บททั้งหมดของ モブな転移勇者♂がもらった剣にはチートな史上最強元魔王♀が封印されている: บทที่ 71 - บทที่ 80

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第70話 二人の対立 ~マリーサイド~

ねえさまが戻ってきましたわ。数日ぶりに会いましたが、なんだか前より凛々しくなっている感じがします。もう気分はウキウキです。「マリーはすごく機嫌がいいのぅ。 何かいいことでもあったのかのぅ」ねえさまが私の顔を見て笑みを浮かべています。「それはもうねえさまが戻ってきていただけたことが嬉しくて嬉しくて……」自然と顔が綻んでしまいますわ。そんな浮かれた気持ちのまま宿に着きましたわ。宿に着くなり、アグリがねえさまに対して「一体何があったんだ、ゾルダ。 この7日間、全然反応もなくて…… 心配したんだぞ」と問い詰めるように話をし始めましたわ。「『案ずるな』と残していったわ! そこまで心配せずとも、この通りピンピンしておるわ」「いや、そういうことじゃなくてさ…… 結果的に問題なさそうなのは良かったけど、それはそれ。 封印の仕掛け人でもあるアスビモに会った後だから、何か変化があったんじゃないかと……」アグリはアスビモが何かをしていったから、ねえさまが剣から出れなくなったと思っていたようですね。「アスビモとやらが何かする暇はなかったはずじゃ。 今回はたぶん魔力の使い過ぎじゃ。 以前も有ったであろう。 最近、どんどん力が以前に近づいていく感じがしていてのぅ。 あれぐらい力を使っても問題なかろうと思っていたのじゃが…… ちぃっと見誤ったわ。 アスビモとやらのおかげで、ワシもイライラしておったからのぅ。 それだけじゃ。 それ以上でもそれ以下でもないのぅ」なんだかいつもよりいっぱい喋るねえさま。慌てているようにも感じますが、それだけ我を忘れていたのでしょうね。「本当にそれだけか? アスビモのやつ、いやらしそうな感じがするから、いろいろと仕掛けしてありそうなんだけどな」アグリは疑わしそうにねえさまを見ています。「そ……そんなことはないぞ。 封印の仕組みはまだよくわからんが、そう小難しいことはないと思うのぅ」ねえさまはアグリから目を反らして天井の方を見ながらそう答えました。「ふーん。 ならいいんだけど……」まだちょっと疑わしいと思っているのかアグリはねえさまを横目で見ながら言いましたわ。「それなら、今回みたいなことは困るから! 今後魔力使い過ぎないように!」と、ねえさまに対して、説教を言いはじめました。「止めら
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第71話 マリーの提案 ~アグリサイド~

ゾルダとの口論の最中にマリーがいい考えがあると割り込んできた。なんだか今回はゾルダと意見が合わずにいて、いろいろと言い合うことになってしまっている。本心としては、折り合いをつけたいところもあったけど、引くに引けず……そんなこともあって、マリーの提案は渡りに船だった。「マリー、で、そのいい考えって何? 教えて」ただやっぱり口論の最中である。そんなことを思っていたことを知られたくなくて、そっけなく答えてしまった。「マリーはいつもワシの事を考えてくれておるし、 アスビモとやらのことじゃろ?」ゾルダもゾルダで我田引水、自分のことしか考えていない。「マリーとしては、少し遠回りにはなりますが…… ここから東の港町ラヒドへ行ったらいいと思いますわ」ラヒド?魔王の拠点に向かう北ではなくて東?そのラヒドに何があるのだろう……「マリーはアスビモとやらの追跡は出来ておるのか? ラヒドに行ったとかかのぅ……」「ねえさま、マリーもアスビモの追跡は出来ておりません。 ただ闇雲の探すのではなく…… 探すにしても少しでも事情がわかりそうな方へ会いに行きませんか?」「ほほぅ。 そう言うやつがラヒドにおると?」マリーの話からすると、ラヒドにアスビモを知っている人がいるらしい。でも、今の旅の目的はあくまでも魔王ゼドの討伐だ。アスビモだけにかまってはいられない。「マリー、ラヒドにはアスビモとのつながりがありそうな人がいるんだろうけど、 魔王討伐の方はどうなるんだ?」「そちらもあるのも分かっていますわ。 その方というかその一族は魔族ともいろいろと取引をしております。 だから、魔王軍に関する情報も持っていると思いますわ」魔族とも取引をしている一族か……確かに何も情報なく魔王の拠点を目指しても、失敗する可能性もある。確度をあげるためにも、情報は必要かもしれない。「じゃあ、マリーが言いたいのは、 ラヒドに行って、その一族に会って、魔王軍とアスビモの情報を得ようってことかな?」「その通りですわ。 これであれば、ねえさまが仰っているアスビモのこと、 アグリが言っている魔王軍のことや闇雲に探さないこと、 両方の言い分がぶつからずにいきますわ」確かにマリーの言うとおりである。マリーの話を聞きつつ、徐々に落ち着きを取り戻してきた俺は、マリー
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第72話 魔王軍の襲来 ~ソフィアサイド~

