「こ、これは……ここまでとは」「まぁまぁ……」「うらやま……」 僕がもみくちゃにされている時にアルスター家の人達は、僕の方を驚いた表情で見ていた。父さんと母さんそしてフレックは既に僕を助け出すために動物を追い払い始めている。 「アス……ティ、たすけ……て」「はッ!? じゃなかった!! ロイド様大丈夫でしょうか!! 今このアスティが助けに参ります!!」 僕がアスティへ助けを求めると、ようやく我に返ったアスティが僕の方へと駆け寄ってくるけど、父さんと母さんに止められた。 確かに安全を考え、そして何よりアルスター伯爵家のお嬢様に怪我をさせてしまうわけにはいかない。アイザック領内で怪我をさせたとなるといくら婚約者の元にいたからとはいえ、問題視されてもおかしくないのだから。 そういうわけで、僕の救出大作戦はけっこうな時間がかかってしまう事になった。 「はい。今日はなでなでおしまい!!」 めぇ~!! 僕がその場にいた動物たちの、最後の羊の頭をなでなでし終わり、手を離すと羊は満足そうにどこかへと走り去っていった。 「ふぅ~。今日はいつもよりも多かったなぁ~」「ふふふ。お疲れさま」「あ、アスティ」 去って行く羊の後ろ姿を見ていると、僕の横へトコトコと近寄ってきたアスティが声を掛けてくれた。 「いつもこうなの?」「そうなんだよ。だいたいのコ達は僕がなでたりして上げると、満足してくれて戻って行ってくれ
Last Updated : 2025-07-29 Read more