Semua Bab 異世界は親子の顔をしていない: Bab 91 - Bab 92

92 Bab

第91話 応じる者が負う役目

「ここに揃ってるメンツだと、席次が一番高いのはシルビア卿だからね。立ち会い、お願いできるかな?」 アリアに立ち会いを頼まれたシルビアは、やれやれといった表情を作ってみせて答えた。「……分かりました。ただし、相手が応じるのなら、ですよ?」「それは大丈夫、応じるよ。間違いなくね」 にたりと笑いながら応じたアリアは、つかつかと軽い足取りで広場の中央にある噴水へ向かって歩を進めた。 アリアとその後に続くシルビアの姿を視認したアクーラが、対峙する同盟側の魔道士の中で真っ先に反応を示した。「なにやら、二人ばっかし、のこのこ出てきましたねえ」「え!?」 アクーラらが待つ同盟側の魔道士たちのもとに戻り、状況が一変したことを報告していたカイトはアクーラの声に驚き「えっ!?」と声を上げながら振り返った。 広場の中央にある噴水に近付いたアリアは、足を止めることも無く遊びに誘う声で同盟側の魔道士に向かって声を掛けた。 「おーい! ラブリュスのアリアだけど、誰か、ボクと模擬戦やんない?」 アリアの場違いな声を聞いたアクーラが、誘いに応じるように首をポキリと鳴らした。「だ、そうですよお。そんじゃ、アタシが行かせてもらいましょうかねえ」「まっ、待ってください! 模擬戦に応じる義理なんてありません」 慌てて止めに入るカイトへ視線を向けたアクーラの表情は、微かな笑みを浮かべていたが瞳には強い光を孕ませていた。「そうはいきませんよお。あっちはうちの大事な魔道士を二人も殺してるんですからねえ。それに、まだ初めての恋も知らなかったっていうアパラージタの魔道士も。ですよね? クラリティ卿」 アクーラに声を向けられたクラリティが静かにうなずく。「はい……わたしにとって、弟のような存在でした……」 瞳を潤ませたクラリティの言葉を受けて、アクーラが決意を示した。「メーソンリーのエースナンバーを背負う者として、仇討ちを為さねばならない身ですからねえ。ここはアタシが行かせてもらいますよお。カイト卿。卿もご存知の通り、魔道士同士による戦場での模擬戦はウァティカヌス法で明文化こそされてなくても、決闘から派生した名誉を懸けるものとして今でも意味を持ってます。筆頭魔道士団に属する魔道士にとって、名誉は非常に重いもんですからねえ。まあ、安心して見ててくださいよお。ああいうガキの鼻っ柱を
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-08
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第92話 天敵、あるいは宿命の相手

 その愛らしい顔と小柄な身体でもって、己の不遜を敢えて誇示してみせるアリアを正視しながら近付いたアクーラは、身長差のあるアリアを見下ろす位置まで寄ってから足を止めた。「卿が返り血で興奮するっていう狂乱の魔範士ですかあ」 軽蔑を露わにしたアクーラの第一声に対して、アリアは不遜な笑みを浮かべたままアクーラの胸元に山吹色の刺繍で標されたローマ数字に目をやった。「そうだよ。ボクが戦闘でしか興奮できない変態の南方元帥、アリア・ヴォルペってわけ。メーソンリーの第三席次ってことは、卿が植民地を血で染めた功績で出世した「鬼神」アクーラ卿ってわけだ」 出会い頭の応酬で既に臨界へと達した二人の殺気を間近で受けながらも、立ち会いを務めることとなったシルビアは冷静な態度を崩さなかった。「ラブリュス魔道士団の第六席次を預かる、シルビア・ゲルツと申します。立ち会いを務めます」 シルビアの声に反応したアクーラが、挑発を含んだ笑みから品定めする者の微笑へと表情を変える。「こんな形で顔を合わせることになるとは思いませんでしたねえ、シルビア卿。メーソンリー魔道士団の第三席次、アクーラ・ウォークレットですよお。よろしくお願いしますねえ」「こちらこそ。よろしくお願いいたします」 余裕を保って軽い会釈を返すシルビアに対し、アクーラは品定めする視線のまま応じた。「流石はセナート帝国の内政を掌握するグロリア卿の懐刀と呼ばれる方ですねえ。肝が据わってる。ヘイムダルを操らせたら右に出る者はいないって噂も、どうやら本当みたいですねえ」 探りを入れるアクーラの言葉を、シルビアは当然のように受け流した。「買いかぶりですよ。私はヘイムダルを行使することに特化した魔教士で、情報に携わる中でグロリア卿に目を掛けていただくようになった、というだけのことです」「アタシが最も警戒しなきゃいけない魔道士は、やはりシルビア卿。貴殿のようですねえ。ロキの敵とも、フレイヤの首輪の探し手とも呼ばれるヘイムダルの使い手が、セナート帝国の中枢にいるってのは、どうにも宿命染みてますよねえ」  その言葉に違わず、明らかに警戒をシルビアへと向けているアクーラの態度は、アリアの自尊心を刺激するには充分過ぎるものだった。「始めようか。卿の相手はボク、アリア・ヴォルペだ」「そうでしたねえ。じゃあ、始めましょうかあ。シルビア
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