マリーの提案でラヒドへ行くことになったのじゃが……えーっとメルナール一族じゃったかな。そいつらがアスビモとやらのことを知っている保証はないじゃがのぅ。それでも何も情報がないところで探し回っても無駄なのはワシもわかっておる。藁にも縋るというところではあるし、納得はしておらんが致し方ないかのぅ。あやつらは呑気に情報をもらえるであろうと考えておるようじゃが……そう簡単に話してくれる相手なのかのぅ……マリーの話を聞いてもいまいち思い出せんが、庇護していたということは……たぶんワシにひれ伏さず、ガツガツと物を言ったり、拒否したりしておったのじゃろう。そういう奴がワシは好きじゃからのぅ。それだからこそ、今のワシたちの事はなんとか一族には得がないように思うのじゃが……今回はあのマリーがいろいろと考えて話してくれたことだしのぅ。マリーはご機嫌だし、このままマリーの考えで進んでいこうかのぅ。ラヒドへ向かう道中、ワシはそんなことを思いながら、マリーやあやつの後を着いていった。ラヒドへ行くには山を越え、しばらく行かないと到着はしないしのぅ。またしばらく長旅になりそうじゃ。----ムルデを旅立ち数日が経ったのじゃ。険しい山の頂を越えると、遠くの方に海が広がって見えてきたのじゃ。「あれがこの世界の海か…… 海はどこの世界でも広いなぁ」あやつはなんか当たり前のことを言っておるぞ。海なんぞ、大抵どこでも同じじゃろ。「おぬしのもといた世界は海は広くないのか? 海は広いのは当たり前じゃろうに」「俺のもといた世界でも広いけど、建物とかがすごく高かったり大きかったりするからさ。 本当に近くにいかないと広く見えないんだよ」「ほぅ…… 城や貴族の屋敷なんかより高いのか?」「そうだね。 何十階や何百階もある塔のような建物がいっぱいある。 街の中でひしめき合っているのが俺がいた世界」「それだけ大きいものを建てているというのは、どれだけ力が強い者を使っているのか気になるのぅ。 是非ともそやつらと一戦交えてみたいものじゃ」「俺の世界では力は必要ないよ。 すべて機械がやるんだし、俺みたいなのが建てているんだよ」「では、その機械とやらと……」「本当にゾルダは戦うことばっかりだな」あやつが半ば呆れ気味にそう言い放ちおった。ワシだってそればかり
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-21
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第73話 自由貿易都市 ラヒド ~アグリサイド~

