「アスティ、エルザ」「え?」「なにかしら?」 僕は二人を呼んで手招きした。二人は何も疑うことなく、僕の方へと駆けてくる。エルザの行動にギョッとしたロベリアさんだったが、ガルバン様に制されて動くことなく、表情だけが心配そうに僕らの方を見ていた。 「僕がテオとマオに巻くみたいに、他のウルフ達にも巻いてあげてくれる?」「え? いいの!?」「大丈夫なのかしら?」 僕の側に来ていたメイドから布を受け取り、二人に一枚ずつ渡す。アスティはワクワクしているのがすぐにわかるけど、エルザはちょっと怯えているようだった。 ――まぁ、相手はウルフだもんね。 エルザの様子を見ながら僕は苦笑いする。 「大丈夫だよ。ね? テオ」「うぉん!!」「ね?」「う~ん。わかったわ。ロイドと一緒に居るのでしたら、こういう事にも慣れないといけないのですよね」 何か真剣に考えている様子のエルザ。 そして僕はまずテオの首に赤い布を巻き、前足の方方へ白い布を巻きつけた。そのままマオにも同じように巻いてあげると、二頭ともに一鳴きしてから列を外れる。 二頭が列を離れると、その後ろにいた2頭がスッと前に出てきて僕達の前にちょこんと座った。 「ほら、巻いてあげて」「うん!!」「……わかったわ」 手に持った赤い布を、首を下げているウルフへと嬉しそうに巻いていくアスティと、本当に襲われないのかびくびくしながら巻いていくエルザ。 「大丈夫だったでしょ?」「楽しいね!!」「……そうね」 アスティは顔を上気させて喜んでいるのに対して、エルザはほっとしている。
Última actualización : 2025-12-25 Leer más