Semua Bab モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている: Bab 81 - Bab 90

98 Bab

第80話 もう帰ってきたのか? ~ジェナサイド~

ゾルダと自称するやつらを乗せた船が旅立ってから数日がたった。竜天島はほとんど人が寄り付かない島だ。それだけドラゴンが凶暴で人では太刀打ちできないからだ。そんなところに好き好んでいく奴はいない。もしあいつらがゾルダ率いる一行というのであれば……無傷とは言わないが、あたいの願い事はこなしてくれるだろう。時間はかかると思うが、あそこに住み着くドラゴンたちの数も減らしてくれるはず。そうなればこっちも襲われる頻度は少なくなる。今はどうなるかを待つってところかな。失敗したら失敗したでそれはそれだしな。お願いしたのはあの島へ行って秘宝を持ち帰ることだ。どっからどう見積もってもあと数日は帰らないだろう。その間、あたいはゆっくりと休ませてもらうよ。そんなことをギルド長室で一人で考えていたら、廊下からものすごい勢いでノックする音が聞こえた。『ドンドンドン』「ギ……ギルド長ー! ギルド長はいらっしゃいますかー」慌てふためいたギルド職員が、あたいの部屋に入ってくる。「なんだー けたたましいな。 何があったんだ」息を切らしたギルド職員は膝に手を当てながら、息を整えつつ言った。「ふ……船が……船が帰ってきました」「どこからの船だ? ここでは船の行き来も多いし、船が帰ってきたぐらいで慌てることもないだろう」「りゅ……竜天……竜天島へ行った船です!」「何?」流石にびっくりした。ただ予想した以上の早さで帰ってきたということは……あまり芳しくない結果だったのかな。元魔王だというから期待していたんだが、とんでもない食わせ者だったかな。「よし、船着き場へ向かう。 会って、直接確かめるぞ」職員にそう言い残して、商業ギルドを後にした。そして、船着き場へ向かった。船着き場へ着くと、竜天島へ向かっていた船はあと少しで着岸するというところだった。近くで着岸作業を見ていたあたいは、降りてくるゾルダ一行を見つけた。「おーい、お早いお帰りだな。 上手くいかなかったのか?」いち早く気が付いたのは男の方だった。「ジェナさん、お出迎えいただきありがとうございます」男は深々と頭を下げる。そこに割って入ってきたのは、自称ゾルダという女だった。「何を失敗した前提でお前は話をするのじゃ。 きちんとお前が望んだものを持って帰ってきているのじゃ」「
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-29
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第81話 アスビモという男 ~アグリサイド~

竜天島から帰ってきた翌日。約束通りにジェナさんのところへ行った。メルナール一族の秘宝を取り戻したお礼に、アスビモの情報を貰うためだ。ただ昨日飲み過ぎたせいか、頭が若干痛い。それもこれもゾルダの所為だ。竜天島から帰ってきて早々にジェナさんへアスビモのことを迫ったゾルダ。それを逸らすために、酒を飲みに行こうと誘ったのが運の尽き。ゾルダに付き合って結構飲んでしまった……つられてしまって不甲斐ないというかなんというか……そのゾルダはと言うと……「さぁ、アスビモのことを聞きに行くのじゃ。 おぬしもさっさと歩け」と朝から元気そのものだ。最初の頃は飲むとゾルダの方が二日酔いになっていたが、最近はまったくそれがない。「あれだけ飲んで、大丈夫なのか、ゾルダは」「あれでも自重したのじゃ。 だからそれぐらいの量は大丈夫じゃと言っておったろうに」「二日酔いになっていたころが懐かしいよ……」かなり飲んでいるように見えたけど、それで自重したって言うんだから……どんだけ底なしなのか……「ねえさまは昔はもっとお飲みになっていましたわ。 だんだんと前の力を取り戻してきてらっしゃるのかもしれませんわ」マリーから言わせると、もっと飲んでいたということは……想像しただけでも寒気がする。「戦う方は昔の力を取り戻してもいいけど、飲む方はほどほどにしてほしいよ。 付き合う方の身になってほしい」「おぬしが無理に付き合う必要はないぞ。 ワシはワシのペースで飲むからのぅ」「ねえさまの好きにさせておけばいいんですよ。 マリーも付き合ってませんから、この通り、問題ないですわ」マリーは得意げに言うが、微妙に距離を置いていただけじゃん。酒場の他の客にゾルダが絡んでいった時も、知らん顔で……他の客に絡まないようにと思ってゾルダに付き合っていたのに。「それはゾルダが静かに飲んでくれればね…… 俺が相手しないと他の人に絡んでいったじゃんか」「そんなこともあったかのぅ。 酒の席はみんなで楽しく呑まんとのぅ」「頼むから見ず知らずの人とまで楽しくやろうとしないでくれ」「……け、検討はするのじゃ。 検討はな……」「それ、絶対に次もやらないパターンだから」魔族の元王に対して、人の道理を当てはめることが出来ないのは重々承知しているが……それでも人の社会に居る
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-30
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第82話 ソフィアを討ち取れ ~ゼドサイド~

