로그인※毎朝7時更新※ 離婚直後、心も財布もボロボロのOL・中原ひかりは、冷徹で完璧主義な上司・御門蓮司から「形式だけの契約結婚」を持ちかけられる。 「俺と結婚してほしい。契約期間は1年、報酬は1,000万円」 蓮司の目的は会長命令で無理やり進められた政略結婚を回避するための“偽装婚”だった。 夫の借金を返すため、貯金を使い果たしたひかりは現在、無一文。 背に腹は代えられず、契約の条件に「恋愛関係は禁止」「プライベート干渉ナシ」と付け加え、冷静に“契約結婚”を受け入れる。 いざ新婚生活が始まると冷徹無表情だった彼が少しずつ“夫の顔”を見せ始める。そこに蓮司の婚約者を名乗る女や、ひかりの元夫までもが登場し、波乱が訪れて――?
더 보기白のタキシードが驚くほど似合っていた。 背筋を伸ばし、凛とした男らしさを纏いながらも、その瞳だけは私へ向けるときだけ見せる甘さを帯びている。 歩み寄るほど、蓮司の視線が私をすべて受け止めるように優しく細まり—— ついには、息を呑むような小さな声音で囁いた。「……ひかり。綺麗すぎる」「蓮司こそ……格好良すぎ」 伸ばされた手に、自分の手をそっと重ねる。 触れた瞬間、ひんやりとした指輪が指先を撫で、半年間の出来事が胸の奥で光に変わった。「式を始めます」 司祭の声がしんと響く。 参列席には、私たちの人生で出会ったすべての人の笑顔。 だけど不思議と、視界の中心にあるのは蓮司ただ一人。 誓いの言葉。 交換する指輪。 重なった瞳。 その瞬間——今までのことが脳内を駆け巡る。 球児に捨てられ、辛いと思っていた当日、蓮司が偽装結婚話を持ち掛けてくれた。 最初はわけがわからない提案で、断れなくて、後に引けなくて。 それなのに一緒に暮らすと快適で。 偽装という言葉で誤魔化していた想い。 気づかれないように隠した不安。 好きだと気が付いたのに別れを示唆され、明け暮れた特訓の日々。 でも、それはすべて、今日、この日のために経験しなきゃいけなかったことなんだ。「あなたは病める時も健やかな時も 中原ひかりを愛することを誓いますか?」「誓います」 蓮司が堂々と答える。「あなたは病める時も健やかな時も 御門蓮司を愛することを誓いますか?」「誓います」 しっかりを前を向いて伝えた。「それでは……新郎新婦、誓いのキスを」 蓮司が一歩近づいて、私の頬にそっと手を添える。 朝食のキスではない。 寝起きのからかい半分のキスでもない。 これは、夫婦としての誓いのキス。 唇が触れた瞬間、涙が溢れそうになる。 会場いっぱいに拍手が広がり、花びらがふわりと舞った。 離れようとしたら、蓮司が引き寄せて小さく囁く。「ひかり。俺の妻になってくれてありがとう」「こちらこそ。あなたに出会えてよかった」 胸の奥があたたかく満ちていく。 指輪もぬくもりも、すべてが“本物”になった証。「俺はこれから、何度でも言うよ。愛してるって」「じゃあ私も、何度でも返す」 ふたりだけに聞こえるくらいの声で、そっと。
半年後。 柔らかな日差しが降り注ぐチャペルのステンドグラスが、虹色の光を床に散らしていた。 季節が変わる間に、私と蓮司の関係も、ぐっと深く濃く変わった。 新居での生活にもすっかり慣れ、毎日の朝食や夕食を一緒に食べるのはもう当たり前になった。 そして今日—— 偽装婚として始まった関係は、本物として永遠の形になる。 「準備はよろしいですか?」 ドレススタッフの声に振り向く。 鏡の中には、少し照れたように微笑む花嫁が映っていた。純白のドレスは身体にぴたりと馴染み、胸元のレースが静かに揺れている。 その姿を見たお母さまが、目元を指先でそっと押さえた。私のお母さんとも打ち明け、2人は仲良くなってしまった。そして師匠も駆けつけてくれた。私には3人もお母さんがいる。最高に幸せだ。「……ひかりさん。とても綺麗よ」 「ほんと……」 「素敵な人と再婚できてよかったわねぇ……」 母は口々に歓びの言葉を口にする。ありがたい。心配してくれていたもんね。「ひかりさん。あなたのおかげで蓮司は変わったわ。それに御門家も。古風で凝り固ま
