母さんが倒れたらしい。何があったんだろう……「ねぇ、カルムさん、母さんが倒れたってどういうこと?」伏目がちなカルムさんに母さんの容態を確認してみたけど……「私も先ほど初めて聞いたので、なんとも……」普段あんまり物事に動じないカルムさんが動揺している。カルムさんにとって母さんは絶対だしねー。かなり心配なのだろうなー。「そうなんだー うーん…… 母さんも心配だけど……」ちらっとアグリの方を見てみる。アグリはボクの目配せに気づいてくれた。「俺たちの方は心配しなくてもいいよ。 アウラさんのところに帰ってあげなよ」アグリ、そうじゃないって。引き留めてくれれば、ここにいる理由が出来るのに……そう思う反面、母さんの容態も気になるし……葛藤してどうしていいかわからなくなるよー「そういえば、カルムさん。 ボクが帰らないといけないほど母さんは危ないの?」帰ってきてほしいってよっぽどなのかなー。「倒れられた経緯は聞いていないですが、命に別状はないとのことでした」「それはよかったー。 でも、それならなんでボクが戻らないといけないのかなー」命の危険はないなら、なんでボクを呼び戻そうとしているのだろうか……そこがなんか腑に落ちないんだよなー「それでもしばらくは動きが取れないとのことで…… 村長の代理を、フォルトナお嬢様にしてほしいらしいです」「えーっ、ボクが村長代理? 無理無理無理無理むーりー!!」ボクなんかが代理しなくても、他にもっと出来る人いるでしょ!なんでボクなのよー「フォルトナお嬢様のお家は、代々シルフィーネ村を束ねてきているのです。 他の方ですと、人々が納得しないかと……」確かにそうだけどさーそれでも、ボクが代理なんてまだ早すぎるよ。「うーん……」母さんは心配だけど、村長の代理はなー……考え込んでいるとアグリがボクに諭すように話をしてきた。「フォルトナ、村長の代理うんぬんは置いて、アウラさんの様子を見に帰ったら? 命に別状はないとは言え、動けないほどなら大変だと思うよ」それはボクもわかっているよーわかっていても、なかなかと踏ん切りがつかないこともあるんだって。「うーん……どうしたらいいかなー」こんな時にゾルダが割って入ってきて、いろいろと煽ってくれると幾分気も紛れるのにさーさっきから姿を消し
Terakhir Diperbarui : 2025-05-06 Baca selengkapnya