ソフィアとマリーが復活したとの知らせを受けてから、思いのほか時間がたってしまった。早く戻ってくるように指示したはずのメフィストがようやく戻ってくるようだ。その間に封印した武器を探させているが、こちらも成果が出ていないようだ。どうやら封印した後、しばらくはこの城にあったようだが、その後は管理していなかったらしい。本当に杜撰というか脇が甘いと言うか……どこへ行ったかわからないとの報告だったため、叱責して方々を捜索するように指示した。いちいち余が命令しないと動けないのは困る。もう少し考えて動いて欲しいものだ。あとは倒せるかどうかは別として……ソフィア、マリーを倒すべく、付近にいる軍には通達をだした。そいつらからも連絡がないってことは、返り討ちにでもあっているのだろう。どいつもこいつも使えない奴らばかりだ。そんなことを考えていると、近衛兵の一人が玉座の間に入ってきた。「ゼド様、メフィスト様がお帰りになられました」「うむ、分かった。 こちらに連れてこい」近衛兵は部屋を出ていった。その後に黒のロングコートに黒スーツの出立のスラっとした男が入ってきた。こいつがメフィストだ。「ゼド様、お元気で何よりです。 緊急の知らせとのことでしたので、キリがいいところで戻ってきました」「メフィスト、ご苦労だった。 だが、遅い。 遅いぞ。 至急だと伝えたはずだ。 キリがいい悪いは関係ない。 余が帰ってこいっていたのだから、すぐに帰ってこい」あまりにも帰還が遅いので、叱責をする。メフィストは叱責を受けているにも関わらず、喜びを浮かべたような顔をする。「大変申し訳ございません、ゼド様。 この失態は、次の任務で必ずしや、挽回いたします」そう言いながらメフィストは膝をつき頭を下げる。「次はないぞ。 しかと心得よ」「ハッ」こいつも返事だけはいい。成果は出してくれるし、余の言うことは聞くのでそばに置いているが……もっと余が満足する成果を出して貰いたいものだ。「ところで、私を呼び出したのは、いかなるご用件でしょうか?」「お前、ソフィアは知っているか?」「はい。存じ上げています。 先代の魔王で、ゼド様が封印した奴です」「そのソフィアが復活したとの知らせを受けた。 マリーも一緒だ」「あのゼド様が綿密に練られた完璧な計画で封印を
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-31
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第83話 貰った盾は…… ~アグリサイド~

