「じーちゃん!目ぇ開けろよ!!」 ん?孫よそんなに私を乞うのは幼稚園児くらい以来か? あぁ、川の向こうから死んだばーさんが手を振っている。若い時は美人だったなぁ。そんなことを直接言うのは恥ずかしいが。 その時、声が響いた。「佐藤悟朗さん。109才。ご臨じゅ……」 私の体が変化したのを感じた。死を感じるはずだったのに。「佐藤悟朗さん?!あの……佐藤悟朗さんですよね?」 何を言ってるのか?死にかけてたのに。「えー、色々検査をしますが、かいつまんで言いますと……」 何だ?「見た目は若返っています。内臓なども検査をしたいのでこのまま入院……」 それはいいが、冷静だな。ん?はぁ?私の体が若返った? そういえばまわりの人間が動揺のためか固まってるな。「あー!!じーちゃんが俺みたいになってる」「静かにお願いします。非常にレアなケースなので、表に出さずに処理したいと思っています」 虎太朗……愛を注いだが、私が虎太朗みたいなのは不満なのか。似ているのは嫌なのか……。私ショック。「内密にというのならば、父をどこかの大学に入れて下さい。ニートが家にいるのは不審でしょう?」 息子よ……。大学云々はいいが、私をニートとな。ニートって何だ?「わかりました。では、そのように手配します。悟朗さんはしばらく検査入院となります」
Last Updated : 2025-06-29 Read more