多額の費用と、幾度となく手間を惜しまずに動いた末――景斗はついに、みのりの最新の写真を入手した。粗末な病院の片隅で、白衣に身を包んだ彼女は、長かった髪を肩までの短さに切りそろえ、清潔で凛とした姿をしていた。その瞳は真っ直ぐで、凛々しかった。景斗は、その写真を食い入るように見つめた。――みのりが去ってからというもの、景斗は毎晩のように彼女の夢を見ていた。しかし夢の終わりはいつも、あの墓地での光景へと戻される。祖母の遺灰が詩織の手から滑り落ち、無残な音を立てて砕け散ったあの日。彼は詩織の隣に立ち、みのりの前から去った。夢の中で振り向いたみのりの瞳――その視線が、何度も景斗を唸らせ、真夜中に目が覚めてしまう。その瞳には、絶望しか映っていなかった。目が覚めるたびに、胸を掻き毟られるような後悔と痛みに苛まれた。――なぜ、あの時気づけなかったのか。もし、あの時、詩織の手を振り払い、みのりを庇ってあげたら。共に砕け散った遺灰を拾い集め、共に祖母を弔っていたら。彼女は、あんなにも決然と背を向けることはなかったのではないか――その仮説が、景斗の胸を締めつけ、狂おしいほどの後悔を呼び起こした。景斗は森川航を憎み、沢木詩織を憎んだ。だが、それ以上に――自分自身を憎んでいた。その自己嫌悪が深くなるほど、彼は森川と詩織への報復を止められなかった。森川家の会社を潰し、家族が職探しをしても、圧力をかけて全て潰した。二人の共通の友人たちでさえ、景斗の執念深さに耐えかね、声をかけてきた。「景斗、森川も詩織に騙されただけだろ?そこまでしなくても――」「十年来の友人だろ?本当に一家を追い詰めるつもりか?」だが、景斗は冷たく吐き捨てた。「騙された?笑わせるな。俺が掴んだ証拠では、あの二人は共謀していた」その瞳は笑っていたが、笑みには皮肉さが漂っていた。「詩織は余命一ヶ月だと嘘をつき、みのりを俺から引き離した。それで今はどうだ?二人ともピンピンしてるじゃないか。この先、何十年も余裕だよ」友人たちがさらに言葉を重ねようとしたが、景斗は手を上げて制した。「みのりを南城に連れてきたとき、はっきり言ったはずだ。みのりがいなければ、俺はあの山中で死んで野犬の餌になっていたんだ」視線が一層
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