ジェナさんからアスビモの話を聞いて、俺たちは東方面へ向かうことになった。まずは出立前にいろいろと準備をしようと思い、街に必要な物資を買いに行くことにした。一応、王様も考えてくれているらしく、申し訳ない程度にはお金を定期的に届けてきてくれる。それはそれでありがたいのだが、やっぱりなかなかそれだけではやりくりが厳しい。ゾルダが剣に入って出てこなかったときに、ギルドを通じて依頼を受けてその分はあるが……生きていく以上、どこの世界でもお金は必要だ。場合によっては何かしら依頼を受けてお金を稼がないといけないかもしれない。そんなことを考えながら、必要な物資を買いそろえていった。いったのだが……なんで俺一人?あいつら、結局手伝ってくれないじゃん。出かけるときに『ここに欲しい物を書いておいたのじゃ。 あとはよろしく頼むのぅ』『マリーは今回は本当に疲れましたわ。 いつもならちゃんとお手伝いはしますが、今日だけはごめんなさい』とか言って、二人とも装備の中から出てこない。本当にいいように封印のことを使っている。なんか強制的に装備から引きずり出す方法はないのかな……都合のいい時だけ出てきてさ……ブツブツと独り言で文句が出てきてしまう。それでも一通り、旅の準備仕度も整ったので、宿屋に戻ることにした。クタクタになりながら部屋の扉を開けて中に入る。「ただいま。 やっと終わったよ」ふと見ると、二人とも姿を現していた。「おぬしも大変よのぅ。 ご苦労であった」そうゾルダが言ったが、それはねぎらいの言葉か?「あのさ、あれだけいろいろ頼んでおいて、それだけか? 他人事だな」「…… おぬしの必要なものもあったじゃろ? ついでじゃついで」何やら考え込んでいる様子のゾルダは、素っ気なくそう答えた。一方、マリーは「アグリ、ありがとうございます。 助かりますわ」丁寧にお辞儀をしてお礼を言ってくれた。マリーは魔族にしては礼儀正しいのかもしれない。それでも、何か気になるのか、さっとゾルダの方へ行ってしまった。「ゾルダ、どうした? 何か考え込んでいるようだけど……」ゾルダとマリーのいる近くへ近寄ってみると、そこには盾があった。そう、ジェナさんから貰った盾である。「その盾に何かあった?」「うむ。 何かしら魔力を感じるのじゃが……
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-01
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第84話 ここはどこなのでしょうか? ~セバスチャンサイド~

ここはどこなのでしょうか?私はいったいいつまでこのままなのでしょうか。周りもほとんど見えない真っ暗な中、どのくらい月日がたったのでしょうか。月日ぐらいでは済んでいないですね。何十年、何百年たったのでしょうか。ことの始まりはアスビモとかいう輩がぼ……ではなくゼド様の元を頻繁に出入りするようになってから。最初はさほど気にはしていませんでしたが、出入りを重ねるたびにゼド様の様子が変わっていったのです。流石に看過できないと思い、ゼド様に進言をしたく、ご面会をお願いしました。ゼド様は快く面会を受けてくださり、その時に私は進言をしました。『近頃出入りしているアスビモのことです。 あまり相手にされない方がいいのではないでしょうか? ゼド様の様子も以前に比べると変わってきたように思います』『余の様子が変わっただって? 余は何も変わってないぞ。 アスビモも特に必要な取引をしているだけだ。 お前が気にするようなことは何もない』ゼド様はそうおっしゃって、私の進言は受け入れていただけませんでした。『ゼド様がそうおっしゃるなら…… 私の杞憂であれば問題ございません』『そうだな。 お前が考えすぎているだけだ。 余はそんな軟な男ではない』『それは重々承知しております』そうは言っても長年の感が騒ぎます。本当に何事もなければいいのですが……その後もまたアスビモの出入りが続きます。やはり気にはなってしまうため、お嬢様にゼド様へ忠告をしていただこうと思った矢先です。ゼド様から呼び出しがありました。急いで駆けつけると、そこにはなんとも禍々しく感じる1つの盾がありました。『セバスチャン、急に来てもらって悪いな。 この盾をたまたま貰ったのだが…… どう思う?』『どう思うと申されましても…… 嫌な雰囲気は感じますでしょうか。 ゼド様には相応しくないものとは思います』『そうだな。 余には相応しくないのは、わかっている。 でも、気になるのだ。 セバスチャン、もう少し見てもらえないか』『はっ。 ゼド様がそう仰るのなら』ゼド様に促されて、盾を触った瞬間……辺りが真っ暗になって、今の状態になってしまいました。今考えれば、あの盾が何かしらの力を発動させたということなのでしょう。それからかなり長い年月が経ったように思います。ずっと同じ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-02
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第85話 あの盾は…… ~ジェナサイド~

