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第 428 話

Author: スイカのキノコ
真依は紗月に電話をかけた。

電話が繋がると、真依は尋ねた。「寝てた?」

「私の生活リズム、まだ知らないの?」紗月は笑いながら言った。彼女の電話口からはテレビの音が聞こえた。

「資金調達をして、新しい会社を設立し、株主を募ることを考えたことはある?」真依は紗月に尋ねた。

彼女たちは今、経営権しか持っておらず、会社ではない。株主もいない。店長は彼女と紗月だけだ。

首都の闇に潜む人々と対抗するには、氷月の行き道は投資を募り、会社を設立し、そして上場するしかない。

紗月の声が真剣になった。「つまり、氷月を正式な会社にして、上場させるということ?」

「そういう考えもあるけど、それ以上に、おそらく私たちは
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