ムルデから旅立って10日ほど経った。山を越え、街道沿いをしばらく歩いたところで、ようやくラヒドに到着した。道中、魔王軍と名乗る魔族や魔物の襲来が何度かあった。それでも、ゾルダやマリー曰く『ザコもザコ、末端の奴ら』とのことで、ことごとく一蹴されていた。一応、俺も戦っているけど、ほとんどゾルダやマリーが倒してしまっている。「やっと着いたー!! ここに着けば安心かな」俺はちょっと寝不足気味だった。何度か魔王軍の襲来があったのもあって、あまり休めなかった。「そうですわね。 ここはどこも手出しは出来ない都市ですわ。 さすがにゼドっちも手は出してこないと思いすわ」「さすが自由貿易都市ラヒドだ。 ここでなら安心して寝れる」ホッとしていると、ゾルダはニヤリとしながら、俺の目の前に立った。「おぬしも、タマが小さいのぅ。 あんなザコどもしか来ないのに、落ち着いて寝れんとは……」いつもゾルダは俺をバカにして、そのことをつついてくる。「だってさあ、 いつ強い奴が来るかわからないだろ? ゆっくり休んだ気がしないよ」「ゼドの奴が来る以外は、全員ザコじゃ。 それに…… あいつも直接くることはないじゃろ。 案外、ビビりじゃからのぅ」「ねえさま、ゼドっちはビビりではなく慎重に慎重を重ねるタイプですわ。 それと自己評価は高い方ですから…… 『真の大物は一番最後に』とか思っていそうですわ」今の魔王は武闘派ではないのか。そういう意味だと脳筋なゾルダとは違うな。「あいつは、自分では何も出来ん奴じゃ。 だから目をかけておったのにのぅ」「ねえさまのお近くにいることも多かったですからね。 ゼドっちは」「そうなんだな…… でもなんでそんな奴がゾルダたちを裏切っているんだ?」「魔族の世界はそんなもんじゃ。 強さが全てじゃから、野心の大きい奴らも多い。 ゼドはその辺りは並々ならないものを持っておったのかものぅ」人の世界も変わらない気がする。前の世界でも足の引っ張り合い、罵り合いは多かったしなぁ……俺はそこまで出世意欲がなかったから、傍観者の立場だったけど、見苦しいものはあったし……「そんなことはどうでもいいのじゃ。 アスビモの事を聞きにここに来たんじゃから、早く行くぞ。 なんだったかのぅ…… めくばせ一族」名前が違うことに
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-22
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第74話 本当にお前がゾルダなのか~? ~ジェナサイド~

「あたいがこの街の、商業ギルドのギルド長、ジェナだ!」ギルドの応接室に行くなり、大きな声で名乗った。挨拶は基本だからな。応接室に行くと2人の女と1人の男がいた。---- そこから少し前に遡る ----あたいは本を読みながらのんびりと寛いでいた。すると、ノックの音がした。「いいぞ、入って」ドアを開けて部屋に入ってきたのは、訝しそうな顔をした受付の嬢ちゃんだった。「あの……ギルド長、今お話よろしいでしょうか?」「おぅ、なんだ。 受付は笑顔が大事だって言うのにそんな顔して」「ギルドの受付にギルド長に会いたいと言う人が来ておりまして…… 伺ったところ、事前にお約束をしていないとことでしたが、いかがいたしましょうか」約束もなしに突然の面会希望か。だいたいそういう輩は礼儀も何もあったもんじゃない。「どうせ面倒な奴らだろ。 そうだな…… 7日後なら空いていると言って、それでも直ぐ会わせろって言うなら追い返してくれ」「承知しました」そう言うと受付の嬢ちゃんは再び受付へ戻っていった。しかし事前に話を通していないし、商いの基本もわかってないやつらだな。そういうのと関わるとロクなことがないしな。7日も先で会うと言って、それでも会うというなら会ってやらなくもないがな。コップに無くなった茶を注ぎ、ふたたび本を読み始めた。数ページ読み進んだところで、ふたたびノックの音がした。「今度はなんだ。 今日はゆっくりしたい日なのに」先ほどの受付の嬢ちゃんが、今度は慌てて入ってきた。「ギルド長、先ほどの方たちですが…… 『ゾルダ』の使いと仰っていて、すぐに会いたいとのことです」「何?」『ゾルダ』と言えば……確かひいひいばあちゃんが残した遺言の中にあったけ。『ゾルダ様にはメルナール一族の礎を築かせてもらった。 そのゾルダ様から話があった場合は、家訓の是々非々の判断を抜きにして取り組め』だったかな。でも本当にそいつらはゾルダの使いなのか……ゾルダの容姿がわかっている訳ではないし、本当にそいつの使いかはわからんだろう。ひいひいばあちゃんの遺言は守りたいが……しばらく考え込むが、これと言ったいい手が浮かばない。あれこれ悩んでいてもしかたないし……「わかった。 あたいが今から会う。 会って、本当にそいつらが『ゾルダ』に関係して
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-23
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第75話 竜が支配する島 ~アグリサイド~