「あっ、そうそう。 これやるよ」あたいは事前に自分の部屋にあった盾をアグリに渡した。これはだいぶ以前から準備をしてあったもの。ただあたいが準備したわけではなく、ひいばあちゃんが用意していたものだった。「何ですか……これは?」アグリはこの盾が何なのかを聞いてきたが……「今はとりあえず貰っておいてくれ。 あとでいいからその盾をよく見てみなよ」ちょっと意味深な言葉で伝えてみた。アグリは戸惑っていたが、「分かりました。 後で確認します。 今日はありがとうございました」といい、応接室を出ていった。「ふぅ……」騒がしいやつらだったが、これで少しは恩を返せたのかな。ここまであたいら一族が続いてきたのも、ゾルダのおかげだしな。まぁ、また訪ねてきたら、力を貸すつもりだけどな。アグリたちが出ていった後、しばらく応接室でボーっとしていると、受付の嬢ちゃんが入ってきた。「あのぅ、あの方々は帰られたのでしょうか?」「あぁ、さっき帰っていったよ」「では、ここを片付けさせていただきます」そう言うと、トレーを取りに戻り、アグリたちに出していたお茶を片付け始めた。そしてカップをトレーに載せ、テーブルを拭きはじめた。受付の嬢ちゃんは丁寧に端から端までピカピカに拭いていた。その最中に受付の嬢ちゃんは「そう言えば、あの盾、お渡しになってしまってよかったのですか?」とあたいに尋ねてきた。「えっ、なんでだい?」何故そんなことを聞くのかと思ったら「あれは確かギルド長の部屋に大事に飾ってあった盾だったと思っています。 家宝なのかなと思っていましたもので……」そういう理由なのか。まぁ、大事そうには飾っていたけど、意味が違うんだな。「確かに勘違いされても仕方ないな。 あれは、もともとこうする予定のものだったんだ」「あの方々にお渡しする予定だったと……」「あぁ、そうさ」そんなことを受付の嬢ちゃんとしていると、応接室の外からノックする音が聞こえた。「おぅ、なんだ。 入ってもいいぞ」扉が開くとそこには……「ひいばあちゃん!」びっくりした。最近体調が思わしくないからあまり部屋の外に出てこなかったひいばあちゃんがそこに立っていた。受付の嬢ちゃんも驚いたのか、会釈をするとそそくさと出ていってしまった。「なんだよ、ひいばあちゃん。 体
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-04
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第86話 何故か再び首都へ ~アグリサイド~

また変な人が増えました……今度は盾から出てきた執事風の男です。自己中な元魔王の女。ゴスロリ風ロリ顔で元魔王にべったりな元四天王の女。そして、一番きちんとしてそうだけど、やっぱり魔族的な考えが酷い元四天王の男。何この面々は……勇者ならもっとこう……暑く燃え上がる心を持つ戦士!癒し系の笑顔がまぶしい僧侶!言葉遣いは荒いが頼りになる魔法使い!どこかのゲームに出てきそうな奴らが仲間になるって相場が決まっているはずなのに。なんで俺はこんなメンバーで魔王討伐に向かっているのか……「おい、おぬし。 何か良からぬことを考えているな。 顔に出ておるぞ」ゾルダは俺の顔を見て、何かに気づいたようだった。俺は慌てて「はぁ…… ソンナコトハナイヨ……」ため息は出たものの、感情が出ないように抑揚をつけずに答えた。「アグリもいろいろあるのでしょう。 ほら、先ほど来た国王の使いからの話とか……」マリーは一応気を使ってくれているようだけど、そのことを考えていた訳ではない。そのこともそのことで憂鬱ではあるけど……。「そうです。 私どもが国王の下へ行く必要はありません。 急いで東方面へ向かいましょう」セバスチャンはゾルダの代弁をするがのごとくアスビモのいると言う東へ向かうことを進めてきた。「そういう訳にもいかないしね。 急ぎたいのはわかるけど、国王の話も無下には出来ないし……」東へ向かう予定だった俺たちは急遽首都であるセントハムへ向かうことになった。それはいつも国王の使いでお金を届けに来てくれる方々からの話からだった。『国王様が東へ向かうのであれば、少し遠回りになるが、 是非ともセントハムへ顔を出してほしいとのことです。 今までの戦果も大変お悦びで、お連れの方々も含めて歓迎をしたいとのことです。 歓迎の宴も催したいので、是非にとのことです』その言伝を聞いて、乗り気になったのは意外にもゾルダだった。『のぅ、お前ら。 宴ではおいしい酒が飲めるか?』『はい! 国王様が国中の良いものを集めて宴を開くとのことでした』『うむ、それはいい心がけじゃ』ゾルダは嬉しそうにうなづいて答えた。ゾルダは満足げにしているが、いや、これはゾルダの歓迎じゃないだろ。と心の中で突っ込んでいた。『……まぁ、アスビモのことは気になるがのぅ…… こ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-05
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第87話 何故あの人までいるのでしょうか? ~メフィストサイド~