「おろすぞ。ゆっくりな」 蓮司がキッチンの椅子に私をそっと降ろす。 まるで壊れ物でも扱うみたいに優しい動作で、胸がじんと温かくなる。「蓮司……そんなに気を遣わなくていいのに」「無理だ。今のお前をひとりで歩かせる方が不安だ」「……昨夜の原因の半分は蓮司だからね?」「半分じゃない。九割九分九厘俺だよ」「自覚あるんだ……!」「あるとも。だから今日は俺が全部やる」 そう宣言すると、蓮司はトースターの前に立った。 寝癖が少し残っている後ろ姿なのに、妙に格好良くてずるい。「はい、本日の朝食は——俺特製の押すだけトーストです」「名前ひどすぎない? せめて『御門家のモーニング』とか言ってよ」
感情溢れた蓮司に抱きしめられ、ぐっと奥まで入ってこられた。 肉を打つ音が寝室に卑猥に響き、甘い声が抑えられない。 互いの名を呼び合い、愛を交わし、蕩けていく。「蓮司」 「ひかり」 大好きな旦那様の剛直に貫かれる。 肌を重ねることが、こんなに愛しくて切なくて幸せだと感じたことがなった。 夫の名を呼び、ぎゅっと手を握りしめてふたりで果てる。 なんども絡み合い、ふたりで乱れ、蕩ける夜を過ごした。 翌朝。朝の光がやわらかく差し込み、枕元の空気を金色に照らしていた。 昨夜の余韻がまだ身体の奥に静かに残っていて、動くたびにじんわりと温かさが広がる。 隣を見ると蓮司が薄く笑っていた。 寝起きの癖に、妙に余裕のある顔をしている。「おはよう、ひかり」「ん……おはよう。なんでそんな見てるの?」「いや。可愛いなと思って」「朝からハードル高い言葉やめてよ」 冷徹男だとばかり思っていたのに、激甘男の間違いだった。「事実だから仕方ない」 さらっと言って、私の頬に指を沿わせる。 その優しい触れ方だけで、胸がぎ
総務の防犯担当に「緊急で静止画だけでいいから証拠映像が欲しい」と頼み、来客ブースと廊下の様子をそれぞれ書き出してもらった。来客ブースでの時刻、フレーム番号、私の左手首を球児がぐいと引っぱった瞬間——輪がきしむあのコマまで、全部映っている。それをデータでもらった。 よし。これで球児に触れられるまでは私の手にブレスレットが映っていたという証拠ゲット。 その旨亜由美に伝えると、電話が届く。「殴り込
わざとらしいとは思う、でも——お腹を押さえている以上、無視はできない。おなかの子供に罪は無いし、私にはできなかったことを、彼女は実現したのだ。球児と私の間には、体の関係はあったけれども子供はできなかったから――「救護室、お願いします」私は受付へ手を上げ、すぐ後ろの警備にも合図する。「車椅子も——」「いらないって。俺が支える
いち、じゅう、ひゃく――桁が進むたびに指先が冷たくなって、喉がカラカラになった。「……100、まんえん……」「そう。“BSD”の新作はカスタム1点物で、シリアルナンバーが付いている1000本限定って書いてあるよ。チェーン長とチャームを選んで世界で一本にするの。いま、都内セレブ界隈でバズり中。転売
ぱしん、と卓に投げた扇子が跳ねて止まる。真白さんの声がその場を裂いた。「こんなことをして、ただで済むと思わないでちょうだい! 九条家の名誉にかけて、あなたたちを訴えます」 訴える――。その一語で、背中に冷たい汗が走った。足の裏の畳の感触だけが現実で、他はふわふわ浮いていく。
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