あらすじ: 【王宮の玉座前に巨大な和太鼓が運ばれ、試合が始まる。主人公・太一は、貴族の青年との太鼓勝負に挑む。青年の演奏は芸術的な腕前で、太一も必死に食らいつくが、指がほんの一瞬ズレたことで敗北してしまう。しかし、なぜか試合に関係ないオッサンがボム師範によって爆破され、謎の展開で幕を閉じる。】 「次は……ラジオ体操で勝負よ」 姫が高らかに宣言すると、まるで魔法のように、玉座の前に謎のステージが現れる。 黄金の縁取りがされた床には、なぜか巨大なスピーカーがいくつも設置されていた。太一の目が点になる。 「いや、なんでこの流れでラジオ体操!?!?!?」 叫ぶ太一をよそに、審判役のボム師範は深く頷きながら腕を組んだ。 もはや疑問を挟む余地はないというような顔だ。 「極めれば極めるほど、体の芯からリズムを感じられるものだ……」 青年は余裕の笑みを浮かべながら、体操の構えをとった。背筋を伸ばし、ゆったりと足を開く。 その姿はまるで戦場に立つ剣士のように堂々としていた。 そして―― 「ラジオ体操アルティメットリミックス、開始!!!」 突如、スピーカーから謎のおじさんの掛け声が爆音で流れ始める。 「ハ、ハ〜イ、!ホ!ホ!ホ!ホ!!」 その瞬間、会場全体が震えた。ステージの床からビートが伝わり、空間そのものがリズムに乗っているかのようだった。 青年はすぐさまテンポを掴み、流れるように腕を振る。 しかし――太一は全く理解できていない。 「え!?どっち!?オモテ!?ウラ!?!?」 腕を振る方向を誤り、ボム師範がピクリと反応する。 観客席にいるオッサンはひそかに太一を応援していたが、彼も困惑している。 「ミス検知中……」 冷たく響く判定の声。太一の額に汗がにじむ。 「やばいよやばいよ!!」 ぎこちなく動く太一を見て、オッサンはオロオロしている。そんな中、 青年は完璧な動きでウラ拍とオモテ拍を交互にこなし、まるでリズムを制圧しているかのようだった。 突然、スピーカーから謎の歌声が響き渡る。 「ゲロッ!ゲロ!ゲロ〜!!」 「ちょ!!歌付いたぁぁ!?!?」 ラジオ体操なのに、どこからか現れたカエルのボーカルが謎の曲を歌い始める。そのメロディーがラジオ体操のリズムを狂わせる。
Last Updated : 2025-06-09 Read more