ジェナさんと面会した翌日--俺たちは指定された港の船着き場に向かった。ジェナさんが手配した船に乗ってドラゴンの巣窟である島へ行くためだ。船着き場に着くと、ジェナさんが出迎えてくれた。「おーっ! 逃げずによく来たな! 立派、立派!」ジェナさんは手痛い挨拶をしつつ、笑顔で迎えてくれた。「ワシらが逃げるとでも思ったのか、お前は」ゾルダは真に受けてジェナさんに突っかかっている。「いやー、冗談だよ冗談。 真面目に聞くとは思わなかったよ」頭を掻きながら照れくさそうにジェナさんは笑った。ゾルダは昨日のことを根に持っているのかもしれない。ゾルダ本人と認められなかったことを。「ジェナさんが直々に来て案内してくれるのですか?」「いやー。 あたいは行かないよ。 ここで、行く前にちょっと竜天島について話しておこうと思って」「竜天島?」「ドラゴンの巣窟の島のことだよ。 ドラゴンの巣窟と言っても、他の魔物も多くいる。 ただ他の魔物は正直ドラゴンの餌だな」「ドラゴンの餌……」「そうそう。 そこのドラゴンたちはそれなりの知能があるから、全滅しない程度に他の魔物を生かしている。 じゃないと、食い扶持がなくなるからね。 適度に繁殖させて、余剰分を食っている。 だから滅多に島の外に出ない。 ただ、まれにその生態系が崩れて、外に狩りにくることがあるんだ。 それが百数十年前だったかな」「ほぅ…… 賢い奴らじゃのぅ」「その時に我が家の秘宝を持っていかれてそのままってところだ」どうやらかなり賢いドラゴンたちのようだ。自分たちが死なないように、餌である魔物も管理している。人間並みの知能に感じる。「我が家の秘宝については、これ」ジェナさんはそう言うと、秘宝が書かれた絵を手渡してきた。見させてもらうと、大きな水晶のような球が台座に置かれている絵だった。「大きさはどのくらい?」「えーっと、あたいの背の高さぐらいあるかな。 ただあたいも実物は見たことないからわからないんだ。 この絵が頼りってことで」「ようお前がわからんものをワシらに頼めるのぅ……」「マリーよりもだいぶ大きいですわね。 それを持って帰ってくればいいってことでしょうか」マリーはジェナさんに対して再度確認を取った。「おうとも。 是非にお願いしたい」「わかりまし
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-24
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第76話 覚えがあるようなないような ~ソフィアサイド~

ワシらはえーっとベルナルド一族だったかなのぅ……(マリーの心の声 「ねえさま、メルナール一族ですわ」)そこの女の長の依頼で竜天島というところへ向かっておる。ただこの間の女の長の話を聞いて、妙に引っかかるところがあるのじゃ。竜が支配する島……以前に来たような来ていないような……記憶が定かではないが、なんとなく覚えている感じもあるのじゃ。難しい顔をして考えておると、マリーが気になったのかワシのところへ来た。「ねえさま、何か考え事でもしていますの?」「あっ、そうじゃのぅ…… 竜がいる島についてのぅ。 昔もしかしたら来たことがあるかもしれんのじゃが、しっかりと思い出せなくてのぅ」「ねえさまは本当にどうでもいいというか覚えたくないことは覚えませんね。 でも、そんなねえさまだからこそ…… ちょっとでも覚えているのであれば、何かあったのかもしれませんね」マリーは最近あやつに似てきたのか、ちょっとワシに対しても気にしていることを言うようになってきたのぅ。まぁ、マリーに言われても可愛いのでなんとも思わんがのぅ。「まぁ、その時ドラゴンと戦ったとか倒したとかその程度の事じゃろう。 行けばわかるのじゃ。 ……と、ところであやつはどこにおるのじゃ」船の上で周りを見回すが、あやつの姿がどこにも見当たらん。「アグリは、奥の船室で休んでいますわ。 気持ち悪いとか言って」確かに船は荒波を進んでいるので、揺れが激しいのじゃが……その程度で倒れるとは気持ちが弛んどる証拠じゃのぅ。どれ、様子を見てこようかのぅ。「おい、おぬし! 何を休んでおるのじゃ。 もうすぐ島へ着くぞ」「大きな声を出すなよ、ゾルダ…… 頭に響くって」「これぐらいの揺れで倒れるとは、気持ちが入っていない証拠じゃ。 気合でなんとかしろ、気合で」「いや……これだけ揺れていたら……気持ち……悪く……なるよ。 船なんてそう乗らないし……」「ワシじゃって乗らんぞ。 でも平気じゃ」「それは…… お前らはずっと浮遊しているじゃん! 地面についてなければ揺れないだろ」「地面に合わせて飛んでいるのじゃから、揺れてはおるぞ」「自分で動いているだけじゃん。 そんなのズルいよ……」あやつはそう言い残すと、またぐったりとダウンしてしまった。ズル呼ばわりされてものぅ……普段か
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-25
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第77話 ドラゴンロード ~マリーサイド~

