午後7時の駅前広場、人通りが絶えず、車の流れが途切れない。私はコーヒーカップを軽く揺らしながら、満足気に言った。「ここのカフェシャケラート、本当に美味しいわ。香り豊かで、泡がクリーミー……」「ちょっと!私の話聞いてた?!」果南の顔は真っ赤に染まり、怒りに目をギラギラ光らせながら、机の上に手紙の束を机の上にバンっと叩きつけた。私はようやく窓の外を眺めていた視線を引き戻し、カップを置いてにっこりと彼女に向き直った。果南は自慢げな表情で、憐れみと軽蔑を込めて言った。「あんたの旦那が私に書いたラブレターよ。早く見たら?十何年も変わらない愛情って、本当に感動的よね。あんたに一通でも書いてくれたの?」私はできるだけ平静を装ったが、心はまだ少しずつ痛みが走る。果南はさらに得意げになった。「景祐はこれからも私のもの。私が少しでも弱みを見せれば、結局彼は私のもとに走ってくるの。彼はいつだって私に合わせてくれて、我慢もしてくれた。私がゆっくり化粧するのを文句も言わず寮の下で待ってくれた。お腹が痛い時は一晩中寝ずに看病してくれた。機嫌が悪くて泣きつけば、旅行先からすぐに帰ってきて、疲れきった様子でも私のところに来てくれた。毎朝朝食を買ってくれたり、料理や下着の洗濯までしてくれたことだって……あんたも見たでしょ。私は彼を4年もほったらかしにしたけど、あの日の夜、私たちまた寝たの。あんた、愛されていない男にしがみついてて何が楽しいの?早く離婚手続きしなさいよ。何を待ってるの?……人間、そこまで自分を安く売っちゃ終わりだよね」ふと目を上げると、窓の外を忙しそうに歩く何人かが店へ入ってきた。彼らは店内をぐるりと見回し、何かを探しているようだった。そして皮肉たっぷりに言った。「卑怯者ってやっぱりわがままね。彼がそんなにあなたに尽くしてくれたなら、なんであの時不倫したの?愛人になったのに捨てられたから、今度は彼に拾ってもらおうって?あなた恥ってもんがないの!?」「黙れっ!」果南は怒りにまかせて叫び声を上げ、勢いよく立ち上がって私を殴ろうとした。しかし手を伸ばす間もなく、物音に気づいて駆けつけた3人の中年の女性に突き飛ばされ、地面に倒れ込むと、馬乗りになったその女性たちから殴打、蹴り、平手打ちの嵐に遭った。「糸田果南っ、この恥知らず!若さと色
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