190. 第六話 オダマキ カオリたちは水戸に帰ってきていた。 最近ではなにかって言うと『グリーン』に寄り道して飲み食いするのが習慣となっていて、今日も例に漏れず麻雀部の少女たちはグリーンに集合する。 「そう言えばメグミさんは今回の大会出てたのかな?」アイスコーヒーを飲みながらカオリが思っていたことをみんなに聞いた。「出場しないって言ってたわよ。忙しいんだって。上の子のお遊戯会とかとも被るって言ってたから」「そりゃ子供優先だわ」「てか子供2人いたんだね。若く見えるけど」仕事を終わったアンも話に混ざってくる。 私たちは仲がいいようでその実、あまりお互いを知らない。語り合うことはいつだって麻雀のことばかりだから。どこに住んでいるとか、家族が何人とか、何歳であるとか、恋人はいるかとか、全然、全くというくらい興味を持たないのだ。そんな事話すより前に語り合いたい大事な麻雀の話で溢れてる。私たちは雀士で、麻雀でのみ繋がっているのだから。特にメグミやアカネやジュンコのことはよく分かっていなかった。知ってることは『麻雀が強い』ってことだけ。それだけは身をもって知っていた。 「さて、カオリ本戦おめでとうの会でもしますかー!」「やめてよ、予選通過しただけなのに!」「じゃー、マナミ予選落ちおつかれ会」「いや、そんなんいらんて! 別にいいわよ現雀聖位だし! 来年は本戦シードだし」「…まっ! とにかくお食事会ね」「私ミートソース食べたい」「じゃあ私はナポリタン」「あっ、アイスコーヒーのおかわりください」 すると『緑一荘』からユウもこっちにやってきた。「私もお腹すいてきたからピザ頼んでいい? みんなでマルガリータ食べようよ」「賛成ー!」 その時ふと、マナミはアイスコーヒーのミルクに目が行った。グリーンに置いてあるのは『スタージャ』のポーションミ
최신 업데이트 : 2025-08-13 더 보기