太一は目を開けた。 次の瞬間、彼は息をのんだ。 「な……なんだここは……!?」 目の前に広がるのは果てしなく続く縦長の奇妙な世界だった。 奥へ進むことはできる。 しかし、右にも左にも動けない。 まるで、手前から遥か彼方まで真っ直ぐに伸びる一本の巨大な柱の内部に閉じ込められたような感覚だ。 周囲を見回してみても、異様な世界が広がっている。 地面は奇妙な模様が刻まれた硬い岩で覆われ、足元から微かに振動を感じる。 その振動は一定のリズムを刻んでいて、まるでこの世界そのものが生きているかのようだった。 空を仰ぐと、青く澄んだ空にふわりと漂う白い雲がゆっくりと流れていた。 しかし、それ以上に太一の目を引いたのは、 空中に浮かぶ奇妙なブロックだった。 「……なんだ、あれ?」 ブロックは規則的な間隔で浮かんでいる。 表面には見たことのない模様が刻まれ、 金属のように鈍く輝いている。 太一はそのブロックに手を伸ばそうとした。 しかし、その瞬間、彼の足元に異変が起きた。 地面が揺れ、かすかな振動が急激に強くなる。 「えっ……?」 次の瞬間、目の前を分厚い甲羅を背負った巨大なゾウ亀がのっそりと横切っていった。 その四肢は力強く地面を踏みしめ、どっしりとした体躯を揺らしながら進んでいく。 甲羅は硬そうで、岩のような質感を持っていた。 だが、それだけではない。 その背中には小さな光る紋章が刻まれ、時折輝きを放っている。 「なんだこいつ……?」 そのすぐそばでは、丸い形の不思議な菌類生物が跳ねるように歩いていた。 茶色い体に小さな目を持ち、その動きはまるで一定のリズムを刻んでいるかのようだった。 よく見ると、地面に接するたびにわずかに光るエネルギーが漏れ出している。 「歩くキノコ……?」 太一は思わずその生物に視線を奪われた。 しかし、さらに奥へと視線を移したとき、 彼の驚きはピークに達した。 遠くの草むらから、巨大な食虫植物が突き出ていた。 その植物は不気味なほどに大きな口を開き、 赤々と燃え盛る炎を吐き出している。 炎は唸るような音を立てながら地面へと落ち、 その熱気が太一の顔にまで届いた。 「やばい……!」 太一は慌てて後ろへ飛
Terakhir Diperbarui : 2025-06-07 Baca selengkapnya