竜天島へついたマリーたちは、オムニスがいると言われる島の中心部に向かい歩を進めていきましたわ。竜の巣窟と言われるだけあって、行くところ行くところ、やっぱりドラゴンが出てくる訳ですが……「手始めに、ファイアドラゴンが出てきたぞ。 おぬしとマリーに任せたのじゃから、きちんと倒すんじゃぞ。 まぁ、苦戦するなら苦戦するでワシは全然かまわないんじゃがのぅ」「簡単に言うよ。 このドラゴンだって相当強いんじゃないの?」「まぁ、おぬしなら確かに強い相手かもしれんがのぅ。 マリーなら大丈夫じゃろ」「はい、マリーは問題ないですわ」「ほれみろ。 じゃ、まずおぬしからな」ねえさまはアグリを戦わせようと前へ引っ張り出して、ファイアドラゴンの前に捨て置きましたわ。ちょっと厳しいのではないかしらと思いますが、ねえさまも何か考えがあってのことでしょう。「グルルルル……」ファイアドラゴンが唸り声を上げ、アグリに対してファイアブレスを放ってきましたわ。「危ないですわ」慌ててマリーが助けに入ろうとしたのですが、ねえさまに止められます。アグリも間一髪でファイアブレスを避けていましたわ。「マリー、慌てるでない。 あやつも経験を積まんと強くなっていかんしのぅ。 本当に危なくなるまではあまり手出しなくてもいいのじゃ」「……はい、わかりましたわ」アグリの経験を積ませて強くなっていただかないといけないのは確かです。ねえさまはそこまで考えてらっしゃるのですね。「ゾルダ! 危ないじゃないか! いきなりドラゴンの前に置きやがって」ファイアドラゴンの攻撃を避けたアグリがねえさまに対して文句を言っていますわ。考えがあっての行動だと理解してらっしゃらないようで……「おぬしなら倒せると思ってのぅ。 戦うのが嫌なら、ワシが出ていっても構わんのじゃぞ」「わかったよ。 俺が行けばいいんだろう」アグリは剣を構えて、ファイアドラゴンに立ち向かっていきます。ファイアドラゴンもブレスで応酬をしていますが、アグリはぎこちない動きでそれをかわしていきます。まだおっかなびっくりのような動きですわ。「避けてばっかりでは、ドラゴンは倒せんぞ」さらにねえさまはアグリを嗾けていきます。アグリは文句を言いながらも、避けては攻撃を繰り返していきます。確実に体力を削ってはいるものの
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-26
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第78話 オムニス ~アグリサイド~

