All Chapters of 監視カメラさんはまた来た: Chapter 1 - Chapter 10

翌朝8時、私は久しぶりにぐっすり眠れたおかげで、すっきりと目を覚ました。静かに洗面を済ませ、荷物をまとめて図書館に行こうとすると。向かいのベッドのカーテンが「シャッ」と勢いよく開かれた。鈴木は大きなクマを抱えた目でぼんやりと私を見ていた。「美也子、どこに行くの？」私は皮肉な笑みを浮かべながら答えた。「世界を救いに行く」こいつの質問なら、答える気がないんだ。そう言い残し、私はバッグを持って部屋を出て、鈴木伽耶の言葉をドアで遮った。外を歩きながら、私が最初にしたのは、LINE WALKをオフにすることだった。またショッピングアプリを開き、プライバシーテントとベッドの下の間仕切りカーテンを注文した。寮では誰も間仕切りカーテンを使っていなかった。新入生が入学したばかりの頃、私たちの寮ではこの問題について話し合ったことがある。その時、鈴木は嫌そうな顔をしてこう言った。「私はあのカーテン嫌い。中が蒸し暑くなるし、動けるスペースも狭くなるじゃない」私はそれでも取り付けたかったが、彼女はさらにこう説得してきた。「ほら、私たちまだ知り合ったばかりで、これから仲良くなる時期でしょ？カーテンなんか付けたら、もし誰かが見た時に『この寮、仲悪いのかな』って思われちゃうよ。それに、この廊下自体そんなに広くないし、カーテン付けたらもっと狭く見えるし、歩きにくくなるよ！」結局、他の二人のルームメイトも彼女の意見に同意し、私も流されるままに従った。でも今となっては、もうどうでもいい！図書館で集中して勉強を始めて1時間ほど経った頃。背筋が冷たくなるような感覚がした。やはり、二つの本棚の間で何かを探している鈴木を見つけた。私はすぐに本を隣の席に移して、誰かが座っているふりをしようとしたが、間に合わなかった。鈴木が勢いよく私の隣に座り込み、息を切らしながら話し始めた。「美也子、あんたほんとに努力すぎ！探すの大変だったんだから！昨夜、一晩中本読んでたでしょ？音も聞こえたし、ライトもつけてたじゃん！同じ寮なんだから別に何も言わないのに、なんでそんなに隠れて頑張るの......」私は無表情で彼女を見つめ、机の上の貼り紙をペンで指した。彼女は意味を理解せず、「勉強したいってことね」と勝手に理解した。「もう、分かってるよ

ただの布一枚では、彼女の行動を阻むことはできなかった。二日後、私がちょうど出かけようとした時、ルームメイトの佐久間早美が外から帰ってきた。私が出かけるのを見て、何気なく聞いてきた。「出かけるの？」私が答える前に、鈴木伽耶が我慢できずに口を挟んだ。「きっと学部のボランティアに行くんでしょ！学生会からの知らせも出してたよね。単位がもらえるし、奨学金も取れる。美也子みたいな努力家が行かないわけないじゃん！」私は笑いながら返した。「その言い方だと、奨学金を自分の力で取るのが『努力しすぎ』ってことになるね。じゃあ、鈴木さんはどうして頑張らないの？頑張っても勝てないから？」佐久間の顔色もあまり良くなかった。前世のこの時期、彼女も同じボランティアに参加していたことを思い出した。みんな学生だし、奨学金の数千も数万もお金だ。取れるなら取りたいと思うのは当然だ。佐久間は「パシッ」と音を立ててバッグを机に置き、率直に言った。「将来の夢は監視カメラになりたいの？人のことを見張っては『努力しすぎ』って言ってさ、まるで人間監視装置みたいだよ」鈴木は図星を指されたようで、顔色がさらに悪くなり、小声でつぶやいた。「ただ、たまたま見かけただけだってば」私は彼女とこれ以上言い合うことなく、出かけた。学生会の人たちと仕事を分担している時、鈴木も来ていることに気づいた。彼女は私をちらっと見て言った。「美也子、さっきは別に悪気があったわけじゃないよ。だって、美也子が勤勉なのは事実だし。それに、実は私もボランティアに申し込んでたんだ。一緒にやろうよ！」私は無表情のまま、彼女の顔に浮かぶ偽善的な笑みを見つめた。前世、私もこのボランティアに申し込んだ。活動内容は子どもたちに映画を紹介することだった。しかし、薄暗い教室に座りながら映画の内容に集中できず、頭の中には暗闇に浮かぶ一対の目ばかりがよぎった。振り返ると、鈴木が静かに私を見つめていた。その視線に耐えられず、私はボランティアから途中で抜け出してしまった。結果、単位を失い、奨学金のリストが発表された日、私は奨学金を逃した。鈴木は残念そうな顔をして言った。「もし美也子がボランティアを最後までやり遂げていたら、奨学金が取れたのにね！」私は彼女に聞いた。「どうしてそれがわかるの？」彼女は私

