悟は薬を処方し、点滴を整え、内服薬も分けて渡した。「これは飲み薬だ。一日三回、食後に飲ませてくれ」ふと気づくと、尚年の視線が悟に向けられていた。その表情には、焦りがはっきりと浮かんでいる。惚れた相手となれば、些細な不調でさえ、大事に見えてしまうものだ。「ただの風邪による発熱だ。これで退熱注射は済んだし、点滴もセットした。薬は出しておく。あとは飲む時間を守ること。これは留置針だ、処置の仕方を教えるから、終わったら俺は行……」最後の一言を言い終える前に、尚年が一瞥を送った。悟はたちまち黙り込んだ。仕方なく彼は点滴が終わるまで残ることにした。そうしなければ、尚年の電話攻勢を受ける羽目にな
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