道中は本当に苦労して苦労してドラゴンたちを倒してきた。ゾルダは『手強いかもしれんが、おぬしで大丈夫だろう』と言ってあまり手を出してこない。戦闘狂なゾルダとしては珍しい。そこは以前のことで反省したのかな。それならいいけど……それにしても、それにしてもだ。もう少し助けてくれてもいいのに。助けてくれたのはマリーが苦手なうにょうにょしたウォータードラゴンの時だけだ。それもマリーが嫌がって仕方なくというところだった。とにかく死ぬ思いをしてようやく島の奥まで着いたが……そこには悠々自適に横たわっている竜がいた。パッと見てもわかる。この竜は相当な強い。半端ないオーラを感じてしまう。魔法があまり効かないってことだったけど、俺の攻撃も効きそうもない。ゾルダの攻撃も効かなかったらどうしような……ここは寝ている間にこっそりとジェナさんが言うお宝を持って帰るのが得策ではないか。そんな考えを頭に巡らせていたのだが、やる気満々のゾルダが大きな声でその竜を起こそうと声をかけた。「おい、オムニスとやら。 寝ておらずに、ワシと勝負じゃ!」「しーっ! ゾルダ、わざわざ寝てるところ起こさなくても……」「何故じゃ? こやつを倒してさっさとお宝を持って帰らんと、アスビモとやらの情報がもらえん」「いや、倒さなくても、お宝だけ持って帰れば……」「盗むのか? 正々堂々とやりあわんでどうするのじゃ。 そんな姑息な真似を……」「倒すのが目的じゃなくて、お宝を持ってかえるのが目的だからさ……」「ねえさま、アグリ。 何を言い争いしていますの」お互いヒートアップしていることもあり、声が大きくなってくる。その騒がしさに気づいたのか、竜は大きなあくびをする。「グォォォーーーー」腹の底まで響く声だ。そして、俺とゾルダの方に鋭いまなざしを向けた。「ほら、起きちゃったじゃん」「起こしていいのじゃ。 ほれ、ワシと勝負じゃ」そう言いながらゾルダはオムニスに向かっていった。オムニスはその姿を見て、鋭い眼光から穏やかな顔になっていく。「よう、ゾルダか? 久しぶりだな」低音の声が響き渡っていく。竜が喋った?今の声、竜だよな。「なんじゃ、お前。 ワシを知っておるのか?」「知っているも何も、共に強さを認め合った仲ではないか」「はて? そんな相
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-27
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第79話 ドラゴンを倒すはずじゃったのに ~ソフィアサイド~

竜天島という島の奥地に来たワシたちじゃが……そこにいたオムニスとやらは、どうやら以前会っていたようじゃ。うーん……思い出せんのぅ。この場所とか島の風景はなんとなく覚えておるのじゃが……なんとかごまかそうと話をするのじゃが、すべて見透かされておる。ワシと相当会っておるのじゃろぅ。性格も何かも分かっておるという感じじゃのぅ。そうであれば、別に気にすことはないのかもしれん。忘れたものは忘れたのじゃ。思い出そうとしても思い出せんのだし、仕方がないってことじゃ。その様なことを考えておる最中に、あやつはオムニスとやらにここに来た事情を話し始めたのじゃ。「ラヒドに住むメルナール一族のお宝を以前にオムニスさんが持って行ってしまったらしく…… それを返していただけないかということで、ここまで来ました」「ああ、あの街から持ってきたものね。 いっぱいあるから、どのことだろうな」「いっぱいって……」「定期的に襲っているんだ。 だって、ドラゴンが理性のある魔物だと思われるのも厄介だし。 この島にも近づいて欲しくないから、恐ろしい魔物だということも分からせたいし」「はぁ……」「あっ、でも人にはあまり被害が及ばないようにしているよ。 そこは配慮している。 建物とか、殺す気で来ている奴らは別だけど」このオムニスとやらは、何気にいろいろと考えておるのぅ。歯向かう奴らには容赦はしないし、案外ワシと似ているところもあるのぅ。そこに親しみやすさを持っていたのかもしれん。その話にあやつは、若干苦笑いをしておる。「ほれ、おぬし。 あの……メル……ナールじゃったかな、狐耳の女。 あやつが渡したものを、オムニスとやらに見せたらどうじゃ」「あっ、そうだった。 あの、これらしいのですが……」あやつはそういうと、絵が描かれた一枚の紙を取り出した。オムニスとやらは、それを見て、「ああ、あれね。 確かに持ってきた、持ってきた。 たぶん、あそこのどこかにあるよ」後ろにキラキラした物が山積みされている場所を指して、そう言ったのじゃ。オムニスとやらで隠れていて見えていなかったのもあり、それを見てマリーは「あれ、全部あの街から持ってきたものですの?」とビックリしておった。「一部だよ、一部。 さっき、話しただろ。 ゾルダが光るものに封印されたっ
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2025-05-28
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