All Chapters of 現実恋愛 図書館: Chapter 11

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柏崎さんは池谷君にひまわりを貰う

  「なぁ柏崎……」「なぁに?」 振り向いた私の姿に、池谷が少しだけ顔を赤らめスッと視線を外す。 鈍い池谷を強引にデートへと誘った私は、そのデートの最中である。 日常で見ている学校の制服と違い、池谷は黒ジーンズに青いニットのセーターを併せ、ジャケットをその上に羽織るという、いつも通りと言わんばかりの格好。 私は初デートだからと、この時の為に買った薄いピンク色のワンピースを着て、その上にふわっとした印象を与えるようにと白いセーターを着ている。足もとも歩き疲れない様にと悩んでショートブーツ。 自分なりに目一杯おしゃれしてきたつもり。――ちっともこっちを見てくれない……。 私の方へと視線が向きそうになると、無理にフイっと顔を背けてしまう池谷。どこか変なのかなと不安になってしまう。「そろそろ休憩しないか?」「うん……そうだね。そうしよっか!!」 池谷の好みもまだ良く分からない私は、初デート場所として近くにあるショッピングモールへと池谷を連れて来た。 お店を見て回るうちに池谷の好みも聞きだせるし、一石二鳥かな? という考えから選んだのだけれど、私の目論見は直ぐに外れる。「俺……目当てのモノを買う為に来る位で、買ったらすぐ帰るから、あんまり興味ないんだよな。服とかもそうかな」「はぁ!?」 などという会話をお店の立ち並ぶ通路の真中で、池谷に「ぶっちゃけさ」と言われてしまったのだ。 とはいえ、せっかく来たのだからと、池谷を引きずる様にしながら二人で見て回る。私は気になってしまった物があると、そこで結構時間をかけてしまうので、池谷は飽きてしまったのかもしれない。「ちょっとトイレ行ってくるよ」「え? あ、うん……」 モール内のカフェに入り、空いている席に私が荷物を置いた瞬間に、池谷はそう言って私から離れていった。
last updateLast Updated : 2025-06-22
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