ゼド様のご命令は絶対ですが、少々荷が重いというかなんというか……前魔王のゾルダ様やマリー様の実力は十分存じ上げています。確かに封印が解けたばかりとは言え、私の実力でどこまで対抗できるかは心配ではあります。まだ力が戻り切っていないことを願うばかりです。私もあれから強くなったとは言え、若干不安はあります。二人ともは厳しいでしょう。どちらか一人、特にマリー様の方を片付けられればまずは成果として申し分ないはずです。マリー様にターゲットを絞り、その後は撤退すると言うのが合理的な戦略でしょう。そんなことを考えながら、お二人の居場所を探していました。ラヒドに居たことは連絡を受けているので、そう遠くには行っていないでしょう。その辺りを探していると、大きな反応が1つ、2つ……3つ?あの魔力の反応であれば、ゾルダ様とマリー様ではあるのでしょうが、もう一つはいったい……急いで感知した方向に手下ども数十人と向かいます。しばらく飛んでいると姿が見えてきました。あの一行に間違いなさそうです。追いつき、その一行の前に立ちふさがると、深々とお辞儀をさせていただきました。「お久しぶりです、ゾルダ様とマリー様。 ゼド様のご命令です。 この場から消えていただきます」挨拶を終え、頭を上げるとそこには……な……何故、あの人がいるのでしょうか?……「誰じゃ? ワシは知らんのじゃが…… マリーは知っておるのか?」ゾルダ様は私を存じ上げていないようです。「あっ……はい。 多少は知っていますわ。 ゼドっちの近くにいた方だったと…… それよりか…… セバスチャンの方がよく知っているはずですわ」「そうなのか、セバスチャン。 お前の知り合いなのか……」「はい、お嬢様。 知り合いと言うかなんと言いいますか……」私が二人より気になった男は、なんとも言えない顔でこちらを見ていました。「何故、何故あなたがここにいるのですか?」思わずその男に向かって声が出てしまいました。ゾルダ様やマリー様の復活は聞いていましたが、あの人まで復活しているとは初耳です。「何故と言われてもですね…… お嬢様に助けていただいたとしか言いようがないですが…… しかし、久々に会ってその言いようはなんでしょうか。 また一から教育する必要がありますかね」そう、この人は私をゼド様
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-14
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第88話 師弟対決 ~セバスチャンサイド~

