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第631話

Author: 小春日和
真奈はうつらうつらとした状態で、どれほど眠っていたのかもわからなかった。目を覚ましたとき、部屋の中は薄暗く沈んでいた。

そうだ。思い出した。自分は立花の部下に、この監房に放り込まれたのだった。

ちょうどそのとき、腕に鋭い痛みが走り、真奈は思わず息を呑んだ。反射的に手を引こうとした瞬間、男の声が低く響いた。「動くな!」

「……誰?」

次の瞬間、看護師が懐中電灯をつけ、真奈はそのまぶしさに思わず手で目を覆った。この部屋には窓も照明もなく、異様なまでに暗かった。

看護師は落ち着いた声で言った。「高熱が出ています。総裁の命令で、治療に来ました」

真奈は灯りの下で、医師が捨てたプラスチックの包装を見つけた。そこには確かに、解熱剤のラベルが印字されていた。

少しだけ力を抜いた真奈は、淡々と問いかけた。「立花は、いつまで私をここに閉じ込めておくつもりなの?」

「それは総裁のご判断です。我々が推し量ることではありません」

医者も看護師も何も知らないことがわかり、真奈はさらに問うた。「じゃあ――彼は私を殺すつもり?」

「総裁があなたの命を留めているのは、殺すつもりがないからです」

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