この一件で、鈴木伽耶は明らかにさらに不安と焦りを感じるようになった。学級委員から連絡があり、実践活動の展示課題は自分たちでチームを組んで完成させることになった。鈴木はまず、成績がクラスの2位の宮森碧生に声をかけ、チームを組みたがった。宮森は丁寧に断った。「実践活動の課題は成績に関わるから、少しでも確実にやりたかったんです」宮森が私のところに来たとき、私は徹夜で準備したいくつかのテーマを出した。人は常に準備しておかないといけない。私たちはすぐにテーマを決め、それぞれ部屋に戻って準備を始めた。戻ると、鈴木が我慢できずに遠回しに聞いてきた。「美也子、もうテーマ決めた？」私は皮肉を言った。「どうした、うちらと同じテーマにしようっていうの？」鈴木は目をそらしながら言った。「そんなことないよ、テーマなんてたくさんあるし、同じになるわけないでしょ！」私は冷笑して、こいつを無視して荷物をまとめてお風呂に行った。翌日、クラス全体で先生にテーマを報告した。鈴木のチームはやはり私たちのチームと同じ方向性のテーマを選んでいた。先生は場を取り繕って言った。「テーマは似てるけど、分析の方向性が違えば、出る結論も違ってくるかもしれません」報告が終わった後、私たちのチームは残って研究の方向性や視点について話し合いを続けた。宮森が口を開いた。「対照群があるから、私たちが高得点を取るためには、何か革新的なことをしなきゃダメ」そのために、私たちは1時間以上話し合った。帰る時、チームのメンバーが大声で聞いた。「え、誰の携帯？ここに忘れてるよ！」

私は隣に立っていたルームメイトの佐久間早美を見て言った。「昨日、帰った後、バルコニーで手振りダンスを撮ったんだよね？」佐久間は目をパチパチと瞬き、頷いた。私はお願いした。「その動画、見せてくれない？」その時、私はお風呂から出た後、しばらくしてから佐久間がすでに帰っているのに気づいた。その時、窓のカーテンを完全に引いていなかったので、部屋の中が映るかどうか確信できなかった。でも結局、私は賭けに勝った。みんながはっきりと見たことだろう。鈴木伽耶は外から戻って私がいないことを確認した後、自分のクローゼットから私と同じ外套を取り出して着て、私の席からUSBを取って、戻した後、また素早く部屋を出て行った。鈴木は急に動揺し始め、きっと自分が絶対にばれないと思っていたんだろう、言い訳さえ用意できていなかった。「違う、ただ冗談でやっただけで、そんな大事にするつもりはなかったんだ......」担任の先生は顔をしかめて、鈴木に「事務室に来なさい」と言った。しかし、ルームメイトやチームメンバーが全員その場にいたので、もはや隠すことはできなかった。「聞いた話だけど、あの日、彼女は弁公室で担任の先生の前で膝をついて謝ってたらしいよ。処分を受けて、優秀学生や奨学金の評価対象から外され、評判も最悪になったって」「あいつ、計算高いよね、クラス1位を狙って、服まで準備して。美也子さん、本当に運がよかったよ！」クラスメートたちはまだ話していたが、鈴木が入ってくると、みんな急に黙り込んだ。先生が来ると、鈴木の今回の課題の成績が取り消されたことを発表した。そして私たちのチームにはこう言った。「あなたたちのテーマやレポートはとても良かった。整理して論文に挑戦してみて。何か問題があれば、私に相談して」私は目を輝かせた。もし論文がうまく出せれば、推薦入試のチャンスがもっと高くなるのだ。そして鈴木の目がますます陰険に感じられた......

鈴木伽耶が場を収拾できなくなったとき、助けを求める目で周囲の先輩たちを見た。すると、一人の男の先輩がすぐに彼女に助け舟を出した。「具体的な計画は急がなくていいよ。重要なのは、アイデアがたくさんあって新しいってことだろう？」私は微笑みながら、その場に乗じてさらに攻撃を仕掛けた。「先輩、何か新しいアイデアはありますか？経験豊富な先輩の提案なら、きっと斬新でユニークですよね」この一言で、先輩も鈴木も黙り込んだ。最後に、会長が場を場を取り繕って提案した。「みんな、各自で具体的な計画を考えてきてね。次回の会議でまた話し合おう」次の会議では、鈴木が立て続けにいくつもの計画を提出した。会長は驚きながら称賛した。「アイデアが斬新なだけじゃなく、実現可能性も高いね。先生もきっと満足されると思うよ！」鈴木は恥ずかしそうに微笑んだ。会議の後、私は学生会の人たちと一緒に食堂に向かっていた。その途中、鈴木が先ほど彼女を助けた男の先輩と一緒に歩いているのを目撃した。二人はかなり親しげな様子だった。学生会の人は驚きの声を上げた。「鈴木って......佐々木翔也と付き合い始めたの？」私は興味をそそられ、「どうして？」と聞いた。学生会の人は周囲を見渡してから声を潜めて言った。「佐々木翔也は学生会で評判が悪いんだよ。以前、女の先輩たちにちょっかいを出して、みんな辞めちゃったんだ。それで今、人手が足りない状態なんだよ」私も驚いた。学生会の人はさらに話を続けた。「先輩たちは何度も先生に訴えたんだけど、結局、佐々木翔也は処罰されるどころか保護されたみたい。何か裏があるんだろうね......」案の定、数日後には鈴木と佐々木が堂々と付き合い始めた。寮でも、鈴木が佐々木とビデオ通話をしている声がよく聞こえてきた。ある晩、寝ようとしたが、突然lineに通知が現れた。確認すると、友達申請にはこう書かれていた。【佐々木翔也です】