さてと……復活させていただいて早々にメフィストの相手ですかね……肩慣らしにはいいかもしれません。「さあ、行きますよ、メフィスト。 昔のように稽古をつけてあげましょう」私は亜空間に置いてある三叉の槍を取り出し、構えました。「ワタシもあれから強くなりました。 それに、これは稽古ではなく決闘です。 殺すか殺されるかです。 稽古とは違うのです」メフィストも持っていた二又槍を構えました。「確かにそのようですね。 稽古をつけていたころとは違うようです。 ただ私もお嬢様の前で負けるわけにはいきません」構えから、踏み込んで槍をメフィストの体に向けて打ち込みます。しかしメフィストも同時に打って出てきました。お互い寸前のところでかわします。「ほぅ、これを避けますか。 そうでなければ面白くありませんね、メフィスト」「あなたももう少し真剣にやってください。 これは決闘だといいました。 今のワタシはあなたより強いです」メフィストが言うのもあながち嘘ではなさそうです。私が封印されてからも研鑽してきたのでしょう。それに比べて私の方は……封印で動いていないので、体がなまってしまっています。なので、苦戦はするかもしれませんがね。「ハァーッ、ハァーッ、ハァーーーッ」メフィストは間髪入れずに私に向かい槍を打ち込んできます。鋭い突きではあります。ギリギリのところで躱したりいなしたりでなんとか当たらずにいます。このまま躱し続けるのも厳しそうなので、打って出たほうがよさそうです。「のぅ、そう言えば、あのメフィスト……とか言う奴。 言葉遣いが変わってないかのぅ…… 『私』が『ワタシ』になったような気がするのじゃが……」あの、お嬢様……私が戦っているのに、そこを気になさるのですか……「ゾルダ…… それは黙っていればいいところだから、気になくてもいいじゃん。 察してスルーしないといけないところ」おっと、お嬢様のお戯れはアグリ殿にお任せしておけばいいですね。こちらに集中しないといけません。私も期を窺いながら、反撃に出ます。「ハッ、ハッ、ハーッ」素早く十数発打ち込みましたが、すべて受けられてしまいました。やっぱり封印の影響でしょうか……以前ほどの鋭さはないように思います。「あなたは……あなたは変わらないです。 あの時とちっ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-15
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第89話 あやつに手を出したな ~ソフィアサイド~

あのメフィストとやらは何をしておるのだ……ワシが立ち会って、1対1でセバスチャンと戦っておったろうに。何故、あやつの目の前に立っておる。「お前……あやつに何をする気じゃ!」「ハ……ハッ……ハハハ…… ワタシは結果を出さないと…… ゼド様に……ゼド様に……」もう正気ではなさそうじゃな。周りに引き連れていた奴らも殺気立ち始めておるのぅ。「メフィストとやら、セバスチャンとの1対1はどうなったのじゃ? 歯が立たないからと言って矛先を変えるのか? お主のプライドはどこへ行ったのじゃ!」「ゼド様に……ゼド様に……いい報告をしなければ……」もう目もうつろじゃのぅ。目の前のことより、ゼドのことしか見えておらんようじゃ。あいつもそこまで側近を追い詰めなくてもよいのにのぅ……「お前の方が先に約束を反故にしておるのじゃからな。 マリー、セバスチャン、周りの奴らは任せるぞ」「はい、ねえさま。 任せてくださいませ」「仰せのままに」二人はメフィストとやらが従えていた数十名を抑え込みに行ってもらった。ワシは、あやつを助ける。「なんで急に俺のところに来るんだ?」あやつも混乱しておるようで、むやみやたらに剣を振り回しているだけじゃった。もう少し冷静に行動したらどうなのじゃ……「そんな攻撃じゃ当たるもんも当たらんのじゃ。 気をしっかり持てぃ」じりじりとあやつに詰め寄るメフィストとやら。まずはそいつを止めないといかんのぅ。ここから魔法をぶっ放してもよいのじゃが、それだとあやつも巻き込まれてしまう。ワシはあやつとメフィストとやらの間に割って入ろうと動き始めた。……が、その時、ワシの目の前が真っ暗になり、視界が閉ざされてしまったのじゃ。「??? 何じゃ、急に」視界は遮られておるが、周りの様子は伺えた。他の3人には変わった様子がないようじゃ。マリーやセバスチャンはメフィストとやらのお供も蹂躙していっておる。あやつもまだメフィストとやらに抵抗をしておる。でも、その動きは何やらだいぶ遅く感じるのぅ……「どうやらワシだけのようじゃな……」冷静になり、周りを窺っておると、目の前に何かが現れおった。「…………」それは以前にも見た覚えがあるものじゃった。「勇者の怨念じゃな」あの剣の中に共に封じ込められておる奴らが、何故今邪魔をしに
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-16
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