話

Penulis: 藤原 白乃介
「うん、いるよ」

「じゃあ、いつ会えるの?」

佳奈の声には少し鼻にかかった甘さが混じっていて、その響きに智哉の胸が軽く震えた。

「ベランダに出てみて。雪がどれくらい降ってるか、写真を撮って送ってくれない?」

佳奈はゆっくりとソファから起き上がり、窓際へと歩いていった。

まだ眠気の残る目をこすりながら外を見ると、そこには一面の銀世界が広がっていた。

窓辺に頬を寄せ、舞い落ちる雪を見上げながら、かすかにため息をつく。

「まだ降ってるよ。智哉、たぶんクリスマスまでには会えないね」

智哉は低く笑った。「そんなに会いたい?」

「うん、すごく会いたい」

「じゃあ、よく目を開けて、外を見てみて」

佳奈は不思議に思いながらも、言われた通りに窓の外をじっと見た。

すると、雪の中に小さな光が揺らめき始めた。

その光が少しずつ集まり、大きなハートの形を描いていく。

佳奈は驚いて目を大きく見開いた。

その瞬間、色とりどりの花火が雪の中から打ち上げられた。

夜空に大輪の花が咲き、花びらのような光が雪とともに舞い落ちる。

佳奈はその美しさに息をのんだ。

喉が詰まったようになり、言葉が出てこない。

ベランダから見下ろすと、智哉がこちらを見上げて微笑んでいた。

「佳奈!俺、すごく会いたかった。すごく、すごく」

佳奈の喉が詰まり、涙が滲む。

「智哉、私も……」

そう言いかけたその時、ハート型の光の中に、黒いロングコートを着た長身の男の姿が浮かび上がった。

彼は静かに顔を上げ、佳奈と視線を交わした。

その瞬間、佳奈の心臓が止まりそうになった。

まるで、三年前に智哉と再会した時と同じ感覚だった。

彼女は呆然と雪の中の彼を見つめ、ようやく震える声を絞り出した。

「嘘つき」

智哉は唇の端を上げ、優しく微笑んだ。

「佳奈、暖かい格好して、降りておいで」

「うん、待ってて」

佳奈は慌てて部屋を飛び出し、パジャマの上からロングのダウンコートを羽織っただけで駆け出した。

「ハク! パパが帰ってきたよ! 一緒に行こう!」

佳奈の声を聞いたハクは、興奮して尻尾を振りながら彼女の後を追いかけた。

庭の雪は深く、足首
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